ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結)   作:エーブリス

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前回は…なんか忘れてください。



暗い血の色で

 

「もう何度も飛び降りるが…階段があった形跡すらないのがなぁ…」

 

 

次々と崖の下へ降りる者達。

傍から見ればレミングの大量自殺と同じように映るのだろう。

自分自身もそんな一団の一人だと思うと、何か良からぬ信仰をする人間のように見られているようでため息が出る。

 

 

毎度毎度、なんてアクセスの酷い王国だと感じる。

嘗て交流があった両国の王族もこうやって飛び降りたのだと思うと何か微妙な気持ちになってしまう。

 

当時のこの透魔王国の認知度は知らないが、何も知らぬ民たちは「王族の集団自殺!?」だとか風の便りで広めていたのだろうか…?

まあ、アレか…鴉頭と同じ都市伝説ってヤツか。

 

 

「待てよ?言う程頻繫に飛び降りたか?

そもそもコレを飛び降りた事はあったか…?」

 

――――――そう言えばだな。何か可笑しな発言をしていた。

よく考えれば、俺は今日初めて透魔に行くのだ。

前から物忘れがひどかったが…コレはボケの領域ではないかと、流石に頭を抱えて落ち込んでしまう。

 

 

想像以上に劣化が激しいようだ。

人工物が大半を占める俺の身体…限界も人一倍早いようだ。

 

(強化人間にはアンチエイジングの効果もあるって話だったが…)

 

どうやら粗悪品を掴まされたようだ。

ダメだね、三流企業に頼っちゃ。

 

 

「マーシレス、皆行ったよ?」

 

「もしかしてビビってるのかい、鴉の兄さん?え?」

 

クリムゾンがやや喧嘩腰に呼び掛けた。

多少の殺意も混じっている様にも感じる…無理もないな、俺は反乱軍を殺し過ぎた。

 

おそらく暗夜本国以上に俺が憎いだろうな…

そんな訳で(出会って間もないが)コイツとはそんなに仲が良くない。

 

 

「…まさか、な。

お前は良いな、“足”のおかげで落下死なんてしないもんな」

 

「お互い様さ、人外最低野郎」

 

彼女はそう吐き捨て、カムイの元に寄った。

 

 

「最低、ね」

 

似合っているじゃないか。

 

左腕の再生がサクラのおかげで早まった。

だが肩が血の色だ。

 

 

「(本家は右だったが、だからと言ってな)

傷増やすわけにもいかんわな…」

 

いつの間にか前の二人が飛び降りている。

さて、急ぐか。

 

 

「父さん、行くよ」

 

「スミカ…お前まだ行ってなかったんか」

 

「流石に怪しくってね…崖の下に何かあるなんて」

 

「見てみなきゃ分からん…お前はまだそこんとこ探求した方が良い歳なんじゃないのか?」

 

「て言って、父さんはそうしたことある?」

 

「あるさ(ゲーム内)」

 

 

行こか。

 

 

  ■  ■  ■  ■

 

二人が飛び降りて約10秒後、俺らも飛び下りた。

…最初に散々言ったが、悪くない感覚だ。

 

 

で、問題は…アレだな。

 

(ハイドラ…!)

 

「父さん…!」

 

「分かってる…静かにしろ、気付かれる」

 

 

落ちていく中で、大型のクロスボウでハイドラを狙う。

弾頭は爆裂ボルト…細い爪楊枝を刺すよりは効果ありそうだ。

 

「本当はジャイアントバズが欲しいがな………!」

 

 

憶測で狙いが定まったところでボルトを打ち出す。

着弾予測地点より大きくずれたがハイドラ自体には直撃した。

 

「流石に殺しぁできねえか…」

 

紅白の円盾と滾る混沌を背後に投げ、爆発で生まれた推進力でハイドラに最接近した。

 

 

 

しかし向こうも魔弾の矛先をこちらに向ける…いや、俺に向けている様でアレは背後のスミカを狙っていた。

 

今、俺が脚で奴の腕を蹴れば思いっ切り射線を逸らすことが出来る。

…だが今度はクリムゾンに向く、そうなれば死ぬのはアッチだ。

 

中途半端な力加減では魔弾は追尾する…。

 

 

スミカか、クリムゾンか、…どちらかを選ばなければならなくなった。

いや、普通にスミカを助ければいいが…ここで俺が蹴ればある意味俺が殺した事になるだろう。

 

そうなれば軍の空気が原作以上に悪化するのは確実だ。

間違いなくカムイが目撃者となる…アイツが気分悪いだけでも全体の士気が低下する。

 

 

だからって、スミカを見殺しには…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出来ないし、仕方ないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他人の都合で、家族が殺されてたまるか…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだ。そもそもの話、クリムゾンを態々必死こいて…身内を犠牲にしてまで助けるほどの義理がない。

 

そう考えられたら、行動に移すのは速かった。

 

 

今、奴の狙いはクリムゾンになった。

悪いとは一切思わん…当たり前の行動だ、助けたいヤツ選んで何が悪い?

 

 

 

スミカの代わりに死ね、クリムゾン。

お前とは別に恨まれてるからってどうって事無かったが、状況がいけないのだよ。

 

バイバイ

 

 

 

 

 

 

 




FE世界的にはバッドエンドに傾きましたが、マーシィの物語としてはグッドエンドに少し傾きました。




…で、このシリーズで扱いの酷いキャラ堂々の一位を獲得したクリムゾンさんでした。

いや、ホントクリムゾン推しの皆様スミマセン!
許して下さい!許して!ゆるゆるして!

もうこれコタロウの時より許されんぞ…。


(もう今更かなぁ…?)


救済は…ラストルートまでお待ちください。
今んとこ最終的に全員無事生還のハッピーエンドの予定ですので。
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