ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結)   作:エーブリス

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◆  【来る日も、来る日も…】  ◆

足掻く度、何もかもが途方に暮れてしまう。

 

 

 

俺の中の俺―――奴じゃない、本当の…弱いだけの俺―――がいつも囁いていた。

…やめろよ、もう。…ただ苦痛なだけじゃねえか。…捨てちまえ、そんな女。

 

ずぅっと思ってたさ。

いつからかは忘れたが、自分だけでも逃げたくなった。

…けど、スタートに戻ると同時にアイツの…アイツの顔が、絶対視界に入る。

 

 

(俺の人生いつもこんなもんだ。

欲しい時に欲しい現象が起こらずに、要らない…というか欲しくなくなった時に、かつて望んだものが起こりかける。

 

…でも一度だけ、欲したモンが直ぐに手に入った)

 

 

―――分からねぇよ、もう…1桁の足し算すら分からなくなりそうだ。

 

でも、何となくだが分かってる。

そうやって囁いている軟弱野郎が一番、諦めたくないって事。

 

たとえ道が劣悪でも、果てしなくても…望む評決へと立ち向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

…熱ぃ。

 

 

 

胸の真ん中が、熱い。

 

闘志とか情熱の比喩表現とかでなく、冗談抜きに熱い。

まるで、胸をメスで切り開いて焼け石を埋め込まれたみたいだ。

 

 

 

―――でも分かる。これが“力”だって!

 

 

 

何かを掴んだ。

それは枯れて干からびた人の膿、剣の形に固められてた記憶なのか柄と刃を持っていた。

しかし武器に例えろと言えば、誰もが「無理」と答える不可解な形。

 

精々、大槌と答えるのが精いっぱいの『物体』…けどそれでいい、というか何でもいい。

 

 

柄を握ると、ソイツから“火”が湧き出た。

 

次第に、自身からも“火”が湧き出てくる。

 

 

 

 

火の熱が、次第に衝動を揺れ動かしていく。

…そうだよ、俺は一度死んだ…だがまだやれる…!

 

 

 

 

たとえ死んだとしても、俺は…!

 

「(また立ち上がって、また戦ってやるッ!)戦い続けてやるッ!!

…ォオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアッ!!!!!

 

 

奴…否!すべての障害に有無を言わさせない!

もう二度と!己の魂を迷わせない!

 

 

 

怪奇な刃達は、シースの結晶の肉体を大きく削いだ。

 

 

 

…一瞬だったが今、傷口の奥底で動くモノが見えた。

 

青白い肉体の中に、より一層と蒼々とした掌程の球体。

それが傷口の中で傷口から遠い所へ行くように…ッ!!

 

 

―――そうか、そうだったのか。

 

「って、ことは…(あれが原始結晶だとするなら…弱点の位置をずらせるのか!)。

…そうとなれば!」

 

逃げられると思うなよ!

 

 

 

幸い右手は削いである…手間暇はその分かからない!

 

先ず脚に一撃、『物体』で切断…とまではいかずとも大きな“抉れ”ができた。

おそらくは傷口に近い所には移動させない…どの傷口からも遠い所に「核」があるハズだ!

 

一瞬フェイントで意外と(傷口に)近い所にある可能性も考慮したが、よほど咄嗟の判断でない限りそんな事は無いハズ。

 

 

 

結局のトコ、あれこれと考えるのは無駄だ。

今の力なら手当たり次第に叩いた方が速い…!

 

 

 

 

しかし奴も無抵抗じゃない。

 

機械的な顔面が花の様に開き、中央で光を集める。

何をやるつもりか知らんが、コッチは何もさせるつもりはない…早急に左手でその顔面を掴み、光の代わりに火を注いでやった。

 

燃える熱さで、奴が悶える。

残っていた左腕が俺を引きはがそうとして、しかし先にその左腕を右手でつかんだ。

 

 

 

…遂に収縮する火が臨界に達したッ!

たちまち顔面は大火を伴って弾け飛び、楔のデーモンのような首なしが出来上がった。

 

しかしそれでも死なない当たり、一纏めになったとは言え群体か。

他が生きてら問題もクソもねえってか。

 

 

 

しかし、やると思ってた個体数の増殖とかが行われない…まさか原始結晶の移動で必死か?

それは好都合。奴が問題を解決する前に、さっさとカタをつける!

 

 

 

 

先の貫手で穴の開いた奴の胸を蹴って『物体』を振れる程度の距離をとり、義手から火炎放射を放って牽制する。

 

もはや放射とかいう勢いの感じられないモノじゃない、ビームだ…!

アレと同じだ、デーモンの王子のレーザーと。

 

 

しかしアレとは決定的に違う…コイツの力は…!

 

 

 

 

向こうも対抗して結晶魔術で盾を作り火を遮りつつ全身するが、いかんせん前が見えてない。

そんな事してる間に俺はその場所にいない。

 

 

「迂闊なぁ!」

 

俺が奴の後ろに回り込んでいることに気が付いた時に、フックハンマーを投げて首の断面に引っ掛け態勢を無理矢理崩す。

 

フックは引っかかったまま、仰向けの奴を引きずり手前まで来た瞬間、思い切り物体を振り下ろす。

 

 

 

 

雑な一刀両断だ。

しかし一発で終わらす気もさらさらないんでなッ!

 

 

一撃の次の二撃三撃と、ただバラバラになるまでブッ叩く…!

最初は追い込むつもりだったが、こうすれば核が何処にあろうが関係ない!

