回転割砕の魔導右腕(ライトアーム)   作:変色柘榴石

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遅れて、申し訳ない……ッ!(土下座)
アンケート予定なのであとがきの詳細をチェック。


A's15「明日への魔法」(Part:A)

 回り回ってやってくる。

 

 くるくる回る車輪の如く。

 

 熱く握られたこの手を掲げた世界とは。

 

 

 配点(夜明け)

 

 

 

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 黒く輝くナハトヴァールの(まゆ)が放つ魔力光が夜の海に照り返し、各四色の手足の装甲が鈍く輝く。

 僅かにウェーブの掛かった銀色の髪は海風に乗り、マフラーのように靡く(なびく)様子は、まるでどこかの英雄のような様相だった。

 透き通った赤と青の双眸は、静かにただ目の前の光景を映し出す。

 

 ――誰も、声を出せなかった。

 融合騎――ユニゾンデバイスのことは聞き及んでいた面々。

 適合率の高い主と融合し、強力な力を得る伝説のデバイスタイプ。最も力を欲した古代ベルカが生んだ最大の遺産。インテリジェントデバイスの前身ともなった、意志ある者達を融合させると言う諸刃の力。

 それは基本一対一……それが原則であり、ユニゾンデバイスについて聞きかじっていた『タカマチナノハ』でさえ、先程の光景が嘘のように見える。

 

 事実上の、デバイスを含めた十二体合体。

 異常も異常……下手をすれば意思同士がぶつかり合い、最悪“対消滅”で新たな存在になりかねないような所業。

 追加戦士と追加アイテム込みでゴテゴテになるまで合体した戦隊ロボのような所業に、誰もが声を出せずにいた。

 

 しかし、最初に声を発した者がいた。

 

 

「……女になるとか聞いてねーよぉ……ふぇぇ……」

 

 

 リインフォースのような姿と某貧乳政治家とかやってそうな声で口をへの字に曲げ発せられた自然なネットスラング。

 誰もが間違いないと思った……どっちだ? いや、多分『ヤツ』だコイツ。

 

日野(・・)ォッ! どういうことだ!」

「合体できるってゴーストが囁いたもんで」

 

 確信から真っ先の立ち直ったのは聖刃。問い質すもリイン姿の“日野ひなた”はいつもと変わらない(しれっとした)様子で受け応える。ゴーストが囁いたなら仕方がない、と転生者組が謎の納得をしていると聴こえてくる念話の声……

 

「(ひなひな! やれること検索したら私らゲッターもどき!)」

「マジかよグロじゃねぇか」

「(いえ、一部様子が変わって主人格が入れ替わる感じですね。騎士達は据え置きのようですが)」

【据え置きゆーな古本。アタシらはデバイス扱いみてーだな】

【わ、私がひなたくんの右手――閃きました】

【斬る】

【せめて通報にして頂戴!】

【それも駄目だろう……】

 

 ツッコミが追い付かない。誰もがそう思った。

 ゲッターとかヤバくね? とか、相変わらず呑気だとか、突っ込みたいのを諸々我慢している中、クロノはただ一言問いかける。

 

「キミたちは……戦えるんだな」

 

 間を置かず応えられた。

 ――無論、と。

 

「(十二体合体は伊達やないよ! シャマル、作戦お願いできる?)」

【はい。湖の騎士シャマルと、風の円環クラールヴィントに背中と案は任せてください!】

「(勇士ひなた、私と変わってくれ。思考を繋げる)」

「あいあいまむ、っとね。」

 

 にへら、と一笑い。目を瞑るその表情は、明日の遠足が楽しみな少年のようにも見える。

 顔の傍で指から放たれた破裂音が波紋を呼び、ブレストプレートの宝玉の色が変わる。

 ――黒だ。オニキスのように洗練された黒の中に雪のような白いベルカ剣十字が浮かんでいる。次に変わったのは表情。凛とした雰囲気に理知的な表情、そして淡雪のような優しい光を目に宿し、鋼鉄のような漆黒の瞳は太陽の様な紅蓮の目となっていた。

