青いポニテとヨーソロー~ちょくちょくちかりこ~   作:さとそん

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バンドリ沼にハマってました、さとそんです。
気づけば最終投稿日から4ヶ月も過ぎてました……。そして、曜ちゃんの誕生日から5ヶ月も過ぎて誕生日回が終わるという、恐らくハメ史上最大の珍事件が勃発しています。その間にAqoursメンバー6人が誕生日を迎えていますね……。

要するに──すいませんでした。




偽妹さえいればいい

 

 

 ある日の昼下がり。ペンギンたちを見終わった俺と曜は今、イルカの水槽の前に2人で立っている。

 やっぱりイルカって果南のイメージが強いんだよなぁ。練習着にもイルカのマーク付いてたし、これはただの偏見だが、イルカと一緒に泳いでそう。そして、それがめちゃくちゃ絵になってる。

 そんなことを考えていると、俺の袖が横からクイクイと引っ張られる。その方向を見てみると、曜が少し不満げな顔をして頬を膨らませていた。

 

「デート中にほかの女の子のことを考えるのはどうかと思うなぁ〜」

 

「おっと、すまんすまん。気をつけるよ」

 

「ヨーソローっ♪ それにしても、ここのイルカさんすっっごい可愛いね!」

 

 いや、俺からしたら今のお前が一番可愛いんだが????

 

 というのは冗談……ではないけれど、一応置いといて。曜の言うとおり、ここに飼育されているイルカはとても愛嬌のある顔をしていて、なんだか見ていて癒される。

 

「おー、確かに可愛いな」

 

「むぅ……なにその雑な返し。人間であるはずのお兄ちゃんより、このイルカさんの方が多分コミュニケーション能力高いよ?」

 

「わぁお、辛辣ぅ〜……。俺のコミュ力はイルカ以下だったのか、、」

 

 一応説明しておくと、イルカはパルス音という超音波のようなものを発しており、物体に反射した音からその物体の特徴を知るという特性を持つ。さらにその特徴をパルス音で仲間に伝えることが出来るという、なかなか知能の高く、コミュニケーション能力の優れた動物なのだ。

 

「でもな、曜」

 

「んー? どうしたの?」

 

「イルカって確かに可愛いけど捕食の仕方は残酷なんだぜ?」

 

 先述したとおり、イルカはコミュニケーション能力が優れているため、人間のようないじめも行うことがわかっており、魚などを集団で噛み付き弱らせ弄んだ挙句食べずに捨てる、小さな同種のイルカや弱ったものを集団で噛み付くなどして、殺すなど集団的な暴行行為も行うらしい。

 このことを曜に説明してやると、「い、イルカさんが、よ、よーそろー……」などと、まるでサンタの正体を知った幼稚園児のような絶望した表情をしていた。

 

「つまり、下手にコミュニケーションを取ろうとするやつほど内面は腐ってるんだ。ということは逆説的に考えると、コミュ障である俺みたいな人間の方が心は澄んでるんだよ」

 

「それはない。」

 

 即答だった。あながち間違いじゃないと思うんだけどなぁ〜この理論。だって、根暗がイジメやってる姿なんか想像出来なくね? チャラチャラヘラヘラしてるウェーイ系の人間の方が陰で色々やってそうじゃね?

 

「けど……まぁ、下手にチャラチャラしてる人よりは全然お兄ちゃんの方がマシかな!」

 

「さっすが曜、分かってるじゃねぇか」

 

 どうやら曜は、俺の昔のクラスメイトである、チャラチャラガングロヤンキーの田所くんよりも、影でコソコソ生き延びていた俺の方がタイプらしい。やったぜ。

 そのことが少し嬉しくて、曜の手触りのいい灰色の髪の毛をわしゃわしゃ撫でてやる。やべっ、これめちゃくちゃ気持ちいいな……!

 

「もぉ〜、くすぐったいよぉ〜」

 

「こんくらい別にいいだろ?」

 

「仕方ないなぁ〜、今日だけだよ?」

 

「やったぜ! よ〜しよし、よしよし……」

 

「えへへぇ……えへ、えへへ……//」

 

 そんなほのぼのした(?)やりとりをしていると、後ろから呪怨のような声がボソボソと聞こえてくる。

 

「れんとようが、れんとようが、れんとようがれんとようがイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャ…………」

 

「ちょっ、果南さん、落ち着いて!!」

 

「か、果南ちゃんが壊れた!?」

 

「いや、壊れてなんかないよ千歌。あははは…………w҉҉҉w҉҉҉w҉҉҉w҉҉҉w҉҉҉w҉҉҉҉҉҉҉҉҉҉҉҉҉w҉҉҉                                                     」

 

「「えっ!? 今なんて言ったの!?」」

 

 いや、なんでお前らここにいんの??? 曜がものすごい形相で睨んでるから帰った方が身のためだと思うんだけど……。

 

