妄想劇場第3弾となります。
前回と同様,表現に納得いかない点が多数存在しますが,
投稿させて頂きます。
今までのに比べ文字数は少なめになっております。
上記に関してご承知おきの程,宜しくお願い致します。
※いくらか矛盾点(見落とし)が見つかっており,
都度修正しております。
ご迷惑をお掛け致します。
「―――お・は・よ。ね・ぼ・す・け・さん」
浅いまどろみの中、不意に鼻に違和感を感じた。
無性に重たい瞼をうっすらと開く。
すると、少し頭を持ち上げれば、
唇が触れてしまいそうな程の距離に見慣れた女の顔があった。
「・・・おい、朝っぱらから何してんだ・・・
怒気を露わに、違和感を引き起こした張本人に問う。
「あら、つれない。別に良いじゃない、起こしてあげたんだから」
寝ている俺に覆いかぶさるように、四つん這いの体制で、
俺の鼻に人差し指を乗せ、そう答える。
「・・・俺は、今日、起こしてくれなんてお前に頼んでない。
それに起きる時は自分で起きれる」
ぶっきらぼうにそう言い放ち、
上半身を起こしつつ、奏の肩を掴み横にどかす。
俺にどけられ、横に寝転がった奏は、「乱暴ね」と呟くと、
身体を起こし、ベッドに腰掛ける形になった。
因みにだが、今日は学校の創立記念日なので休みだ。
「さ、早く顔を洗って。
私のためにコーヒーを淹れてちょうだい」
「あ゛?」
腰掛けていたベッドから立ち上がる奏。
――さっきから喋っているこのクソ生意気な女、
俺の双子の姉『
それ以上でもそれ以下でも無い。
たった数分、俺よりも早く生まれただけ、たったそれだけで、
年上気取りで、俺の事を子供扱いしてくるこいつが昔から大嫌いだった。
わがままで高慢稚気で自信過剰で、妙なとこ冷静沈着で・・・
嫌いなところをあげてったら限が無い。
「ほら、ボーっとしてないで」
「うるせぇ、まだ寝かせろ。
コーヒーくらいテメェで淹れられるだろうが」
起こした上半身を再度ベッドに倒し、タオルケットを頭から被った。
「あらそう?なら私は貴方の横にお邪魔して、
一緒に寝る事にしようかしら・・・」
そんな事お構いなしと、そう言ってのけた奏は、
再度俺のベッドに腰掛け、
そのまま寝ている俺の横に倒れこんだ。
奏の重みでベッドがそちらへ沈むのがわかった。
頭まで被っているタオルケットを、
顔が見える程度に剥ぐ奏。
すると、目を瞑り「おやすみ」と言って静かに呼吸し始めた。
「っ~~~!!!何でそうなるんだよ!?」
上半身を起こし、そのままタオルケットも大雑把に取る。
「あら、寝ないの?偶には一緒に寝ましょ?ふふっ」
眼を瞑りながら、寝転んだ体制で話す奏。
「・・・っだぁー!!!!!わーったよ!!
起きりゃー良いんだろ!?起きりゃーよー!!!」
半ば投げやりに立ち上がる。
「ふふ、素直な弟は好きよ」
「・・・」
――――とにかく
8X―・・・・・・・・
朝から少しイライラしながら、
洗面所で顔を洗い、エプロンを着け、
キッチンに立ち、朝食の準備をする。
片手間で、サイフォンのアルコールランプに火を入れ、
コーヒーの抽出を始める。
簡単なモノを作り、皿に盛り付ける。
今日はトーストと炒り卵。
そこにプチトマトとレタスを添えた。
朝食が出来上がったのを見計らって、
抽出し終えたコーヒーをサーバーに移した。
それらをトレイに乗せ、リビングのテーブルに持っていく。
奏はというと・・・
朝食を作る俺を尻目に、新聞を読んでいた。
8X―・・・・・・・・
「ふぅ・・・」カチャ・・・
奏が朝食を終え、カップをソーサーに置き、一息つく。
俺は自分が使った食器を洗っていた。
今更だが、現在奏と俺は二人暮らしだ。
高校入試合格と同時、一念発起で両親に一人暮らしを申し出た。
結果、二つ返事であっさりと了承してくれたのだが・・・
――――――――――――――――――――――――――――――――
母『それなら奏ちゃんも一緒に住めば良いわね』
『は?待て待て待て。何でそこで奏の名前が出てくんだよ?』
『そうね、私も貴方と同じ高校だもの。その方が色々と助かるわ』
『は~~~~~~~~~~っ!?なんだよそれ!?同じ学校なんて聞いてねぇぞ!?』
『あら?そうだったかしら?
