愛機でありGOD編の要であるPSPの充電器が行方不明。そしてデータ消滅という最期を迎えました。クソガッ
既にむちゃくちゃとは思いますが、どうぞお付き合いください。
それは、あまりにも突然だった。
闇の書の欠片……ひなたの一撃によりバックアップごと『完全消滅』したはずのデータの中で、取分け高密度の魔力を持つ者の姿を模して具現化したものだった。
その復活した原因というのも、ここ『海鳴』という“土地そのもの”にも原因がある。ここは所謂『龍穴』……龍脈と呼ばれる魔力の通り道、レイラインの交差路であり溜まり場……つまりは市全体が大きなパワースポットになっている。ただでさえ二度の大きな魔法戦があり、一度の次元震が起きかけている中心がパワースポットの一種なのだ。浄化され害はないとはいえ、濃密なまでの残留魔力により、欠片というデータが漂う魔力残滓により肉付けされた。それが真実だ。
――だが、その中でも取分け大きな闇の書の欠片がある。正確には同じ人物の欠片同士が合わさった『
しかしそれは、闇の書の欠片が現れた時点で必然だったかもしれない。
「――ふん。我の元となった者が、こんなにも腑抜けた顔とはな」
「わた、し……?」
あまりにも対照的。あまりにも対になるその雰囲気、出で立ちにはやては思わずながらの声が漏れる。しかしそれだけではない。『それのみ』ではないのだ。
傍らにいる二つの存在もまた、自らの知る友人たちとはまた対照的なのだ。
「暗黒を切り裂き、雷鳴と共に僕は飛ぶッ! 雷刃の襲撃者、レヴィ・ザ・スラッシャー……見、参ッ!」
「
「ふむ。よく集まったな、我が臣下達よ……いや待て。
「我らが王。マテリアルD、闇統べる王……ロード・ディアーチェ。彼女は【構成魔力が足りず、しばらくは待機する】と」
「――ほう。……で?」
「はい。
「……そうか」
直感で感じた。残る一人の元になった人物は
それに戸惑っているのは、表情が今しがた死んだはやてだけではない。本来ならば大部分のリソースを砕かれ、以前のような高出力は出ない……が、戦えないわけではない(弱いとは言ってない)リインフォースと、全体的に桃色な少女、キリエ・フローリアンだった。
(――って、呆けてる場合じゃないわよキリエ! 何としてでもあの威圧感バリッバリな王様から『システムU-D』のことを聞き出さなきゃ! ファイト頑張れキリエちゃん、FGKよんッ!)
姉を撃墜……もとい、少しばかりお控え願った後にこの状況。このぐらい切り替えができなければ目的も達成できないだろうと考え、実行に移す。何はともあれ行動なのだ。
「あのー、王様? ちょーっとよろしいですかー?」
「む、何だ好色娘」
「こ、好色じゃないしッ! ……じゃなくてッ! システムU-D……ご存知ですよね」
キリエのその一言に、マテリアルの三人の雰囲気が一気に殺気立つ。
膨大なまでの威圧感、強大なまでの存在感にリインフォースがはやての前に出るように構える。
そんなリインフォースを気にも留めずに『王』と呼ばれたはやてにも似た少女……マテリアルD、闇統べる王――ロード・ディアーチェは鋭い視線をキリエに向ける。
「小娘……何処で『それ』を知った。我らマテリアルが探して止まぬ、『砕け得ぬ闇』を。場合によっては――」
「探し当てる術が“ある”、とすれば……どうです?」
ほう? とディアーチェの目が変わる。興味の目に。手を出し、左右にいる二人の殺気を納めさせる。キリエはそれに内心安堵しながらも、表の顔は変えずに再び口を開く。
「ですがここでは……」
「ふむ。小鴉が邪魔か……シュテル、
「委細承知」
なのはとは似て非なる少女……マテリアルS、星光の殲滅者――シュテル・ザ・デストラクターが同様に、レイジングハートに似て非なるデバイス……ルシフェリオンを構える。杖先に魔力スフィアを出し、振り上げ、叩き割る。
――瞬間、閃光。咄嗟に目を閉じ、目を覆う。しかし同時にどういう
次に目を開いた時には、
「……逃げてもーたな」
「マテリアル、構築体……ですか。それにシステムU-D……」
