ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結) 作:エーブリス
…あ、それと今回は今年の6月28日に投稿した話を見てからこちらを読む事をオススメします。
突然パルヴァライザーがエネルギーの弾丸を大量にばら撒いた!
「なッ!?」
「オイオイ…(また透魔兵を消し去りやがった…)」
もう何度か見たから慣れたが、普通に絶望よな。
ENの爆発は着弾地点周囲をことごとく薙ぎ払い、荒廃せども美しかった透魔の風景を焼け野原に変えていく。
しかし、パルヴァライザー…奴の行動はともかく形状だけは完全に不定形だ…もしかすると周回を認識しているのかも。
「…カムイ?」
「何だ?」
「言う必要ないけど―――これだと、逃げは恥じゃねえからな?」
「ああ…!逃げなきゃただ死ぬだけだ!
皆!この陣形のまま撤退だ!付いてきてくれ!」
此処までは予定通り、普通に逃げた。
行く先に透魔兵のみならず、スキュラやら蛇人やらのシースメイドの怪物がわんさかと居るが気にする間でもない。
「へへッ!逃げるが勝ちって――――オイ!?」
余裕の顔で背後を向いたらかなりの速度でパルヴァライザーが迫っていた。何だよ!この柱を武器にしたワムウを見たジョセフみたいな!
「でもセオリーの中にゃ入ってる!
カムイ!」
「今度は!?」
「俺から2、3m離れろ!」
「メートル…!?」
「だあもう!とにかく遠くへ、俺に近づくな!」
「ああ!
皆マーシレスから離れるんだ!」
俺を中心に4mほどの快適空間がつくられる。
まあ、こんぐらいあれば十分!
グレソを手に取り、一度一回転させる。
「ハンマー投げならぬソード投げ…いやいい、ダサい!」
後は円盤投げの要領で助走を付け、乗っかった勢いのまま投げる!
グレソは緩やかで大きいカーブを描き、間違いなくパルヴァライザーに直撃するルートを飛んだ!
…しかし向こうはフロム最強格のキリングマシーン。
飛来したグレソをヒラリと避けて、高速回転して飛翔するソレは真後ろへと行ってしまった。
そうだ、真後ろ…。
因みに構図だとこんな感じだ↓
――――――――――――――――――――――――――――――
(グレソ) (パル) (マーシィ)
――――――――――――――――――――――――――――――
そして思い出せ、グレソの特徴。
「へッ!破壊者だか何だか、所詮は機械だなァ!」
チンピラの様なセリフと同時に、腕を大きく振り手招きのジェスチャーをする。
ジェスチャーの最中、視界の中央のパルヴァライザーが上下に割れた。
その割れ目から一つの物体が飛来する。
勿論、俺のグレソだ。
ソレは俺の頭の1mほど上を飛んでいる。
「っしゃ!おかえり!」
目の前辺りまで来たら、ジャンプして柄を掴む。
グレソの飛来する勢いに引っ張られ、俺も少しの間低空飛行をすることになった。
やがて地面に足を着いても、勢いは死なず地面に滑る跡を残しながら突き進んだ。
投擲で遅れたが、これでまた前から二番目に居座れる。
で、パルヴァライザーだが。
「ちッ…生きてやがる」
上半身だけで――いいや、元々上半身に重要な機能が偏っているような構造だった。
そういえば周回の中で出くわして、その度に上下斬り分けてたっけ?
これでは周回認識説はあり得る話になってきた。
(嫌な予感がするな…いいや、そんな事ない!
もう死なせないって決めたんだ!)
挫けたらまた…ッ!
「ッ!(レーダーに多数反応、見たこと無いレベルだ…不確定要素か!?)まずいな…!」
何だこのレーダーアイコン、見たこと無いぞ!?
「マーシレス?」
「―――嫌な予感がする。
前方に注意させ………ッッッ!?」
―――ドッ…と、嫌な汗をかいた。
目の前には、たった1機のゴツゴツとした人型をギリギリ保った『何か』―――いいやアレは!
「VAC…しかもッ」
普段の数倍早いスキャン結果に、【UNAC】の名前。
そして人型を逸脱させかけている要因…アレは、アレはヤベぇだろって!
