ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結) 作:エーブリス
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透魔の呪いが解け、1羽の巨鳥が目覚めた。
呼び名をアオイ。白夜女王ミコトが生前密かに、とある湖の近くで飼っていた突然変異の金鵄である。
………しかし、彼/彼女には生まれながらにして使命があった。
例え身体を構成するモノが肉の塊となっても変わりはない。
故に今、彼/彼女は鳥から天使へと姿を変える。
金色に輝く身体は、本来の赤い体色へと塗り替わる…。
『すべては、私の使命のため…』
男女混合の声が、静かに空気を揺らした。
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2体の雄叫びが、吹き溜まりの灰を巻き上げる!
透魔王国で起きた、あの2大怪獣大決戦の続きが今!両者姿形を変えて再び引き起こされた!
三つ首のギムレーが、真ん中の首を使って巨獣―――大竜化カムイに噛みつく!
ギムレーの牙でカムイの肉が抉れ、どす黒い血液が滝の様に流れ出た。
しかし、カムイも反撃にその首を掴み無理矢理身体から奴の顎を引き離して投げ飛ばそうとする…!
しかしギムレーはそんな隙も与えなかった。
残る側面二つの首でカムイの胴体、脚へと噛みつき、羽のない骨格だけの翼に魔力を溜める!
――――巨大な翼から放たれた紫電はカムイの肉体に深刻なダメージを負わせた。
ただでさえ六連夜刀神で消耗した上、周囲の無理を押して大竜化したその疲弊は計り知れない、その上でダメージを負っても尚立つのは彼の信念故か。
残る力でレーザーブレスを発射する!
透魔で見せたものより随分と細いが、窮鼠猫を嚙む程度には効いたようだ。
噛みつきの拘束から放たれた瞬間、タックルでギムレーを怯ませそして両腕の爪でズタズタに引き裂いた!
しかしその攻撃も、1振り放つ度に弱まっていく。
…やがてギムレーの強靭で耐えれるほどになっていくと、再びギムレーが翼より放電を始める!
叫びをあげて苦しむカムイを、それでもまだ…今度はギムレーの口から放たれる3連続ブレスが遂に膝を付かせた。
ギムレーはカムイが消し炭と化すまで攻撃を続ける。
その途中、空高く吠える様は、無様なカムイをあざ笑っているかの様だった。
…遂に、カムイが力尽き地に伏してしまった。
―――――――だが、その入れ替わりで赤い閃光が最接近した!
「ターゲット確認、排除開始」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
~さかのぼること、数分前~
「マズい!カムイが…!」
「お兄様ッ!」
ほぼ全ての敵が消滅または弱体化し、カムイの軍にも余裕が出てきた所であった。
巨竜となったカムイが3つ首のギムレーと戦いを始めたが、疲労から十分に力を発揮できず、ギムレーに対して劣勢であった。
マークス、リョウマら両国王族は援護に向かおうにも、カムイもギムレーも規格外の大きさ故、例え神器を使ってでも彼らの攻撃が通じるとは思えなかった。
「どうする…ッ、下手な攻撃では何もならんぞ!」
「分かっている!
だが…ッ!」
皆が手をこまねいている、その時だった。
――――レオンが静かに前へと出た。
「僕のブリュンヒルデなら…生命を操れる…!」
「レオン!それが何になるかと今――――――はッ!そうか!」
「透魔王国でカムイはあの竜と互角以上に戦っていた。
…姿形が違う今、どれほどの差があるのか知らんが…ともかく今のカムイは全力ではない!」
「そう、だから足りない分の体力を…ブリュンヒルデの生命で補うってことさ!」
レオンの意見に賛同する王族たち。
…だが、此処である問題が浮上する。
「しかし…今のカムイに必要な生命力は尋常ではないハズだ。
耐えれるのか?レオン王子」
第一に懸念される心配を、リョウマが指摘した。
「―――…やって、見せるさ」
言葉に詰まりながらも、レオンは意思を見せた。
…だが、安心できると言えば嘘になるような様子でもあった。
「それじゃ、魂は生命であろう?」
…突然太陽霊が、何かを手に出てきた。
「お前…!」
「金ぴかさん…!」
「何、もう腐るほど持ってるのだ。
1億程度のソウル、なんてことはないさ」
彼は手にしたモノ…莫大な量のソウルを王族たちにみせた。
1億ソウルの輝きはすさまじく、量で言えばあの【偉大な英雄のソウル】ですら超える量だ。
「俺ちゃんのソウルもくれてやらァ。
何、2億ソウルもありゃ十分だろ?」
「は?お前…そんなに持ってるワケなかろう」
「何だよ兄貴、アンタこそ5千万も無いんじゃねえのか?