てっきり私がそこに行くのを決めたから、
貴方もそこに行くのだと思っていたのだけれど?』
『んなわけあるか!!』
母『あらあら、やっぱり二人とも仲が良いわね』
『どこをどう見て仲が良いように見えるんだよ!!』
『お母さん的には、全部・・・じゃないかしら?』
『意味わかんねぇよ!!クソがぁぁぁぁぁ~~~~~!!!!』
――――――――――――――――――――――――――――――――
こんな感じで優雅な一人暮らしと楽しい高校生活と言う、
俺のささやかな願いが一瞬にして砕け散った。
そして二人暮らしをする上で、非常に大事なモノ・・・家事。
それはなぜかと言うと、これは
アイドルと言う仕事をしている事に関連する。
例えば分担制にするとしよう。
すると奏が仕事でドラマなどに出た場合、
結局俺が毎日すべての家事を担う事になる。
その為、家事は当番制にした。
こうすれば、奏が仕事で出来なかった場合でも気兼ね無く、
その時に俺が変わった分をやらせることが出来る。
ただし、家事の中で唯一朝飯当番だけはルールが違う
――先に起きた方が作る事――
だが、その
兎にも角にも、事ある毎に俺に作れと命令してくる。
結局今朝もそうなった。
何の為のルールだ!!
「朝は『
俺の心を読み取ったかの様なタイミングでそんな事を呟く奏。
「そうかよ・・・」ジャー・・・カチャカチャ
「あら、褒めてあげてるのよ?もっと素直に喜んだら?」
「うっせぇ。そんな事で喜べるかっ!!」
「御褒美でも欲しいのかしら?」
「くだらねぇ事言ってねぇで、
飲み終わってんだったらさっさとカップをこっちに寄越せよ。
テメェ自分で洗わねーんだから」
椅子に座りながらじっとこっちを見つめてくる。
咄嗟に目を逸らしてしまった。
「・・・なんだよ?」
こんな事に少したじろぐ自分が情けなく思う。
「もう一杯・・・頂こうかしら」
こいつは・・・
「テーブルの上にサーバーが置いてあるだろうがっ!!
自分で勝手に注げよ!!」
身勝手過ぎる物言いに、つい声を荒げてしまう。
「おかわり」
それでも奏は俺から視線を外す事無く言い続ける。
「だからっ「おかわり」・・・ちっ」
結局いっつもこうだ・・・
俺は洗い物の手を止め、キッチンからリビングへ。
テーブルに乗っているサーバーを持ち、
奏の前に置いてあるカップにコーヒーを注ぐ。
「ありがと。私って貴方に淹れてもらわないとコーヒーって飲めないのよ」
そう言って笑顔を俺に向けてくる。
「ウソつけ!」
「えぇ、嘘よ」
小さく「ふふっ」と笑い、
鼻歌混じりにカップに口を付ける。
全くもって腹が立つ。
8X―・・・・・・・・
数時間後・・・
「―――で?なんで俺はこんな所にいるんだ?あ?」
「あら、姉が買い物に行くとき、
暇な弟は荷物持ち、って相場が決まっているものよ?」
一体どこの相場だよそれは。
と、口に出すのも億劫なので言わない。
「なら俺は暇じゃ無いから帰る」
すっと踵を返す。
じゃあ、何故ここまで来たのかと問われると言葉に詰まる・・・
今朝の一連の流れでもそうだったが・・・
結局の所、最終的には
弟が故の悲しい性って奴なのかもしれない。
逆らえない自分が非常に情けないと思うが・・・
「ふーん・・・アイドルである姉を、こんな所に一人残して帰ってしまうのね。
もし私が攫われて、乱暴されて、帰って来なくなっても後悔しないのね?」
俺に聞こえるように、ワザとらしく棒読みで、
チャラ男「ねーねーそこのお姉さん、綺麗だねー今暇してる?」
あーーーー聞こえない聞こえない聞こえない聞こえない―――
「あら、あなたはどなたかしら?」
チャラ「俺、この辺めっちゃ詳しいし遊びいっぱい知ってるからあっち行こうよー。
あれ?キミってもしかしてテレビ出てない?」
うがぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!
