回転割砕の魔導右腕(ライトアーム)   作:変色柘榴石

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大変長らくお待たせしました。



A's6「アクセル・ストーリー」

 心を共にするのが友達。

 そして尚、共に歩むのが仲間。

 

 その中でも一際お節介な存在とは

 

 

 配点(頼れる仲間)

 

 

 

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「結界の解析、急げ!」

「該当術式無いしプロテクト固いのッ! まるで“生きてる”みたいに法則性が無いし解析が全ッ然ッ!」

 

 外でザフィーラとひなたが謎の出会いを果たしていた一方、謎の結界出現に管理局組は慌しく動いていた。

 それと言うのも、先刻はやてから、嫌な予感がする、と電話を受けた瞬間の事。未知の反応を検知したサーチャーが警報をけたたましく鳴らしたのだ。

 

 

……君は本当に色々と引き寄せるな、本当にッ!

 

 

 クロノは思わず歯噛みした。

 ひなたたちの現状を本人たち含め関係者から色々聞いているし、十分に理解している。

 守護騎士の一人、“盾の守護獣”ザフィーラからは、ひなたを気に掛けておいてくれ、言われた時には自分の中にあった色んな感情が雁字搦め(がんじがらめ)から許容オーバー起こして、更にこんな事態が起きて、正にそれどころではなくなってきていた。

 

 クロノとしての“日野ひなた”と言う人間の印象は、『よくわからない』に尽きる。

 武装局員や執務官で知らぬ者はいないとまで言われた者たちの息子であり実弟である“日野ひなた”の第一印象は『凄そうなヤツ』から、出会い共に事件を解決した今となっては『よくわからない少年』に固定されたのだった。

 ただ確実なのは、『内外問わず、関われば全力で突っ込んでくる』ということだろう。

 面倒だと思う反面、心のどこかで、飽きさせないな、と笑い呆れる自分がいるのを感じている。

 

 

……全く、本当に君は――

 

 

「僕を過労死させる気か」

 

 結界関係はカガミかユーノ(フェレットもどき)の専門分野なんだがな、と口には出さずにいる。

 密かにそう決めたクロノであった。

 

 

 

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 時空管理局の本局、その正体は街一つを丸々内包する巨大な(ふね)だ。

 その中でも過去の文献……ありとあらゆる“過去の結晶”を収めているのが『無限世界情報統括書庫』――通称『無限書庫』である。

 いわば“情報の砂漠”とも言うべき膨大な量の情報の中心に、ユーノ・スクライアとカガミ・カンジュは傍らに読み終えた本を並べ、新たに開いた複数の本を目の前に、鬼気迫る表情で読み進めていた。

 

 それと言うのも、地球への滞在期間を延ばすため、本局に申請しに来ていたユーノと、その付添いだったカガミに、クロノから緊急回線でメールが届いたのだ。

 

 

――調べて欲しい 闇の書

 

 

 馬鹿かと罵りたくなるほど、かなり限定的ではあるが、要は“闇の書について調べてくれ”と言うことの他ないだろう。

 一瞬の思考停止からなんとか帰ってきたカガミが調べ物をすると言うと、ユーノが手伝いを申し出てきた。転生者であるカガミは、ユーノの補助系特化の技能が、原作以上なのではないか、と言う望みを胸に頼むことにした。

 ……結果。その予想を大いに上回るほどの能力を見せたユーノだが、それを更に上回るのが無限書庫の情報量だった。なにせ良くも悪くも次元世界に名を轟かせるロストロギア『闇の書』である。そのキーワードのみでは万以上を超える検索結果など自明の理である。

 

――ならばどうするか。

 原作知識で『夜天の書』の名を出せば一瞬……だとカガミは不安気味に思うが、なにしろ無限書庫の収める情報量は膨大である。加え、(のち)の追及に苦しくなることも明白。他諸々で地位とか尊厳とか友人とかが無くなるのも、また道理だろう。

 

 ならば正攻法の他ない。一番古い文献から読み解いていけばいい……

 

「そう考えていた時期が、私にもありました……」

「どうしたの?」

「……なんでも、ない」

 

