ハイスクールDxD ドS戦士ロス   作:季節夏季

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「俺も腰刺されてるんだけど」

 前回のあらすじ。

 

「ベトベトするからなにぃーーー!?」

 

 オシマイ。

 それから本編。

 

 

 

「随分おそかったにゃーん?」

「すまん、戻るのに手こずった」

「城に行ってなにしてきたのよ」

「王様に会っ……会おうとしたんだが────何故か王宮戦士になってた」

「はぁ?」

「何言ってるか分かんないか? 安心しろ。オレにも分かんねぇ」

 

 ロスは肩の上で寝ている白音を優しく撫で、一息吐いて言葉を再開する。

 

「何故か勇者のサポートをする事になってなぁ。まぁ、オレ的にはこっちの方も面白そうだからアリっちゃアリだと思うんだが、お前達いるからなぁ、どうしたものか」

 

 ロスはしばらく両腕を組み、「うーん……」と唸り声を上げるがぴこーん! と光った電球のイメージが頭の上に現れた。

 

「よし、黒歌は猫の状態でオレのもう片方の肩に乗ってもらおう。ルキは偶然会ったオレの知り合いって事でなぁなぁな感じで一緒に行動すればいいか」

「うんー!」

「て、適当にゃん……」

「人生なんてそんなもんだ────っとお前ら人間じゃないか。魔族と(転生)悪魔か、すまんすまん」

「なんか言葉に刺を感じるにゃ……!」

「気の所為。てか、あと三ヶ月暇だなぁ」

「暇にゃん」

「暇だねぇ」

「にゃーん」

 

 

 

 そして3ヶ月後……。

 

「退院おめでとうございます」

「まさかアレがトドメで入院するハメになるとは……」

「勇者さんこれ、入院費の請求書です」

「え! こんなに!? 俺金足りないんだけど……」

「安心して下さい。オレ内臓売るルート知ってます!」

「安心出来ねぇよ!!」

 

 曹操の叫び声にロスは首を傾げる。

 

「え? 内臓売るのイヤですか?」

「イヤに決まってんだろ!」

「牛肉業界では普通ですよ」

「俺人間んんんんんんんんん!!」

「人間だけどー? 心はー?」

「心も人間っっっ!!!」

 

 ロスは人身売買のカタログをペラペラめくりながら続ける。

 

「仕方ない……右腕いっちゃいます?」

「いっちゃわねぇよ!? 常識的に考えろよ! 人身売買で生計たてる勇者がいるか!?」

「よっ、パイオニア!」

「そんな先駆者イヤだ!!」

「常識的に考えたら旅立ち早々3ヶ月入院する勇者いませんよ」

「おぉう! ゴメンナサイとしか言えないわ……」

「あれもイヤこれもイヤ、他にお金稼ぐ方法なんてモンスター討伐クエストくらいしかないですよ」

「それー!! それやるー!! そんな英雄……もとい勇者っぽいのあるなら最初に言ってくれよ!」

「すいませんテヘ☆(かなり黒い顔)」

「顔とセリフ合ってねぇ!!」

「ま、討伐クエストもいろいろあるんですよねー。勇者さん向きなのは……」

 

 ロスは討伐クエストのカタログをペラペラめくり……。

 

「ホワイトアンツバスターとか」

「それ白アリ駆除かっこよく言ってるだけだよな? もっと役場じゃなく勇者っぽいのを……」

「じゃあ────」

 

 

 

「────この先にある漆黒の洞窟。そこに最近モンスターが出現して、周辺の村を荒らしてるらしいです。洞窟は深く、モンスターは凶暴らしいですよ」

「おお、そんな状況、勇者としてはほっとけないな! ……村から懸賞金が出るらしいしな(ボソッ)。よし、この先だ! ────ってめっちゃ並んでる!」

 

 漆黒の洞窟の中にまでかなりの行列が出来ていた。

 数時間後、ついに中に入れた。

 

