回転割砕の魔導右腕(ライトアーム)   作:変色柘榴石

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サブタイにも次回予告にもクロノのことを示唆したな。
騙して悪いが、クロノは一場面しか出ないんだ。
(クロノの出番は)犠牲になったんだ。管理局側の○○○の出番の犠牲にな……

時の庭園ではかっこよく書くから許してやクロノ君……


十四話「黒色のクロノ」

 茜色に染まる倉庫街。

比較的に開けた場所に、白銀の騎士と二人の少年は対峙していた。

少年二人の行先は、この先にいる少女たちが対峙している場所。

しかし、まるで通さないと言わんばかりの威圧感を放つ白騎士(ギアナイト)

それを目の前に、デバイスを起動した状態で硬直する聖刃とひなたは、

 

『(FA(フロントアタッカー)は聖刃、俺は隙を見て援護射撃を。あとは――)』

『(深追いはするな、欲を張るな……だろ? ンなの師匠から空洞になるほど聞いてる)』

『(さよで。ンじゃま――)』

 

四肢のナックルスピナーを回し、体制を低くしていつでも動けるように準備するひなた。

異なる黄金の剣(クラレント・セイバー)を肩担ぎに構える聖刃。

対するギアナイトも、構える二人を見やり、バッティングフォームに似た構え――八相の構えで石の大剣を構える。

 

戦闘開始(オープン・コンバット)だッ!」

「応ッ!」

敵、滅ブベシ(てき、ほろぶべし)ッ!】

 

 

 

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 静かな光の中を移動する鋼鉄の船――時空管理局・巡航L級8番艦『アースラ』。

そのアースラの艦首のメインモニターには、白い2mの騎士と、少年二人の戦う姿があり、もう片方には少女二人が対峙する場面が映し出されている。

 

『「――ぐッ! 日野ォッ!」「喚くなッ!」【潔ク散滅セヨ(いさぎよくさんめつせよ)ッ!】』

 

「うわー……男の子の方は激戦だねー。でもいい感じかも?」

 

オペレーター席に座る癖っ毛の女性がメインモニターの映像を見て感心する。

そこにカソックのような黒色のバリアジャケットを身に纏った小柄な少年が肯定する。

 

「確かに。良いコンビネーションだ」

「……感動的――だが無意味」

 

そう言ったのは小柄な少年の隣。

床から少しだけ浮き、ボロボロの外装を身に纏い口を覆い隠した少女だ。

 

「うわ、カガミちゃん辛辣だ」

 

と、癖っ毛の女性が苦笑する。

でも、と少女は続け、

 

「一旦、止める。一応は、違反だから」

「現状ではな。君は鎧の方へ――」

「――自分は少女二人とエロ姉さんと、除外の小動物を除いてエロエロしてくるから、むさい方よろしく……か」

「……君の長文は毒舌にしか作用しないのか」

「否定しないのかエロノ・ハラメオン調教官」

「き、鬼畜だねエロノ君!」

「人の名前と職を改悪するなエイミィはノるんじゃないッ!」

「「えー」」

「は た ら け」

「「はーい」」

 

「……はぁ」

 

 少年執務官の戦いは続く……

 

 

 

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 場所は戻って倉庫街。

封時結界によって人のいなくなった茜色の倉庫街には剣劇の音と爆音が響いていた。

 

その発信源であるギアナイトと聖刃、ひなたの戦いは続いていた。

リーチでは圧倒的に負けている聖刃はギアナイトの剣劇をいなし防ぐことぐらいしかできず、合間を空け撃たれるひなたの射撃も紙一重で避けられ防がれる。

 

『(本当なんだろうな。なのはたちの方に管理局とかいう奴が介入してくるって)』

『(多分な! 可能性として、こっちにも介入してきたりとかするかもな)』

『(なんなんだかねそれは……! あっちに行ったの死なないといいな)』

『(言うな言うんじゃない言うんじゃありません三段活用! 不安になる!)』

 

二人が念話で言っているのは、先日のオフィス街での戦いのこと。

 雰囲気の変わったなのはの戦い方は一変、射撃魔法と隙を見てのバインド、加速魔法からの打撃を主軸に時折混ざる砲撃と、聖刃曰く『温泉での戦闘以上のえげつなさ』らしい。

使える魔法、手段を全て使い、勝利を穿つ戦いの基本にして本質を貫いた戦い方だと、聖刃の報告を受けた(めぐり)は言う。

 

