浮気者にはリリカルマジカル~★や、やめろー! 作:ヤンデミック
少年は覚悟を決めた。
なのはに懐かれている以上、原作には関わることになるだろう。小一になった時にすずかとアリサに押し付け──紹介すれば女の子同士で仲良くなり自分を忘れてくれるかも知れないが楽観視は良くない。だからこそ、魔法の練習をする事に決めた。
少年は全国クラスの才能がある。それは、実はかなり広い範囲を指す。例えば彼がアメリカに行ったとしよう。全国クラスは当然アメリカでも適用される。
言ってしまえば、世界クラスの方が正しいのだ。
そして魔法は幾つもの世界を隔てて存在する技術。ならばその才能も他の才能に比べると上方修正される。
例えば、ある程度の魔法の基礎をいきなり使えたり。
「ふむふむ魔力は問題なし。全国クラスも何もしなくても、って前提だから鍛えりゃそこそこいけるはず」
高速魔法。砲撃魔法。後は、加速に身体強化。どれをとっても少年はトップになれなくてもトップクラス。
それが少年の強みだろう。
そしてもう一つの強み。おそらく存在する希少技能である。あらゆる才能で全国クラス。それは逆に言えばあらゆる才能を持っていることに他ならない。文字通り希少な能力とはいえ数人存在している時点で少年にも存在していると考えるべきだろう。
そして、発動を念じると、視界がぶれた。
「ん?」
よく見ると片方の目に映るモノが、僅かに遅れている。
「逆か。未来を見れる力ってわけだな」
思いのほか有用な力を手に入れた。これなら魔王とだってやりあえ…………無理だ。未来を見た瞬間視界が桜色に染まって次と瞬間には直撃する未来しか見えてこない。
「魔王には勝てないってか。あいつ結婚できんのかね?まあ、結婚しなくても子供はいるか」
はぁ、帰ろ帰ろと森を抜け裏路地を通る。と、そこで………。
「は、放してください!」
「畜生神め!」
厄介事に遭遇した。
どうやら神は何が何でも少年を厄介事に巻き込みたいらしい。
「ん?」
「あ、おつかれーっす」
「あ、ああ……お疲れ」
「誘拐頑張ってください」
「うむ。って待て!目撃者だ!」
「ッチ!」
少年は逃げ出したが路地裏から出ようとした瞬間腹を蹴られる。
「余計な奴まで連れてきたがまあ良い。予定通りだ」
どこかの倉庫で縄に縛られた男女を見ながら大人達が話し合っている。少女は震え、少年は間接を外したりしながら縄抜けが出来ないか確かめている。
「………すいません、この女の子の事は誰にも言わないので俺だけ逃がしてください」
「んむ!?」
少年の言葉に少女が目を見開くがそもそも少年には何の関係もないのだ。本当に勘弁してほしい。
「あん?ふん、確かに夜の一族に関わりたくないわな」
「夜の一族?」
「ああ、吸血鬼だよ。こいつらの剥製は高く売れるんだ」
「───!?」
男は何でもないかのように言う。少女は涙目になるが少年は目を逸らす。ここから出たら警察でも呼んでやるから、と思っていると視界に銃口が映る。
「!?」
とっさに魔力で縄を切り銃弾を避ける。
「ふん、やっぱりな。吸血鬼に何の反応もせず剥製にも無反応。それにその動き、てめぇ此方側の関係者だな?」
「違います。吸血鬼とか、ぶっちゃけどうでもいいだけです」
だって魔王の方が怖いし。とは口に出さない。
「てか本当勘弁してくれよ。そろそろいかねーと魔王に殺される」
少年はそう言うと全国クラスの剣術の移動法、縮地で男の一人の懐にはいると睾丸に拳をねじ込む。
そのまま銃を奪うと呆然としている面々の腹に向かって銃弾を撃った。
「吸血鬼なんてまだ可愛い方なんだよ。俺はもっと恐ろしい存在をしてるからな…………しかしやばいな全国クラス、この体格差で圧勝って……」
少年はそう言うと唖然としている少女の縄を解く。
「あ、あの……ありが………」
「やべ!四時だ!じゃあな、強く生きろ!」
少女がお礼を言おうとしたが少年はあわてて駆けだした。
「ねーねー、何であなたの服に女の子の匂いと髪がついてるの?」
「み、密着してたからです」
「何で密着してたの?」
「そ、それは……その………」
「その女の子と遊ぶのが、なのはの約束より大切だったの?どうなの?何なの?」
「ひっ!」
「全くもう。仕方ないな~。誰のモノかキチンと自覚しなきゃ」
ニッコリと笑顔で近づいてくるなのはに少年は涙目になり震えながら後ずさる。なのははそんな少年を見てゾクゾクと言い知れぬ快感を覚え熱い息をもらす。
「ま、待て!俺は何も悪くない!落ち着け!落ち着いてください!」
「だ~め★お仕置きね♪」
「ぎゃああああ!」