「曜、あいつらは気にするな。今は二人の時間を楽しもうぜ? 今日は俺と曜のデートの日だろ?」

 

「お兄ちゃん……! うん、そうだねっ!」

 

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

「はぁぁ〜……楽しかった〜!!」

 

 それからというものの、水族館を1周し終えても満足しなかったらしいので、もう1周してきた曜は、ようやく満足気な表情を浮かべて車の助手席へと飛び乗った。

 

「ははっ、でも少し疲れたよな。やっぱり水族館を2周はキツい……」

 

「お兄ちゃんは体力無さすぎるんだよー。うたた寝して事故らないでよね」

 

「おいおい、縁起でもないこと言うなよ……」

 

「お兄ちゃんが死んだら悲しむ人がいるってこと、忘れちゃダメだよ?」

 

 曜……お前……そんなに、俺のことを……

 

「果南ちゃんとか」

 

「なに、その自分は違いますよアピール!」

 

「あっ……」

 

「『あっ……』じゃねぇよ! なに『しまった……』みたいなリアクションしてんだよ!」

 

「まぁまぁ、ほら言葉の綾……ってわけではないんだよねぇ」

 

「違うのかよ!!」

 

 ツッコミってこんなに身体に悪かったっけ!? 疲れた身体に毒すぎるんですけど!

 

 このまま曜のボケにツッコミ続けても、言われた通りに交通事故を起こしてしまいそうなので、曜には悪いが改めて車の運転に集中する。

 それから10分も経たないうちに、隣の席からは「すぅ……すぅ……」という、可愛らしい寝息が聴こえてきた。なんだかんだいってこいつも遊び疲れたみたいだな。

 

 

 

「おーい、着いたぞ……って、まだ寝てんのかよ」

 

 無事に事故ることもなく家に帰ってこれた俺たちだが、隣でまだ眠りこけている曜からは、起きる気配が一切感じられない。少しだけ半開きになっている口からは「えへへぇ……ペンギンさんが一匹……ペンギンさんが二匹……えへ、えへへへへ」という、なかなか気味の悪い寝言が漏れている。数えるもん間違えてるし、寝てから数えても意味無いんだが。

 とはいえ、このまま起こすのも偲びないし、放っといても風邪引くしなぁ……。

 

「……ったく、仕方ねぇなぁ。今日だけだぞ?」

 

 そう呟き、曜の華奢な身体を軽く持ち上げる。女の子らしくも筋肉のついている柔らかい触感を楽し……じゃねぇや、堪能……でもなくて……いや、もういいや。開き直ろう、曜の触感を味わいつつ、俗にいうお姫様抱っこという形でしっかりと抱えあげる。なんかさっきよりも変態チックになってしまった。

 

 苦戦しつつも車のドアを閉めて、家の中へ入る。玄関の鍵がかかっていなかったので、果南は既に帰宅しているみたいだ。

 

「ただいま〜」

 

「あっ、おかえ……り……ねぇ、漣。それどういうこと……?」

 

 俺の声に合わせて、ドタドタという大きな足音と共に玄関の扉が開かれる。その声色からは帰宅早々、果南は病んでることがわかる。目からもハイライトが失われてるし。

 

「いや、別に……寝てたから起こすのも悪いし、こうして連れてきただけなんだけど……」

 

「へぇ〜、寝てたら誰でもお姫様抱っこをするんだね。じゃあ私も今から寝てくるから」

 

「ちょっと待て!! お前はいま相当凄い勘違いをしている!!!」

 

「それじゃあね、楽しみにしてるから!!!!」

 

 そういって果南は自室へと走っていった。あんまり家の中を駆けまわらないでほしいんだけど。

 ……もういいや、あいつは放っておこう。生憎、重症患者に手間をかけてる暇はないんだ。

 そう心に言い聞かせて、曜の部屋へと向かう。

 綺麗に整理された部屋の端っこに置かれているベッドに曜を寝かせ、速やかに立ち去る。一応女の子の部屋だから、部屋主が寝ているとはいえ長居はしない方がいいだろうしな。

 

「おやすみ、曜。それと……誕生日、おめでとう」

 

 そう呟き、昼間と同じように再び曜の髪のをくしゃっと撫でる。硬い表情で寝ていた曜が笑顔になったのを見て、それにつられて俺も笑顔になってしまう。

 

「このままずっと、楽しく暮らせるといいな……」

 

 つい、柄にもなくそんなことを呟いてしまう俺だった。

 

 

 

 

 

 

 夜になっても、お姫様抱っこをしなかったせいで果南が怒ったのはまた別の話……。




次の投稿は……未定です。ただ一つ言えることは、何も言わずに去ることはないので、その点に関してはご安心ください。
それと、作者はとても寂しがり屋なので、感想とか評価とか貰えたら嬉しいです。もしかしたら、それが原因でめちゃくちゃ投稿スピードが上がることもあるかもしれません。よろしくお願いします 
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