ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結) 作:エーブリス
「くッ!!いくら白竜の手が加えられているとは言え、人の造ったモノがこれほど厄介とは…ッ!!!」
「何を言いましょうか、ハベル殿!人が生み出すものほど…ッ!!恐ろしいモノはありませんよッ!」
「そうか…かのアルトリウスも…ッ!人の祖にやられたのだった、な…ッ!!」
瞬間!マザーウィルより飛び立つ何かが、青い空に黒い閃を描く!
兵士達は困惑する中、ハベルとオーンスタインは感じた!
アレは竜だ!多少の違いはあるが、我らがかつて死闘を繰り広げた竜の気配だ!
しかしそれは竜の体格にあらず、ただの黒い玉。
だが、竜は魂を蓄え尚、腹は満たさず。
(※色とか形で呼ぶとややこしくなるのでMS,MAの名前またはガンダム用語で呼ぶことにします)
宿主サクラの危機に現れた5人の白霊。
彼らは今すぐに使命を果たさんと武器を抜――――――
『ちょっと待て!ザク!ザクだ!グフもいる!』
『何ィ!グフじゃと!?ケンプファー!ケンプファーはおらぬかァ!』
――――――抜く前になんかはしゃぎだした。
『お前ら…
元ハベル、何か言ってや――――――』
『ビギナ・ギナ…ビギナ・ギナは何処だ?』
『勘弁してくれ。ついていけそうにない…』
『ザンネックは…』
「随分とはしゃいでいるわね。彼ら」
「アレ援軍なんですよねー?サクラ様ー」
「はい…そのハズですが…」
「なんか見覚えがあるぞ…特にあの、フードと甲冑の男…」
モビルスーツ擬きにはしゃぐ白霊に苦笑いするエリーゼとサクラそしてその臣下達。
まあ、無理もないだろう…多分。
そこに奥から更なる白霊が姿を現す。
『わりイ!整形外科支店通ってたら遅れた!』
『おう!クソステは直してきたか!』
『ああ…80に抑えたよ。他のバランスも十分だ』
『まぁだ極端すぎる気もするが、まあいい。
どうだ、見た感じどんなのがいた?』
『ザクやグフ…はともかく、ドムやゲルググといった奴らも多数いる。
ジオン系はほとんどいると思っていい…量産型ビグザムも居た』
『量産型…これまた中途半端な』
『ああ、後ルナタンクもいるわ…近くに』
『は?何処に?』
『すぐそこ』
指差す先には、カタリナ白霊の姿が…
まあ、見えなくもない。モノアイ付ければ完璧だ。
『テメエえええ!!!だぁれが球根じゃああああ!!!』
『そうは言ってない!』
『ダマレ!テメエ植物学とAMBACを一から学びなおせええええ!!!』
『じゃれ合うのもそこまでだ、敵は黙って見てはくれないようだ』
『チッ!わいァまだケンプファーを諦めた訳ではねぇど!』
『しつこい!ザンネックだけ探してろ!』
敵の接近を察知し、上級騎士は赤柄のハルバードでザク、ドム計4機を押し返し、純魔はファランの速剣で一体ずつ丁寧に切り裂いた。
南方向50m先よりジャムル・フィン3機が低空でジェットストリームアタックを仕掛けてきたが、これは鋼鉄改めファ―ナム白霊が先頭を踏み台に結晶槍を避けつつ二番手へ竜断の斧を投げつけ頭を割り、最後尾はルーラーソードで串刺しにした。
先頭が仇討ちせんとUターンしたところでツバキの薙刀がジェネレータを瞬く間に貫いた。
『いい腕だ』
「そちらこそー」
『2時の方向からシュツルム・ガルス接近!誰か迎撃してくれ!』
『任せな!拳にゃ拳よ!』
「あの機械人形の名前を知ってるの?」
『まあ、な。私は奴らほど詳しくはないがね
君らは傀儡の名を覚えるよりやる事があるのだろ?』
