ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結) 作:エーブリス
所で前回の最後に出てきた人、首輪付きと…誰か分かるかな?
…あ、序盤と最後だけ三人称です。
所で、火牛の倒し方教えて?
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「―――はッ!?」
スミカは突然変わった景色に驚いた。
一面を灰で覆われた吹き溜まりの大地から一変…5畳間ほどの、やや散らかった“誰かの部屋”に居た。
…しかし彼女にとって、その部屋にあるほとんどが見覚えのない物だった。
よく分からない言語の本。
用途の分からない白い箱に黒い箱。
その下や後ろから生える黒い紐の数々。
「何…コレ…?」
スミカの質問に答えを与えられる者はいなかった。
少なくとも、その瞬間は。
「昔の部屋だよ、アイツの…」
「!?」
彼女の真後ろのベッドに、いつの間にか男が寝転がっていた。
自分の父親似のその男に彼女は驚きつつも素早く杖を向け、ソウルの矢をいつでも発射できる態勢を取る。
「おおっと、杖を同時に向けられちゃビビッて話が「御託はいい、アンタでしょ?私達をこんなところに送ったの」おおう…ま、俺が直接ってわけじゃないんだ」
「何のつもり…?」
「わかった、そう凄むな…順を追って話す」
両手を挙げながら、男は「落ち着け」と言いたげに手振りでスミカを宥めた。
「えー、あぁ…とにかく、着いてこい。此処じゃ説明に不足が出る」
「は?ナニソレ?
…まあいいわ。でも、変な真似したらブッ飛ばすから」
「バカ言うな。
…俺はな、テメエみてえな中途半端なホルスタインに興味はねえんだよ)」
最後の方は極力小さな声で言った。
「なんか言った!?」
「なーんも」
男はドアノブを回し、ドアの向こうへと消えた。
続いてスミカもドアに近付く――――が、その前にある物を見つけた。
それは、黒く塗りつぶされた正方形と、長方形の何か。
本の様に見えるソレは、実の所何かのケースであった。
他は何かしらの絵と文字がある。
…一部、彼女が読めたのは『超万里生兄弟(※スミカはこう読んだ)』と『鉄、歯車、金属(※こう読んだ)』他、二つであった。
しかし、それらだけ…何か黒く塗りつぶされている。
「何かしらね…」
不思議なソレを、彼女は手に取って持ち運んだ。
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「まだ来るかよ…!」
この雑魚、次から次へと湧いてきやがって!弾丸もミサイルもまだ山の様にあるが正直キツイってんだ!
「…嘘ついた、鬱陶しいだけだ」
もう相手にしてられるか!
目標地点に急ぐ、ブースターを最大限に吹かせば振り切れるハズだ!
「出力最大…!
ぐッ!ぅおおおおおおッ!!!」
成程、殺人的な加速というヤツか!
コイツは…確かに、死人が出るな…!
『ん、もう見えてきたね…君の敵が』
「あ?敵…ああ、アレか」
『そうだよ、もうちょっと拡大してあげよう
…ホラ、見たことあるんじゃないのかな?』
「見たことって…ッ!?ACじゃないか、何で…味方じゃなかったか?」
サイズからしてVAC…!
しかも待てよ、頭以外KE装甲ばっかりな上、武装が全部ハウザーじゃないか!
『彼は違うんだ…少し。
―――ああそうだ、なんならあのACのパイロットの情報を見せてやってもいいけど?』
「何だよ急に…、まあいいや見せろ」
…リクエストに応えて、ディスプレイにあのACのパイロットだという男の情報が顔写真付きで映し出された…が…。
「コイツ…コイツッ!!」
『どうだい?少しはやる気になっただろ?』
「やっと、やっと見つけた…見つけたァ!
殺す、殺してやるぜェ!!!アヒャヒャヒャ!ヒャヒーヒャッヒャッヒャッヒャ!!ヒャハハはははは、ころすぅうううううううう!!!」
あの糞親父、こんなところに居やがって!
…この速度なら、無残に轢き殺してやれる!家族を見捨てた男には相応しい最後だ!
「親父ぃ…俺はな、自分の家族のために何億…何千億年、捧げたと思ってるぅ?