再度踵を返し奏の居る方へ戻って行く。
「ほら行くぞ奏!!!」
奏の腕をつかんで引っ張る。
「と、言うわけで、私には連れがいるから残・念。じゃあね」
良くわからんチャラ男に手を振る奏。
くっそ・・・イライラする・・・
8X―・・・・・・・・
「お前なぁっ!!なんでそうすぐわけわかんねぇ男に声かけられて、
普通に受け答えしてんだよっ!!!
あんな事を言うんだったらなぁっ!!
もう少し危機感ってもんを持って行動しろよっ!!ったく・・・」
そう言って奏に背を向ける。
今、俺の顔を無性に見られたくなかった。
「うふふ、そうね」
憤る俺に相反して奏はとても楽しそうにそう言って、
俺の背中にピタリと身体を預けてきた。
「でもね・・・
だって私には・・・心強い
俺と奏は双子だが、身長は俺の方が20㌢ほど高い。
そんな俺の首に腕を回してきた。
「よっ」と声が聞こえたかと思うと、
首に回した奏のその細い腕に、力が入るのが肩から伝わって来た。
そして、俺の肩に顎を乗せたと思うと・・・
――――いつも助かっているわ・・・ありがとう――――
そのまま、耳元で囁いてきた。
「・・・」
言葉を失う。
そして気付いた・・・今、俺の顔は赤くなっている。
顔が熱くなっているのがわかる。
「だー!!気色悪りぃ。とっとと背中から降りろよ!!」
「ふふ、素直じゃないわね。貴方、耳まで真っ赤よ」
「うっせ!!さっさと背中から降りろよ!!」
俺はこいつが嫌いだ。
8X―・・・・・・・・
数日後の放課後
「ねぇ、
「は?知らねぇよ。自分の足で勝手に行け」
前にも言ったが俺と奏は同じ学校に通っている。
しかし俺は歩いて行くのが面倒なので、
ある程度学校の近辺までバイクで行き、そこから歩く。
学校が終わり、契約している駐輪場に行くと、奏が俺のバイクに座り待っていた。
「取り合えず俺のバイクから降りろよ」
「まったく・・・冷たい弟だこと・・・」
奏はバイクから降り、スカートを払う。
「それに残念ながら俺はお前を送って行く事は出来ない」
そう言って、今時珍しくなって来た折りたたみ式の携帯電話を取り出し画面を見せる。
そこにはお袋からのメールが表示されていた。
--------------------------
From:おふくろ
--------------------------
to:俺
--------------------------
申し訳ないんだけど、
学校終わったら今日ウチに来て~。
運んで欲しい物があるの~。
よろしくね~^^
--------------------------
ふふんと自慢げな俺。
「あら、残念。それなら仕方ないわね」
「まっ、そう言うこった」
俺はバイクに跨る。
「じゃーな」
「運転、気を付けてね」
そう言ってヘルメットを俺に手渡す。
いつの間に取ってたんだよ。
「なにシケた面してんだよ、似合わねぇ」
奏の顔を見て何となくそう思った。
そして受け取ったメットで奏の頭を小突きそのまま被る。
「そうね・・・じゃあ家で。今日の晩御飯期待してるわ」
「今日はテメェが当番じゃなかったか?」
「さっきも言ったでしょ?
仕事なのよ?その場合は交代。
で、次の貴方の当番の代わりに私が・・・でしょ?」
「ふん、じゃーな」
右手を軽く振る。
エンジンを掛け、そのまま走り出す。
ミラーに目をやると、小さく手を振っている奏の姿が小さくなるのが見えた。
8X―・・・・・・・・
「じゃあ、これ」
おふくろから頼まれた荷物を預かる。
「しかし・・・やたら重いなこの箱」
「中身気になる?ふふふ、実は奏ちゃんのサイン色紙」
聞いて無いのに、答えを言われる。
「一体何枚入ってんだよ」
「ナ・イ・ショ♡」
おふくろはそう言って、人差し指を自分の唇に当てる。
こう言った仕草を奏は引き継いでいるんだなと思う。
「じゃ、行ってくる」
「気を付けてねー」
預かった箱をバイクに括り付け、再度走り出す。
数分走って信号待ち。
ふとビルのデカいモニターに注意が行く・・・
“月の丘の裏側で 誰も来やしないから
二人きり遊ぼうよ もっと もっと もっと”
“流れ星を捕まえてこの足に縛ってよ
強く 強く もっと もっと もっと”
プァーッ!!!