 

 

「ッ…のォ!!」

 

最後の欠片を叩こうとした瞬間、欠片そのものが勝手にはじけた。

 

 

 

それに乗じて飛び去ろうとする、原始結晶と少量のシースの肉体。

逃げる気かと思ったが飛び出す方向が完全に壁だ、奴がこんなミスを犯すとも思えなかった。

 

しかし何が来ようがどうってことない…この力は、そう言える気にもさせてくれる。

 

 

原始結晶とシースが壁にぶつかると、バウンドするでもなくそのまま壁に吸収された。

…同時に壁が隆起し、奴の結晶の様な光沢を放ち始める。

 

 

 

 

今度はあの腕のデカい巨人ではなく、元の竜の様な形態になった。

しかし壁に埋まったままだ…良い的だ。

 

 

 

 

 

「今度こそ、カタを付ける…!!!!」

 

とても幸いな事に、この状態のシースとは過去5回は戦っている。

 

 

 

 

奴が無数の結晶槍を展開し始め、生成が終わったものから射出し出した。

 

 

ソレを、正しい手順で振り払いまたは叩き落す

奴に近づくまで、何度でも繰り返し続け、大股で距離を詰めていく。

 

 

 

何度だって、何度だって…ッ!

奴の足元まで来たときには流石に弾幕が濃かった…だが正直薄い方だ、成り行きでガトリング砲ガン積みパルヴァライザーと戦った時よりクソ程楽で仕方ねえな!

 

 

 

 

「ハァアアアアアアアアアッッッ!!!」

 

足元に物体を突き刺し、片腕だけで全身を物体の上へと持ち上げ、勢いのまま物体を蹴り奴の腹を蹴り、原始結晶の『固定』された胸部に向かう!

 

 

「ッぐ!!ガふッ……ッと、死ぬかよォ!」

 

弾幕が濃い上に近い、流石に避けられない…。

 

 

 

1秒ごとに次々と肉体が身体から剥がれ裂け崩れてていく…足に至っては感覚すらない、最早再生がどうのって話ではなくなっていく。

 

 

…遂に原始結晶を掴んだ!

 

「捕まえ、たァ!!!」

 

『物体』のような形に変形した義手でガッチリと原始結晶を押さえつけ、この状況の決定打となる最終兵器を取り出す…。

 

 

 

―――そいつは、俺の背骨の近くに植え付けられてる。

つまり自身の肉体を突き破る必要があるが…もうとっくにボロボロだ、最終兵器が露出してるのを手触りで確認できた。

 

 

「コイツ分かるか?クソ青白野郎!

…あの世界で、あちらこちらに“刺さって”たよなぁ!!!」

 

ああ、こいつだ。何時埋め込まれたのか知ったこっちゃないが…『螺旋剣の欠片』、少々歪んじゃ居るが炎は以前健在のハズだ。

 

 

…期待通りに、欠片が少しづつ火を帯びていく。

やがて大火と化して、逆手の方向にまっすぐ伸びて長大な剣と成る…ッ!

 

 

 

 

「さぁ…終わりだぜ…ッ!!!!」

 

思えば、とんでもなく長かった。

地獄を知ったあの日から…知るその前から、どれほどの未来となっただろう。

 

すべてが今に集中して繋がっている。

そんな今だからこそ、こう思える………「良かった…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

義手を、原始結晶から離す。

シースは竜の身体から飛んでいく…が、遅い…遅すぎる。

 

空中じゃ何もできない、貫くのは簡単だ。

 

 

――――たったの一突き、それだけで済んだ。

 

勢いはシースを貫いただけにとどまらず、抜け殻の竜までもをぶち抜く。

右手と壁の間のシースと原始結晶は、ただ火に炙られ終わりを待つのみ…。

 

 

 

「かえれ…ッ、

虫一つ…この世界に残すんじゃねぇ!!!」

 

自爆装置を起動させた義手でもう一度シースを握った。

そのまま義手を切り離し、そのまま重力に従って落ちる…。

 

 

 

ドッ…と、全身に衝撃が奔った。

拍子に何かが刺さったとかは無いが、動かない。

 

「ッ…少々、喰らい過ぎた…ッ!」

 

身体が動かん…いや、当然の話だ。

元々魔法ダメージに耐性がないのに無茶しすぎなんだ、しかも丁度暗い血のブーストが切れた。

 

あの火の爆発だ、喰らえばお陀仏だろ。

 

 

 

此処で死ぬのは、かなり計算外だ。

――――だが、修正範囲はかなり少ない。

 

「動けるよな…?」

 

右手で地を這う、アレを…アレを5センチだけ動かすため。

 

 

 

アレ…まあ、ただの残骸だ。たった数立方センチメートルの。

 

 

 

 

 

 

 

5センチ…ピッタリ。

良くやれたな、ほんとに………

 

「終わりが、たったこれだけの事だとは…」

 

 

 

 

 

 

 

なあ、ベルカ…?

お前はもう無事に生涯を全うできる、だから…ゆっくり、できるだけゆっくり、ナメクジすら昼寝するくらいにはゆっくり、俺の所に向かってきてくれよ。

 

再開は、その後にしよう…。

 

 

 

 

 

――――うん、ダメだ。

 

「遺言のセンス、クソすぎるだろ…」

 

 

 

 

 

 

―――――――やれやれ、バカな事をし過ぎた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 燃える、燃えてしまう。

  けどそれでいい、俺の望んだ事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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≪こちら回収班、実験体Mを確認≫

 

≪脳の状態は極めて良好…――…はい、記憶装置諸共…――…ですが肉体は使い物になりません≫

 

≪…――…そうです。魂があるのならば…――…分かりました。オーバー。

「おい、生命維持装置準備しろ。実験体を殺すな」「了解」…≫

 

 

 

≪「…ったく、上は人を酷使しすぎだ。」≫

 

 

 











































はい、最終回です。2章の
ありがとうございました。
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