「ええそうよ!サクラ様を何としてもお守りするわ、臣下以前に親友としても!」
『良い志だな…と、感傷に浸ってはまた不意を突かれるな』
――――――そんな事では奴らに何を言われるか…
と、ファ―ナム白霊は心で呟いた。
彼は迫るドワッジのモノアイを盾の正拳突きで破壊し、斧で全身を両断する。
その間に背後より襲い来るドム・トローペン3機はカザハナが応戦し、鍔迫り合いの後それぞれ両腕・首・左足を断ち斬った。
多大な戦果を挙げた彼女にはしかし、思わぬアクシデントが待ちわびていた。
「え?刀が軽い…
って、嘘!?折れてる…というより途中まで溶けてる!?」
ドム・トローペンが鍔迫り合いに使ったのはヒートサーベル、白熱で敵機を両断する為の武器だ。無論、耐熱処理の施されていない通常の刀では例え切れ味が良くとも…いいや、今回は切れ味の良さがいい方向に出てくれた。
強度の欠けた状態でもしっかりドムの厚い装甲を断てたのだから。
「一番のお気に入りじゃなくって良かった…」
『大丈夫か?刀ならいくつか常備しているが…』
「いいえ、心配ないわ。まだ持ってるから!」
『ならば助けは要らないな…ッ!!」
「ええ…ッ!!余計なお世話、よ!!」
二人は互いに何機かのザクを潰し、別々の道を駆けた。
◆ ◆ ◆
一方、赤と赤の一騎打ちは更なるヒートアップを見せていた!
当たれば損傷はおろかシステムダウンをも引き起こしかねないリョウマ怒りの雷撃を、赤いザク…シャアザクは模倣元のように「当たらなければどうという事は無い」と言わんばかりのステップで空いた間合いを詰める。
近接の間合いに入ってからは、最初の様にヒートホークと雷神刀の剣戟が幕を開けた。
しかし長く戦い続けたこのタイミングで人間と機械の違いが顕著に出る。
リョウマに疲れが見え、少しづつヒートホークの刃が近くなる。
例え怪物の様な男でも敵までもが怪物ならば消耗は人並にくるはずだ…。
迫る、迫る、赤い彗星が迫る。
しかし赤はそれだけではない…いや、今は赤くないが。
『排除…ッ!!』
嘗て…ある時間軸で赤い熾天使が如くの動きで、鴉頭に深手を負わせた理力(元)闇霊が赤い彗星に斬りかかる!
赤い彗星にミスターブシドー、加えてナインボール…誰が考えたこんな邂逅。
「お前…!」
『サシに横槍を入れるようで申し訳ないがこれが仕事だ。
それに敵はコイツだけでは…ないッ!』
理力白霊は背後に向けてソウルの太矢を撃つ。
そこに居たのは灰色の機体。
白の機体――――――もとい、灰色のゲルググは太矢を盾で防ぎビームライフルならぬソウルライフルを再度構えた。
その背後からゲルググをカバーするように大量のドラム缶…オッゴと、白いザク。
「何ッ、援軍か!」
『そのようだ…オッゴとはな。
ならばあのゲルググは確か――――――ああ、カスペン機か…また厄介な』
「相手が何であろうと、我らは戦い抜くまでだ!」
『それもそうか。
引き続き赤い彗星を頼む…カスペンその他諸々は私が引き受ける!』
「心得た!行くぞ!!!」
◆ ◆ ◆
シュツルム・ガルスは頭をセスタスの正拳突きで潰され爆発四散した。
だが、勝者のタマネギも無傷ではない。
『くそ…オレより装甲厚かったら死んでたかも…』
「おい、そこのタマネギ…どうやら助太刀は不要だな」
『ああ?なーんかガラの悪いニンジャが来やがった。
前の赤緑はもっと性格良かったんだけどなぁ…』
「チッ…コイツもあのカラスと同類か。面妖な」
『なッ!ジョニーライデンだと!何処だ!深紅の稲妻何処だ!』
「赤い機械人形の事ならばリョウマ様が相手しておられる。
