ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結) 作:エーブリス
んで、Cのマーシィ専用グレソはどんな特性あるかって?
『無くしてもいつの間にか戻ってくる』ただそんだけです。
家とか車の鍵とか…テレビやエアコンのリモコンに欲しいですね。
「なぜ…何故なんだ、マーシレス!
なんで彼女を…クリムゾンを…!」
「テメー…もしカンナがスミカと同じ立場で、お前が俺と同じ立場だったらよ、俺と全く違う事出来るって言い切れるのか?」
「でも…それでも、他の方向に蹴っていれば…!」
「そんな単純な話じゃない。
人体の構造考えろ、そんな都合のいい方向無理だったろ」
「マーシレスなら――――――」
「妙に強い俺なら何でもできるって?
冗談言っちゃいけねえよ…アンタは!、190前後の人間の大男に!、クラーケンシュタインを一人で持ち上げろって言って!、ソイツ成し遂げると思いますか!?あ!?」
「っ…!」
「わかったろ、俺は全能じゃねえんだ。
まるごと助けるなんて無理なんだよ人類には。
さっさと立て、敵が来る」
流石に…そうだよな、怒るわ誰だって。
だがね、さっきも言ったけど俺は強化人間だからって全部出来るってワケじゃないから!
負債5万抱えて最初からやり直した奴、片手で超人プレイできるようにもなったか?
全メール獲得済淫天使付けた奴、超絶プレイスキルもくっ付いたか?
出来ねえよな。
「敵もわんさかと…丁度いい
起きろ、食餌の時間だ」
しっかり大地を踏みしめ、グレートソードの柄を握る。
柄が手の中で蠢く…血を欲しがっている。
コイツは欲望にはかなり忠実な
数体の透魔兵が殺気を放ち駆け寄ってきた。
…なんかもう、風景と相まって慣れたシチュエーションだ。
(いや…ちがうな…)
やはり違和感が拭えないがそんな悩みより体を動かせ自分。
とにかくだ、いつも通りにやりゃいい。
踏み込んで振りかざす、踏み込んで振りかざす…この一連の動作を何度も繰り返して全部ブッ壊せば万事解決だ。
どいつもこいつも一撃で沈んでいく。
楽で、楽でしょうがない…
剣が手の中で唸る…液体じゃなく歯応えが欲しくなってきたか。
「んじゃ…しっかり口開けィ!」
叫んだ後に剣から不快な音が鳴る。
グチャ…ネチャ…。唾液の溜まった口内で舌を動かした時の様な音だ。
吐息の様な生暖かい空気が漏れる。
本当に勘弁してほしい…ぶっちゃけキモイ。
突然、じゅるるっ…という吐いた唾を啜るような深い音が鼓膜を貫いた。やめてくれ。
ソレに混じって息を吸う音もした。
ガパッ!…と、剣にスイカの模様の様な亀裂が入り、それを境として花弁の様に剣が開いた。
…まるで巨大な花に剣の柄を付けたような見た目だ。
花弁の一枚一枚の側面には、細かい歯がギッシリと並ぶ。
オマケに、ヘドロのような唾液も纏わりついていた。
―――良し決めた、俺はこれを「フラムトの口内」と名付けよう。
とにかくこの不快な気分を晴らしたかった。
だから先ずは手前のアーマーナイトの透魔兵とストラテジストの透魔兵をこの剣に喰わせた。
透魔兵を巻き込んで、花弁が勢いよく閉じる…同時に口に含んだモノを咀嚼し始めた。
鉄の拉げる音はもちろん、肉を潰す音…内臓が押し出される音…血液や胃液等を啜る音…それらが狂いそうな程に俺の鼓膜を虐めた。
そして食ったら異空間に消えるとかそんなご都合主義は無く、食った分だけ重たくなるようだ。見た目も刃の腹辺りにある胃袋のようなモノが膨らんで大きく変化している。
「んぐッ…!
あんまり振り回せんな…っ!」
取り敢えずいつの間にか出てきた取っ手を掴み、どうにかして敵兵に叩きつける。
最早剣としての鋭利さは生かせず、ただの歪な鈍器としてしか今の所活路が見いだせない。
喰わせるだけ無駄じゃないか?
…と思った矢先、取っ手側面に何か突起の様な手触りが確認できた。
まさかと思ってソレを力強く押す。
気が付いたら目の前の透魔兵がボロ雑巾になってた。
…はァ?
「何が……ッ!!」
気が付けば重さがなくなり、胃袋も縮んでいた。
ああそうか、成程成程…生きている銃――ってか、散弾砲という訳か。
仕様は把握したのはいいが、この機能クッソ使いづらい。
まず、食わせるとその分重いから取り回しが悪くなる。
ただでさえ巨大化して不安定なのに、これ以上重くなるとやり辛いわ。
しかも、一匹喰って一発ってのも気に入らん。
せめて3発分はあってもよかったんだが。
「ま…、馬鹿と鋏は使いよう。か」
最新型(現時点)が負ける訳ねえだろ!
…とかやってたら、カムイ達がいつの間にかワープ装置の封印を解いて敵将に斬りかかっていた。
しまった、遊んでたらスミカの安否を確かめる事すら忘れてた。
捜さなきゃ…。
あ、いた。
あとベルカも一緒だった。
■ ■ ■ ■
~戦闘終了後~
「別に後ろめたいわけじゃねえが…言うなよ。
まあ、場の空気を最悪にしたいってなら話は別だが」
「…ああ」
「それじゃあな。
別に言いたきゃ言っていいぜ?構わねえから…」
分かる…俺の背中を貫く、負の感情に包まれた視線が。
それが怒りか、はたまた別のナニかなのかは判別できねえが…それこそどうだっていい。
他人に白い目をされたって何も感じない。
そう見たきゃ見てろ。
けど―――――――――――――――――――。
「いや、こんな事考えるのはダメだな。
想像すると現実になっちまいそうだ」
最悪の予想は、頭に描く寸での所で押し込めた。
今は戦える…それだけでいい。
あー、うん。
バトオペ2にハマって執筆速度もクオリティも落ちたな。
もう終盤だってのに、これで大丈夫なのかね…?
取り敢えず限定公開のお蔵でリハビリしてきます。