ソードアート・オンライン 死神と妖精   作:ミルクチョコ

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ファーストコンタクト

キリトside

 

「…行ったか…」

 

そう呟くと俺は自分のHPゲージを見てポーションを飲んだ。今この場所にいるのは俺一人である。アスカは先ほど先に戻ると言って宿屋へと向かった。俯いていたので表情は見えなかったが、あんな戦いの後だ。とても暗い表情をしているのだろう。

 

「あいつ…大丈夫なのか…?」

 

あいつとはアスカのことである。ホルンカに戻る前のリトルネペントとの戦いで、俺とアスカはプレイヤーを一人見殺しにしている。

 

「あの時の俺の選択は…やっぱり間違いだったのかな」

 

あの状況では俺たち全員が生き残るということは不可能だと思った。だから俺はコペルのことを見捨ててアスカに逃げる選択を迫ったのだ。だがその結果はコペルを死なせ、アスカの心に傷を作ってしまった。

 

「とりあえず明日またアスカと話してみるか」

 

そう言うと俺は立ち上がり宿屋へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスカside

 

「……んんっ…あれ?…」

 

目を覚ますと知らない天じょ……いや、知ってる天井が見えた。ベッドから起き上がり自分の姿を確認する。姿を確認するとある疑問が頭に浮かんだ。

 

「あれ?俺そういえばどうやってここに来たんだったっけ。ええっと…確か昨日はキリトと一緒にリトルネペントを狩りに行って…そこで……」

 

そこまで思い出すと目から何かが出ていることに気が付いた。これは…涙?どうして涙が…

 

「……あ……ああっ………そうだ、そうだった…俺はコペルを…」

 

自分の涙を見てすべて思い出した。俺とキリトは昨日リトルネペントの大群から逃げるためにコペㇽを見捨てて逃げたのだ。後ろから聞こえるアイツの悲鳴を無視して。

 

「くそっ…ごめんな…」

 

俺はそう言うとそのあと準備を整えて宿屋を出た。外に出るとすでにホルンカに到着したプレイヤーが何人かおり、この街に着いたときのような静けさは無くなっていた。

 

「おはよう。アスカ」

 

外を眺めていると後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。後ろを振り向くとそこにはキリトが黒パンを食べながら俺に手を振っていた。

 

「ああ、おはよう…ほんとよくそんな物食えるよな」

 

「このパンそんなに嫌いか?俺は結構好きだけどな」

 

そんな会話をするとキリトが俺に言う。

 

「昨日の件…もう大丈夫か?」

 

「…ああ、大丈夫だ。ありがとな」

 

そう言うとキリトは「そっか」と言って安心したように笑う。

 

「それで、この後はどうするんだ?」

 

キリトにこの後の予定を聞くと既にこの後の予定が決まっていたようですぐに答えが返ってきた。

 

「今日は迷宮区に行ってみようと思う」

 

「マジか…今日もきつくなりそうだな」

 

「そうだな。でもいつかは行かなきゃいけないんだからいいだろ」

 

キリトの言うことは確かである。各層のボスをクリアするためにはフィールドボスを倒し、結局は迷宮区を通ってボス部屋まで行かないといけないから今のうちにマップデータを取っておくことは大切だろう。

 

「それもそうか…そんじゃあ行くか!」

 

「あ、まだパン食べてるから待って」

 

「いつまで食ってんだよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???side

 

「はあっ…はあっ…はあっ…」

 

私は休む暇もなく目の前に何度もポップするmobに対し何度も攻撃をしていく。ポーションも飲まず、何も飲まず、そんなことをずっと続けていたからだろうか?視界がぐらりと揺れて意識が遠くなってきた。

 

「くっ……」

 

手から剣を離してしまいその瞬間をmobに狙われ壁に叩きつけられる。ふとHPゲージを見るといつの間にかゲージが赤くなっておりあと一撃喰らえばすぐに死ぬくらいのHPしか残っていなかった。

 

ああ…私、死ぬんだ…

 

そう考えている間にmobは私の前に立っていた。

 

 

こんなところで死んじゃうんだ…

 

まだ現実に戻ってやらなきゃならないこと沢山あるのに…

 

でもまあ…良いかな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「諦めるのはまだ早いぞ」

 

 

その言葉を聞いた後、私はそのまま意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトside

 

「おい、大丈夫か?」

 

俺はフードをかぶっている女性に声をかける。どうやら既に意識を失っているようで俺たちが声をかけてもまったく反応を示さない。返事がない。ただのしかば…いや、これ以上は言わないでおこう。

 

「迷宮区に入ったらすぐにこれかよ…キリト、取り合えずそいつを連れてここを出るぞ」

 

「ああ…と言いたいところだが…」

 

俺は女性を背負い迷宮区から出ようとすると既に目の前にmobが二体ポップしていた。彼女を壁に下ろすと俺とアスカは素早くmobを倒し来た道を戻って迷宮区の外に出た。

 

外に出ると俺は女性のHPゲージがすでに赤いことに気づきポーションを取り出し口に含ませた。色が緑になるのを確認すると口に含ませた感覚で意識が戻ったのか目を覚ました。

 

「…ここは?」

 

目を覚ますと周りをキョロキョロと見回している。俺はそれを見て彼女に声をかける。

 

「君…大丈夫か?」

 

「え…私は…死んで……」

 

「大丈夫だ、HPを見てわかる通りお前は死んでねえよ」

 

アスカがそう言うと彼女は自分のHPを見た。すると彼女は下を向き小さい声でこう言った。

 

「なんで……そのまま殺してくれなかったの……」

 

「え?」

 

「…………」

 

彼女はそう言うと立ち上がり俺たちに背を向けて立ち去って行った。

 

「……なあ、キリト」

 

「何だ…」

 

「アイツってさ、死ぬために迷宮区に入っていたのか?」

 

「…そうなのかもな」

 

正直考えたくはないがアスカの言う通り彼女はきっとあの場所で死のうとしていたのだろう。俺たちが来なければボロボロになるまで戦い続けて、そしてあのまま死んでいたのだろう。

 

「だとしたらきっと、ほかにもアイツみたいに死んでいくやつがいるんだろうな」

 

アスカは暗い顔でそう言う。確かにアスカの言う通りだろう。デスゲームとなってしまったこのゲーム。しかも終わりの見えないゴール、HPが無くなったら現実でも死んでしまう。そんな状況でここに閉じ込められた一万人のプレイヤーすべてが勇気を持ち、強く生きるだなんてそんなことできるわけがないだろう。

 

「……俺は死なない…絶対に…」

 

アスカがこぶしを握り締めてそう言う。俺も同じだ。こんなところで死ねるわけがない。

 

「ああ、生き延びて戻らないとな…」

 

俺は剣を握り締めそう言った。




お久しぶりです。ミルクチョコです。



更新おくれてすいませんでした!!!

パソコンがぶっ壊れたり高校生活に忙しかったり書く暇がなくて遅くなってしまいました!!

次の投稿も遅くなると思います。来月には…出せたらいいな


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