クラクションの音で現実に引き戻される。
「しまった」
慌ててアクセルを握り、発進する。
くそっ、やっちまった。
あんな事でぼーっとしちまうなんて・・・
「ちっ」
イライラする気持ちを堪えつつ俺は街を走る。
8X―・・・・・・・・
「じゃーなおふくろ」
変な荷物の配達を終え、実家の玄関前。
「もう、お母さんかママって呼んでよ~」
「うるせぇ!!」
「あぁん、冷た~い。じゃあ、奏ちゃんによろしくね。
今日は助かったわ~」
小さく手を振るおふくろ。
「あぁ、またな」
ピロピロピロ!!
「あら?電話?」
おふくろは玄関に置いてある電話の受話器を取りに中に入っていく。
気にせずバイクに跨り鍵を挿す。
メットを被ろうとしたその時・・・
「奏ちゃんですか?ウチには来ていませんよ?」
「ん?」
おふくろの会話が気になり被る手を止める。
「え?奏ちゃんに連絡が付かない?
はい・・・はぁ・・・わかりました。
何かわかりましたら・・・はい・・・では」ピッ・・・
「おい、奏がどうした?」
バイクから降りおふくろに近付く。
「プロデューサーさんからで・・・なんかねぇ、仕事が終わった後、
言い忘れがあったらしくて奏ちゃんに電話したんだけど繋がらなかったらしいの。
その後、何度電話しても繋がらなくってウチにかけて来たみたい」
「ふーん・・・ちょっと俺も
携帯を取出し、奏に電話を掛ける。
ピ・・・
プルルルルルル・・・
「なんだよ、普通に繋がるじゃねぇか。
どうせ繋がり難い喫茶店にでも居たんだろ?」
ガチャッ
「おう、奏。プロデュー「助けて」・・・は?」
小声だったが確かに聞こえた、『助けて』・・・と。
「おい!?どうした!?」
「今、追われてて・・・」
「おいっ!どういう事だ!?ブツ・・・ツーツーツー・・・おいっ奏!!」
クソっ!!いったい何なんだよ!!
「奏ちゃんにつながったの?奏ちゃん大丈夫?」
「知らねぇ!!とにかく俺は奏を探してくる!!
おふくろ、
一応そっち向かってくれ!!」
「わかったわ、頑張ってね」
バイクに跨り走り出す。
俺は宛もなく走り出した訳では無い。
奏の居る場所の大体の検討は付いている・・・、
と、言うよりは、何となくの方に走って居れば奏は勝手に見つかる。
何故か知らないが、昔から奏を見つけるのは得意だった。
かくれんぼする時、迷子になった時。
双子故の以心伝心的なモノなのか、それともただ勘が良いのか・・・
とにかく
しかし今はそんな事どうでも良い。
今重要なのは奏が俺に【助け】を求めたって事だ。
――――――――――――――――――――――――――――――――
『うぇぇ・・・ヒック』
『ねえちゃん、なに泣いてんだ』
『ワタシのお人形さん・・・グスン』
『また、あいつらにやられたのか?』
『・・・コクン』
『ねえちゃん・・・今度あそびに行くときはひとりで行くな。
オレもいっしょに行く』
『・・・』
『ずっとオレがねえちゃんを守ってやるよ!!』
『ずっと・・・?』
『あぁ、ねえちゃんが助けてって言うならずっとだ!!』
『ぜったい?』
『ああ、絶対だ!!』
『じゃあ、やくそく』
『ああ、やくそくだ!!』
そう言って二人は指切りをした。
――――――――――――――――――――――――――――――――
俺は小さい頃に約束をした。
【奏が助けてと言ったら助ける】と・・・
だから俺は今、奏を助けに行く。
例え俺が
「居た!!」
奏は街の中を走っていた。
俺の居る車線とは反対側。
良く見ると男の集団が奏を追い掛けている様だった。
「誰だあいつら?かなでーーーーーーーーっ!!!」
メットを脱ぎ、大声を上げる。
しかし、車が走って居る上に反対車線。
聞こえる筈が無い。
逃げる事に精一杯なのか、前後を気にしながら、
俺からどんどん離れていくのが見える。
「クソッ!!」
俺は交通違反もお構いなしで、その場にバイクを停め、奏を追い掛ける。
「ほんとにどんな状況だよ!!」
『――――もし私が攫われて、乱暴されて、
帰って来なくなっても後悔しないのね?』
以前買い物に行った時、奏の言ったそんな言葉が脳裏を過ぎった。
「そんな事、本当に起こるなんて思いもしねえだろうが!!!
