ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結) 作:エーブリス
おーい…と、手を振ってベルカを呼ぶ。
最初は無視されるんじゃないかと思っていた…そんな事想像するのはかなり怖かったが、杞憂で終わってくれた。
俺の呼びかけに、笑顔で振り向いてくれた。
「マーシィ…ごめんなさい、昨日はいきなり…」
「いや…俺もなんか言い過ぎたよ。
冷静に考えりゃ、俺だってあんな事言われたら殴るわ。助走付けて…
あ、あとコレ」
「え…?
ドー、ナツ?」
「ま、仲直りのナンタラってヤツ。
お前これ最近気に入ってるみたいだし…」
「別に…そう言う訳じゃ…ない…」
何かが恥ずかしかったのか、急に顔を赤くして背ける彼女。
…うん、カワイイ。
「でも…ありがとう…」
「いいって、ことよ。
…な、なーんつって!ははは!じゃ、行こうぜ」
なんか自分も普段みたいにカッコつけたような物言いが恥ずかしく何てきた。
あー…恥ずかしさって伝達するのね。
とかく、彼女の手を握って自分の元へ引き寄せた。
密着ってくらい…もう人の目すら気にならない今なら…。
「あー、ちょっと…いいかな?」
そして彼女の耳元でそっと呟く。
「え、何…?」
「あの…もし、“俺ら”が無事で終われたら、さ…もう、誰の目にもつかない所でさ…ずっと、“俺ら”だけでさ…」
「どうした、の…?急に…」
「…」
――――………………………
…やっぱ、この話は後で。
「…無しでいいか?今の、やっぱ」
「え…別にいいけれど…」
「まあ、いつものうわ言だと思って…ね?」
「わかったわ…。
それと、くっつきすぎ…」
「キニシナーイ、キニシナーイ…」
「はぁ…まあ、いいわ…」
やった…!。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
夜になったマイキャッスル。
寝る直前まで、こうして城ん中をほっつき歩いてるのが最近の習慣だ。
ベルカも誘ったけど、アイツもう風呂入ってきちゃったし…湯冷めするってのもね。
「寂しいねえ…まいいや、別に用もないわけじゃねえ」
そうだそうだ、さっきまで忘れてたがアレの回収もだな。
「そうそう、アレだよアレ…っと、この倉庫か」
何故か無駄に多い倉庫の内の一つ、そこの隅っこにソイツを放置しておいたんだ…例のアレを。
「お、いい感じじゃん」
例のアレ…自家製の梅酒。
多分ばーちゃんか母親が作ってたやり方を、急に思い出して早速材料揃えて作ったんだ。
まあ、うろ覚えだから心配だった…結果は初めてにしちゃ上出来だ。
味見は…いや、明日の楽しみにでも………んで、だ。
「おい、バレてるぜさっきから。
おたくの尾行は詰めが甘いって、アイツもいってたぜ?」
「…イってくれるじゃねえか」
「なあ、教えてくれよゼロ…俺は後何回お前がマッパでリンボーダンスする悪夢を見続けなけりゃならないんだ?」
「知るか。
…で、昼間は随分イイ調子だったじゃねえか。命令違反繰り返した奴の分際でな」
「はッ!気に入らねえかな…?
お前が嫉妬?ブレないな、お前も…」
「ああそうさ、あの時のお前さんイイ顔だったぜ?夫婦そろって…。
思わず…ぶっ壊してついでに天国…いいや、地獄までのインド王を渡したくなるくらいには」
「捉えられんよ、お前には。
…まあいい、お互い子供がいる良い歳した大人だ…穏健に済まそう」
「…良いだろう。
けどよ、もし…テメエがあの顔に隠した悪意がアイツやカムイ様、そしてレオン様に牙を向ける様だったらな…」
「覚悟はしとくぜ?嫁の名前呼びながらな」
「獲物がそんな甘ったれた奴じゃない事を願うぜ、じゃあな」
「おう。いい夢を」
お互いに別々の方向へと歩き、去った。
ゼロよぉ、多分…その悪意ってのは、お前らの周りにゃ直接向かないはずだぜ?ま、お前らの誠意次第ですよって話だ。
だが、結果的に遠回しでむいちまったら…俺は悪くない、以上。
黒ーい、黒ーい。
そして本怖見たから眠れなーい。