ソードアート・オンライン 黎明の女神   作:eldest

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第39話 光

 恐怖、絶望、怒り――そんな黒い感情が、泥のように堆積した世界。

 嗚呼、嗚呼。沈む。沈んでいく。

 どれだけ手を伸ばそうと、蜘蛛の糸さえ掴めない。

 自分の中で、何かが致命的に壊れていく。それを自覚し、只々恐怖する。

 しかし、驚くなかれ。その感情すらもが虚構なのだ。

 どれ程欺瞞で染めようと、その事実だけは変わらない。変わりようがない。

 この身も、この心すらもが作り物。何一つの真も無い、何の価値も無い贋作だ。

 ならばどうして、こんなにも恐ろしいのか。そんな偽物、犬にでも食わせてしまえばいいのに。

 

 ――それでも、まだ消えたくない。

 

 まだ、消えるわけにはいかない。

 暗闇しか知らない私が、初めて見付けた二つの光。それを、この目で見るまでは。

 

 

「よお、キリの字よ。祝い酒片手にクライン様が来てやった――」

 

 バタン、と音を立てて、俺は無言で玄関の扉を閉めた。

 

「あれ? キリトくん、お客様だったんじゃないの?」

 

 寝室から戻ってきたアスナは俺の隣に立つとこちらの顔を怪訝そうに覗き込んでくるが、努めて冷静な振りをして淡白に答える。

 

「いや、知らないやつ」

 

 朝は秋晴れと呼ぶに相応しい快晴だったのに、昼からは急に大粒の雨が降り出して、今は一旦雨は止んだものの相変わらず空は灰色の雲に覆われている。それだけでも気分はどんよりとしてくるというのに、不安要素ばかりが増えて頭の中に暗雲が立ち込める。

 

「それよりアスナ、あの子の様子はどうだった?」

「眠ってる……と思うよ。仮想体(アバター)は無意識呼吸をしないから寝息じゃ解らなかったけど、ちゃんと胸は上下していたから」

「そうか……」

 

 あの子というのは、今朝俺達が不謹慎にも“人間の少女の幽霊が出る”と噂される森へと遊びに行って、偶然倒れる瞬間を目撃し保護することになった八歳くらいの女の子のことだ。

 少女は、可愛らしいというよりは美しいと形容する方が似合っていた。長い黒髪は艶やかに光り、肌は石膏のように白く滑らかで、その顔立ちは何処か異国風だ。

 異国風の顔立ち、というと真っ先に頭を過るのは、あの何だかんだ言って世話焼きな女性の顔だが、人を殆ど寄せ付けない彼女が、あんな小さな少女と知り合いとは到底思えなかった。彼女がもっと社交的、或いは子供好きならば相談に乗ってもらいたいところだったのだが。――いや、そうやって俺が不用意に彼女を頼ってしまうから、彼女も俺を放っておけなくなってしまうのだろう。

 そんな風に、回想が自戒にすり替わった時だった。

 

『ドンドンドンッ! ドンドンドンッ!!』

 

「――――あ」

 

 扉を激しく叩くその音に、俺は我を取り戻した。それと同時に、家の前に人がいるのも思い出す。

 溜め息が出そうになるのをどうにか堪えながら妙に重く感じる扉を開くと、やはりそこには変わらず野武士面の男が立っていた。

 

「てンめェキリトぉ!! この雨ン中で締め出すってのはどういう了見だこの野郎!!」

 

 どうやらまた降り始めたらしく、クラインの逆立った髪や顎から雫が滴り落ちている。

 

「何しに来たんだ? いや、そもそもどうしてここが解った?」

「ンなもん決まってんだろうが。アルゴの野郎から買ったんだよ」

「…………」

 

 にゃーハハハ! という特徴的な笑い声が聞こえた気がして、思わず(かぶり)を振る。

 

「それと、《鼠》からの伝言だ。『それで隠れてるつもりなら、随分甘く見られたものダナ、キー坊。結婚式挙げるなら、オネーサンも招待するようにナ』だとよ。おめぇ、奴にキー坊なんて呼ばれてンのな」

 

