新キャラ追加に注意。仕様上空気になりがちですが第二期A's編開始です!
A's1「はやてのごもく(ちらし)」
親が死んでちょうど一年。
時間的に余裕が『できてしまった』俺はバイクで九十九里へと向かった。いわゆる、傷心旅行とか、そういうの。
その時偶然出会ったのは、従妹の
過去話に花を咲かせて、急にしんみりして、気付けば旅館で共に一夜を過ごして。
そして――死んだ。それも呆気なく、目の前で。
――急性睡眠型身体崩壊。
眠るように身体機能が停止し、最低で半年の時間を掛けて体を砂のように崩壊させる原因不明の奇病。
治療法は確立しておらず、糸口すら見えない不治の病。
別名を『地還し』
死んで砂になることから名付けられたこの名は、不思議と納得させられた。
それから、『地還し』の死者の墓には誰もいないということが多々ある。有っても砂か灰の入った壺だ。
一夜を過ごした際に言った彼女の言葉――「溢さないで」とは……もしかしたら、自分が砂になるのを予見していたのだろうか。
……溢さないで、か。
「溢したくはなかったさ……俺だって」
慕ってくれた妹を、支えてくれた両親を、愛した彼女さえ……俺の指から溢れ落ちた。
放したくなかった。落としたくはなかった。
それでも俺の手から、俺の側から、全てが溢れ落ちていった。離れていった。
ああ、何故だ。何故このような仕打ちを受ける。
何故俺から奪っていく。何故俺から引き離す。――何故俺を一人にする。
――世界はこんなはずじゃなかったことばかり。
とあるアニメの台詞が浮かんだ。
ああ全くを以てその通りだ。理不尽極まりない世界だと断言しよう。
さらに数日後。
とある男と出会った。
そいつは瀬恋と再会する前日に別れた男らしい。
親戚を通って最後に出会った俺に会いたかったとか。
互いに飲めもしない酒を煽り、俺はある真実を耳にした。
――睡眠型身体崩壊はウィルス性であり、砂と共に空気中に舞い上がる感染症。それを作ったのは父で、ばら蒔いたのは自分だと。
視界と思考が一気にクリアになった。怒りか、恐怖か、驚愕かは自身でもわからなかった。
俺は酔ってテンションが上がったように見せかけ、俺の口は、既に出来上がった男からウィルスの弱点を聞き出した。
曰く、自宅の生成母体が死ねばウィルスは活動を停止する。
曰く、生成母体は水と空気が少しでも濁ってしまえば終わり。
表の顔は弱いと笑い飛ばし、裏の顔はありがとうとほくそ笑みを浮かべた。
後日、録音した機器と共に酔い潰れた男を男の自宅に拘束。火のついたタバコと生ゴミを水に入れて通報。
翌日、凶悪犯罪者として男は逮捕され、活動を停止した生成母体と、一部が取り除かれた生成母体の生成方法の書類が押収された。
釈放させる仲間もいないと冗談混じりに話していたから、これで男が日の目を見ることはもうないだろう。
――正直、殺さずにおいてよかったと思う。
自己満足だが、これでよしだ。
さぁ眠ろう。明日を生きるために。
――ああ、何故だ。だからと言って異世界はないだろう、異世界は……
/>
知らず知らずに世界の危機が迫っていたPT事件から数か月。
事件前と
午後からの検診への時間潰しの為に図書館へと足を向けていた。
「今日借りれば物語コーナーは三割制覇か。早いもんだな」
「目指せ完全制覇や。電子書籍なんてAEのルルブだけで十分や」
「やべっ久々にやりたくなった。今度の連休泊まりでキャンペーンやろうず」
「聖刃くんが主人公過ぎて逆に新鮮やもんな。動画じゃ味わえんもんもあるし」
「動画化は任せろー」
「任せたッッ!!」
他愛ない話をしながら歩道を歩く二人の前に見覚えのある背中が見えてくる。
青みがかった紫の髪……すずかだ。
「おーい月村さん
「今日は早いやんかーどうしたんー?」
「あ、はやてちゃんにひなたくん。……微妙に古い歌で呼ぶね。今日は学校創立記念日だから」
「マジでか」
「送られてきたプリントにあったでー。……宿題付きで」
「
「がんばれー」
すずかを加え、再び他愛のない話をし始める三人。
確かな『いつもの日常』がここにはあった。
/>
俺はブリッツ・キルヒアイゼン。
今を時めく転生者だ! ……ったんだがなぁ……
俺の名字でピンと来た方もいらっしゃるだろうが大正解である。
あの『元黒円卓』のベアトリスの息子が俺です。
何故が姉にレヴィ――ああ、
さらに兄にロック――無論岩男じゃない。緑郎の方な。
父親が無論、
ちなみに日本では俺が『
さてさてそんなことはさて置き。
俺の当初の目的は無論ハーレムだった。
願いは『あらゆる魔眼が使えるようになる』、『人並みの生活環境』、『原作に関われる運命』だ。何事も堅実大事だぜ。
人並みの生活環境は言わずもがな。1と3は予想以上にデカかったオフィス街の結界内に入ってしまい魔力波の余波を受けて気絶。翌日にはあら不思議、世界はツギハギだらけだったり何でも解ったりエトセトラ、エトセトラ……さらに気絶して起きた真夜中の病院は怖かったです、はい。
結果、魔眼は使えても精度が低く、使い込めば使い込むほどレベルが上がると理解して数週間。
長い病院期間を終えて気付いたのは一期が既に終えていたことだった。ガッデムッ!