 

「“ソウルチェンジ・リインフォース”……ブレインリンク」

 

 次の瞬間、ナハトヴァールの現在の基本情報がこの場にいる全員に送られる。

 魔力と物理の複合四層式障壁。無限再生。周囲の魔力を取り込み続ける蒐集能力。核を破壊しない限りは再生し続ける等々……

 

 この時、クロノは静かに思った。

 海鳴は人外魔境の中の人外魔境――と後にクロノは息子たちにそう話すのであった。

 

 

「……さて、意気揚々となったはいいけど何すりゃいいのかわかんねぇ!」

「自慢げに言うことじゃないよう!」

 

 ソウルチェンジで主人格がひなたに戻り、開口一番でなのはに涙目ながら突っ込まれる。そんないつもの光景の最中、エイミィから通信が入る。

 

『感動の再開諸々は後だよ皆! 実は予想よりもナハトヴァールの覚醒が早いんだよね。もう時間ないよッ!』

 

 次の瞬間には全員の顔が引き締まる。

 ついに姿を現すのだ。夜天の書を闇の書に変貌させた、バグの集積体……改悪の権化。数多の魔力をその身に宿した、闇の書の“罪の象徴”。

 

「初めて表出たのに、悪いな。生まれてこなきゃよかったなんて言わせねぇし、他の誰にも言わせない。お前もリインと同じで、被害者だ。心底同情する」

 

 佇み、囁くような声で、“誰か”へと囁き語り掛ける。

 リインフォースはただ役目を与えられて、眼下にて蹲る(うずくまる)“黒”は悪意の積み重ねから生まれた“悲誕”の象徴。

 両者に違いはあるのか――ない。そう、断じてないのだ。

 ヒトの欲に踊らされ続け、罪を擦り付けられた最大の被害者。

 ――故に。

 

「――お前の幕は、俺が引く」

 

 ただ命令を順守する機械であれば、どれほど良かったか。

 良心が苛まれることのない人非人であれば、どれほど良かったか。

 本当にただの化外であれば、どれほど良かったか。

 全く以って、この世界は――

 

……不可思議に、(いびつ)だ。

 

 

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 ――闇の繭が割れる。

 

 始まる、とクロノは感じた。

 後にも先にも、こんな魔力圧を感じさせる生物に出会うことはないだろう、と。同時に、ここまで魔力に悲しみと諦観、絶望を感じさせるほどの魔力圧も。

 

 世界が勧善懲悪で分かれていないなど、そんなことは士官学校時代から知っている。だからこそ、目の前の脅威そのものが“ただの悪”ではなく、“捻じ曲げられた悪”であることも、この身この肌で感じて取れた。

 なれば――いや、だからこそ、このナハトヴァールの悲しみを終わらせなければならない。

 自分は執務官だ。正義の味方でも、悪を打倒す英雄でもない。人並みに善悪を知り、泣いてる誰かを助けようとする大馬鹿者の、クロノ・ハラオウンだ。

 

 そこまで考え、母から託された特化デバイスとS2Uを握りしめた。

 

 

 黒色の繭から現れ出でたのは――異形。

 言葉では表し切れない様相の、未知の怪物。多足、巨頭、羽、数多の触手、生きた人型のレリーフ。抗いがたい嫌悪感が魔導師達の心中を揺さぶる。

 

 

 その様子は決戦の場から離れた……戦いの場そのものを眺められる海浜公園にアリサ達や他協力者たちの姿もあった。

 

「あれは、オルト……いや、まさか……そんなはずは……」

「メグリ? アンタどうしたのよ……凄い汗じゃない!」

「……いや、なんでもない。(われ)の勘違いだ」

 

……結晶が見えん。姿を模しただけの紛い物か。

 

 脳裏に浮かぶのは青き結晶の谷からこちらを見る硬質の蜘蛛。

 本能的な何かが告げた。あれは関わってはいけないものだと。

 その厄災そのものと、ナハトヴァールの侵食暴走態はそれほどまでに酷似していたのだ。

 