対しフェイトも、手加減は不利と感じたのか、万能的だった戦い方を一変。

速さを前面に出した戦い方へと変わり、撹乱、トラップの射撃魔法、撹乱、偏差砲撃の応酬は、聖刃も顔をひきつらせ、流石のひなたも顔面蒼白になった。

 

今頃、開始と同時にショートバスター連射と紙一重の回避からの斬撃が黒い執務官を襲っているだろうな、と聖刃は想像して気が落ちる。

 しかし今は戦闘継続中。

そんなことになれば、

 

「ンぎぃッ!?」

「集中しろ女顔!」

「わァってるっての無表情ッ!」

 

石の大剣の横一閃が仰け反る聖刃の顔数cm前を横切る。

ひなたの悪態を悪態で返し、仰け反った勢いから体を捻り、数字の6を描くようにクラレント・セイバーで斬り上げる。

クラレント・セイバーの斬撃は、ギアナイトの右肩の根元と頭部を掠る。

そして斬撃の勢いのまま聖刃は地面にクラレント・セイバーを突き立て倒立をして姿勢制御と距離調整。

離れた聖刃を追おうとするギアナイトを、両足先に円錐状の魔力刃を生やしたひなたが突撃して連撃を放つも軽くいなされてしまう。

 

SLG(スピナー・リング・ギア):2】

 

 

――リバースセイバー

 

しかし、両足のスピナーの回転率を上げて足による回転斬撃で石の大剣を持つ両腕を跳ね上げ、ハンドスプリングでギアナイトを突き上げるがギアナイトの腕装甲にギャリギャリと音を立てて防がれている。

ギアナイトは腕を跳ね上げ、逃れようとするひなたの足を掴んで投げ飛ばす。

地面に叩き付けられ、一旦跳ねるが両手をコンクリの地面に突き立ててブレーキを掛ける。

 

「カポエラとブレイクダンスとか、多芸だな日野ッ!」

「剣での倒立(こな)したお前に鏡のプレゼントはいかがかな!?」

 

「景品、失礼」

 

 再び飛び出そうとする二人と石の大剣を振りかぶるギアナイトは紫のチェーンバインドが縛り付けられる。

ギアナイトと二人の間に立つには、ボロボロの黒い外装と牙のようなバイザーを付けた少女だった。

足先には紫色の、ひなたの四肢のデバイスよりも大きく仰々しい機械部分。

 

「ジン、拘束状態を維持」

拝領(はいりょう)

 

「……時空管理局、特殊機構部隊一課所属のカガミ・カンジュ二等空尉。管理外世界での魔法戦は一応禁止。止めなきゃ止める、息の根を」

 

「……あれ?」

「俺の知ってる勧告と違う」

 

カガミと名乗った管理局員は気怠そうに勧告する。

その様子に少年二人は困惑するが――

 

至極面倒デアルト判断スル(しごくめんどうであるとはんだんする)敵ニ背ヲ向ケルノハ(てきにせをむけるのは)癪ダガ、仕方アルマイ(しゃくだが、しかたあるまい)撤退ヲ開始スル(てったいをかいしする)

 

肩のプレートアーマーが開くと絡み付いていたチェーンバインドは崩れ、ギアナイトは転移の光で消えていった。

 

「うっわ、ずりぃ」

「ここは大人しく連行されるべきそうすべき。でないと恐らく俺の寿命がマッハ」

「動揺しすぎてブロントさんネタ入れるお前に心底尊敬するよ常考(じょうこう)

 

「そこの一纏めくん大正解。景品として甘味でドロドロになった緑茶をどうぞ」

「九日前に出直して来い」

「数字だけ残して改変しやがった……!」

 

――管理局との初対面は、締まらない展開で終わったのだった。




動き始めた異界の士。正邪を映す鏡は剣に問いかける。
一方は戦いの最中、合流する地の士達。

十五話「陰陽と錬金と聖遺物」

交わるはずのない力。
それを繋ぐ糸は、常に外側から。


待て、しかして希望せよ
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