ナニカサレタ男がFEifの世界で色々するだけの物語(完結) 作:エーブリス
今回の戦闘風景はダクソ3倍速レベルの速さをご想像下さい。
目の前の吐き気を催す憎んでも憎み切れない気配は今殺すべき相手。
己の手には重厚な刃の大剣。
「なあ、テメェはこう思わないか?」
「…行ってみ」
「『もう言葉に意味はない』ってね」
「そうだな、そろそろ左手の疼きがウザくなってきたところだ」
己の手には人間性で変質した楔石で出来た曲剣。
「目障りだ!」
「消えろ!」
― ― ―
コッチが天井スレスレを跳んでいるのに対して、向こうは地面を這うような低姿勢で走った。
どちらかと言えば、向こうが断然早い。
「跳んだのは誤算だったな!」
「クソ!」
瞬く間に壁へ辿り着いた奴は地を、そして壁を蹴ってまるで直角を作るように空中を飛ぶ俺の真後ろを取った。
「ナメんじゃねぇ!」
コイツにだけはバクスタを取られたくない。
しかもこんな間抜けな状態でならば尚更だ。
原理や手法はよく分からないがどうにかして空中で振り向き、迫る刃をグレソで弾く…つもりだったが思いのほか受け止められてしまった。
流石に分が悪い。
今度は縦に身体を回し、天井を蹴り地へ素早く足を着けた。
その1秒後に奴が着地する。
なれない空中戦は此処で終わりだ。
俺も奴も距離を詰め、剣戟を振るった…片やファルシオンタイプの曲剣、片やメガトン級の大剣と得物に大きな差がありながらパワー、スピード共に拮抗していた。
俺が全力で振り下ろせば奴は片手でいなし、回し蹴りを心臓近くにねじ込む。
けれども奴ができる限りのスピードで曲剣を振るってきたら俺もそれと同じスピードで弾くか交わす。
「クソ!同レベルの相手はこれだから嫌なんだ!」
「同レベルだ?寝言は一回死んでから言いやがれ!」
奴は俺の顔面目掛けて左手(おそらく奴の利き手)の曲剣を投げつけた。
幅が広く、目の前に出せば視界が遮られるグレソで防いだのが間違いだった。
一瞬視界がグレソで埋まっていた間、どこぞの173染みた速度で詰め寄られていたのだ。
「まばたき厳禁ってな!」
奴はいつどこで取り出したのか不明な禍々しい大曲剣を上段に構えている。
「な、なんじゃそり…」
自分の肉が裂ける感覚と音は、ほぼ同時に伝わった。
左肩から右脇腹までやられた…!
「ハッハー!いいザマじゃねえかっ―――――――がふッ!」
でも反撃できねえダメージじゃねぇんだ。
グレソをガードの甘くなった自分から見て右胸あたりに突き刺してやったよ、ザマーミロ。
しかしその途中で左手に止められ、身体の4分の3を貫く程度に終わった。
「―ッソが!テメェに気安く触られる程安い剣じゃねぇんだ!」
先端に奴を刺したままグレソごと奴を床や壁に何度も繰り返し叩き付けた。
そして何十何百と叩きつけた末、刃はとうとう奴を突き抜けその先の壁に突き立てられた。
―――――――それで殺った!と油断した俺を見てか、奴はまたグレソの両端を握り、身体から思いっ切り引き抜いたかと思うとさっきまでの叩き付けをそっくりそのままやり返して来た。
それに反応し咄嗟に手を離したのがまた良くなかった。
遠心力で思いっ切り放り投げられ、激突の衝撃で壁に磔にされた。
次にグレソが俺の左腕の付け根あたりを目掛けて飛んできた。
「ッがぁあ!」
バキッ、っと骨の折れた音が聞こえた。
一応センチ単位で肉は繋がっちゃいるが骨は真っ二つだ。
流石に骨まで斬られた事は無いから再生できるか分からねえ。
「クソ!畜生が!」
取り敢えず残った右腕でグレソの柄を持ち、強引に引き抜く。
奴は投げた曲剣を今、拾い終えていた。
……――――――――――――・・・
数分間のにらみ合い、その間俺も奴も無言だった。
「しつこい、さっさと失せろ」
先に口を開いたのは俺だ。
「返すわ、そのままそっくり」
「わかったからその口開く前に死んでくれ……ッ」
何となく左手がくっ付いてきた。
それを確認して、もう一度床を蹴った。
さて、仕切り直し…いいや、大詰めだ!
最後の一文(↑のヤツ)はあるアニメのキャラ別PVから引用しました。
公開楽しみだな~…