「……ファンタジーガン無視のSFじゃないのこれ」

「むしろスパ○ボだと思うよ……」

 

 事情は家の関係で知っているすずかが呟きに応える。

 その返答も適格と言えるだろう。最近の“あのゲーム”は時空とか色々跳び越える故に、次元世界なんてまんまじゃない、と内心納得する。

 ――尚、アリサは知りえないことだが、転生者の存在により世界観が纏ったような転生者視点では“まさに”そう見えるだろう。

 

 納得したところで、同じく観戦する者達にアリサは目を向けた。

 

「……で、アンタたちは行かなくていいの?」

「火力重視じゃないんでな。餅屋は餅屋だぜ」

「右に同じく」

「対応できなくはないけどXD(エクスドライブ)は不安定なんだよねぇ」

「長時間長続きしないんだよねー」

「「ぶっちゃけた話、仕事無くてあぶれただけー」」

「よよよ……アリサは吾に神風特攻せよと言うのか。か弱い吾はこうして犠牲となり世界の損失と――」

「寝言かしら?」

「つれないのう」

「ああ、半妖怪変化だがこれでも一般人。ぶっちゃけ恐いです」

「尻尾巻いてるわね」

「キツネなんだから煙に巻こうぜ」

「黙っててくれ職業詐欺共」

 

……まぁ、コイツらはいつも通りか。

 

 日常(いつも)の光景にアリサは呆れると同時に内心、静かに安堵するのだった。

 

 

 ――その少し離れた位置。光の届かない街灯の上に指宿命は立ち、決戦の光景を静かに見守っていた。

 

(貴方が望み、貴方自身が関わろうと決意した決着点。貴方には知らせていませんが、これは所謂“最初にして最終試験”……貴方が我ら爪牙に加わる事、待っていますよ)

 

 

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 作戦は“こう”だ。

 バリアを剥いで、弱らせて、核をぶっこ抜いてアルカンシェルで消滅させる。

 それはなのはの提案であり、聖刃が補足した。クロノの「個人の能力頼りの――いや大丈夫か」と何処か達観したような顔で許可したのは全員が見ていた。どう見ても大人になったと言うより草臥れた(くたびれた)サラリーマンの影を地球魔導師組は幻視した。閑話休題。

 

 

 ――フェーズ1:対象の行動抑制。

 

 第一段階は主にバインドを得意とするユーノやアルフが担当し、役割上必然的に仕事が増えるひなたも参加する。召喚こそできるが時間が無い、と却下されヴォルケンリッターの面々は若干残念そうだったらしい。

 

「スクライア式縛闘術(ばっとうじゅつ)囲の型(かこいのかた)六番……!」

「――ゥゥゥァァァアアアアアアッ!」

「光源を噛み塞げ、掻き鳴らす幻月狼(スコル・フローズヴィトニル)の爪牙ッ!」

 

 

――最大範囲・茨の森(ソーンサークル・マキシマム)

 

――チェーンバインド・ハウリング

 

――牙城塞(がじょうさい)

 

 

 バインドに長けたユーノが手繰り、独自発想(漫画知識)で自分を魔改造したアルフが吼え、ヴォルケンリッターの力を十全に使えるリインが左足で踏み鳴らす。

 若草色の『茨の森』がナハトヴァール周囲の触手を絡め捕り、その間を縫って、咆哮により絶えず鳴動、共鳴する橙色の鎖がナハトヴァールの巨大な身体を上下から貫いている白い牙の城ごと拘束する。

 

 

――連鎖魔法(コンビネーションアーツ)・『茨の森の狼砦(おおかみとりで)

 

 

 ナハトヴァールも抗い、体を揺らし、もはや大地と言うほどに大きな背面に浮かぶリングを回し自らを縛り上げる枷を破壊する。

 しかし、破壊できたのはそれこそ一部だ。茨の森は現在も成長を続け、超振動にまで発展したアルフのバインドは触れた触手が振動崩壊に至るまで振動し、ナハトヴァールの身体を貫く白い牙の城は先端が欠けた程度にしかならなかった。

