「にゃん。北欧には着いた訳だけど、王都に行ってそれからどうするの? 当初の目的通り、王様に会うの?」
「そうだなぁ、予定としては城に行くつもりだが……」
ロスは黒歌とルキを一瞥する。
「お前らがいるからなぁ」
「一緒に行くっていう選択肢はないの?」
「無いな」
「何でにゃ!」
ロスは大きく溜め息を吐く。
「お前、悪魔だろ? 転生悪魔だとしても悪魔は悪魔だ。バレた後が面倒臭い」
「ロス……実は私を心配して……」
「────だってバレたら悪魔を手引きしたと思われて責任がオレに飛び火するかもしれないだろ?」
「そんなこったろうと思ったにゃっ!」
「で、ルキは普通に魔王だからな。何かの拍子でバレないとも限らない。と、いう訳でお前ら二人は適当にこの辺をぶらついててくれ」
「うんー!」
「ハイハイ分かったにゃ」
「あ、白音(猫)は普通に連れてくから。じゃ、シーユー」
後ろから「ちょっ、まっ、白っ、白音ぇええええええ!!」という叫び声が聞こえるが、きっと気の所為だな。うん。
*
アメリカ合衆国の人知れないとあるところでは、数人の悪魔と一人の人間が対峙していた。
「くっふふふふ、人間如きが悪魔に楯突こうというのかなぁ?」
「かっはははは、何という身の程知らず」
「ひははは、余り笑ってやるな。我々の存在は秘匿されている。となれば必然的に人間共は我々の存在を知る機会すら無いのだ」
「ま、カンケーねーよ。どうせここで俺らに殺されるんだからな」
人間の男は焦る訳でも無く、怯える様子も無く、ただそこに佇んでいた。
「なるほどな。視認するのは初めてだ」
「視認? って事はこの人間、俺達の事知ってたってのか?」
「ん、何を書いている?」
「遺書じゃね?」
「ぎゃははははちげーねぇ!」
「お前達、黙れないのか? 耳障り」
「み、みみみ耳障りだと!」
「人間如きがぁああ!」
人間の男はサラサラと書いていたものを激高している悪魔達に見せた。
『オレ様と、語った者は、焼かれ死ぬ』
瞬間、悪魔達の体が燃え上がった。
「な、なんだこれ!」
「魔力も神器の力も感じなかったぞ!」
「あ、あちぃいいいい!!」
「オレ達何で燃えてんだぁあああ!!」
突然の事に悪魔達はパニックに陥る。
そんな中、人間の男は悪魔達に近付き、そして一人を除き、全員を殴り飛ばした。
「それがオレ様の────『
殴られた者は燃え上がりがさらに酷くなり、数秒もしない内に燃え尽きてしまった。
そして、燃え尽きた跡には何も残らなかった。
『オレ様と、語った者は、焼かれ死ぬ────殴られたらば、灰も残らぬ』
「くそったれ、燃えがイマイチ、駄作だぜ」
人間の男は俳句を書いた紙をグシャと握り潰し、一人残った悪魔を捕らえた。
そしてポケットからケータイを取り出し、上司に連絡をする。
「バショウです。サンプルゲット、しましたぜ」
『そうか、よくやった。それでは尋問の後、研究チームに引き渡して経過を見守ろう』
「(そりゃ尋問じゃなく拷問だろ?)了解です。手筈通りに、迅速に」
*
ある日突然、世界に穴が空いた。
そしてそこからは数多の魔物が現れた。
────千年前、勇者クレアシオンによって封印された魔王ルキメデスが復活した。
と、考えた国王は勇者の子孫達を魔王討伐に向かわせる事にした。
「────で、何でこんな事になったんだっけ?」
オレは確か……城に行って王様に会おうとしたんだよな。
で? 何で王宮戦士になってんだよ……。
「ん? 何をボソボソ言っている「あ゙あ゙?」……んですか?」
「気にしないでください。勇者さんには一切合切関係の無い話ですよ」
「(け、敬語なのにスゴく刺のある言い回しだな……)」
「(け、敬語なのにスゴく刺のある言い回しだな……とか思ってんだろうなぁ。あの顔は)」
ちゃらららーん!
『ニセパンダがあらわれた』
勇者さんは一つ溜め息を吐いて城から支給された剣を構えた。
「なるほど、これがモンスター。よし……」
────ここから始めようか、戦士。
「魔王を倒し、世界に平和をもたらすための勇者曹操と戦士ロスの冒険を!」
曹操登場!
禍の団に入ってるか入ってないのかは今のところ未定。