ログホラのアニメとか今季のアニメはなかなか豊作。
2013/10/16:最下行の「数日」を「十数時間」に変更
海が荒れ狂う。
ジュエルシードの魔力が物理的な波動を生むと同時に、五体の水流型異相体が柱の様に立ちはだかり、蛇の様にうねり、鞭の様に暴れまわる。
その中央には金と黒色、そして茜色が見える。
それに近づく四つの光。
――なのは、ひなた、ユーノ、聖刃だ。
なのはが
なのはの魔力弾が放たれたと同時にユーノが二体の異相体の動きを
それに続くように残り三体に着弾――の直後、
――ブレイクダイバー
――
赤紫の流星と、二本の巨大で歪な剣が三体の異相体に追い打ちをかける。
そして赤紫の光が離脱すると同時に茜色の鎖が三体の異相体を歪な大剣ごと縛り上げる。
『(……礼は言わないよ)』
『(モフらせてくれるならいいぞ)』
『(あ、俺もー)』
『(私もいいかな……?)』
『(僕は遠慮しとくよー)』
「少しは真面目に返事できないのかいアンタ達はァッ!?」
アルフの雄たけびを余所に、フェイトとアルフ以外は全員笑顔だ。
全員の目的はただ一つ――フェイト達を助ける事。
「なんで……」
「――キミを、フェイトちゃん
「僕らに出来る事なら手を貸すよッ!」
結果が悪くなれば頑張ればいい。
傷付きそうになれば守ればいい。
「淋しそうにしてる奴ほっとけるほど、俺は冷酷じゃないんでね!」
手が届かないのなら、もっと伸ばせばいい。
泣いているのなら元気にさせたい。
淋しいのならそばにいてあげたい。
「一日だけの友達ってか? 寂しいこと言うなよフェイト嬢! 友達はずっと友達なんだぜ?」
手を伸ばしてくれているな――絶対にその手を掴む。
彼らは諦めない。
――例えその手が弾かれようと。
「ひなたくん、聖刃くん!」
彼らは諦めない。
――例えこの手が拒絶されようと。
「応ともよ! 高町、日野! 手ェ抜くなよッ!」
彼らは諦めない。
――例え
「元より手抜きも手加減もしないつもりだっての。決めるぞ、なのは、聖刃!」
【Cannon Mode】
【エアロック解除。魔力充填臨界、200%!】
【2nd――コード:バンカー形態変形完了。バンカー、アクティブ】
魔杖は砲撃槍に……
黄金の剣は極光を纏い……
右腕の杭射出甲の杭を引き絞る。
そして――
【Grave Form】
「――バルディッシュ?」
黒金の斧槍が静かに姿を変える。
その行動が意味するのはただ一つ。
――共に戦うという意志一つ。
「……うん、わかった」
静かな決断。
今だけなら、今この時だけならば。
――この子たちと一緒に居たい。
――ディバインバスター
――
――ジェットバンカー
――スパークスマッシャー
桜色の奔流が、橙金の極光が、赤紫の一閃が、黄金の雷光が。
四つの魔力光が五つのジュエルシードを襲う。
――同時、紫の極光が六人の視界を包む。
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結果を言えば、試合に勝って勝負に負けた状態。
水流型異相体を撃退し、ジュエルシード五つの封印に成功したものの、
直後に次元魔法と呼ばれる大魔法が、ユーノとアルフ以外に降り注ぎ、クロノが介入しジュエルシードを三個回収。
残り二個を持ってアルフはフェイトと共に撤退。
ゆな、チック、ラピスによってひなた達も回収され、起きたと同時にお説教と気絶後の状況が説明された。
その後、英気を養うためにと、一時帰宅の提案が出される。
そして各自の自宅へと帰っていくのであった。
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――高町家
嘘も方便。
触らぬ神に何とやら。
そんな思考が頭に浮かびつつも現実に納得する他ない。
現在高町家では、リンディがなのはの家族に事情を説明しているのだ。
「そうなんですよ。それで相手チームにライバルがいて、息子どころかなのはさんまで対抗意識燃やしちゃって」
「あらあらまぁまぁ! そうなんですか。うちのなのはが……人は誰しも競争相手が必要ですからねぇ。そこの辺り少し心配だったんですよ」
「お、お母さん!?」
我ながら過去を振り返ると、対抗意識を燃やしたりとかが無かった気がする。
競争相手と言うよりか、親友二人はその差のまま上がってきたようなものだ。
……たまーにひなたくんの宿題見てアリサちゃんがよく対抗意識燃やしてたりしてたかも。……あれ、そう考えるとすずかちゃんも……あれれ?