 

 

 

 ――フェーズ2:複合バリアの破壊。

 

 物理耐性、魔法耐性の交互複合四層の破壊を買って出たのはなのは、フェイト、聖刃、ブリッツの四人。

 最初こそ、ひなたたちが担当するか、ヴォルケンリッターを召還するかと買って出た後に言ったものの、バインド直後へのクールダウンは必要だと諭され、リインからも通常の魔法よりも召喚は魔力が失われるからやめろと止められた。

 ……もっとも、仕事させろ(出番よこせ)が四人の本音なのは定かではないが。

 

 閑話休題。

 

 ナハトヴァール本体は拘束されたものの、砲撃を放つ触手は未だ健在。対空砲撃とも言うべき黒い砲撃がなのはたちを狙う。

 しかしそれを防いだのは桜色の連弾……なのはだ。

 

 

――アクセルシューター・マルチレイド

 

 

 なのはの周囲を取り囲む計八機のスフィアシューターからなる桜色の弾幕は、それぞれ当たりそうな対空砲撃のみを狙って相殺している。それはなのはの空間認識とレイジングハートの演算力だからこそできる芸当でもあった。……が、しかし貴重な作戦前に対地砲火ならぬ対砲射撃を行うなのはに対し聖刃から焦りの声が上がる。

 

「高町お前撃つ前に撃ってどうすんだ!」

このくらい平気だよ(弾薬はそこら中にあるよ)!」

「副音声! 今お前らしからぬ副音声が!」

 

 なのはの(副音声で)言う弾薬は即ち『魔力』であり、ただでさえ巨大で無限の魔力を内包するナハトヴァールが対空砲撃を仕掛けてくる。なのはにとってはある意味強大な敵であると同時に、尽きない弾薬を防げる攻撃と言う事実上無料の心優しい弾薬庫という皮肉的印象だ。砲撃魔(バスターハッピー)なってもおかしくはないかな、と苦笑気味になる。

 そんないつものやり取りの中でも尚、戦う動きに支障はない。

 

 聖刃はアークナイト・セイバーを肩に担ぎ、体を半回転。ナハトヴァール背面上空にフローターフィールドを展開し、慣性を殺しながら三点着地。ナイトを手に持つ腕を伸ばし、詠唱する。

 

「《騎士王を受け継ぐセイバの名の元に、星の剣、剣の王者、隕鉄の剣の姿重ね、唯一無二の剣と成れ》」

 

 アークナイト・セイバーの周囲を回るのは“鞘”、アーククラレント・セイバー、アーククラウディウス・セイバー。

 クラレントが煌めき、クラウディウスが燃え、ナイトが輝き、“鞘”が共鳴する。

 

「《守り、切り裂け! スターセイバーッ!》」

 

 完成する詠唱と共に、“鞘”にナイトが入れられ、“鞘”が分離する。幅広の大剣であるクラレントが縦二つに分かれナイトの刃に沿うように合体、続けてクラウディウスが複数に分離し、“鞘”と共に合体したナイトとクラレントに合わさる。

 刃はクラウディウスのように歪でありながら力強く、三本の長剣、大剣、更に鞘まで合わさっている分、聖刃の身の丈以上に巨大な剣を聖刃は難なく扱い回す。

 組み上げた聖剣を眼前に構え直す姿は、正しく勇者の立ち姿。

 剣は半円を描いて剣先は背後へ向けられ斬り上げから視線と平行に剣を構える。そこから更に掬い上げるように斬り上げる。

 

 ――剣閃、結ぶ。

 ナハトヴァールと聖刃の距離は大きく離れている。それこそ、剣を巨大にしたとはいえ何十メートルも離れた位置に聖刃はいるはずだ。

 それでも、(つるぎ)は届いた。

 それは魔力では行われていない。魔法でも、純粋な技術でもない……ただ『剣が届いている』と言う事実だけだ。

 