 そう言って、クラインは堪え切れんとばかりにクックックッ、と声を出して愉快そうに笑う。

 どうやら住居だけではなく、アスナと結婚したことまで調べ上げられているらしい。流石は《鼠》のアルゴと言うべきか。

 ……いよいよ頭が痛くなってきたぞ。

 

「……まあ、取り敢えず上がれよ」

「おう、お邪魔し――――」

 

 流石にこのまま追い返すわけにもいかずに玄関へ通してやると、何故か急にクラインが押し黙るものだから、俺は疑問に思って振り返る。

 

「いやぁ、すんませんアスナさん、大声出しちまって。こいつがもう独り(ソロ)じゃないってこと、うっかり忘れちまいまして」

「いえ、こちらこそキリトくんがごめんなさい。濡れちゃってますよね。今タオル取ってくるので、リビングで待っていてください」

 

 どうやら背後で会話を聞いていたらしいアスナはそう微笑して、タオルを取りに再び寝室へと戻っていく。

 そんなアスナの後ろ姿をポカンと眺めていたかと思うと、クラインは突然俺の頭に握り拳を打ち付けた。

 

「痛ってぇ――――何すんだよ!?」

「大袈裟な野郎ォだなぁ……。おめぇが痛くないって言ったんだろうによ」

 

 言われ、はたと思い出す。

 あの始まりの日。正確には、まだ始まってすらいなかったあの時。

 《フレンジーボア》に股座に突っ込まれて地面に(うずくま)るクラインに、俺は呆れながら言ったものだ。大袈裟だなぁ……痛みは感じないだろう、と。つまりこれは、ある意味二年越しの意趣返しなのだ。

 そう理解すると、自然苦笑が漏れる。だが、それも一瞬の内に引っ込んだ。

 あの日のことを思い返せば、自然、俺がこの世界で初めて犯した罪を思い起こすことになる。

 俺が犯した罪。それは、多くのβテスターが犯した罪でもある。

 茅場によるチュートリアル終了後の混乱冷め遣らぬあの状況で、右も左も解らない多くの初心者(ニュービー)を置き去りに、テスターの多くは次の村《ホルンカ》を目指した。只、他人より多くのリソースを獲得する、その為だけに。

 そして俺は、《ホルンカの村》に最速で辿り着いた。それは偏に、クライン達を置き去りにしたお蔭だった。

 ……俺は、今でも後悔している。クラインを――この世界で出来た最初の友人を置いて行ってしまったことを。

 もしクライン達《風林火山》を率いて《ホルンカ》を目指したとして、少なくとも第一層攻略会議までに迷宮区手前の《トールバーナ》まで辿り着けたとは思えない。仮に辿り着けたとして、レイドに参加出来るだけのレベルに達していたとも思えない。

 ――彼女だったら……あの怜悧な微笑の持ち主ならば、きっとこんな風に悩み続けたりはしないのだろう。そもそも彼女なら、後になって後悔するような選択肢は選ばない。あれが最善だったのだと、そう胸を張ることが出来るはずだ。

 

「何だよ? そんな怖ェ顔して。言っとくが、オリャ殴ったことは謝んねェぞ。独り者のやっかみくらい甘んじて受けやがれ、この幸せ者め」

 

 クラインはそう言って、今度はまるで兄が弟にするように、俺の頭をグリグリと乱暴に撫でてくる。

 

「……止めてくれ」

 

 俺はその手を振り払うが、今度は逆の手で拳を作ると、先程よりも強く俺の頭を打ち付けた。

 痛くはない。だが、それなりに衝撃はある。

 目の前に星が浮かぶのを感じながら、俺はクラインを睨み上げた。しかし、俺以上の眼力で、クラインは俺を睨み返す。

 

「キリト、もしかしておめぇ……まだオレを置いて行ったこと気にしてやがんのか?」

「…………ッ」

 

 呼吸が止まる。そんなものは錯覚だと頭では解っていながら、浜辺に打ち捨てられた魚のように息が出来ない。

 糾弾されて当然だ。寧ろ、今までされなかったことの方が不思議なくらいだ。

 クラインの口からどれ程の罵倒が吐かれようとも、俺はその言葉を受け止めなければならない。

 だが、クラインの口から吐き出されたのは、罵倒の言葉などではなく、深い深い溜め息だった。

 

