ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結)   作:エーブリス

101 / 192
しかしこれは意思なのである。
意思には従うしかないのがマーシレスの役目なのだ。

何も知らされていなかったとはいえ、彼は選んでしまったのだ。
その意思には従うしかない。


本来は違う結果もあっただろう。

 

 

 

 

…体の変異以前に、目が見えていることに驚いた。

もう何年前だろうか、突然光が消えたのは。

 

 

代わりに電子が景色を伝えてくれた。

 

(恐らく強化人間のオプションだろう)莫大な情報が光ファイバーの神経を通して脳味噌に送られ、気が狂うような処理をされた後感覚の様なモノとして風向き、色彩、地形etc…を伝えているようだ。

 

「感覚の様なモノ」というのは…説明しても伝わるとは思っていない。

 

気味が悪いという事だけは知っていて欲しい。

(最も、数年のうちに慣れたが)

 

 

 

自分の容姿の話に戻ろう。

 

まず全体的な体色とか造形が可笑しい、何か着ぐるみを着てるんじゃないかと思う程の変わりっぷりだ。

 

特に、両肩に頭骨を左右に割ったような頭が断面の向き合うように生えていること。

 

そして腕。左手が鎌、右手が棘棍棒の様に変化してしまっている。

棘棍棒の先端がアンカーショットの様にワイヤーを伴って射出される機能まであるようだ。

 

 

そも頭の形も狂ってる。

前後に若干長くなっている。

 

 

 

 

絵に描いたような異形だ。

一体なぜこんなすがたに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ぁ」

 

ああ…ベルカ起きた。

3日は目を覚まさないかと思ったが…でもよかった。

 

なにあれ、彼女の元に近づいた。

しかしソレがあまり良くなかったらしい。

 

 

 

「…ッ」

 

俺から逃げる様に後退ってしまった。

無理もない、あんな目に遭ったのなら…けれど少し変だ。

 

 

 

 

でもコミュニケーションを取れないのではどうしようもないのでそのまま近づいた。

 

 

「…ッ!い、いや…!こないで…!」

 

だが激しく拒絶されてしまった。

まるでお化けに怯える子供のような姿だ…やはりトラウマが…

 

 

…そんなの認められるかよ。

壊れた姿のお前なんて、みたくねえよ!

 

おい!俺だよ!分かるだろ!なあ!

 

 

「GAAA!UAAAAAAA!」

 

 

「やだ…ッ!来ないで!いや!いや!」

 

…何の冗談だよベルカ、笑えねえぞ。

おい…やめろってそういうの、こんな時にその手のドッキリは何もウケねえよ…

 

 

なあ、嘘だって言えよ!

おい!おい!全部演技なんだろ!なあ!

 

よせよ!何も笑えねえよ!というか笑える状況だとおもってんのかよ!なあ!

 

 

…ほら、俺だよ。

こっちに来いって

 

 

「来ないで!やだ!来るな!」

 

 

…伸ばした腕を、足で蹴り返されてしまった。

わかってたよ。

 

 

 

 

 

 

 

言葉すら出ねえよ。

なんか良いセリフがあるってんなら教えてくれよ。

 

 

「いや…こわい…」

 

…どうしろってんだ。

こうなることも覚悟してたハズなのに…なんでうめき声しか出ないんだよ。

 

 

異形の姿で、その場にへ垂れ込んだ

 

 

「UAAAAAAAA…AOOOOOOOOOOOOUUUUUUUUU…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん?

 

そうだ、この方法だ。

人以前に、動物本来の方法があるじゃねえか。

 

「UUU…UNIY…NY…A…NGII」

 

「こないで……こない、で………」

 

 

 

俺は今の低い姿勢のまま、彼女にゆっくりと近づいた。

できるだけ、彼女よりも腰を低く警戒されるような仕草を見せない…そう、気ままな猫のように。

 

というかこの方法、猫と仲良くなるためのヤツじゃねえか。

 

 

「え…え?」

 

困惑しているようだ。

 

当たり前だ、こんな東〇宝とかのアニメや映画から抜け出したような怪物がこんな事してるなんて。

…ゴジラが『シェー』をやってるシーン並みの衝撃だっての。

 

「…もしか、して…おそわないの?」

 

…一応分かってくれたようだ。

よし!このまま…

 

 

 

と、考えた所で思わぬ事態に見舞われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こけた。

 

「UGI…!」

 

「ひっ…!」

 

割と無理な姿勢を続けていたの限界が来たようだ。

今の衝撃で驚かせてしまっただろうか。

 

 

 

 

「だ………だいじょ、うぶ?、けがない?」

 

 

 

…八ッ!ふ、不覚にも涙が。

 

 

 

ほんと…失って、失いかけてやっと気が付いた。

俺はずっと、恵まれてたんだ。

 

なのに俺は…なんてことを…!

 

 

「aaaaaa…aaaaァァァ…」

 

「ないてる…の?いたいの?」

 

…痛ぇ、痛ぇよ心が。

 

 

「………おいで、大丈夫だよ」

 

くそお…結局こうだよ。

俺はずっと、彼女に救われてばっかり…何もアイツを癒してやれてねえじゃねえか。

 

 

 

 

なんでこんな、ガキのままなのかな?おれ……

 

「AUUUUUUUU……」

 

 

今はただ、壊れてもなお俺を受け入れてくれるベルカに甘えることしか考えられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ■  ■  ■

 

「…ハァ、危なかった。

ソウル壁張ってなかったら死んでたわね、アレ……」

 




次回、大虐殺開始。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。