ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結) 作:エーブリス
鎧はクレイトンだったりレザーブーツ闇だったり真鍮だったり…
それは古い時代
世は未だ分かたれず、深い霧に覆われ
岩と大樹、そして朽ちぬ古竜ばかりがあった……
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「…そして、ウロコの無い白竜シースの裏切りにより、ついに古竜は破れたとさ。めでたしめでたし……これが俺の地域に伝わる白竜シースの物語の一部さ」
どうにかうろ覚えでダークソウルのオープニングを語り終えることができた。
「中々に壮大な物語だな」
「つまりシースは竜と神との闘いで同族を裏切り、神に加担した白い竜って事?」
「まあ、この話だけを聞くとそうなるな。どちらかと言えばここからの話が重要だ」
「続き?」
「そ。それで、シースなんだが…この戦いの後、薪…いや、大王グウィンから例の王のソウルを分け与えられ、それと強奪した古竜たちの宝『原始結晶』に自身のウロコの制作のための研究に没頭した…要はハゲ隠し作りに夢中になっていたんだな。
で、その過程で作られた魔術があるんだ。それが…」
「私の…」
「そういう事だスミカ。問題なのはここからだ…シースは結晶の力でハゲ隠しの研究を長年続けた結界、狂気の域まで達してしまった。そこらの野生生物や攫った人間を怪物に作り替え、自らの吐息に即死の呪いを植え付け…ダメだ、奴の凶行を数えだしたらキリが無い」
「うそ…私、そんな頭のおかしいバケモノの魔術を使ってたの!?」
本当にそれだ。アレを読みつくしたら発狂確定だと思っていたのに…一体どういった構造しているんだ?スミカの脳。
「あのスクロールは本来焼き払う予定だったんだ。お得意様にも勧められたし…それが何の間違いか秘境に流れていっちまってね」
「それで私を危うく殺しかけたの!?ふざけないで!」
「あー、文句は後で聞く。俺が今思い出せるのはこのくらいだ」
話しておくべき事は多分全て話した。
これでカムイも対策が練りやすくなるだろう…
「そうか、ありがとう…結晶の白竜シース、か…」
いや待て、なんか忘れてる。
何か、致命的な情報を忘れているような気がする…
いや、気のせいか。きっとそうであると願いたい。
「まあいいや。今日はこれで終わり、閉廷だ。解散!」
▲ ▲ ▲
――自室――
机に腕を枕にしてうつ伏せになり、考え込むこと約一時間半。
今だ見落としている部分を思い出すことができない…
「ねえ、さっきからずっと机に突っ伏しているけれど…どこか具合が悪いの?」
「いや、大丈夫だベルカ…ただ、何か見落としているような気がする…」
「そんな事ない、ただ疲れているだけよ。いくらなんでもアレだけ動いたら貴方だって疲れるわ」
「そ、そうか…な?。とりあえず気分転換に外に出よ…グゥウっ!」
脇腹に痛みが走った。
そう言えばあの時妙に痛みが薄かったが…きっと痛みを忘れていたんだな自分。
「やっべ、さっきの突破でやられてたんだった…」
「大丈夫!?顔色悪いわよ?…」
「問題、無い…動かなければ……ウググ…」
マズいな…明日に響きそうだ。
「ねえ、出来たらベッドまで運んでくれるか?」
「分かった…!」
その日はほとんど部屋から出ることが無かった。
でもまあ、やや久しぶりにベルカが一緒に寝てくれたからそれはそれで結果オーライだな。
ベッド増設してからそういう機会減ったからな…。
アス大の突撃って意外と喰らうのな。