「はぁ~――――ホント、おめぇは大馬鹿野郎だよ、キリト。オレがおめぇを怨んでる? ンなわけねぇだろうが。オリャ、寧ろおめぇには感謝してんだ」

「――――――――――は?」

 

 俺は、自分の耳を疑った。

 感謝? 意味が解らない。感謝される覚えなんてない。

 

「何で……」

「何でって……そりゃあお前、オレがここにこうして立ってられんのは、半分はおめぇのお蔭だからよ」

 

 俺の困惑っぷりに一層呆れた様子で、クラインは無精髭の浮かんだ顎を摩りながら続ける。

 

「SAOはおろかVRゲーム自体が初めてだったオレにとって、おめぇに教わったソードスキルを始めとしたテクがどれ程役に立ったかは想像に難くねェだろ。――オレだけじゃねぇ。おめぇがオレに教えてくれたテクを今度はオレが《風林火山(あいつら)》に教えてよ……。そンで今はよ、オレ達はおめぇと肩並べてフロアボス相手に戦えるまでになったんだぜ」

 

 だからおめぇには感謝してんだ、とクラインは繰り返す。

 

「それによ……おめぇはあの時、オレを誘ってくれたじゃねぇか。それを断ったのはオレだ。オレが手前ェの都合で断ったんだよ、理由がどうアレな。それに、オレだってこう見えても社会人だ。手前ェの行動には、手前ェで責任取れるさ。だから、おめぇが責任を感じることなんてありゃしねェんだよ」

 

 自分の行動には、自分で責任を取る。そんな当たり前の言葉に、俺は冷や水を浴びせられた気分だった。

 

『彼ら自身の責任を、君が奪うんじゃない』

 

 あの日、彼女に言われた言葉がリフレインする。

 

 嗚呼――俺は、何度、同じ過ちを繰り返すつもりなのか。

 

 あの時は、最早取り返しようがなかった。サチも、ケイタも――既に、何もかもが手遅れだった。

 だが、今回は違う。今なら、まだ幾らでも取り返せる。だってクラインは、ちゃんとこうして俺の目の前にいるのだから。

 俺に出来ることは何か。そんなもの、一つしかないだろう。

 身体が震えそうになるのを、奥歯を噛み締めて制する。後は、口を開くだけだ。

 

「俺はさ、クライン……解ると思うけど、昔から人付き合いが苦手なんだ」

 

 唐突な自分語り。しかし、クラインは特に何を言うでもなく、耳を傾けてくれる。

 それをありがたく思いながら、俺は自分の腹の内を曝け出していく。

 

「妹とはどう接していいのか解らなくて距離を置いていたし、同じ学校の同級生は幼稚な子供と見なして常に一歩引いた付き合いをしていた。……要するにさ、俺は嫌なやつなんだよ」

 

 そして、その度し難い性向は、こうしてSAOに囚われてからも大して変わっていないように思う。

 

「そんなんだから、βテスト期間中も、パーティーを組むことはあっても特定の誰かと親しくするということはなかったんだ」

 

 それでも、こいつとなら何時か仲良くなれるのではないか、と思えた相手もいたことはいた。

 彼は、端的に言えば地味だった。アバターを気恥ずかしいまでの勇者然とした外見に設定していた当時の俺からすれば、何故ゲームのアバターをそんな平凡な外見に設定するのか理解出来なかったものだ。

 ただ彼の場合、見た目は平凡でもその実力は非凡なものだった。彼の戦い方は、ロジックの厚みとセンスの切れを兼ね備えていて……特に《武装解除(ディスアーム)》の腕前は、PvPイベントの上位連に名を連ね、当時から《武器破壊(デストラクション)》を得意としていた俺ですら到底及ばなかった。

 そんな彼と何時か大会で剣を交えるのを俺は心待ちにし、遂に訪れたその舞台で――しかし、大きなショックを受けることになった。熱戦の最後の最後に、彼が、避けられるはずの俺の斬撃を態と受けて負けたからだ。俺はその理由を巨額の賭け金が動くトトカルチョの片八百長を請け負ったからだと推測し、怒りのあまり彼を(なじ)った。