考えれば考えるほど、自分に対抗意識そのものが存在しなかったと思う。
今なら『その差で満足している』と呆れた目で言ってきた巡の言葉がよく解る。解ってしまう。理解してしまった。
――自分には上がいる。ならばしょうがない。私はこのままでいい。だって私は“良い子”だから、と。
思わぬところで自分の歪みを見、感じてしまった。
――でも。でも。
「――うん、負けたくない。あの子に、フェイトちゃんに」
未だ名前とかしか伝えてない。
大好きな物も、嫌いな物も。
得意なことも、苦手なことも。
――未だお互いのことを、知り合っていないじゃないか。
手に力が入る。自然と手に、拳に汗がこもる。
未だ
この手の
「……そう」
母――桃子はただ一言。
そのままなのはを前から抱きしめる。
包むように。抱え込むように。守るように。
「あなたはお父さんとお母さんの子どもで、恭也と美由紀の妹。高町家の一員なんだから。高町の人間は、誰もが諦めが悪いのよ」
そう桃子は悪戯っぽく笑う。
ただじゃへこたれない。往生際が悪い。絶対にあきらめない。
それは、今まで見てきたなのはが一番知っている。
故に、
「――知ってる。私も諦めきれない。諦められない。諦めたくない。それは、絶対に絶対」
「……うん。それでこそよ、なのは!」
この諦めない心こそが“不屈”。
崩れない、揺るがない、壊れない。
……それが、それこそが、私の“不屈の心”。
『(絶対に
【(……はい、マスター。私は杖、私は銃、私は貴女の相棒です。私も、いけ好かない無口な黒斧に一発射れたかったので)】
『(にゃはは……、うん。負けられない、負けたくない、負けていられないからね!)』
【(それでは“アレ”を完成を急ぐために、戦闘シミュレーションのレベルを上げましょうそうしましょう)】
『(お、お手柔らかにお願いします……)』
【(……さぁ?)】
『(ふにゃあ!?)』
高町家の晩御飯の出来上がる頃、なのはの目は少しだけ光を失っていたと、なのはの兄は言う。
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――古城家聖刃個室
お人好しでエ○ゲ的ハーレム気質な父と、騎士気質な母との訓練を終え、個室でぐったりとしていた聖刃に連絡が入る。
「……ヴぁい」
『随分と扱かれた様じゃのう。莫迦弟子』
「開口一番にそれかよ、お師匠ー」
聖刃の情けない声に巡はカカカと愉快そうに笑う。
俺の師匠マジドS……と口には出さず、本題に入ろうと声を掛ける。
「で、何かあったんスか?」
『うむ。お主が頼んでいた事柄の『過程』が一つ分かった』
「……えっ、ちょ、早っ!? 一週間も経たないうちにとか何それ恐い」
訓練の疲れはどこへやら。倒れこんだ体を一気に、起こし少し頭がくらくらしつつも、師匠ってばマジ師匠! と考えているものの、対する巡の表情ははっきりしない。
「な、何か問題が……?」
『問題……といえば問題か。その『過程』に必要なものは『――』なのじゃよ』
「――ファッ!? あ、そうかあいつなら出来かねないけど……あっ」
その『過程』に必要なもの。
二人の考えているものならば理論上は可能。
そのやり方は聖刃がフェイト側にあるのは知っている。それを流用すればいいのだが――問題はそこではない。
――物事には対価がある。
同級生の言う、『等価交換』という奴だ。
「前提条件はクリア済み。クリア条件その一も、一応は想定済み。――でも……」
『最難関がその一よりも『その二』の方であるのは何かの間違いか?』
「バグはありません仕様です、ってか……」
この『原作』を知る者ならば『その一』が最難関というのが常だ。
――しかし、この二人にとっての曲者は、何処ぞの経験値泥棒、○ンカス○イヤーよろしくな、隠れトンデモ条件なのだ。
諸々の問題で回避は不可能な方の、と付け足されるほどの。
「最悪誰かを生贄に……」
『諸共生贄な様子が目に浮かぶぞ莫迦弟子』
「デスヨネー」
まぁ鬱エンドになるよかマシかー、と自分を無理やり納得させる。
そうでもしないと将来の
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――日野家リビング
「――ってのが、今までの出来事」
「とりあえず、ひな」
「あい」
「なのはちゃんと一緒にフェイトちゃん落として
「ヘァッ!?」
八神家晩御飯直後会議。
その内容はアースラに行った日から帰ってくるまでの出来事の報告と、この先の行動方針について。
――の、はずであったが、いつの間にかひなたがフェイトを陥落させることになった。
「今時そこまで純粋さらさらな乙女思考のパツキン女子なんてそうそうおらんよ? 絶滅危惧種レベルや」
「そこまで言いますかはやてよ……うん、まぁ絶滅危惧種には同意なんですがね?」
「フェイトちゃん色んな意味で将来有望やん。んで、確保
「主にお前の欲望じゃねぇかオイ」
「てへぺろ!」
「幻術掛けててへぺろをふんべろりぃと野太い変換させるがよろしいか」
「のーさんきゅーでございます」
――閑話休題。
とりあえずの方針は『目指せ
今までも会議と言う名の雑談であったため、何ら問題は無かったりする。
「あ、そうそう。私も船乗りたい」
「して、理由は?」
「暇や」
「ほう。で、本音は?」
「私も
「事後承諾でいいな」
「人手不足やったら
「ふははー」
「「あっはっはっはっは」」
――アースラ搭乗後にクロノが胃に穴が開きそうな顔をするまであと十数時間。
事態が折り返す中で束の間の日常が輝く。
その瞳は過去を見据え、あの瞳は今を見続ける
二十話「ジュエルシード」
災厄の種、芽吹く。