ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結) 作:エーブリス
ガロンが王の軍勢で攻めてきます。
己の胸郭に魔力を帯びた剣が突き立てられる度に薄れていく。
痛みはまるで感じない、いや、痛みを知ることは出来ている…だが感じない。
それでいい、それでいいんだベルカ…もういっそ惨たらしく殺してくれ。
守ると誓っておきながら敵の手に堕としてしまった、その時点で俺に価値などないんだ。
さあ、最後に恨み言でも暴言でも聞かせてくれ、そいつで地獄を楽しんでくるからさ…
『……、………、……………………、」
ああ、やっと聴力が戻ってきた、意識してりゃ聞こえるもんだな。
『…デ、…ゲナ………』
『ナン…、二……カッタノ』
『ナンデニゲナカッタノ?』
…は?
『ナンドモナンドモ、ニゲテ、ッテイッタのニ』
『コロしタク、ナカッタ』
…オイオイ、もうお世辞は要らないって。
死んでほしかったなら「苦しんで死ね」って中指を立てながら言ってくれよ。
『…シなナイで』
なんでだ、何故俺を未だ家族だと思っている!?お前を見捨てた相手に慈悲なんてかけないでくれ!救いなんて求めないでくれ!
安心して成仏できないよ…
『…カエっテ、キて』
…なんでだ。
『…コレイじョウ、かゾクをシナセたクナい…!』
待てよ!、それは違う…
そうか、アレはそういう事だったのか。
お迎えの死神には悪いんだが急用ができた、地獄はもう少し後で行く。
嫁の勘違いを正さにゃならんのでね。
それに、仲直りも済ませてない。
~ ~ ~
「はははははは…はは…は?」
一度怯んだ隙に次は足を爪先から大雑把に細かく解体していく。
足を失ったことに未だ気付けずにいる達磨となったマクベスの鳩尾に回し蹴りをねじ込みむ。
スッとんで行った達磨のマクベスは数十m先の大木にめり込んだ。
マクベスの奴には簡単に死んでもらっては困るので回し蹴りを喰らわす前にいくつかの雫石を奴の身体に無理矢理埋め込んだ、多分後何撃かは耐えるだろう。
此処でトドメの下準備のために鬼打ちの大弓を構え、そこに竜狩りの大矢を番える。
後は
そうだ、体は既に兵器と成り果てていたんだ。
大矢はマクベスの鳩尾に入った。
絞めと目打ちは済ませた、後は正しく捌くだけだ。
ぶつ切りだけどな。
「もう、諦めますよ…」
鉄塊が如き聖剣を神速で振るい、マクベスを外側から後ろの大木ごと細かく刻んでいく。
最後に残ったのは、大矢の周辺の肉と臓物だけだった。
◆ ◆ ◆
目の前に血と肉片と臓物の欠片の猫まんまがあった。
どうみたってマクベスは死んだ。
似合いの最後だ、俺よりも先に地獄で苦しんでろ。
そもそも俺の嫁に手を出した時点で地獄にも行けるか怪しいがな。
ああ、そうだ。あんなクソコンブワカメの相手はもちろん、何よりも優先するべきことがあった。
「洗脳は解けているといいんだがな…起きろー」
足元でシコリティのそこそこ高い鎧(個人的な意見)を着たまま寝ていたベルカの体をゆする。
「…っん…」
シリアスを壊すようで悪いが今の声で興奮した。
やっぱウチの嫁かわええ。
「おはよう、5分弱ほどだがよく眠れたか?」
「マーシレス…ごめんなさい、スミカを…」
「ああ、そのことだが…ありゃフェイクだ。ほらよ」
そう言って回収したゾーラの死体を見せる。
「…嘘、イズモ公国で死んだと聞いたのだけど」
「ああ、直接死に様を見た俺としても信じられんが…洗脳ができたくらいだ、一応の蘇生もできるのだろう」
「洗脳…は!」
突然ベルカが反射的に先ほど魔力剣でピンクッションにされた胸を服の裂け目越しに確認した。
一瞬戸惑った素振りを見せたが、すぐに落ち着いた。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
「謝るのはこっちの方だ…一緒にいてあげられなくてゴメン…」
あと、もう一つ謝る事がある。
「勝手にお前のドーナツ食べちゃってゴメン」
アレはマジで悪いとは思ってる。
「あ…べ、別に…気にしてない…」
「そうか?モノすっごく落ち込んでるようにみえた「気にしてない!」あー、分かった」
まいっか、こうして無事に戻ってきたわけだし…
「所でベルカ?その格好で戻るの?」
「あ…///」
マーシレスの身体に入っている機能。
対人用FCS:マーシレスの身体に埋め込まれた後付けパッケージ。強化人間の演算機能を使って小銃や弓などの照準とか色々と完璧にサポート(実態は人体9割方オート操作)してくれる。
因みに強化人間の脳や神経に直結しているので反射神経などは人間の数十倍だが当然負担も高い(使用者のAMS適正にもよる)
元はノーロック兵器をロックオンできるようになるFCSとして財団に開発されたのだが、いざ使ってみるとロックオン距離最悪、ロック速度遅い、ミサイルロック早いけど距離もサイズも小さいから結局役立たず、しかもEn消費がバカみたいに高いともはやネタパーツと成り果ててしまったFCSを何とか対人間で使えるように調整した物。
これほどの高性能兵器でありながらその本質は「使用者を強化する」ことではない様で…