 文字が、違っていた。

 転生前はドイツの帰国女子だったカガミ。それ故、ベルカ文字が“ただのドイツ文字の崩し”だと思い、たかを括っていたのだ。

 それが、今はどうだろう。解読できたのは近代ベルカ文字に翻訳された時代の近しい文献のみ。もうこれドイツ文字“型”の象形文字じゃないかと嘆きたくなるほど読めない古代ベルカ文字の前に挫折し、精神年齢的にはかなり年下なユーノに全面的に(泣く泣く)手伝ってもらうことに。今でもあの生暖かい目で苦笑を浮かべるユーノの顔は忘れない。主に羞恥と屈辱で。

 

 

 

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 一方その頃。

 ひなた達のいる結界の外には一般武装局員を含む分隊規模の救助隊が組まれていた。

 その目的は、“結界内への侵入”若しくは“結界そのものの破壊”であり、救助隊の中には地球魔導師組やザフィーラを除いたヴォルケンリッターの姿が在った。

 

『クソッタレッ! 何だよこの結界、傷一つつかねぇッ!』

『無駄口開く前に攻撃し続けろ! 魔力を絞り出せッ!』

『そうだッ! その絞りかすまで吐きだせ野郎ども。あとはなのはの嬢ちゃんがやってくれる!』

『俺たちは火薬だッ! 目の前のデカイ壁をぶち破る大砲の火薬だッ! きっちり燃やせお前らァッ!』

『『『――応ッ!!』』』

 

 武装局員たちが射撃魔法などで攻撃し続けるその背後。

 カノンモードのレイジングハートを肩に背負い、ガンナーモードのバリアジャケットを身に纏い、フローターフィールドの上で片膝をついて“機会”を待ち構える砲兵(なのは)の姿が在った。

 その目は鋭く、眼前に広がる土気色の結界を睨んでいる。

 そこになのはが煙草でも口にしていたら、熟練兵らしい風格が在っただろう。その山が聳える様な存在感と威圧感は、周囲の者を驚かせていた。それは――

 

「(タカマチナノハ……主たちと同い年の幼子が、このような威圧を持つというのか。“あれ”は死を、絶望を、惨劇を見た来た者の目。タカマチナノハ、一体何者なんだ……?)」

 

――烈火の将さえも、無意識に一歩後ずさるには十分な風格だったということ。

 

 そんな姿を見せている高町なのは本人はというと……

 

「(“生きた結界”、か。流石にこんな結界は初めてかな……。一定間隔で結界の発動者を変えて閉じ込めてきた人たちがいたけど、結局解決したのはスバルとティアナたちと一緒に破壊した脳筋方法だもんなぁ……)」

 

 かつて……いや、もしかしたら未来の教え子たちの技と協力して破壊した、問答無用の力技。

 六課解散後で鉢合わせになった最後の一回だったっけ、と集中思考とは別に僅かな思い出に浸る。

 年齢とリンカーコアの“ガタ”が原因で魔導師を辞め、余生を地球で過ごした晩年も、今ではイイオモイデだろう。

 しかし――(いや)、だからこその、この今生。

 幼い頃の後悔を繰り返さないために。似て非なる世界であっても。

 

『なのはちゃん、準備いい!?』

 

……私は……。

 

「――いつでも。大丈夫です」

 

 この手の魔法で――

 

「これより、高町なのは。目標の結界に対し――武力介入を仕掛けます」

 

 全ての壁を打ち壊す。




・毒されクロりん
よくわからな過ぎて、混乱から一周して楽しくなってくる。
byクロノ
※クロノ は あきらめ を おぼえた!

・カガミとユーノ
カガミ「これで勝ったと思うな、よ」
ユーノ「えっと……『もう勝負ついてるから』?」
カガミ「 」ミヂィッ……
ユーノ「!?」

・結界外の仲間達
砲兵なのはさんとモ武装局員が書きたかった。

・生きてる結界
次回説明予定。
パスコードが五秒間隔で変わる金庫みたいなもん。




 怪異。身体の異変。暗躍。
 行き着いた木の根元に誰が潜む。
 白々しいにも程がある。

回転割砕の魔導右腕A's(ライトアーム・エィス)
第七話「霊魔の王と子狐少年(リトルフォックス)」

 誰がそれを、許すとでも?


待て、而して希望せよ。
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