ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結) 作:エーブリス
あ、因みに本作のギムレーは「6枚の羽」でなく「6本の腕ないし脚」の巨竜となっております。
まあ、昆虫みたいになったというわけですね。
【陸戦型ギムレー】とでも…なんか量産機くさくなったので止めます。
「マズイ!ギムレーがッ!!」
喧騒の中確かに聞いた、誰かの警告。
限界まで空を見上げれば、確かにそうだ…奴はブレス―――いや、光線を吐き出す前段階に入ってる!
「丁度いい…―――おい糞野郎聞いてるか!?」
[分かってるよ!口にありったけぶち込めばいいんだろ!]
「さっさよやれ!鈍間!」
[くたばれ!死ね!]
アルギュロスコアの重逆がギムレーの口目掛けて飛ぶ。
それ以外のACもゴーレムからギムレーに目標を変更した…中にはOWを起動するVACまで居る。
しかしその巨格から来る耐久と防御は並大抵でなく、OWですら多少のけ反らせる程度に収まってしまう。
更に間が悪いことに、クリスタルゴーレムや結晶亡者の増援が追加された。
…よりにもよってシースと共に。
『ククク、苦戦しているなハイドラ…手を貸してやらんでもないぞ?』
『シース!?貴様ァ!
どの面を下げてのこのことォ!』
『シース…ッ!?』
『小娘、その力………そうか上位者か。
まぁよい、もうその力に用はない…!悠久の時を経て完成させたこの力、貴様ら全員で試させてもらおうか!』
おい今物騒な単語が―――――ッ!
『力…!?貴様何を!』
『何、少し手伝いという物をだな…!!!』
白い竜の身体が少しづつ結晶化し始める。
ヤバいと思ってキャノンを撃った時には遅く、強固な結晶に阻まれてしまった。
その間にもクリスタルゴーレムや結晶亡者の攻撃が続く。
AC達の攻撃もあるが、それでもこの数はシャレにならない。
「クッソ!うぜェな、ゴーレム!」
ザっと数えるだけで4000万…ふざけんな。
そうしている間にもシースだった結晶は光を放ち変化―――というより進化を続けている。
完全に結晶化した次は所々で結晶の崩壊と再生が繰り返し、シルエット全体は少しづつ小型化していた。
しかし光は段々と強くなっていく…まさかとは思うが、全身のパワーを圧縮してるなんてオチはねえだろうな?
いや、こういう時の予感は当たる。
――――というか、当たりやがった。
『ウォオオオオオオオオオオオオオオッ!!!』
『『ッ!?』』
「何のひか―――ウォオッ!?」
一瞬閃光弾のような貫く光が輝いたと思えば、今度はとんでもない風圧が襲ってきた。
ようやく視界が晴れた頃、シースは龍の姿ではなかった。
…3メートル以上の身長に縦にスリットの入った頭部。全体像は肘から先以外がスリムな印象。手はズゴックや初期ガンキャノンを思わせる硬質な3本指の形。
簡単に説明したが、これじゃ足りない…もっとヤバい何かがある。
『くははッ!これだ…これだこれだこれだこれだこれだ!
我が母の同胞の力!これこそせ―――――何ッ!?』
「落ちる所まで落ちた様だな、シース公!」
『貴様!オーンスタインッ!
ええい!せっかくの披露会だという物をッ!』
突如割って入った金色の鎧は紛れもなくオーンスタイン。
音速の突撃を、シースは結晶の盾を生成して防ぐ。
雷撃込みの一撃をヒビ一つ入れずに防ぐたあ…相当ヤバいな。
『丁度良い!老い耄れの飼い猫ならば実験体に丁度良い!』
「我が主を侮辱するまでに―――ッ!」
ブーストされた俺の身体でも追いつけるかどうかの速度の連撃を、シースは防ぎきってる…ってか全身にシールド張ってるだけじゃん!セコイな!
というかブースト中だった!
「だああもう!!やる事多いんだよ結局!!!」
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◆ ◆ ◆
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「ッ!しまった!」
「カムイさん――――ッ」
「はぁあッ!!」
「…え?」
「間に合ったかの、勇者殿」
「貴方は…虹の賢者!?」
「いかにも、既に傍観していられる事態では無くてな。
地上も大混乱なのじゃよ」
「なッ…地上が…!?」
「じゃが、安心せい。
そこの巨兵たちと同じ…いや、地上のが大きいかの?ともかくアレと同じものが対処に回っている」
「それは…」
「それはよいとして…カムイ、お主に授けるべきものがある。
わしはそのために、此処に来た」
「授ける…?」
「―――本来、わしはお主の剣を強化した時に果てるハズじゃった」
「それはどういう…?」
「…よいか、今から授けるのは力じゃ。
手に入れたら、死なぬ限り決して手放せぬ力…いや、おいそれと手放してはならない強大な力じゃ。
…この力ならば、あの巨竜ですら葬る事も出来るじゃろう」
「そんな!?