くっそ、危機感無ぇのは俺の方なのかよっ!?」
路地を曲がる奏が見えた。
俺は、別の小道から奏を先回りする。
俺が行く先に奏は居るはずなのだから・・・
8X―・・・・・・・・
「くっそ!!せめーなっ!!」
建物と建物間、最早、道とは到底呼べない隙間から顔を出す。
奏が見えた。
「こっちだ奏!!」
「えっ!?」
走る奏の手を引きその隙間に二人で入る。
奏を壁に寄り掛からせ、混在する室外機やゴミ箱、
段ボールなどで奏と俺を隠すように壁際に身体を近づける。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
奏の息が荒い。
「おい、奏!!なんなんだこの状況!!」
奏からの回答が来る前に、追っていた奴らと思わしき奴らの会話が傍から聞こえてきた。
「奏ちゃんはどっち行った!?」
「まだ遠くに行ってないはずだ」
「探せ!!」 「うおーーーー!!」
ファンの出待ちとかそんなんか?
これだから熱狂的なファンは・・・
「ねぇ・・・」
奏が口を開く。
「なんだ奏・・・?まだ奴らはその辺をウロウロしてる。
声出すな。じっとしてろ」
不意に制服のネクタイを引っ張られた・・・
「うぉっ!?」
「ん・・・」
え!?
一瞬自分に何が起きたのかわからなかった。
現状何が起きているのか
目の前には瞼を閉じた奏の顔・・・
理解が追い付き、とっさに離れようとする・・・が、
「おいっ奏さんはいたか!?」
「いや、こっちには居ない。」
「いったい何処に・・・」
「奏ちゃーーーーーん!!!どこだーーーー!!!!」
くそっ、今離れたら・・・
そう思って居たら、唇が少し離れ・・・
「今は・・・私の事だけを考えて・・・お願い・・・」
潤んだ瞳の奏は、艶っぽくそう小声で告げる。
走っていた所為かそれとも別の何かなのか・・・
奏の顔は紅潮していた。
そしてまた、ゆっくりと唇を重ねてくる。
ああ、くそっ・・・どうしてこいつはこんなにも俺の嫌がる事ばっかりするんだ。
―――――――これ以上・・・
俺は・・・
自分の姉を
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最早何秒何分何十分と経って居るのかわからない位の間、
俺と奏は唇を重ね続けていた。
実際は2分程度・・・
しかし、時が止まっているかの様に感じてしまう程長く感じた。
どうやら奏を追っていた奴らもここら辺からは居なくなったみたいだった。
最早そんな事はどうでも良かった。
さっきまでの事で頭がいっぱいになっていた。
二人、いや、奏は何事もなかったかのように隙間から出る。
「ふぅ・・・」
「おい・・・どう言う事だ・・・」
服の埃を払う奏に質問をする。
手に過剰に力が入り、腕は震えていた。
「仕事が終わった後、喫茶店に立ち「そういう意味じゃねぇっ!!!!」」
「なんでっ!!!俺にっ!!!!
はぐらかすんじゃねぇよ!!!お前はいっつもいっつも俺の事からかいやがって!!
たった数分早く生まれた位で姉貴面してんじゃねぇ!!!
俺の気持ちもなんも知らねぇくせに!!!ふざっけんなっ!!!!」
奏の発言に、腹が立ち癇癪を起こす。
俺は大声で、奏に心のウチをぶちまけた。
自分で何を言っているのか整理すらつかない程に憤慨していた。
奏はそんな俺を見て驚いたかのように目を丸くした後、クスリと笑い・・・
「何を言ってるの?私が貴方の事で知らない事なんてある訳無いじゃない。
私は貴方の姉で、私たちは双子なのよ?」
「・・・」
「考えて居る事なんて
そう言って、また、一瞬だけ、唇を重ねてきた。
・・・・・・え?
「おい奏、お前・・・それっていったいどう言う意mっ!?」
喋っている途中で俺の唇に、奏は人差し指を添えてきた。
「知ってるかしら?秘密の多い女はいい女なのよ?」
奏はそう言って、俺の唇から離れた人差し指に軽く口付けをした。
「さ、帰りましょう。私の
そ・れ・と・も・・・まだ
そう言って妖艶な笑みを浮かべる。
俺は
俺が奏と**するだけの話 ~ Fin ~
最後まで読んで頂き誠にありがとうございました。
投稿にあたり,客観的に自分で読みたい思いもあり,
納得行かない状況でも上げる事に致しました。
では,この辺りで失礼致します。