第一さ、この前の貪欲者の烙印耐久勝負で負けて数十年間の薩摩弁縛りと一緒に4億くらい俺に渡したんだし」
「バッカお前、あの後稼いだんじゃドアホゥ!」
「ふぅ…また始めた。
ま、私は無難に1億でいいかな」
「俺も…」
「それじゃ、俺、買い物もあるから5百万で「「「「「は?」」」」」え、いやだから…「「「「「一億で行けや」」」」」いやあの「「「「「一億で行けや」」」」」…「「「「「…」」」」」やってやろうじゃねえかコノヤロウ!!!英雄ソウル99個も含めてやらァ!!!」
霊体たちが何か始めたが、どうやら協力してくれることには変わりないようだ。
「で、どうやって近づく…?」
「「それは…」」
レオンと霊体6人の計7名の運搬に、飛行兵のヒノカとカミラが名乗り出ようとするが…。
「私達に任せてください…!」
「!?」
名乗り上げたのは、まさかのミコトと…そして赤い人型であった。
「母上!?透魔の呪いは…!」
「問題ありません。どうやらハイドラが葬られたと同時に、血清が十分に効いて来たようです」
「血清…?
まあいい。ミコト殿、貴方は戦巫女のようだが…?」
『正確には、私があの竜までお前達を運ぶ」
「うわ!コイツ喋るのか!?」
「なんか…シローとカテジナが交互に喋ってるみたい」
後ろの赤い人型が喋り出した。
その後、大きな翼を広げ自らの飛行能力を示すように軽くはためかせる。
「というか、お前は…?」
『フン、先ほどまで戦っていた相手を忘れるとはな…』
「え…え?」
「もしかして…アオイ、なのか?」
そう、赤い人型はアオイだったのだ。
ヤレヤレとばかりに顔を振る彼/彼女の後ろから3人…ラズワルド、オーディン、ルーナが顔をだした。
「ラズワルド!?」
「オーディン…!」
「ルーナ…?」
彼らのそれぞれの主は、思わぬ面子に多少の驚愕を見せた。
「露払いなら任せて下さい、マークス様!」
「ギムレーには俺達、因縁があるんです!」
「またアレが出て来ちゃ私達、お父さんやお母さんに顔向けできないじゃないの!」
『決まったようだな…全員、私の背中に乗れ』
アオイが先程までのような鳥型に変形し、腰を出来るだけ低くした。
…ただ、その背中は11人全員が乗れる程ではない。
『ああそうだ、言い忘れたが霊体…お前達は足で掴んでいく。
目的地に到着した時に空中で放す、そのつもりでいろ』
とんでもない事を口走ったアオイに、霊体一同は啞然とする。
「…ま、いつものことさ」
「ドラングレイグ…いや、ロードランぶりか」
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―――よう、また会ったな…いや、覚えちゃいないか。
「そんな事ないよ、覚えてるさ…。
機械人形の群れに襲われた時以来だよね」
―――チッ、覚えていやがった…まあ脳味噌が覚えてるわけじゃ無さそうだがな。
「そういう事なんだろうね…魂の記憶って」
―――で、だ。結局無駄だったんじゃないのか?言ったよな俺は、ただ繰り返すだけって。
「ああ…分かってるさ。
でも、今度こそは無駄なんかじゃない…皆が力を貸してくれている」
―――…あー、マジだ。奴さん達、ブリュンヒルデと手持ちソウルを使ってお前を再起動させる気だぜ?全く美しい兄弟愛だねえ。
…で、もう行くのか?