そんな力を…ぼ、僕に…!?」
「この“力”には純粋に“破壊”だけ、それしか込められておらぬ。
分かるな?」
「はい…ッ!
――――扱いきって見せます!その力を!本当の意味で!!」
「よし、お主なら出来る…信じておるぞ。
―――――嵐の結界も、もうすぐ晴れる…そうなれば残るのはお主の伴侶と、死にぞこないの老骨のみ」
「死にぞこないって…賢者様、まさか…!」
「ふぉっふぉっふぉ!なあに心配するでない。
老骨の底力、奴らにとくと味合わせてやるぞい」
「カムイ、さん…」
「フェリシア…僕、行くよ」
「―――はい。
絶対、絶対に!戻ってきてくださいね!」
「ああッ!!!」
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◆ ◆ ◆
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「―――ッ!(時間切れ、か…ッ!)」
激しい脱力感が全身を襲う。
表示には2分半のクールダウンが必要だと…この状況で2分半も隙晒してたら秒でミンチだ!
「ふざ…ッ!けんなァ!!!」
残る力で手前の亡者3体を横一文字に薙ぎ払う。
しかし敵はそれだけって訳じゃあない…いくら強化人間の剛性でも結晶亡者の攻撃は―――そもそも魔法攻撃に対する防御は恐ろしく低い!
いや、耐えきれるのは分かってる…!
だが…!
「(ぜってー死ぬほど痛いぞ―――)―――ガァアッ!」
結晶亡者の剣が肩を貫く。
想像通り死にそうだ。
それを皮切りに次々と…ザクザク、ザクザク、黒ひげ危機一髪かってくらいブッ刺して来やがる。
「―――ぁぁあああああああッ!!!!」
ベルカが何処からか切込んできて、俺を囲む亡者を一掃した。
三日月斧のリーチは、大勢いた亡者を切断ないし吹っ飛ばした!
「また無茶をして…!」
「残った右腕もなくなりそうだった」
「バカ…!」
「誉め言葉だ」
「…早く乗って。ここはもうじきゴーレムで埋め尽くされる」
「わりぃ…手伝ってくれ」
「…今日だけ」
「ついでにキスも「黙って、後で」」
(後ならいいのか…)
俺ら二人は空を舞った。
二人乗せているからか無茶な機動こそしなかったが、乱気流か何かのせいですっごい揺れた。
…というよりもアレだろ、目の前の竜巻。
いや、虹の賢者なら来るって聞いてたけど…確か古竜のソウルかなりストックしてたハズだからな。
――――急に、空気に湿り気を感じた。
いや、実際に(水と呼べる範囲での)極限まで細かくなった水がそこらを飛んでいる。
流れを辿ると、全てあの竜巻の中へと行き着く。
「なんだこれ…分かるか?」
「分からない。
でも…。突風から離れるわ」
「そうしてくれ、何かに巻き込まれそうだ」
緩やかな旋回で方向を変えるドラゴン。
…そのドラゴンが、かすかにふるえていた。
この震え方は分かる…恐怖だ。
「ベルカ…あんまり虐めるなよ、コイツ」
「バカ言わないで、この子が怯えてる理由私にも分からない…!」
「そんな、じゃあ何が―――――ッ!ぬおっ!?」
「しっかり…ッ!」
突然、強い風が吹いた。
バランスを崩して俺らは地面へと真っ逆さまに落下していく。
ここで丁度、オーバーヒートから回復した。
「ッ!下りるぞ!」
「えッ!大丈夫なの!?」
「ああ!足のおかげでこの高さでも大丈夫だ!」
「身体は!」
「治る!」
「じゃあダメよ!」
「俺がいたら重心偏ったままだぞ!
落ちるんだぞ!」
「…かすり傷でも許さない」
「鳩尾は勘弁な!
―――じゃあ!」
ドラゴンから転がるように落ちた。
フリーフォールの中、見上げた先で見たのは――――――
「…怪獣王?」
「ギムレー」と「ゴジラ擬き」、2大怪獣が透魔王国の大地で睨み合っていた!
あんなの、先の突風なぞ比べ物にならない――――“自然の暴力”が吹き荒れるぞ!
所で今度実写化される「銃夢」という漫画…あれはいい漫画だ。
特に「ザレム人の秘密」…あの設定に出会わなければマーシレスは今の形じゃなかった。尚、作者は9巻までしか読んでいない。