ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結)   作:エーブリス

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今回は本編を飽きる程読んでないと分からない可能性のある内容なので、そういった方はブラウザバックをお勧めします。
というかいつものエーブリスの文章です。


【スピンオフ風】生命断ちを成す覚悟へツナグため

闇夜の中、業火が煌く。

このフィールドを囲むように燃えるソレは劇場のステージのようで…もしそうだと考えたならば、そして本当に演劇か何かなのなら俺は脚本家を今すぐにでも殺したいと考える。

 

…ふと、頬に液体の感覚を覚える。

 

 

泣いていた…もう、今までどれほど泣いただろうか。

しかし…ほんの少しだけだ、もうじき枯れてしまうだろうな。

 

 

 

 

―――しかし、涙だと思っていたソレは血だった。

全身に纏う夥しいほどの血液…もし、ここに「それは誰の血だ?」なんて…クッソふざけた事を抜かす奴がいればソイツも殺したいと考える。

 

とっくに枯れていたのか、涙なんて。

 

 

「これで………満足か……………ッ!」

 

 

ゆっくり…ただゆっくりと、息絶えたベルカの遺体から剣を引き抜く。

それと同じくらいゆっくりと、じっくりと、疑心暗鬼に包まれた“奴等”を睨みつける。

 

奴等の言い分だって理解は出来る。だから、身体から噴火のように吹き上がる怒り…を、通り越して殺意すら生温い(言うなれば本能的な戦意)が抑えられないし抑えようとも思えない。

 

 

 

「…まだだ、次はお前だ」

 

奴等はそれでも、常に神経を研ぎ澄ませ俺を警戒する。

…まるで、自らが正義であるかのように…そうであるのが当たり前のように。

 

「ッ…!」

 

誰か二人が、俺をそれぞれ片手ずつ封じる形で抑え込む。

先も言ったが奴等の言い分も理解できる、軍が瓦解寸前で…しかも3人、4人と透魔の眷属と化した奴が続出すれば、こうして魔女狩りを始めるのも道理だ。

 

 

「っの…!」

 

だが、だが…俺は、俺達は“無実”だ。

ハイドラのスパイでもないし、内通者でもない…。

 

 

有りもしない罪、正当性のない罰。

その中で奴等は正義の普遍性を何処までも信じている。

 

「…なあ」

 

ジェット式のような形で抑え込まれた俺の声に応えた人間はここにはいなかった、それでもお構いなく俺は要件を続けた。

 

 

 

 

「お前らは…」

 

 

 

 

この時、隠し持っていた銃で右手を抑えていた奴を撃った。

有難いことにこの外界の異物でかき乱された世界において、未だ銃は登場していない。

 

続いて左にいた奴の脳天をぶち抜く。

これが不思議と、かつてないほど冷静にそして綺麗に眉間を撃つことができたのだ。

 

 

最後に目の前に立つ現在の指導者たちに向け、モーゼルを構えた。

まるで地獄の黙示録のような、死線に狂った脳味噌の持ち主たちに。

 

 

「お前らは、正義が勝つと…まだ言えるのか?」

 

 

 

 

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何度、この同じ朝からの始まりを目撃してきたのだろうか…この朝をどれほど言葉にしてきただろうか。

 

とっくにマンネリは始まっていて、それでいて改善の見込みが見えない…というより改善がされるわけなどないのだ。

 

 

ふと、ベルカがいるはずの右手の方を見ると、そこには普段見えるはずの顔がなくって…代わりに少し暖かい枕と虚空と壁だけがあった。

 

慌てて周囲を見渡すと、この嬉しくない差異の原因にいち早く気がつけた。

 

 

蝋燭が記憶しているよりも随分と短いのだ。

いつもあの蝋燭を消し忘れたまま夜を過ごした後から始まるのだが…。

 

「今回は消しておいてくれたのか」

 

…寝坊するのは今回が初めてではない。

すぐさま装備を整え、いつものグレートソードを担いで急ぎ外へ出る。

 

 

こうなると何故か襲撃が来る、何故か此処まで時間をかけると襲撃が発生する場合が多いのだ。

 

どういう訳だか…しかし応戦しなければならない。

やはりというか、外に出た時には戦闘が始まって大分経って居た。

 

 

手頃な距離にいる透魔兵を行き当たりばったりの様に切り捨て、切り捨て、そして切り捨て。

 

まるで『繰り返し』が始まってからの俺だ。

ただ傷つけて…ただ苦しんで…ただ失っていく。

 

 

最後は別ればかりを繰り返して…そのワンシーズンの時間だけ引き千切って一つの輪に作り直されて。

 

 

 

終われるのなら、解き放たれる快感をどれ程味わう事が出来るのだろうか…?

 

 

 

 

―――――爆音は突然鳴り響いた。

ガラリと、建造物が大きく崩れ去る音も後に付け加えながら…。

 

俺は今…壁の隅に立って居て、頭上には監視塔があった。

 

 

最早、予想・予感は的中した…などというお決まりの文章すら必要なかった。

それこそ強化人間の周囲探知能力ですらも。

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

 

 

 

――――正直に言う、予想も予感も、ましてや能力も使えなかった。

使う暇さえ与えられなかった…。

 

瓦礫は“目の前”に崩れ落ち、それに飲み込まれる人影すら(一瞬だが)見えた。

 

 

予感・予想、そして能力が使えたのはここからだった。

しかも嫌な風に…追い打ちにフル稼働だ。

 

 

 

 

瓦礫の雨を免れた右手が、とてつもなく覚えのあるものだった。

 

「そんな…」

 

やがて血が流れ、失った左手の代わりの義手に触れる。

…デジタルとは便利な分、とても容赦がない。

 

 

何もかも、人が思う限りでハッキリと伝えていく。

 

 

 

 

 

空が、そして世界が赤く染まった。

こうしてこの時空は奴等の忘却の果てに埋もれていく。

 

 

 

 

 

 

 

ただ、苦しみに…ただ、あふれて…。

それでもまだ、生きて…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ…」

 

とても残酷なように思える。この朝を迎えるのにはっきりとしたスタートを感じなくなっていた。

 

そして一日を始めるため身体を起こす直前、恐怖と怯えを伴った本能的な警告が神経をかき乱した。

 

 

…これがトラウマというモノか、そう考えながら同時に『深い深い海底から接近する人食いザメに食い殺される』イメージをする…。

 

…大体の人間が特定の単語に対して、独特なワンシーンをイメージとして抱えているように、俺にとって“トラウマ”とは『サメ』なのだ。

 

 

 

 

壊れるなら、そこに留まればいいのだ。

だから、布団にくるまったまま…蝋燭がみるみるうちに短くなり、溶けた蝋がチョコドーナツに滴るのを何度も見つめながら…。

 

 

 

後ろが、何度も冷たくなるのを感じながら。

世界のだれもが苦しまない、ただ静かに息を引き取るのが最も彼女の平穏に近いのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記憶探して 時をsavage beast

何処に隠れて 何処に逃げる?

 

昨日の未来は 今過去に

酔生夢死陽炎消えてく

 

 

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