 その理由は実に簡単だ。

 “鞘”……理想郷(アヴァロン)防御(遮断)機能の本性は『局地的な妖精郷への異相空間発生』……つまり“鞘”展開時の光は現世と妖精郷との『次元の境』である『壁』だ。

 防御時、“鞘”使用者は展開中に一時的に妖精郷に避難していると言っても過言ではない。要は『転移魔法の一種』である。

 

 そこから導き出される結論はただ一つ。

 ナハトヴァールと聖刃の間は『理想郷』の能力で事実上0になっていると言うことだ。

 言うなれば――『剣閃を何処までも届かせる能力』!

 

 それだけならナハトヴァールのバリアは破れないだろう。

 そこで合体聖剣になったクラレントとクラウディウスの能力だ。

 

 クラレントの本来の能力は『反転』……カウンター技が本領だ。受けたダメージを何倍にも上げて叩き返すのが、クラレント・セイバーの使用目的であり、初期構想。

 その『反転』は正真正銘の聖遺物クラスである『理想郷』と合体することで昇華、ナハトヴァールの『再生』を『反転』させ、『破壊』……自己崩壊を引き起こさせる。

 

 ここまでの能力は事実上強力であり、そのバックファイア(リバウンドダメージ)もないわけではない。前述にも言った通り『理想郷』は正真正銘の霊装、聖遺物クラスのアーティファクト……遺失技術(ブラックアート)の結晶なのだ。

 下手をすれば聖刃自身にもダメージが及びかねないモノを、聖刃を悠々と扱う。――それは何故か。命知らずの愚か者か、理解せぬ大馬鹿者か。

 

 否、否。否である。その正体はクラウディウスに宿る能力……『皇帝特権(カイザースキル)』だ。

 これはクラウディウス・セイバーの元となった、ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクスのサーヴァントが持つスキルの一つ。万能の天才であるが故にあらゆる才能を取得できる反則技能。

 

 取得、使用できる才能が一つだけとはいえ、その効力は現在も発揮されている。――『あらゆる剣を扱う才能』、それが現在の取得才能であり、合体聖剣を一切のデメリット無しに扱うことのできる唯一のスキル。

 元々、剣に才能持つ聖刃にとってはこれ以上ないブーストとなったのだ。

 

「基本にして至高。この一振りにて紡ぎ、奔り(はしり)、切り裂け(やいば)ッ!!」

 

 

――聖 剣 絆 河(アークインパルス)

 

 

 聖刃の周囲を取り囲む、橙金の光たち。一本一本が剣の形をしており、その性質上『千の隕鉄(ミッレ・メテオリーテース)』と『光波一閃(ウェーブカリバー)』の特性を有し、リインの持つ魔法『ブラッディーダガー』以上に斬撃の特化し、魔力は『反転操作』により物理属性へ。

 三つの聖剣を束ね、振り下ろし放たれる剣の奔流。物理属性を弱点とするナハトヴァールのバリアは破られた上に周囲の砲撃触手を貫き潰していく。

 

『第二層破壊! 第二陣魔力攻撃、フェイトちゃん!」

「はい!」

 

 続く金色の閃光……大剣状態(ザンバーフォーム)のバルディッシュを携えフェイトが駆ける。

 現状、ライトニング以上に固く、ソニックには劣るものの十分に速いブレイズフォームのままトップスピードでナハトヴァール周囲を半周、フローターフィールドを小さく展開し、三角跳びの要領で勢いと速度を殺さず上空へ飛び上がる。

 

 早く、速く、疾く! 風を越え、音を越え、光となって雲を突き抜ける。

 

【フルロードカートリッジ】

 

 ザンバーを大上段に構え、回転式弾倉内のカートリッジを全てロード。その高出力が故か、『紫』と『水色』の稲妻がザンバーから漏れ出ている。

 眼下のナハトヴァールを見やる。憐れみと同時に感謝の念をフェイトは分割思考(マルチタスク)の中で思う。これが無ければ姉にも、まして父と言葉を交わすこともなかっただろう。改悪され、利用され続け、罪の象徴とされた哀れなプログラム。

 確かに哀れだ。そしてありがとう、と言葉を(ザンバー)に込めるように握り締める。

 

……それでも、それでも!