誰だHUGE MISSILE積んだUNACなんか持ってきたバカは!
「ば…ば、ば…―――
バッカヤロウゥ”ッ!!」
あんなの…あんなの使われたら一気に計算が狂う!
クソ、クソ!こんな偶然だか何だかのせいで全部やり直しかよ!?
いや…まだ!まだ探してやる!
きっとどこかに意外な抜け道があるハズなんだ!?
自分だけが見えるディスプレイに法則のメモを呼び出し、写す。
そして独自に調整した演算装置を起動し、現状を把握する。
――――待て、コレ。
「嘘だろ…」
何の、冗談だってんだよ。
「(――――恐ろしいほど効率的な状態になってやがる!)これタダの」
ただの時間短縮じゃねえか!
しかもショートカットされたのは職人芸の居る場面だ!
すげえ、フゲミサ様様じゃねえか!
「カムイ!キャッスルの扉開いてろ!」
「え、何を!?」
「いいから開いてくれ、さっきから司令官への指示ばっかりで悪いが!」
「な、何を――――え!?リリス!!?
―――――分かった!今開く!」
このやり取りの間に、フゲミサUNACはOWの起動ならびにチャージを終えていたようで、振り向いた瞬間ミサイルが発射された!
この距離だ、ベルカが巻き込まれて死ぬ事はない。
確認して知ってたけど。
そしてミサイルの鬼のようなロックオンから逃げるのは、流石のパルヴァライザーでもきつかった―――いいや、不可能だったようだ。
…今、眩い閃光と赤と青の混ざった爆炎が視界に不健康な彩りを加える。
その強烈な炎のをかき分けてこちらに突撃してくる影があった。
アレだ、ハイドラ。
『ヴォオオオオオオオオオ”オ”オ”オ”オ”オ”ッ!!!
お前達ィ!!!この、ハイドラをォ!!』
炎に映し出されたシルエットは、ハイドラ本来の姿の頭部と翼。
あの大玉を咥えた頭と、巨体で空を舞う為の巨大な羽…ッ!
―――たったそれだけの、ふざけたハイドラの姿。
『鴉ゥゥゥ…我に、恥をかかせおってッ!!』
「自業自得だデフォルメトカゲ!
テメエはさっさと冷えに冷え切った親子関係どうにかするんだなッ!」
『貴様…それは誰を言っている―――まさかリリスの事ではあるまい!
あのちっぽけな雑魚に!親子の情等ッ!!!』
『…わかりました。
安心しました、私は――――ッ!!』
『何?―――――ヴぉおッ!?』
カムイが開いたマイキャッスルへの扉。
かなり大きめに開いたソレが吐き出したのは、水色の粒子。
紅や瑠璃のアクセントの加えられたソレは、まるで地球から見た宇宙の様。
その粒子を放つのはリリス…いいや、今までの金魚とリクガメの中間の様なかわいらしい姿ではない。
「竜」として立派に育った、身体の至る所に水生生物を思わせる造形のある「水の竜」として十分な風格を纏った強き存在。
「来たか、“ターンリリス”」
『その呼び方…由来を知ってしまった今では怒りたくとも怒れないです』
「確かに、洗濯も出来そうだ―――別のやり方で」
『人を便利器具みたいに…』
「―――で、やるんだろ?さっさと行けよ…親父逃げるぞ」
『お父様は、今は眠っております』
「だな」
『グゥゥ…リリス貴様!何故裏切った!?』
『そちらこそ!
何故人間が憎いんです!それまで貴方がいたのは、人々と暮らした時間があったからでしょう!』
『何を―――ッ!
その時間を分かち合ったのが人間ならば、奪ったのも人間なのだ!
理解の一つもせず奴らは私を追い出したのだ!そんな人間どもの為に戦う貴様にィ!この私は、倒せんわッ!!!』
『透魔り…いや、ハイドラ―――貴方を、倒す…倒します!!!』
はっはっは!タイトルは伏線()だったのだよ!
なんかハイドラがオオドラキーみたいな風貌でカッコが付かないけど、ターンXも最初は頭だけだった…ハズだからね!