「知ってるん? リインフォース」
「……いえ、初耳です。憶えも記録も……かの戦いで記録諸共、喪失している可能性もありますが」
「そっか……どちらにせよ、あの桃色の人がシステムU-D言うんの探しとって、マテリアルの子らも探しとって……それまで利害が一致している、って感じやったな」
「はい。ですが、あまり良い予感は致しません」
ん、そっか。
はやてはただ一言と共に頷く。
そこへ一つの通信が入る。相手はひなただったが、ホロディスプレイに映るひなたの肩には赤髪の頭が見える。ヴィータよりも鮮やかな朱……まさに赤だ。
「ひな? どうしたんその人」
『あー……この人はアミティエ・フローリアンって言うんだけどさ。妹さんとトラブって怪我して逃したらしい。そこに俺が来て、この人が焦って実力行使。鎮圧』
「それはまたご苦労な」
『どっちに言ってる?』
「そらアミティエさんやろ」
『ですよね』
……とりあえずは現状報告やな。
それからアースラ組のいる拠点を通じて全体に報告。
一同はアースラに集まることにした。
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しばらくしてアースラの食堂に関係者全員が集まる。
ひなたや聖刃、なのはなどの地球魔導士組に加え、異世界に場慣れしているヴォルケンリッター、同様に統率能力や異世界事件に詳しいクロノやカガミなどの管理世界組。そして――
「えっと、高町ヴィヴィオです! よろしくお願いしますッ!」
「アインハルト・ストラトスです。よ、よろしくお願いします!」
「えーっと、トーマ・アヴェニールです。こっちが……」
「リリィ・シュトロゼックです!」
「ヒビキ・ヒノです! よ、ヨロシクオネガイシマスッ!?」
約一名声を裏返して頭を抱える中、聞き覚えのある名字に自然と関係者らしき二名に視線が集まる。一人は戸惑い、一人は固まっている。誰がどうなっているかは想像に容易いだろう。その光景に予想がついていたのか金髪にオッドアイの少女、ヴィヴィオと薄茶の髪に金眼の活発そうな少女、ヒビキが苦笑う。その状況に付いていけていないのが碧銀の髪にヴィヴィオとは別色の虹彩異色と赤いリボンが特徴的なアインハルト、そして聖刃に捕まったトーマとリリィだ。
「……隠し子?」
「「――ッ!?」」
「カ・ガ・ミィ……!」
「てへぺろ」
カガミのいらない発言により戦慄を覚える約二名はさて置き。何でもヴィヴィオとヒビキは、ある事件が原因でなのはとひなたが互い互いに引き取ることになり、先の時代に身元引受人の経験があるフェイトを中心に共に過ごしていたらしい。そんな話にブリッツが待ったを掛ける。
「つまり、時代が違うってことなのか?」
「そう言って……あれ?」
管理局は次元間航行技術は持っている。しかし、流石に『時空間』航行は無理なのだ。それこそ、ロストロギア級のエンジンか、ロストロギアそのものがなければならない。そういう意味ではヴィヴィオたちは次元漂流者とも言える。
その話に、恐らく、と前置いて話し出したのは、恐らく今回の事件の重要人物の一人。アミティエ・フローリアンだった。
「私達が、エルトリアから転移した際に時空間に歪みがでて、恐らくヴィヴィオさんたちはそれに巻き込まれたのでしょう。――もっとも、巻き込まれるのも天文学的確率なんですが」
その話を聞いたヴィヴィオとヒビキは『知 っ て た』と半ば諦観の表情で虚空を眺めていた。恐らく巻き込まれやすい体質というか気質なのだろう。血も繋がってもいないのによく似るな、と思うと同時に、根っこが似てるだけかと聖刃は納得した。
「でもさ、こんだけ別時空に影響出てんなら……マズくね?」
『あっ』
全員が示し合わせもせずに声を合わせた。そして同時に、また世界の危機か……とも呆れた。やっぱりこの地は呪われているのか。誰かがトラブルに愛されているのか。それが全員なのか全部なのかは定かではないとして。問題は、そんなに時空間に影響を及ぼしてまで海鳴に来てマテリアルズと接触したアミティエの妹、キリエ・フローリアンと、現れたマテリアルズの目的である『システムU-D』のことだ。
