ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結) 作:エーブリス
『吹き溜まり』、あらゆる時代あらゆる場所の物が流れてくる場所。
そんな流れ物の集まりに整備性だとかバリアフリーだとか親切な言葉など無く、ただひたすらに進みづらい場所だ。
そこを時に足を滑らせ毒沼に塗れて、時に床が崩れて灰の中に頭から突っ込み、時に野良ネズミ(中型犬サイズ)にガブガブされながら突き進む俺は何なのだろうか…寧ろ何故進んでいるんだ?
―――ああそうか、あの糞首輪野郎に呼ばれたんだった。
あの時何で来ちまったんだ俺は?「後で面倒クサそう」とか思って…今この瞬間の方がイッチバン面倒くさいわ!
首輪付きは見つけ次第殺してやる。
「(とは言え…)もう目的地…なんだよな?
地図が間違ってなけりゃ―――うん、大丈夫…な、ハズ」
自身ないけど。
――――で、何よ?ココでどうすらいいの?
「待ちぼうけ~待ちぼうけ~…ハァ」
此処からまた2、3時間は待たされるかもしれないと思えば、一気に滅入った。
早くさあ、部屋帰って寝たいワケよ。
「…30分。
何やってんだか…」
今のはどっちかと言えば、俺自身に向けた言葉だ。
来る途中から思ってた「何で来ちゃったんだろう感」が加速してきて帰る気力すら削れていく。
―――アレ?俺って何やってたんだっけ?今まで。
「―――お前か、首輪の小僧が言っていたのは」
ジジイの声がした。
俺と同じかと一瞬思ったが、「首輪」の単語が出た瞬間に何か色々と抜けていった。
ってかあの野郎、ジジイにおつかいさせてんのか…たまげたこりゃ。
「…そうなんだろうな」
「その様子だと随分待たされたようだの。
…あの小僧は来ない。姉に説教されとる」
「まぁだ終わっちゃなかったのか。
…そんで?何のようだ?」
所でこの爺さん、随分と声が遠くないか?
気配からして近くに居るハズなんだが。
声が小さい…って感じでも無いんだが。
「そうだな、本題に入ろう…。
―――見えるか?向こうの城が」
向こう…?
―――ああ、あれか。随分とぼやけちゃ居るが…
「あれが『輪の街』…お前も知ってはいるだろう」
そうか、輪の街…え!?はあァ!?
あんな近かったかよ!ウソだろオイ!?
…いや、フィリアノールの夢が崩れてそのまま引き込まれたのか?
だとしたらボロボロなのも分かる。
「…アレはこの吹き溜まりに引き寄せられると同時に、既に『深淵』に堕ちつつある。
…あの深淵、まだ千年二千年先の話だが、いずれ地上も飲み込むだろう」
まあ、そうだろうな。
それ以前に火継ぎシステムのせいで滅茶苦茶になってるんだ。沈む前に消えるだろ、この世界。
「ああ…だが沈む前に消えそうだぜ?火が」
「気付いていたか…。
しかし炉は紛い物だ、お前には薪の資格と炎を同時に持っているが到底ソレに耐えられる代物なんかじゃない」
「いいよ、別に火継ぎも世界の延命もする気もなかったから」
「…やはりか。
小僧はお前がそう答える事は予想していた」
「それは最悪だ」
よりによってあの野郎の想定内とは。
「…まあいい、儂もソレ自体どうでもいい。
もっと重要な事がある…“血”は持っておるな?」
「血…?」
この場合、自分の血液じゃないことくらいバカでも分かる。
しかし…血?んなもんあるわけないだろ。
―――いや、確かに赤い液体ならあるけどさ。
「血が何かしらんけど、赤い液体ならあるけど?」
懐から能力強化を促す謎の薬品を取り出した。
さっきの対ハイドラ・シース戦で一度使った奴だ…制限時間の2分を過ぎると体が一切動かなくなるアレ。
「…ソレだ」
「は!?血で出来てたのかよコイツ!
そんな医療教会みてえな代物掴まされたのか!」
うっそ…あー俺獣になっちゃったよ。
「医療教会…?
まあ、その血自体には何の力もない…本質は血にある“ダークソウル”だ」
「…はぁ?あぁ…そういう」
一瞬「ゲームソフトを細かく砕いたのがこの液体に混じってる」と思った自分が恥ずかしい。
…あー、はい。
人間性が混じってるのね。
「ソレは今、世界の終焉に対する切り札に成り得ている。
この吹き溜まりごと、深淵を切り離す事が出来るだろう。
―――しかし心するのだな、それはいくら屈強な精神であろうと容赦なく飲み込んでいく。幾らか薄められているとは言え、いずれ正気を失う事もあるだろう…嘗ての儂がそうであったように」
「ふ~ん…」
なんかもう…頭が痛くなってきた。
思考が音より遅れている。
「…では、さらばだ。
儂も決戦には出陣するが…お前とはこれから先、出会う事はないだろう」
「そうか…」
「―――お前も、添い遂げたい者がいるのだろ?
死んでも近くに居てやれ、決して待たせるな。そうでなければ…その者は悲しむだろう…」
「…え?」
最後の言葉…一体…。
―――――というか待てよ?
ダークソウル…血…暗い魂…血…。
「ッ!待て――――――ッ」
振り向いた時には遅かった。
そこには人間より一回り大きな足跡と、「赤い布切れ」があるだけであった。
―――――あのジジイ確かこう言ってた、「嘗ての儂」と…。
そしてこの赤い布切れ…ね。
成程、そういう事か。
「…あの嬢ちゃんにまた会えたのか、ラスボスジジイ」
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「主任、タワー建設時代の技術者及び、“血”と“魂”の技術者の収集が完了したようです」
「んー?随分と早かったねえ。
で?アイザック…やるか?」
「ああ、もちろん」
◆ ◆ ◆
「ボス、今さっきカブトとナガレから連絡があった。
地上の方も無事制圧、だそうだ」
「そうか…ご苦労だったな、ミラー」
「そっちこそ、あまり無理するなよ?じいさん」
「まだ老骨扱いされる覚えなぞないわ」
「そうか…。
そしてもう一つ、マーシレスとやらが言っていたクレイドル…見つかったそうだ」
「…」
「専門の技術者達によれば、確かに地球の表面を金星化できる代物は積まれている。全機にじゃないが…だがアレを地上に出す手段が…「湖、だったな」?、ああ、そうだが…ッ!まさか!」
「ハイドラめ…!」
「そうか、奴等…水源を媒体とすれば、何処にでも!」
「壊せるか?」
「無理だ、下手に触ると爆発する…せめて補強ぐらいはしておかなければ」
「これは…かなり問題だな」
後、前に書いた「キャントユーシー…ザットユーアー…――――」だけど、近々書き直すかもです。