しかし朗報もある。
三大ヒロインの内の一人、八神はやてが同じ病院だと言うことだ。
……まぁ男付きなんだけどねッッ!!
名を聞けば『日野ひなた』なんだとか。
その過去については……まぁ、なんだ。うん。よくがんばってるなぁと思う。……グスッ
今の俺じゃあ限定的な『死の点』を突くことは不可能だし、そも魔力ねぇし。忘れてたよチクセウ。
ちなみに日野ひなたの親父さんは母さんたちの知り合いと言うか上官だったらしい。……え?
今回に限っては流石の俺も関われない。魔力ねぇし。襲いに来ねぇだろうし。
さーって! 明日退院だー!
まぁ、この三日後。現黒円卓所属の従姉に出会うなんて予想だにしなかったわけですが。
/>
――陣を展開。魔力集束……計四つ、形成。全体魔力強度を打撃回数値を二十五に設定。
――第一を主軸とし、第二と第三は第一の補佐、第四は予備で追従待機。
……十六回撃って空き缶をゴミ箱に入れる……ッ!
高町なのはを囲うように四つの魔力弾が並ぶ。
――アクセルシューター。
なのはの射撃魔法代表格にして
誘導性は単発式集束型誘導弾魔法ディバインシューターに小回りが劣るものの、現状、最大十の複数誘導弾として扱えるのはアクセルシューターのみとなっている。
先日の対フェイト戦で披露した
空き缶を上空に投げた瞬間、魔力弾が一斉に上空へと加速する。
目を閉じ、祈るように組んだ手で集中する。
一発の魔力弾が一つ、二つと空き缶を打ち上げる。
時折、別の二発がフォローに入り、フォローした回数を除くようにベンチに置かれたレイジングハートが一発目の魔力弾のカウントをする。
そして、十六発目――
「アク、セルッ!」
力一杯の掛け声と共に、左手二本指を立てて振り下ろす。
それに合わせて山なりに打ち上げられた四発目が頂点で急加速し、車線上にゴミ箱と空き缶が並んだ瞬間を狙って、急降下する四発目が空き缶を撃ち抜く。
カコォンと心地良い音を立ててゴミ箱に叩き込まれる空き缶。
一息吐いてリラックスするなのはに、レイジングハートが声を掛ける。
【アウトカウント三発。前よりも制度が上がってますね】
「うぅー……今回ミスしない自信あったのになー」
【ですがここ数日の成長具合は目を
「高町なのはですが自分の相棒がスパルタすぎて辛いです……」
……昔はこんな厳しかったかな……私の相棒って。
もしかしたら美化されてるだけ? とも思ったが、よく思い出せばこんなだった気もすると思い込むことにした。
そうでもしないと付いていけない気がした。
――別にスパルタな愛機がこわいからではない。ないったらないのだ。
【もちろん、マスターの頑張り具合は評価していますよ? ――加点外ですけど】
「ぐぬぬ……」
【急いで戻らないと朝ごはんが食べれませんよ。朝ごはんは一日の活力の始まりなんですから】
「ううーっ! レイジングハートの方が教導官してる気がするぅーっ!」
高町なのは、肉体年齢九歳にして精神年齢(自主規制)歳。
……こうなったらスバルやティアナにも頑張ってもらわないと!