―――やっぱり俺はテメェじゃねえ!アンタは…何もしてくれなかった!そのままァ…!!!」
更に、ブースターが焼け焦げる程に出力を上げる。
最早オーバーヒート直前だ…だがやれる!
「タクティカルアドバンテージ消失…ッ!オペレーションレベル最大効果を確認ッ!!!
鉄屑と、挽肉と、灰燼と化せ!!!!」
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「さて、コイツなんだが…」
「何よこのちんちくりん」
「ちんちくりん言うな、俺の本体だ。
…ったく、自分で持ってきたとは言え、吹き溜まりにこんな所に流されるなんて…全くツイてねえ」
何かを嘆くように、男は空を仰いだ。
「…まあいい、こいつをまた起こす。
手伝ってくれ」
「待って、何をする気なの…?」
「コイツを使って、世界に出来た歪みの中でも危険なモノだけ取り除く。
全部歪みを取り払ってたらキリがねえからな」
「………つまり、このミイラには空間的な力があると言いたいの?」
「―――――――そこまで理解されるとは思わなかった、あの部屋の主は絶対「分からん」って言うかもな」
「ええ。これでも学問は頑張ったから」
「…そうか、やっぱりあのソウル魔術はそういう事だったのか。
だが、偶々見つけたスクロールもあるよな?いや、きっとそれが原因に違いない。
だからこそ…そういうモノをホイホイ持って来てしまう」
男はスミカの持つ黒い正方形と長方形を指差した。
「何、これが何だって言うの…?」
「何に見える?」
「え、何って…ただの、黒い、何か…」
「そう見えるのは分かってる。
お前ならもっと、深い所を答えられるハズだが」
「深い…」
もう一度、彼女は黒いソレを見つめる。
――――段々と、黒から何かが浮き出てくる。
確かに、そうだ…何か、紫と黒…闇から、闇が浮き上がってきている。
もう一つもそうだ、黄昏と煤そして炎…闇から闇が…。
「…どうだ?ココから先を、見たくはないか?」
「ッ…」
まるで、あの男に見透かされているようだった。
―――そして男は、一つの“叡智”を差し出した。
「コイツなら、次元の先を見れる…見たければ、なあ?」
その言葉が、彼女の探究心をくすぐった。
ああ、欲しい…目の前に、それが…!
――――――――でも、彼女は分かっている。
「いいえ、知りたくもない」
「ッ…何故…?」
「分かるの、一度こうなってしまったから…。
きっと、あの人が止めてくれなければ…今私は、お母さんともお父さんとも、また出会えなかったわ」
「ッ」
彼女は、男から距離を置く。
「“探究心に狂わされるような輩は本当の「理」を持っていない、お前も「理」を武器に戦うのなら心しておけ”…そう言われたわ、同じ…この魔術を使う、赤い人に」
「…」
「その通りよね、いくら魔術でも…ただただ乱暴に使ってたら棍棒と変わりないもの。
もっと、何だか…言うのは恥ずかしいけれど、人のために使わなくちゃって、そう思う」
「…だけど理の先は膨大な計算から来る完全なモノだ、そこに情や心なんかは…」
「きっとそれ、間違いよ。
じゃなきゃ今の世に「心理」なんて言葉、無いはず」
「そんなの良い子ちゃんの詭弁だ…というかまず心理って」
「道具ならただ物を計るだけでもいいけれど、生き物はそんな単純じゃない…そうであるハズなんだと、考えてるわ」
「……チッ」
男は悔しそうに、舌打ちをした。
「まあいい、コッチが下らない反骨精神を出した結果だ。
…それとソレで思い出したが、ホレ」
急に男がスミカに目掛けて、何かを放り投げた。
「何?…これ、指輪?しかもお母さんのと同じ、いや、アレと違って目が赤い」
「さっきの部屋の主だった男の持ち物だ。母親か、アホな親父に渡してやれ」
「部屋の………ッ!!
もしかしてコレ―――――「合ってるよ」え?」
「その答え、合ってる。
…そんな事より手を貸してくれ、流石に一人じゃキツイ」
「え、ええ…」
やっぱり頭を使う内容はもう二度と書きたくない、そう改めて思いました。