ソードアート・オンライン 死神と妖精   作:ミルクチョコ

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終わる現実と始まる世界

アスカside

 

ゲームを開始すると目の前にいくつものウィンドウが開いた。それから目を離すと目の前に『ベータテスト時に登録したデータが残っていますが、使用しますか?』という文字が出たのでYESを選択する。すると視界が光に包まれる。

 

そして目を覚ますとそこは広い広場、《はじまりの街》で既にたくさんのプレイヤーがいた。それを見て俺は自分の姿を確認する。体格は現実よりも男らしい体となっており髪も耳くらいまでの長さになっている。そんな自分の姿を確認し終えると横から俺の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。

 

「なあ、アスカだよな?」

 

「うん?……ああ、お前かずt…いや、キリトか」

 

目の前に現れたのは現実では見たことも無い人物であった。だが、声と名前を見てその人物が誰かすぐにわかった。その相手とは幼馴染とも言える関係をもつ友人、桐ヶ谷和人ことキリトである。どうせなら可愛い女の子の幼馴染が欲しかったがある意味もう居るようなものなのでここは我慢しておくことにしよう。スグちゃんは可愛い。

 

「よく俺のことが分かったな」

 

「ベータテストのときとほとんどアバターが変わってないんだからすぐにわかるさ」

 

話の流れから分かるとおりキリトもベータテスターである。ベータテスターとは簡単に言うと実際にゲームを発売する前にテストとして期間や人数を制限して実際にそのゲームをプレイしてもらいその中で何か問題や異常が無いかチェックしたりすることをベータテストといいそれに参加した人のことをベータテスターというのだ。まあ俺もコイツもたった1000人限定の抽選に当たったんだから相当な運の持ち主だろうな。

 

「さてと、それじゃあ早速行くか?モンスター狩りやらなんやらと」

 

「ああ、そうしよう!!」

 

「現実と違って明るいなお前」

 

「そういうこと言うなよ…」

 

落ち込むキリトを軽く慰めてフィールドへ向かおうとすると後ろから方を叩かれた。後ろを振り返ると赤い髪の男性が俺達に話しかけてきた。

 

「どうした?」

 

「その迷いのない動きっぷりあんた達ベータテスト経験者だろ。俺今日が初めてでさ、序盤のコツ、レクチャーしてくれよ。」

 

キリトの問いかけに男性はそう答える。俺はキリトにどうする?と目線で言うとキリトはこう言った。

 

「ああ、わかった」

 

「よっし!!俺はクラインだ!よろしくな」

 

「俺はアスカだ。よろしく頼む」

 

「俺はキリトだ。よろしく」

 

俺達はお互いに自己紹介を済ましフィールドへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおおわあああっ!!!」

 

「あらあら……」

 

少し時間が進んで俺達は草原にいた。そこでクラインはフレンジーボアを相手に戦っているのだが…

 

「なあ…キリト……」

 

「なんだ?」

 

「あいつって確かこのゲームで最弱のmobだったよな?」

 

「ああ、そうだな」

 

「それにしてはアイツむっちゃ吹き飛ばされてない?」

 

「そうだな…助けてやるか……」

 

キリトはそう言うとクラインにアドバイスを与える。え?俺は何もしないのかって?アイツには他人とのコミュニケーションをとらせた方が良いと思うんだ。俺はコミュ障じゃないから大丈夫。

 

「なんだろうな…こう、スキルが立ち上がるのを感じたらこんな感じでスパーン!!といくんだよ。分かったか?」

 

それで分かったら俺クラインのこと天才だと思うよ。そう思いクラインを見ると手に持っている曲刀にエフェクトが出て…いるだと!?

 

「おらあああああああああ!!!!!」

 

クラインは曲刀の下級ソードスキル【リーパー】を発動させフレンジーボアを倒した。マジか…コイツあの擬音だけでスキルの発動の仕方が分かったってのか?天才かよ。そう思いながら見ているとクラインは両腕を腕に上げ雄たけびを上げる。

 

「よっしゃあああああああああああああああ!!!!!!」

 

うん、嬉しいのは分かるけど……

 

「今の、ド〇クエとかで言うところのスライムだからな」

 

「なにぃ!?俺ぁてっきり中ボスくらいだと思ってたんだが……」

 

「始めのフィールドで中ボスとか出たらゲーム成り立たないから。勇者次の村行けないから」

 

キリトが俺の思っていたことを言ってくれる。それに驚いたクラインに俺がもう一言かける。まあさっきのコイツの戦いを見たらそう思っても仕方が無いのかもしれないが…

 

「まあ、そういうことだ。こんなのよりも強いのがこのゲームにはもっと居るからな」

 