――未来の部下達の
/>
古城家の剣道場。
父は仕事、母は隣町の剣道場への出張指南に向かう中、古城聖刃は自らのデバイス三機と対面し話していた。
「合体モード?」
【うむ! そうだ、合体だ!】
事の発端は
ある作品は機械人形同士が合体し巨大機械人形に。またある映像作品では人と機械が合体し巨大機械人形に。そしてまたある映像作品では自らの固有武器と仲間達の固有武器が合体し合い、強力な必殺武器に。
「合体って……モード・コールブランドがあるじゃねぇか」
【あれただの二刀流じゃねぇか! 二本が一本に、三本が一振りになる様がいいんじゃねぇか!】
「いやまぁ、気持ちはわかるようん。俺だって男だし、変形合体は男のロマンだし」
【だろ!?】
【私としては従来ので十分だとは思うのですが……】
合体モードについては
【でも父上って能力的に多彩ですよね】
【水上走行とか事実上の不老とかだな。そこまでいったら不死と性転換ぐらい身に付けたらどうだ騎士王よ】
「ぶっちゃけ『一で十を扱ってる』ようなもんだろ。器用だな騎士って」
【でもその『一で云々』は上位互換いるし、魔女のモリガンだかモルガンだかが王を性転換させて(ぐっすり中にアッー)してモード産まれたわけだし】
【やはり青 は オ ワ コ ンだな! うむ!】
【――そこになおりなさい血の繋がらない赤いの】
はぁ……と溜め息を吐いてしまう聖刃。
本気の喧嘩とまでには至らないものの、(一方的な)いがみ合いと言う名の「じゃれあい」が多々ある聖刃のデバイス達。
でも、と聖刃は思う。
……手札が増えるという点では賛成か。
母親が世話になったデバイス
それに加えて、貸しどころか借りが多くできて返済できるかどうかと悩み頭を抱え、おのれ偏屈ジジイ、と母らしからぬ怨念染みた罵倒を聞いて一日機械のようにイイコになっていたのも憶えている。
そういうことがあったから極力母の力は仮りたくないし、父に頼むと仕事と平行して無理をする可能性がある。
だから――
「――保留な、一応。 選択肢として残しておく」
【それならいーか】
【手札と部下は多くて困るものではありませんから】
【時は有限だが、刻限まではまだ先だろうからな。懐を温めておくがいいぞ、奏者よ】
クラウに忠告染みた言葉に、あいよ、と素直に応えた聖刃は、暇潰しに翠屋へと足を運ぶのであった。
・傷心の男
名は未発表。
長年大切に思い、一時愛した従妹さえも奇病――元カレに奪われた不運の男。
奇しくも家族の命日と従妹の誕生日に事件は解決した。
口癖は「ああ、◯◯」
・いつもの日常
書いてる我ながら思うことは、こいつらホントに小三か?
・キルヒアイゼン家
なんの因果か元上司張りのツッパリ顔を受け継いだ長女、
父親似なのにキレる参謀役がよく似合う長男。待望の次男は男性化した母親似。でも異能持ちの転生者。
幸か不幸かな家族構成に父方の叔母……お姉さんが微妙な顔をしていたとか。
・
ハーレムができるかどうかは本人の器量次第。いや、技量次第?
・高町なのはの特訓
二期本編序盤でお馴染みの特訓風景。
このあと
ちなみに「彼女」のビデオレターで無表情の彼の話題になった時の親子の温度差が最近の悩みの種。
・合体
思想はあった。
しかし固形化魔法による連結で100mサイズの大剣化によるエクスカリバーだった。
最終結果として、親子に関係ある一般兵の槍と自害した短剣によるツインブレードが最終武装となったが、元の人間の人生的な意味で最終武装だったが故に没案。
2015/03/06:本文一部修正。レイハ「目を瞠るものがあるます」レイハさんェ……
誕生、あるいは再誕。
約十一年の時を経て四人の騎士は現れる。
その目に映るものは、その記憶に刻まれるのは何か。
回転割砕の
第二話「八神家の四騎士さん」
誰が責められよう。誰が怒れるものか。
先は未だ、誰も知らず。
待て、しかして希望せよ。