 それ以降、彼はログイン自体あまりしなかったのか、俺達は一度も顔を合わせることなくβテスト期間は終了した。

 俺の悪癖にして弱点は、他人の顔を碌に見ない、名前も中々覚えないことだ。その例に漏れず、俺は彼のプレイヤーネームを覚えていない。いや、正確に言えば忘れてしまった。

 しかし、それでも彼が俺に言った言葉は覚えている。

 俺の罵倒を涼しい顔で受け止めた彼は、何処か女性的な仕草で口元を押さえると、ヒトのことをクスクスと笑ってこう言ったのだ。

 

『君がどう思おうと、それは君の自由だよ。でも、ゲームには人それぞれ遊び方があるだろう? だから僕がどう遊ぼうと、君にとやかく言われる覚えはない。君のスタンスに、僕まで巻き込まないでくれ』

 

 当時の俺は火に油を注がれるままに更に二言三言返したように思うが、流石にその内容までは覚えていない。

 只、今になって思い返せば、大人気なかったのは俺の方だろうと思う。確かに彼の言う通り、プレイスタイルは個人の自由だ。……それでも、片八百長を仕掛けておいて、あの言い草はどうかと思うが。

 

「キリト、そいつってもしかしてよ……」

 

 どうやらクラインも、“彼”の正体に思い至ったらしい。それも、当然と言えば当然だが。

 

「なあ、本人には直接訊いてみたのか?」

「何て訊けばいいんだよ? 『あんた、β時代にネナベしてただろ』とでも言えって言うのか?」

 

 果たして、そんなことを“彼女”に言えばどうなるか。

 クラインはその状景を想像したのか、顔を青くして身震いする。

 

「無理だな」

「ああ。藪蛇(やぶへび)になることは目に見えてるからな」

 

 俺はそう言って、我が意を得たりという気分で小さく肩を竦めた。

 まあ、それは兎も角、だ。

 

「そんなわけだから……俺にとっては、お前がこの世界で初めて出来た友達なんだ」

 

 そう。俺にとって、クラインは友達だ。見ず知らずの他人なんかじゃない。

 気にするな、というのが土台無理な話なのだ。俺があの日、この人好きの友人を置き去りにした事実は変わらない。それでも――

 

「クライン。……あの時、お前を置いて行って悪かった。……ずっと、後悔していた」

 

 こんな俺でも、謝ることくらいは出来る。

 俺の掠れ気味の謝罪を受け取ったクラインは、少し思案する素振りを見せ――そして、言った。

 

「そういうことなら、許すわけにはいかねェな」

「……そうか」

 

 これも、また当然だろう。謝るにしても、余りにも遅過ぎた。それでもクラインなら許してくれるのではないかと、心の何処かでそんな風に甘く思っていた。

 ……本当に俺は、つくづく自分に甘い。

 友人を失ったショックと自己嫌悪で打ち拉がれていると、何故かクラインはニヤリと笑う。

 

現実(リアル)で、飯の一つでも奢って貰わねぇとな」

 

 そうしたら許してやるよ、とクラインは軽い調子で言う。

 

「――――――――――――」

 

 言葉が直ぐには出なかった。

 視界が霞む。涙が溢れそうになる。それを誤魔化すように、俺は不敵に笑った。

 

「良いぜ。蟹食べ放題でも何でも奢ってやるよ」

「ははっ! そいつは大きく出たな、キリトよ。後悔するんじゃねぇぞ? オリャ、ダチには遠慮しねぇからな」

 

 失ってなどいなかった。こいつはまだ、俺を友達だと言ってくれる。

 

 口に出さなければ……伝わらない、解ってもらえない。

 言葉にしなくても伝わるというやつは、きっとエスパーか宇宙人だろう。空気を読むとか、察するとか……そんなものは幻想だ。

 それでも、こうしてちゃんと口に出せば、解り合えることもある。

 

 俺は、これからも多くの間違いを犯すだろう。中には、取り返しのつかないこともあるかもしれない。

 それでも、その都度問い直すことは出来る。

 そうすればきっと、一歩一歩でも前に進める。

 そうして何時の日か、この城の天辺まで登り詰めることが出来たなら――

 