「中もすごい賑やかだな。漆黒の洞窟が明るい……」

「勇者さん勇者さん」

「ん?」

「漆黒饅頭売ってますよ」

「本当に村人は困っているのか?」

「ほうですねぇ(もぐもぐ)」

「ってはや!」

「早く行かないとモンスター倒されちゃいますよ?」

「そうだな……。楽しみだ、漆黒の洞窟に現れるという上級のモンスター『漆黒に眠りし永久竜(エターナルドラゴン)』。ドラゴンを倒すのはいつだって英雄だ……。────んぎゃあああああ!!」

「どうしました? 勇者さん」

「誰かに強く足踏まれた……」

「あ、それオレです」

「オレです……じゃねぇよ! 勇者思ってたのと違う……もうヤダ、もうお家帰……れないんだった……」

「諦めてどうするんですか! 困ってる人を見捨てるとでも! それでも勇者なんですか! 諦めたらそこで試合終了だよ! もっと熱くなれよ!」

「何でこんな時だけ無駄に熱血ぅ!?」

 

 

 

 それからしばらく。

 

 

 

「もうイヤだ……漆黒に眠りし永久竜(エターナルドラゴン)と戦ってる最中と洞窟から出てくる時に誰かの剣が腰に刺さったし……」

「あ、それもオレです」

 

 ロスは血に濡れた短剣をどこからか取り出して言った。

 

「だと思ったよちくしょう! お前短剣なんか持ってなかっただろ!? どうしたんだよそれ!」

「べ、別に、アンタのために買ったんじゃ、無いんだからね!」

「何その唐突なツンデレ! てか俺刺す為に買ったの!? ちくしょう! こんなもの!!」

 

 曹操はブンッとロスから奪った短剣を遠くに投げ捨てた────らローブを被った道ならぬ道を歩いていた幼女? 少女? と思しき歩行者の頭にザクッという音が鳴るほど深々と短剣が突き刺さった。

 

「ぁああああああああああ!!!!?」

 

 ぴろぴろりーん!

『人生経験が50あがった! 勇者のレベルがあがった!』

 

「うわぁああああ!? やっちまった! まだ冒険二日目なのにやっちまったぁああああああああ!」

 

 ロスはトン、と曹操の肩に手を置く。

 

「曹操くん、温かいスープ飲んで、それから一緒に警察行こうか」

「優しくなるなぁー!!」

 

 ロスは「アレ、デジャヴ?」と首を傾げる。

 黒歌(猫)は「にゃんにゃにゃん♪(同類が見つかったにゃん)」と大変喜んだという。

 

「ふぁ……」

「あ、まだ息がある! 誰かぁー!? どなたかぁー!? 回復魔法を使えるお客様はいらっしゃいませんかぁー!? あぁーー! 誰かぁー!? ヘールプミーーー!!」

「はぁ、しょうがないですね……」

 

 ロスはローブの少女の頭に突き刺さっていた短剣を抜いた。

 当然、刺さっていた頭から血がどばぁああああああああ!! と噴き出した。

 

「なにしてんのぉーー!? ────あっ」

 

 ロスはローブの少女の頭に手をかざし、回復魔法をかける。

 

「お前、回復できたのか?」

「まぁ」

「俺も腰刺されてるんだけど」

「知ってます」

 

 

 

 *

 

 

 

「いやー、助かりましたー」

「は、はは、こちらこそ。いやよかったっす……」

「(あ、ロスさん。お話通り通りがかりましたよ、なんか頭に刺さりましたけど)」

「(いや、ルキ、スマン。これは想定外だった。取り敢えず知り合いだったように見せかけて一緒に行動するか)」

「(うんー!)あっ……」

 

 ローブの少女ルキは貧血気味かフラッ……とした。

 

「ちょっと君……あぶないよ……」

 

 曹操は少女を引き止めようとローブを掴んだのだが────ビリッ!!

 ローブが破け、ルキは全裸になった。

 

「!?(曹操)」

「!?(ルキ)」

「……………………………………!!!??」

 

 ガシャーン! と、檻の閉じる音が鳴り響いた。

 勇者曹操────懲役3年。

 

 

 

 

 




一応原作の数年前?
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