 

 このままでは大好きな世界が、大好きな場所が、大好きな友達が……『大切な時間(刹那)』が消えてしまう。それはダメだ。あってはならない。私たちの『刹那』を壊させてなるものか。

 

 ――視界がクリアになる。これ以上にないほど鮮明に、忌むべき哀れな存在が目に映る。

 

 

 その瞬間、ナハトヴァールの生体時間が『静止』した。

 

 

 それを一番に理解したのはフェイト。ルビーのように赤い瞳を、海のように輝かせる“蒼”に変えて、何もかもを断たんとせんほど巨大な雷の大剣を、トップスピードの急降下と共に振り下ろす。

 

 

――ジェットザンバー

 

 

「イィィィヤァァァアアアアッ!!」

 

 重力、速度、ブーストされた力と魔力圧による重撃により対物理バリアが一刀両断される。

 その凄まじい威力に、第三層の対魔力バリアごとナハトヴァールを圧し潰す。第三層は崩れないものの、魔力の動きはない。つまりは高威力の攻撃をぶつければ簡単に崩せてしまうほどに脆く化していた。

 

 その第三層に拳を叩き付けた者がいる。

 白き雷光の、爬虫類めいたヒーローのような鎧を身に纏う――ブリッツだ。

 

 

――ナックルサンダー

 

 

 叩き付けた拳から雷鳴が鳴り響く。それでもまだ崩れない。――ならば、まだ攻撃は入れられると言うことに他ならない!

 拳を叩き付けた反動でそのまま飛び上がり、前回転の状態から両足のヤギ意匠の鎧から稲妻が漏れ出す。それをそのまま、思いっきり……叩き付けるッ!

 

 

――キックスパーク

 

 

 かかと落としの要領で落雷のように叩き付けられたその足に、ナハトヴァールと言う巨体のバリアを攻撃したにもかかわらず反動が無い。むしろ反動があったのは――ナハトヴァールの方!

 衝撃が逆にナハトヴァールの巨体を跳ね上げ、魔法も無しに、物理法則で巨大なナハトヴァールが浮いたのだ!

 その隙を見逃さず、ブリッツは雷鳴の如き速度で下へ回り、全身に雷光を纏って、体全体でナハトヴァールを打ち上げる。

 

 

――タックルライトニング

 

 

「ぉぉぉぉおおおおおおおオオオオオオオオオッッ!!」

 

 雄叫びと共に反転。

 繰り出されたのは、槍のようにナハトヴァールへ伸びる尻尾状の武装『アンペアテイル』だ。

 その細さ、しなやかさからは想像もつかない伸縮性と強靭さにより、バリアに突き刺さるアンペアテイルで一気に下に広がる海面へ叩き付ける。

 

 突き刺さったままのアンペアテイルに引っ張られ、高速で落ちるブリッツ。

 ――しかし、その手には今まで以上の稲妻が迸っていた。

 

「ヴォォォルトッ、ジェェェェネッ、レイィィィィトォッ!!」

 

 

――ヴォルト・ジェネレイト

 

 

 作戦空域のほぼ全体に広がるほどの巨大な雷の爆発。

 それはまるで、巨大な樹が枝を伸ばしているようにも感じ取れた。

 第三層が崩れ落ち、最後のバリア……第四層対物理バリアが姿を現す。

 

 それに対するは、カートリッジ六発マガジンを三つに、既に魔力濾過(ろか)中の(エクセリオン)ディフェンダーを携え佇むなのは。

 

 

……皆がここまでやってくれた。私も、出し惜しみ無しで……!