…無事なのなら置いていくぞ」
『おお、是非そうして………
くれは敵さん、させねえ見てえだぜ』
「…囲まれたか」
偶々通りかかったサイゾウと、タマネギの周りには数機のマラサイにギラ・ズール。
互いに個々は決して強くないが、数が厄介な量産機だ。
『ああ…分かるか?なめられてるぜ、オレら』
「ふん。アレが雑兵だとくらい、俺ほどとなればすぐに分かる…ッ!」
『つって、くたばるなよ…ッ!!』
二人が敵陣の中心に飛び込んだ後、二か所の大爆発が観測された。
片や得意の忍術…片や呪術同士の接触事故、というかメイオウ攻撃。
タマネギはその爆発でもう一段踏み込み、一機の不幸なマラサイへ狼騎士の大剣を串刺す。
田楽マラサイと化した大剣を丸ごと投げ捨て、さらなるメイオウ攻撃。
そしてまたメイオウ攻撃。
メイオウ攻撃。
メイオウ。
メイ(ry
いい加減にしてくれ、透魔王国の居住区がどんどん減っていく。
一応全て終わったら国として再建するのだから、カムイの苦労を増やさないでくれ、タマネギ。
何時しかマラサイ、ギラ・ズールの包囲網を突破し、オッゴとゲルググカスペン機の背後を取ったタマネギ…でも爆発。
モーンブッパマンと何ら変わりはない。
魔術奇跡呪術の乱発は基本なのだ。
『あの呪術…タマネギめ、相変わらずなんて使い方を』
FP管理に余念のない理力白には胃を痛める要因であったようだ。
『おうイカレ野郎!元気か?』
『まあ、おかげさまで…
オッゴとカスペン機はともかく、あの白いザクをどうにかしてくれ』
『白ザク?…ああアレか。
遠すぎてよく分からねえな、白い…心当たり多すぎてかえって混乱する』
『どちらにしろ厄介だ、引き受けろ』
『ったく、
タマネギはもう一度駆けた。
道中のオッゴ、背後を追うマラサイやギラ・ズールは相手でない。
飛び交うソウルの矢と槍に当たるなど論外だ。
タマネギは敵の弾幕の薄さを心の中で指摘した。
◆ ◆ ◆ ◆
『ズザぁ!ズザは何処じゃああああッ!!』
標的をケンプファーからズザに変える上級騎士白。
道行くMS擬きをハルバードでなぎ倒し、多少のダメージならば気にも留めない。
ジャイアントバズを撃つドムをファランの大剣を投擲してジェネレータをぶち抜く。
『お前!お前ズザだな!ズザなんだな!いいや、きさんはズゴックEじゃ!引き千切ってくれようぞ!』
偶々すれ違ったアッガイのモノアイレールに、ハルバードのピックをねじ込み栓抜きの要領で頭を上下に割った。
『おい、ダギ・イルスは見つけたか?』
元ハベル白が黒騎士グレイブでアッグの両腕を断ち切り、雷の杭でとどめを刺しながら上級騎士白に声をかける。
『阿呆。そがいなマイナー機ば探すだけ無駄ぞ』
『言ってくれるな…ケンプファーはともかく、ズザはどれだけの人が知っている?ああ?』
『UCで出てたじゃろうが!』
双方はついに面と向き合って口喧嘩を開始し、敵機の撃破などついで扱いされた。
「お二人さん、口喧嘩は終わった後にしてくれんか?」
喧嘩の制止に入ったのは偶然通りかかったモズメだった。
その際ジュアッグを鴉羽で反撃の隙を与えずめった刺しにした。
二人は一度睨み合い戦闘に戻った。
突如、水面から飛沫が上がり細長い何かが飛び出した。
『な、何じゃありゃあ!』
『あの宇宙竜みたいな尻尾、ドッゴーラか!』
飛び出したのは元ハベル白の言う通りドッゴーラだった。
ドッゴーラは3人を目視すると、直ちにビーム砲とテールビームガンをやたらに撃った。
「なんだか龍神さまみたいな絡繰もおるんやな」
『あんな滑稽な龍神さまなぞ、おってたまるか!』
