ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結)   作:エーブリス

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さて…とにかくDは片付けないと。


今のマーシィ
「俺は、生きる!
生きてベルカと、添い遂げる!」

…あ、スミカも追加で。


期待外れ。

 

うーん、この。

何だろう…勝手にすれば?って感じ。

 

 

まあ、この左腕邪魔だし。

 

 

 

 

『吾輩は小僧をどうしてやっても構わんのだがなぁ…別に今ここで解体してやっても「どうぞ」…ぬ?』

 

「どうぞ、ご勝手にって言ったんだけど?」

 

やっと選別が終わった。

…右手にクァトの鈴を持ち、ある闇術を唱える。

 

 

『…何のつもりだ』

 

「…」

 

唱え終わり、聖鈴にどす黒く巨大な大剣が生成された。

闇術【闇の刃】…話によればコイツは自衛用でもあり、自殺用でもあったという。

 

これなら、術者を傷つけるくらい出来るハズだ。

例え強化人間にだって…!

 

 

「…むしろこっちから取引を持ち掛けたいと思ってた―――――」

 

『貴様…まさか!』

 

 

鈴を逆手に持ち、左腕を前に真っ直ぐ構える。

 

―――痛覚オフ、オートバランサー演算開始

Bコントロール開始…準備完了

 

 

 

 

刃を、左二の腕の中間あたりに添える。

 

 

 

 

 

 

「…まあ、こういう事だよ」

 

どうせ痛みはないんだ、躊躇はしない。

…そう、ほんのちょっと手首を捻るだけ。

 

 

 

 

 

 

―――たったそれだけの動作で、俺の腕は切り落とされた。

 

ぼとっ。

そんな生々しい音がごくわずかな範囲の空気をゆらした。

 

滴る血は少しづつ減っていく。

 

 

 

片腕の消失という緊急事態に、体内の機械があらゆる動作を一斉に始めた。それが俺の脳と精神へ大きな負担をかけ、少しばかり奥歯を噛み締める。

 

 

『…貴様はこう言いたいのだろう?

「腕は渡すから、こいつを返してくれ」…と』

 

「違うね。『腕と“実験体”は寄越すから、二度と俺達に手を出すな』ってね」

 

『ク…クク…クッハハハハハハハハ!!!

身の回りの保身に走ったか!!ハハハハ!!』

 

「まあね、人間味に溢れてるだろ?」

 

『違いない!鼻がひん曲がるほど人間臭いわ!クハハハハハ!!!

思っていた以上に義理のない男だったな!!』

 

「義理も何も…。

まあいい、受け取れよ」

 

闇の刃を仕舞い、足元の腕をシースの元へ蹴飛ばす。

 

 

 

『ほう?』

 

「…交渉成立か?」

 

『良いだろう、吾輩は気分が良い。

この程度見逃してやる…研究の邪魔だ、去れ』

 

「そら良かった…じゃあの、二度と顔見せんな」

 

 

…もうこんな所に用はない。

さっさと立ち去って、誰にも邪魔されないように生きたい。

 

そうだ、俺と俺の家族だけでいいんだ…生き残るのは。

 

 

 

 

 

 

 

あ、忘れてた。

 

「…あそうそう、シース聞こえてるか?」

 

『ッ!』

 

「(やっぱり殺すつもりだったか)…俺の世界の人間はな、腕一本どころか血の一滴…髪の毛1本あればそれだけで同じ生命を複製できる理論を見つけてたぜ?というか牛だか羊だかだけど生命の複製は成功してるんだ。

 

…お前より下等の、人間が、」

 

 

『ッ!!!???』

 

 

 

技術とプライドだけの薄っぺらい奴は、こうしてらァ逆上して素直に実行してくれる…と思う。

 

とにかく、振り返らずに出口へ向かって、賭けに勝利したか確認せな。

 

 

 

 

 

あと3歩

 

 

 

あと2歩

 

 

 

 

 

 

あと1歩…

 

 

 

 

 

完全に奴の射程圏外へ出た。

…遂に、遂にッ!!!

 

 

 

 

「汚らわしい裏切り者め、此処で塵と化せ」

 

―――――――――――――――ッ!!!?

危なッ!?あっぶな!。誰だよ、クソが…!

 

 

 

「フン…結局雇われは雇われだったようだね」

 

レオン、か。

俺を付けていたのか?…いや、ただ単にあの場面に出くわしただけか。

 

 

「誰かと思えば――――暗夜の第二王子サマがよ、不意打ちたァプライドがねえなあ?後ろのヒッキートカゲはいっちょ前に厚いプライドがあったぜ?」

 

「黙れよ、生ゴミ漁り。

お前みたいなクズはこの手で直々に葬る」

 

「出たよ、上流階級特有の見下し発げ―――」

 

 

「お前も、その見下す立場だったんだろ?」

 

「!」

 

 

 

レオンの背後から二人の人影が現れた。

考えるまでもない…ゼロとオーディンだろう。

 

「お前は底辺から這い上がった風をふかしちゃいるが…そんなの上辺だけだ、引き落とされて悔しいだけだろ」

 

…まあ、合ってる。

 

そうだ、結果としちゃ俺はこの世界に来る前の人の生き死にに苦労しない生活へ戻りたいだけだ…今の家族と一緒に。

 

「…低いとこをのさばるお前には分からんだろ?

高い所から突き落とされた痛みは」

 

 

 

「お前…そんな嫌な奴だったかよ?

何があったんだよ…俺達が何かしたのか…?」

 

…オーディンは今だに情を捨てれないのか、呼びかける様に問う。

 

 

「…何もしてないな、だが―――地面の石ころを気にしないだろ?」

 

「そんな…」

 

「オーディン、確信犯だ…話しても無駄だ」

 

「所詮獣だよ、言葉も解さない」

 

 

…3人でそのセリフ使うか?、なめられたものだ。

 

 

「選んで生かすのが…そんなに上等か?」

 

「…もういい。

言葉は不要――――貴様と話す舌を僕は持ってない」

 

レオンは魔術神器【ブリュンヒルデ】を唱え始め、狭い洞窟をリンゴの木で埋め尽くして更に狭くした。

 

大剣対策だ、こうすりゃ大物は余計に振るえない。

 

 

 

 

「て、言って…話してるじゃねえか、よオッ!」

 

しかしそんな大物、落としてきた。

残ってるのは片腕とナイフだけ…それでいい、これ以上ナメてもらっちゃ困る!

 

「させるか!」

 

「爪楊枝が!効かねえんだよ!」

 

飛んできたゼロの矢を握りつぶし、

 

 

「このォ!」

 

「マージの腕でェ!」

 

振り上げられたオーディンのショートソードを蹴り飛ばし、

 

 

 

 

「塵になるがいい!」

 

「断るッ!」

 

勢いのまま、ダガーをレオンへ投げつけた。

弾着を確認する暇はない…イザリスの杖に持ち替えて真後ろの二人に向けて【ソウルの大澱】をぶちかます。

 

 

狭くて自由が利かないのは向こうも同じだってのに。

 

 

 

 

「…くッ。

此方が完全勝利する手筈だったけど…そうも行かないか」

 

どうやらダガーをブリュンヒルデの細い木の枝で止めたようだ。

しかし十分ではなかったようで、喉元より少しした当たりに血が滴っている。

 

 

 

 

どうやら後ろの二人も生き残ったようで、結局前後を囲まれる形となってしまった。

 

 

 

 

 

「…邪魔だ、どけよ」

 

「できない相談だ!」

 

 

 

 

 

 

―――生き残ってやる。




次か次の次あたりで終回です。
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