ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結) 作:エーブリス
Cルートがハッピーエンドに向かう可能性:完全消滅。
気がつけば、辺りは丸焦げだった。
滅びたとはいえ、そこそこ美しかった面影なんて綺麗になくなっている。
…俺は…俺とベルカはあの地獄をたった二人で生き残っちまったようだ。
焼かれた草木や土から上る煙が口や鼻に入り、やがて肺に到達する。
むせる…あまり長居できる場所じゃあない。
「もう…行こうか」
ベルカの声をかけて、その場から立ち去った。
向かう場所なんて、ない。
何処だっていいんだ…皆死んじまった。
もう戦う理由なんてない…彼女と静かに暮らせればいい。
ハイドラも、シースも、ギムレーも…俺の邪魔をしなければ何をしたって構わない…勝手に世界でもなんでも滅ぼしてろ、トカゲ共。
態々一般人に構わんでくれ。
もういいよ、死の運命でも何でも…よく考えれば、人がいつか死ぬなんて当たり前じゃないか。
元々人は不死なんかじゃない。
この世界には不死の呪いなんてない…いつか老衰して死ぬんだ、皆。
そして誰も居なくなるのさ。
そうだよ…なぁにが運命だ、そういう自然の仕組みだろう。
賢者の爺さんもボケてきてるな。
それとも年寄りの余興で…もういいや、考えることも面倒。
歩く先に、人影が見える。
…何度も言うが、どうでもいい。
こんな時に目の前に現れる野郎なんざ奴しかいないが…別に、邪魔しなければいいんだ。
「…」
「何もかも終わったって顔だな…だが縋りつけるモノがまだある」
「…邪魔するなら殺すぞ」
「まさか…。
もう邪魔するまでもねえよ、いつか思い知る」
「…知らなければいい。
そんな物、見なければ何も無いのと同じだ」
「どうだか…」
そう言って奴もどこかに消えてしまった。
全く分からん奴だ。
だが、これで邪魔者は居ない。
居ない…後は有象無象の雑魚モブだけだ…
そうだ…ザコだけ…ザコしかいない…
うん、絶対だ…目の前で死にかけているあのトールギス擬きもワンパンで倒せるって…問題は何もない。
そうだ…奴が今、超高速で突っ込んできてるが、ありゃ死に急いでるんだ。
とっくに俺はグレートソードを構えてる…射程内に入ればすぐに叩き伏せられる…やれる、殺れるんだ!俺は…!
さっきから剣を握る手が震える…だが誤作動なんて起こさない!
大丈夫だこんな震えただの武者震いだって普通だって…。
(もう…考えない)
一切の邪念を打ち払い、今は無神経の最低野郎として剣を振り下ろすだけだ。
だから、俺は振り下ろせたんだ…トラウマの塊を。
一生分の後悔だ…。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
――――――――アーカイブが解放されました。
【殺し尽くした果てに】
可笑しいな、何でセレンは応答しないんだ?
そして、なんでコックピットがこんなに凹んでる?
痛い…痛い。
凹んだ壁で、左脚が潰されたみたいだ…痛い。
何が起きたって言うんだ。
それよりも応えてくれよセレン…痛くて死にそうなんだ。
なんでだよ…おい。
あぁ…血だ…誰の、いや、俺以外にないかぁ…
…嘘だろ。
…なんで、俺が殺してんだよ、セレンを。
それに…俺が、クレイドルを…何の間違いだ。
覚えてる…彼女のネクスト【シリエジオ】が落ちていくその瞬間を。
まだ手を差し伸べて拾い上げれたハズだ…なのに、俺はなんで黙ってみていたんだ…
いいや違う!俺は殺してない!
違う、殺してなんかない!
違う!俺は殺してなんか!
ああそうだ、俺は殺してない
次回、Cルート最終回。