ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結)   作:エーブリス

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あー、前回の間違い(詳しくは勘違い)の訂正。

サブタイ「握った太陽を」ですが…アレ元ネタの歌詞は「握った体温を」でした。
いやあ、歌にすると「体温」が「太陽」に聞こえるんですよね。
まあ歌詞の著作ナンタラに引っかからないと思えば…ね。




で、この訂正が読んで下さる皆様に関係あるかと言えば…


ないですね。





わからないの?

「…」

 

「…」

 

「…」

 

「…」

 

 

 

「お、おーい…ベルカー?」

 

「何?」

 

「あ―――、あー…最近スミカは、どうなんだ?」

 

「元気よ。

…どうしてそんな事を?会ってないの?」

 

「うん…嫌われてるらしくってさ」

 

「嫌ってる訳じゃない…きっと」

 

「そうか?

この前、一緒に風呂入るか?って聞いたら冷たい顔で無視された「当たり前じゃない」…ですね、ハイ」

 

 

 

…クソ、色々誤魔化す為の会話が続かん。

 

 

 

 

 

「それとさ…」

 

「ええ」

 

「…」

 

 

…ダメだァ、話題がねえ!ないのぉ!

 

「…なんだっけ?」

 

「ちょっと…何それ」

 

「あ、あはは~…(ハァ…)」

 

 

空気は誤魔化せたし、まあそれはそれでいいんだか…。

…にしてもさ、さっきから―――まあ、何と言いますか…。

 

うん、許された?

あれね…義手義足の事、気にしてる素振りもないし。

 

 

でも態々言及するのはダメだ、藪蛇ってのは一番間抜けだ。

 

 

 

「ちょっと、用事思い出した…行ってくる…」

 

「あら、珍しいわね…」

 

「まあな…。

それじゃ「あぁ、ちょっと待って」ん?」

 

 

立ち上がろうとしたとき、彼女に呼び止められた。

 

 

 

 

「…腕は、大丈夫?」

 

「ッ…!」

 

…背骨に冷水が流れたかと思った。

まさか、まさかだったが…もう、なんつうか…。

 

―――――って!?、ちょっと待て!?

 

「(義手動かないんだけどぉ!)…ッ」

 

「…やっぱり、無くなってるのよね」

 

「…(まあそうだけど!その前に動かないんです!)」

 

「さっきの戦いの時少し見えたのだけれど…足も、よね」

 

「…(はいそうで――――あッ!足も動かん!)」

 

まさかの動作不良で微動だに出来ない俺の左隣に、ベルカが座った。

というかこのソファー、やけに長いな…アハハ。

 

 

そして彼女は、動かない俺の左腕に手を添えた。

ゆっくりと、古びたパーカーの袖をめくり、力のない義手をゆっくりと撫でる。

 

 

 

「…あ、あの」

 

「ん?何?」

 

「その、その腕の事だけど…」

 

「えぇ」

 

「…あー」

 

 

…もう、この際手伝ってもらうか。

そして唯一動く右腕で、謝罪のポーズを作って…。

 

「…コレ壊れたみたいで、修理手伝って?」

 

 

 

 

「…ハァ」

 

この時の彼女の、「何言ってんのコイツ」的表情からの「しょうがないな」的な表情は今後一切忘れない。

 

 

 

 

 

  ◆  ◆  ◆   ◆  ◆  ◆

 

 

 

 

 

「えーと、第二パワーアクチュエータは……あ、あー、なるほ。

ベルカここ抑えて」

 

「わかった」

 

義手の土台に付属していた小型ドライバー他を片手で動かし、一つ一つの部品をガチャガチャと弄る。

 

因みにマニュアルが紙媒体なのが一層腹立つ。

 

「これも問題なし…問題なし…あ、コレだ。単純に基盤が熱損耗してやがる。こりゃ義手そのものが当分使い物にならんなコレ…仕方ない、予備使うか」

 

「もう…頭が痛くなりそう…」

 

「俺もだよ。

…まただ、筋肉接合部のフレームがガタガタじゃねえか」

 

 

ったく、ヒデェもんつかまされたもんだな。

(※後日、非戦闘用の義手だった事に気が付くが別の話)

 

 

…というか、義手義足ってさ。

今の今まで普通に動けてたけど、もし今みたいに急に動けなくなったらさ…。

 

「…ベルカ」

 

「何?」

 

「俺…こんなんだから、多分…今まで以上に迷惑…かけるとおもう」

 

「…」

 

「今みたいに動かなくなったり、そうじゃ無くても風呂とか着替えとかで外さなきゃ行けなくなったら、その…手間ばっかりかかせる、かもしれない…いや絶対そう。

変な話、お前が…俺を抱えてさ」

 

もう最悪引きずられても構わない。

蹴り転がされてもいい…こんな俺でも、どんな形でも、離れないでほしい。

 

 

じゃ無きゃ俺の苦行はなんなんだ…!

 

「…」

 

「…そんな俺は、嫌か?」

 

 

「―――ねえ、覚えてる?

というより、何度目かしらね…でも何度でも言ってあげる」

 

「…」

 

「ずっと支える、あなたの事…。

私だって…離れたくないもの」

 

「…お前ッ」

 

「…ッ」

 

「って、なんでそっぽを向く?」

 

「…ちょっと恥ずかしくなった」

 

 

うん、可愛い。

 

「俺は嬉しかったが」

 

「そう、ならいいけど…。

――――それとマーシィ?」

 

「ん?」

 

「あなたが言った「俺を抱えて」って話」

 

「ほむほむ」

 

 

 

「…それいつもやってるから」

 

少しの溜めの後、彼女はドライに言葉を突き刺した。

 

「はうッ」

 

「あなたすぐ変な所で寝るから、その度ベッドに持って言ってるの私」

 

「う、うん…ゴメンサイ」

 

「――――だからお小遣い減額」

 

「なんでッ!?そしてそんな殺生な!」

 

「半額ね」

 

「なんでだよ!!」

 

「4分のいt「わあああああゴメンサイゴメンサイ!もうちゃんとベッドで寝ますからぁ!」…ハァ」

 

 

 

 

 

  ◆ ベルカ、結婚してから何より多くなったのは「ため息」

 

 


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