 

 

「――行くよ、レイジングハートッ!」

【全力全開で参りましょう。カートリッジ、フルロード。エクセリオンディフェンダー、魔力ライン完全連結】

 

 レイジングハートに装填されているカートリッジ六発が完全に解放され、ACS使用時以上の魔力圧が風となってなのはの周囲で吹き荒れ、完全開放モードとなったEディフェンダーは吸引口、排出口の開放の為に四対の羽のようにカバーウィングが開く。

 Eディフェンダーの中央で輝く、レイジングハートのデバイスコアによく似た赤いコアが鈍い音を立てて輝く。その鈍い音は断続的に鳴り響き、音の度に魔力が波紋と響く。

 

【オールコンバーター正常稼働。魔力ジェネレーター、エクセリオンディフェンダー共に超過駆動へ移行。システムロック。トリガーを預けます。マスター(ユーハブコントロール)

うん。任せて(アイハブコントロール)! トリガー、フルオープン! ターゲット固定……!」

 

 完全な砲撃体制。

 しかし、なのはの周囲には計十二の星々(スフィア)が浮かんでいる。それも日周運動のようにゆっくりと、狙いを定めるようにゆっくりと回っている。

 

 

――エクセリオン・スターズライト

 

 

 弾かれたトリガーに連動し、十二の星とレイジングハートから砲撃が放たれる。

 動き回りながら砲撃……照射砲撃を続ける十二の星、『バスターズ』は依然と日周運動を続け、放たれた砲撃は容易にナハトヴァール最後のバリアを崩壊させる。

 それどころかナハトヴァールの巨体のあちこちを砲撃で穴を開けるほどの高威力だ。人が受ければ一溜りもないだろう。

 

 バリアを剥がし、ついに剥き身になったナハトヴァール。

 数多の高威力連携から、流石の『茨の森の狼砦』も姿を消している。

 

「やったか……?」

「あっ、馬鹿やろ……ッ!」

「――未だだッ!」

 

 ――だが、微弱ながらもナハトヴァールは再生している。

 瞬時に大型の砲撃腕を形成。漆黒の砲撃が魔導師たちを襲うが、直前のユーノの声により難を逃れる。

 バリアを全て剥がそうとも、ナハトヴァールは依然、健在。

 戦いの第二幕が始まろうとしていた。




・三身合一? 十二体合体だろJK
(ひなた)+((夜天デバイス)(レオ))+((ヴォルケン)(はやて))=ほら(ry

・リイン姿のひなたの声
みゆ○ちですよ。歌で戦うWAではスッパになったりしてたりギャグが滑る貧乳政治家だったり。

・ソウルチェンジ
まさかのドライブと被った。
ああ、レオの声がベルトさんに!

・海鳴は人外魔境の中の人外魔境
知 っ て た

・お前の幕は、俺が引く
決め台詞がようやく決まりました(虫の息)

・ドジッ娘☆おるとちゃん!
来ないでくだちい(震え声)
ORTで探せば出てくるはず。

・ス○ロボ
あるんですよねこの世界。
しかしスパ○ボっぽい派生作品はない。悲しいね、バ○ージ。

・「個人の能力頼りの――いや大丈夫か」
知 っ て (ry

・魔改造アルフ
(むしろしてないはずが)ないです。

・「このくらい平気だよ(弾薬はそこら中にあるよ)!」
やっぱりバスターハッピーじゃないか(怯え)

・正しく勇者の立ち姿
※勇者パース/サンライズパース/勇者立ち

聖 剣 絆 河(アークインパルス)
せいけんばんか。語源は千変万化。聖剣束ねてるし主人公気質だし。
左腕が銀色の義手になりそう……

・停滞押し付け
お父さんすごいですね(白目)

・ブリッツのシーン
ニンジャスレイヤーのナラク・ウィズイン危機ながらだったかそれっぽく……
何時忍殺語が出てきそうになるか焦る焦る。

・なのはのシーン
安定のゼオライマーBGM

・「やったか……?」
(発言者クロノくん)
お約束。


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