『アイツは損傷個所をパージしてダメージコントロールをする。頭を狙わないと厄介だ』
結晶槍の雨の中、どうにか少しづつ近づけている三人。
しかしドッゴーラは飛行兵でしか届かない浮島と浮島の間…空中を浮遊していた。
『おい!下がれ!中距離以降は貴様ら役立たずだ!』
『何を!』
上級騎士白の文句を聞く間もなく元ハベルは聖鈴を引き出し、太陽の光の槍を投げた。
しかし狙いの頭から胴体には命中せず、長い尻尾に吸い込まれてしまった。
ショートした尻尾をパージし、奈落の底へ放り落とされた。
弾幕の中、ほとんど前へ進めぬ者達を見てあざ笑うかのように、ドッゴーラは空中という安全地帯から3人を見下ろしていた。
しかしその優位に天罰を下すが如く、結晶槍がドッゴーラの胴体を穿った。
『な…!?』
「なんや!?絡繰同士が仲間割れしたんか?」
真実はすぐに判明した。
背後にバズーカを抱えた白いザクがいた…その斜め手前には、回避行動を行ったのか地を転がるタマネギ。
なるほど、流れ弾か。
『チャンスだ…落ちろカトンボ!』
すかさず太陽の槍を投げる元ハベル。
しかし距離があまりにも遠く、中々狙い通りに飛ばない。
『ロック外だ、小癪な』
『ええい!こうなりゃ死なば諸共ぞ!黄泉への先陣ぞ!』
「白騎士さん!ちょっと待ち…行ってもうた」
血の気の多い上級騎士白は蛮勇にも飛び出した。
しかし今、彼が飛び出したのは戦闘狂気質によるものではない。
彼は見ていた、このチャンスを。
崖から飛び出すと同時に空へ腕を突きだし、何かをそうさせるような手の仕草を見せた。
…その手を、一つの白い影が掴む。
それは天馬に乗る戦王女、ヒノカだった。
上級騎士白は彼女の接近をいち早く察知し、イチかバチかの賭けですっ飛んだのだ。
もしかすると彼女は彼に気が付かない可能性もあった。
下手したら掴み損ねるか、最悪の場合何もしない可能氏だって、彼は考えられたはずだ。
しかし…
「奴の上を取った!下りるなら今しかないぞ白騎士!」
『おう!』
ヒノカの天馬から飛び降り、しばしの間スカイダイビングに興じる上級騎士白。
そして…ついにドッゴーラの背中に取り付いた!
慌てて振り払おうとするドッゴーラ。
それに負けじとしがみつく。
暴れても仕方ないと判断したドッゴーラは、自滅覚悟で彼にテールビームガンを向ける。
…が、その直後突然の雷の直撃で尻尾の先端が先数mを巻き込み爆発した。
『チッ、やっと有効打か』
一番取り回しの良い武器を失ったドッゴーラは、ミサイルやビーム砲で抵抗した。
しかしソレらは、只々パージの出来ない胴体部分を破壊していくだけで上級騎士に当たる事はなかった。
『こんのッ…!えェころ加減にせェ!!木偶の棒!!』
遂に頭までたどり着いた彼は、ファランの大剣…の、付属の短刀をドッゴーラの(本来は操縦室のある)頭部に突き立てた。
ドッゴーラが光を発し、爆発の予兆を見せる。
爆発に巻き込まれる前に上級騎士は地上へと跳び、見事着地した。
『一件落着…ッ!!』
『ふん。貴様らしくもない作戦だったな…まさかあの天馬武者を信頼していた訳でもあるまい』
『そんなこっあるわけなか。「わいならやれる思った」、それだけぞ』
『訂正しよう。貴様らしい』
しかし敵はまだ溢れるほどいる。
そして強大な影も戦場へゆっくりと近づく…
Cに続く。
宇宙世紀以外のモビルスーツ、モビルアーマーは無理でした。
あと一話に詰め込み切れなかった。使いたいネタもまだたくさんあるぞ。
…それとさ、普段温厚に見える人が突然辛辣な言葉を使ったら怖くね?
俺はついさっき、それを体験した。