この煩わしい脳内選択肢に喜びを!   作:ローリング・ビートル

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第4話

 

「ダスト、好きだぁ~~~~!!!!」

 俺の絶叫がギルド内に満遍なく響き渡る。

 息の続く限り叫んだ後は、凍りついたような沈黙がその場を支配した。

 誰もが何が起こったかわからないというような顔をしていた。しかし、数秒後……

「ひいいっ!?」

 ダストは青ざめた顔で思いきり後退った。

 言い訳くらいはしておこう。

「いや、違うんだ。これはだな……」

「や、止めてくれえ!この前、あの貴族の野郎に……うああぁ!」

 ダストは泣き叫びながら逃げていった。

「カ、カズマ……一体どうしたの?」

 リーンが呆れたような顔をして聞いてくる。

「実は、かなり複雑な事情が……」

 よかった。リーンはわかってくれそうだ。

 しかし、周りはかなりざわついていた。

「カ、カズマの奴……ロリだけじゃなく男もいけたのか……」

「やっぱアイツはただ者じゃねえ……」

「そういや、俺のこと変な目で見てくるような」

「おい、お前ら!適当なこと言うんじゃねえよ!あと変な目で見てくるって言った奴、誰だ!」

 くっ、とりあえずこの場は退散して、後で酒に酔った事にしておくか。

「カ、カ、カズマさんにそんな趣味があったなんて……しかも相手はあの人……」

 聞き覚えのある声に振り向くと、そこには顔を真っ赤にしたゆんゆんがいた。

「お、おい、ゆんゆん……」

「わ、私!めぐみんには言いませんから!」

 ゆんゆんは猛ダッシュでギルドから出て行った。

 ……ちくしょう。なんて選択肢を出しやがる。これじゃあ……

 そこで扉が開き、またもや見知った人物がいた。

「あれ、皆どうしたの?」

 クリスがキョトンとした表情で店内に入ってくると同時に、腕輪が光った。

 

『クリスにスティールをする』

『クリスにスティールをしな「スティール!」

 

 能力が発動し、手にはこっちの世界ですっかり馴染んだ布の感触がある。

「きゃああ~!パンツ返して~!」

「ふう……」

 おっといけない。

 体が勝手に動いてしまった。

 

「それで?何でボクはいきなりセクハラされたのさ」

「エリス様、ごめんなさい!これには事情があったんです!」

「ちょ、ちょっと、声が大きいです!」

 エリスに口を塞がれる。もちろん手で。

 ……もう一回選択肢こねえかなあ。もう一歩踏み込んだやつ。なんかフラグ立ちそうなやつ。

「まったく……それで、どうしたんですか?」

 俺は謎の腕輪と脳内選択肢について、わかる範囲で説明した。

 俺の話を聞いたエリスは、腕輪に触れて色々と確かめている。

「……確かに。呪いの類いではないようですね」

「エリス様でも無理か」

「お力になれなくて申し訳ありません」

「いや、大丈夫ですよ。今のところ大した被害は受けていないですし……」

「まあ、被害を受けたのは私の方ですけど……」

「本当にすいませんでした」

「もう……今回だけですよ?」

 少しだけ頬を赤らめるその姿に胸が高鳴る。さすがメインヒロイン。この世界で数少ない癒しの女神。

 そんなことを考えていたら、腕輪が光りだした。

 

『パンツをスティールする?』

『パンツをスティールする!』

 

 おい、なんて選択肢を出してきやがる。

 これ以上やったら、間違いなく好感度が下がるぞ。

「どうかしましたか?」

 しかし、やるしかない。

 俺は心を鬼にして、手をエリスに向けた。

「スティール!!!!!」





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