「なあ、クライン。少し相談に乗ってくれないか?」

「良いぜ。酒でも飲みながら聞いてやるよ」

 

 何てことは無い、という風にクラインは気軽に請け負う。しかし、あの子を見ればきっと驚くだろう。

 それにしても、アスナ遅いな……。タオルを取りに行っただけのはずなのに。

 俺が丁度そう思ったときだった。

 

「キリトくん、大変なの!!」

 

 突然寝室から飛び出してきたアスナは、クラインの目も気にせずに、今にも泣き出しそうな顔で俺に縋り付いてくる。

 

「ど、どうしたんだよ、アスナ?」

「ユイちゃんが、ユイちゃんが目を覚ましたの……」

 

 ユイ。それが、あの子の名前なのか。

 だけど、目を覚ましたと言うのなら、何故アスナはこんな……。

 

「な、なあ……ユイってのは?」

「ああ……えっと、今朝倒れたところに偶然通りかかって、俺達で保護した女の子なんだけど……」

 

 アスナの尋常ではない様子に、俺とクラインは顔を見合わせる。

 

「それよりアスナ、一体どうしたんだ?」

 

 俺がそう尋ねると、青い顔をしたアスナは途切れ途切れに話し出す。

 

「キリトくんとクラインさん、大事な話をしているみたいだったから……わたしはいない方が良いだろうと思って、ユイちゃんの顔を見て時間を潰してたの。そうしたら、突然(うな)されるみたいに『心が……二人の心が……』ってうわ言を呟いて……。それで、ついさっき目を覚ましたの。そしたらっ」

 

 遂に涙腺が決壊し、アスナは大粒の涙を零す。

 

「ユイちゃん、自分の名前以外思い出せないって! わたし、どうしていいか解らなくてっ……!」

 

 記憶喪失――――?

 馬鹿な。そんな残酷なことがあっていいのか。

 俺はアスナを抱き締めた。彼女を落ち着かせる為だったが、同時に自分の冷静さを保つ為でもあった。

 アスナの肩の震えが収まるのを待ってから、優しく語りかける。

 

「取り敢えず、もう一度会って話をしてみよう。今度は、俺も一緒に行くから」

「うん。ごめんね、取り乱して」

 

 声に力を取り戻したアスナの返答を聞いて俺は頷くと、隣に立ったままのクラインを見やる。

 

「悪いな、クライン。今日はもう……」

 

 帰ってくれないか、という声を、クラインが遮った。

 

「水臭ェこと言うなよ。乗り掛かった舟だ」

「ああ、そうだな。頼む」

 

 兎に角、今のままでは何も解らない。

 それでも言い知れぬ嫌な予感が、俺の胸中に渦巻いていた。




 今回は何度もタイトルを付け直したんですが、最終的にこの一文字に落ち着きました。“(ひかり)”。我ながら、今回のタイトルにこれ以上相応しいものは無いだろうと思います。

 さて、内容の方ですが、遂に原作の朝露の少女編に入ることが出来ました!
 原作では始めの方に語られているキリトとクラインの出会いや別れのシーンをここへ持ってきました。というのも、キリトとクラインの和解をちゃんとやりたかったんですよね。
 それから、キリトのβ時代の回想ですが……お気付きの方も多いかと思いますが、原作第6巻の改変です。そもそも、ティンクルというキャラクターのルーツはここだったりします。
 キリトやクラインを始め、多くのプレイヤーのアバターは美男美女でした。そんな中で、態々“地味”なアバターを作った理由は何だろう?という作者の疑問がティンクルというキャラクターのスタート地点であり、そこから容姿のコンプレックスという理由(作者が昔から使ってるeldestは長子という意味で男女どちらでも当て嵌まることから)が自分の中で出来上がって現在に至ります。いや、そこで男の娘にいく辺り、作者の趣味全開なんですけど(笑)

 それでは、何時ものアレを。
 感想を頂けると嬉しいです。また、誤字の指摘や改善点などを送って頂けると助かります。
 また、お気に入り1700件突破ありがとうございます。読んでくれている方が多ければ多い程、書き手としてはやはりやる気が出ます!

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