キリトはそう言うと目の前で新しくポップしたフレンジーボアに対し下級ソードスキル【ソニック・リープ】を発動させる。それを喰らったフレンジーボアはHPを0にしてポリゴンとなって消えた。クラインもそれを見て負けじとソードスキルを繰り出す。俺もそれを見てキリトたちと共に日が暮れるまで戦い続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう~、疲れた…」

 

俺はそう言って日が暮れている空を見上げる。その景色は本当にここが仮想世界なのか?と思わせるほど綺麗な光景だった。

 

「しっかし、未だに信じらんねぇよな、ここがゲームの中だってことが」

 

「ああ、その意見には同意だ。現実じゃあこんな景色はあまり見ないよ。なあ?キリト」

 

「まあな……でも不思議だよな」

 

「ん?何がだ?」

 

キリトはそう呟くと俺達にこう言った。

 

「現実じゃいろんなしがらみがあるだろ、でもこの世界はコイツ一本でどこまでも上に上っていける………仮想空間なのにさ、現実より”生きてる”って感じがする」

 

確かにコイツの言うことには同意だ。現実のことを忘れて楽しむのもこのVRゲームの醍醐味だろう。実際にベータテスト時のコイツのことを思い出すと共感できる。

 

「なんてな。どうする?まだこのまま狩りを続けるか?」

 

キリトは照れくさくなったのか話題を変えてこれからどうするのかを聞いてくる。録音でもしておきたかったよ今の言葉。

 

「あったりめぇよ!……って言いてぇところなんだが、いったん落ちてメシ食うわ。五時半にピザの出前とってんだよ」

 

まさかの夜間プレイとは…コイツこのゲームにはまりすぎて現実で体調崩したりとかしないよな?

 

「キリトはどうだ?」

 

「俺は大丈夫だ、妹にも言ってあるしな。アスカは?」

 

「俺も同じくだ、両親共に出張だしな」

 

「そうかそうか……って、ん?キリト、お前妹さんがいるのか!?」

 

「え、あ、ああ…そうだが……」

 

「なんだと!?うらやましいなあ!!!」

 

「お前に妹はやらん」

 

「やっぱお前シスコンだな~」

 

そんな会話をしているとクラインは立ち上がり俺達に向き直りこう言った。

 

「まあそれは置いといてだ、二人ともサンキューな。おかげで今日は楽しめたぜ」

 

「ああ、こちらこそ」

 

俺はそう言ってクラインと握手をする。すると俺に続いてキリトにも握手を求めた。キリトはその手を見て同じように手を出して握手を交わした。クラインはキリトから手を離すと俺達に背を向け手を振りウィンドウを開きこう言った。

 

「あれ?ログアウトボタンがねえぞ?」

 

キリトはその言葉を聞くとクラインにこう言った。

 

「いや、そんなわけないだろ。もっとよく探してみろよ」

 

俺もキリトの言葉を聞き右手を振ってウィンドウを開く。そこにはクラインが言ったとおりログアウトボタンが消えていた。

 

「ああ…クラインの言ってることは本当みたいだな」

 

キリトは俺の発言に驚くと自分もウィンドウを開きログアウトボタンを探す。だが反応は俺達と同じでログアウトボタンが無いことを俺達に言った。

 

「まあ、正式サービス初日なんだからバグもあるだろ。今頃運営側は半泣きだろうけどな」

 

「そうだな……あれ?今何時だ…?」

 

俺がそう言うとキリトとクラインはお互いに時間を確認する。キリトは時間を見て「あらら」とでも言いそうな顔をしてクラインの方を見ており当のクラインは…

 

「あああああっ!!!俺のピザたちがあああああああああ!!!!」

 

クラインは悲鳴を上げると腕と膝を地面につきotzの状態になる。なんかこいつの周りに紫のオーラが見えるのは気のせいなのか?そうだと信じよう。ていうか…

 

「なあキリト。おかしいとは思わないか?いくら初回サービス初日とはいえどログアウトできないバグだなんて今後の運営に関わる大問題だぞ?俺としてはすぐに俺達プレイヤーを強制ログアウトさせたりする必要があると思うんだが…」

 

「そうだな…念のためにGMコールをしてみよう。クライン、頼む」

 

「あ、ああ…それがさっきから何度も掛けてるんだがよ…全然つながらねえんだよ」

 

……なんだろう…嫌な予感がするな……

 

ゴーン、ゴーン、ゴーン

 

「うおっ、何だ!?」

 

「これは…鐘の音…?」

 

「ああ……ッ!!何だ!?」

 

キリトはそういうと光に包まれこの場から姿を消した。それに驚き隣を見ると同じようにクラインも消え、そして__

 

「なっ、何だこれっ!?」

 

俺もキリトたちと同じように光に包まれる。強い光のせいで目を開けていられなくなるがその光もすぐに収まり俺は目を開いた。そこで見たものは_

 

「んんっ………ここは…はじまりの街…?」

 

 

そう、そこは俺がこのゲームにログインして初めて目にした場所、《はじまりの街》だった…

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