「私たちの得た文献では、過去に発見された魔導鉱石『永遠結晶』を核に特定魔動力を生み出し続ける『人工史上最高永久機関』……それが『
目的の『物』の詳細は分かった。しかし、それを求める理由が未だ……そう考えたところでアミティエが言葉を続ける。
「妹の目的。それはエルトリアを蝕む厄災……『死蝕』という、星の草木を枯れさせ、凶暴な生物を生み出し、星を殺す病。それに対処するために、私たちの父であるグランツ・フローリアン博士が中心となって尽力。そのカギとしてキリエが目を付けたのがシステムU-Dでした。しかし、完全ではない時空転移装置に過去への介入、『
「んで、俺に捕まった、と」
はい、と意気消沈気味に俯くアミティエだが、すぐさま顔をあげ、声を張り上げる。
「ですがッ! ここで妹の危ない行為を見過ごすお姉ちゃんではありませんッ! 文献に残っているとはいえ『
「ぐっ」
「げふっ」
「あ、あれ? どうしました?」
「い、いや、ちょっと古傷ががががが」
「スミマセン……私もクリティカルです……」
ひなたとヒビキが胸を抑える光景を余所に、アミティエは立ち上がり、頭を下げる。
「もしかしたら、妹がご迷惑をお掛けするかもしれません。皆さんの身に危険が及ぶかもしれません。ですが、身勝手ながらッ! 私に力を貸してくださいッ!!」
「良いぞ」
「ええよー」
「既に了承済みだ」
「そう簡単に了承をとれるとは――ってあれぇッ!?」
即答である。応えたのは聖刃、はやて、クロノだ。むしろ、ここにいる人間で断る人間はいない。皆同様にお人好しであり、そのお人好し達であるから故に、PT事件、闇の書事件を乗り越えられたのだ。そんな少年少女の顔には『いつものことだ』と言わんばかりに笑顔を見せている。その光景に、アミティエの目からは思わず涙が零れる。
「あ、あり……ありが、とう……」
「やれやれ。男の前で女がぐしゃぐしゃに泣いちゃいけねぇの。ハンカチを――」
「ちーんッ」
「ぬわーッ!」
「お約束お約束」
「なのはちゃんのハンカチは犠牲になったんや……女の涙の犠牲にな……」
「この頃から締まらないし決まらないんだね、なのはママ」
「むしろお前らの時代でもそのままかよ」
「成長しねーでやんの。げらげら」
「噴ッ!」
「ゆびィッ!?」
「さ、流石なのはさん……えげつねぇ」
「なのはちゃんイコールえげつない、やろ?」
「破ッ!」
「ぽうッ!?」
「八神の首が曲がっちゃいけない角度に!」
「いろんな意味で体張ってるんだね、お義父さんたちはいつの時代でも……」
「同類なの」
「五十歩百歩だろがい」
「僕からすれば全員同類だろ」
「「ぐう正論」」
「アバーッ!」
「グワーッ!」
「セルフやられとか芸人度上がってんじゃねーの?」
ぐだぐだGOD、本格開始です。
・龍穴
そうでもしないとこの土地の異常具合が説明できないと思う。
・ファウスト
オリジナルマテ娘。別に子安声ではない。
尚、簡易キャラ設定では「ござる・パシリ・忍者・犬二号」となっている。
・好色娘
ピンクは○乱とよく聞くがウチの筆頭ピンクさん武闘派なんですが……
・ヒビキ・ヒノ
お分かりの通り、彼女っぽい子です。覇王っ子とは同級生で未来の義娘。ヴィヴィオの立派なお姉ちゃんです(無茶しないとは言わない)
・フェイトを中心に~
あとは、解るな?
・知 っ て た(悟り)
いろいろ巻き込まれているようです。
・万が一、がアウト
ひなた「れ、レベルを上げて……」
ヒビキ「物理を、ですね……」
はやて「結局脳筋やないかい」
貴方が知らない時間を知っている。
貴方にとっては未来でも、この気持ちに時間はない。
そして、誰かに手を差し伸べる。最速最短、真っ直ぐ一直線に。
次回、回転割砕の
第四話「槍拳使いの
無理無駄などありはしない。
無茶無謀など知るものか。
覚悟など、疾うに『完了』している。
待て、而して希望せよ