「ああ…!
もう迷わないさ…!」
―――全くどいつもこいつもポジティブだっつーの。もっと湿っぽいトコ見せろってんだ。
…まあいい、邪魔はしねえよ。行けよさっさと
「そうだね!急がないと…!」
[…全く、馬鹿馬鹿しい]
[何が馬鹿馬鹿しいのか知らんが、一番のバカはお前だぞ]
[う”っ…!]
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「――――――…せ、目を覚ましてくれ!兄さん!」
「コッチは後5千切った!もう持たんぞ!」
うつ伏せに倒れたカムイの背中で、レオンがブリュンヒルデを通じて懸命に生命力を送り込むが一向に立ち上がる気配がない。
『身体破損率70%…戦闘続行、可能…!』
アオイも全身に傷を負い、左手を失っても尚戦い続けている。
…誰もが、カムイの見せる希望を信じている。
―――だからこそ、この瞬間が訪れた。
【「I」 ~ 為】
『ヴォオオオオオオオオオッ!!!』
カムイが、遂に再起した!
彼がガパッと起き上がると後に、大地を引き裂かんばかりの咆哮が鳴り響きギムレーを怯ませる!
「やった…!」
「いいぞ!オペレーションファイナルウォーズ続行だ!」
レオンに霊体一同、そして援護に回ったミコト達に遠くから見守っていた王族たちも歓喜の声をあげた!
カムイはその巨体からは想像も出来ない機敏な動きでギムレーに接敵するや否や、なりふり構わず右の首を両手で鷲掴み、一気に背負い投げをくらわした!
すかさず首を捻り、千切れ取れるまで回す!
…そして遂に首がはち切れるとソレを大雑把に投げ飛ばし、真ん中の首に噛みついた!
悲鳴を上げるギムレーをものともせず、そのままジャイアントスイングで振り回す!
真ん中の首が、ブチブチブチと嫌な音を立てる。
あまりの遠心力に肉体が耐えきれていないのだ!
――――首が千切れ飛ぶ瞬間、カムイは上空にギムレーの身体を放り投げた!
巨体がウソの様に、何処までも飛んでいく!
そしてカムイは回転を止めない、口にエネルギーを溜めながら更に回転する勢いを増す!
ぐるん!ぐるん!と、口元のエネルギーが出す光で顔どころか首をも覆い尽くすまでその回転は続く!
ギムレーがもうこれ以上は飛ばないだろうという所まで来た瞬間!カムイは大地を大きく踏みしめて、身体を大きくのけ反らせた!
―――――轟音!?地球が爆発したのか!?
否!カムイが溜めに溜めた力を、ギムレー目掛けて一直線に放出したのだ!
水、嵐、そして光!三種が混ざり合い強大な力となったそれが、ギムレーを穿った!
最早あの太陽の長子の一撃ですら比較にならない!
ギムレーを持ち去ったままソレが吹き溜まり、透魔王国すら超え、遂に大気圏へと突入する!
空気の摩擦とブレスの威力でギムレーの肉体が滅び去っていく!
…その中、人型が飛び出した…!
ギムレーの本体たる、変異した邪竜の核。
それがギムレーの竜の身体を抜けて再び地球に戻ろうとしているのだ!
―――しかし残念ながら、変異してしまったがために嘗ての神の力など無くなってしまった。
神でも無ければ、物理法則に従うまで。
ギムレーの核は摩擦熱でその身体を燃やされていく!
悲痛な叫びを、聞く者は誰もいない。
只々、只々…燃えカスとなって行くのみ。
…その日、戦火に見舞われた地上で、1つの流れ星が観測されたのだという。
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『これが、インターネサイン…!
やはり貴様がいたか…!【古き獣】!!』
うおっしゃアアアアアアアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!遂に3章じゃあああアアアアアアアアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!