やつはもっと輝けるはず……そう信じています
そういえば活動報告でも書いたんですが、ついったー始めたんですよ
もう最初の設定とかの時点でよく分からない。リツイートとかハッシュタグとかみんな色々言ってるけどわかめ生える……
ふぇぇおっさんには分からないよぉ……
あ、とそういえば。
最近はわかさぎ姫に湖の底に引きずり込まれながら眠りについてます。
すごいね、催眠。
10/12 修整
彼がどうやって、どうして、未来視を妨害していたのかはよく分かっていない。そうする必要があったのか、それとも何かの気まぐれか。基本的な性格からして何も考えていないということもあり得るかもしれない。
「……これは」
ようやく戻ってきた
……いえ、何を言っているのかしら。そもそもこれは元からあったものなのだし、使っているのが普通なのよね。ええそう、彼のせいで使えなくなってうんざりしていたところ。だから使ったところで何の問題もない――!
入れる必要のない気合を入れて、未だノイズの走る未来に意識を集中させ。
「ふぁっ!?」
衝撃が走った――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
真剣な表情で本を探す姿を眺めながら、やっぱり昔から変わってないなぁと思う。いえ、高校に入ってすぐに
その理由が聖杯戦争に参加しない『わたし』が出会うはずのない、
「よし、こんなもんかな。……? どうして鼻を押さえてるんだ?」
「あ、何でもないの。本当に、ええ」
……危ない。最近ちょっと気が緩み過ぎね。綾香に見られてしまうくらいならいいけど、彼に見られてしまったら……本気で世界をやり直すことになってしまう。
「じゃあ、昼飯は……でもどこかで食べるより愛歌の料理の方が美味しいしなあ」
「~~~~っ!!」
「痛い痛い!!」
全くもう!! 全くもう!!
視ていてもなおドキドキさせるようなことをさらりと言うんだから!! そんなことを言われたらおさまりがつかなくなってしまう。
「それじゃあ帰ってお昼にしましょう? ええ、それがいいわ。そしたらその後は……えへへへ」
「なんか悪いな。作らせる形になっちゃって」
「そんなこと気にしないで? むしろ嬉しいくらいなんだから」
デパート一階のスーパーで材料を買う。
ビニール袋いっぱいになってしまい、重くなったそれを持つと、彼が手を差し出してくる。いつも何も考えないでこういうことをしれっとするところはやっぱり昔から変わっていない。
――何も考えないでこちらをドキドキさせるようなことをするのは、あの頃からだものね。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
心臓が痛いくらいに動いている。今日一日、いや、数日はこのドキドキが治まることはないだろうと思うほどに衝撃的な光景。
……いえ。そんなまさかわたしが彼のことを意識しているだなんてそんなことあるはずが――
「おはよう愛歌」
「ぴゃい!?」
「うわっ」
心臓が止まるかと思った。顔が熱いのは最初からだけどいざ目の前に来たらさらに熱くなってきた。
いつも通りに彼が挨拶してきただけでこうなってしまうだなんて……今日一日生きていられるのか不安なくらいに意識してしまっている。
もう諦めた。認めるしかない。
沙条愛歌は彼のことをどうしようもなく意識してしまっている――!
「顔赤いけど、風邪なら家で休ん――」
「いいえ大丈夫だから! ……ええ、本当に、大丈夫なの!」
「えっ、あっ、はい」
なんとか言いくるめられた、と安心したのもつかの間。
手を、握られた。
「なんか今日の愛歌はぽやぽやしてるし、危ないから手を握っていこうか」
「~~~~っ」
恥ずかしいのか嬉しいのか、ちょっともうよく分からなくなってまともな思考ができない。こんなことなら視なければよかった。というかもう視ない。絶対使わない。
ぐるぐると茹だったように正常な思考が出来ないまま、家からそう遠くはない小学校へと到着してしまう。木造の、結構年季の入った校舎。それなりに年数を重ねていることもあって
ってそうじゃない、そうじゃない。このまま行ったら、あれが。
「おはよう……?」
「あー、ほら! 俺の言った通り! やっぱり付き合ってるだろ!」
「は? 付き合う? 俺らが?」
「ひゅーひゅー朝からあついねー!」
「青木、何を言っているのかさっぱりだ……」
ちらりと目に入った黒板には大きくわたしと彼の名前が並び、傘を模した絵が上に描かれている。相合傘。……この前やった。
いえ、あれは傘を忘れた憐れな幼馴染に頼まれたから仕方なく入れてあげただけで別にわたしがやろうとしていたわけではないのであって――
「誤魔化すなって! コイビトってキスとかするんだろ? ちょっとしてみてくれよ!」
「……お前、いきなりどうした」
「兄ちゃんから聞いたんだけど、コイビトってキスするらしいじゃん? お前ら付き合ってるじゃん? 一回見てみたいから見せて!」
「「「キース! キース! キース!」」」
……なんという超理論。今この時、この教室に味方は一人もいないことも判明した。周りの女子が顔を隠しながらも興味深そうにこっちを見ている。逃げ道もさりげなく塞がれた。こうなってしまってはもうキスする以外に道はない……!
きらきらとしたみんなの眼に圧されて、彼が一つため息をついた。というか、えっ、嘘、まさか。
「仕方ないなぁ……」
「え、ちょっ、まっ、待って! まだ心の準備が! それにほら、わたしたちにはまだ早いっていうかその、もっとムードのあるところがいいっていうか!」
どうしよう。聞いてくれない。真剣な表情で見つめられて、身体が動かなくなって。朝視た通り、彼の顔が近づいてきた。ああ、やっぱり。ここまで視たところで耐えきれなくなってやめたけれど。これはもう完全にキスをする流れだ。
わたしのファーストキスを奪うのだから絶対にお嫁さんにしてもらわなきゃ、とお墓に入るまでの人生設計が完了したところで、彼の唇がわたしに触れる――
「――へ?」
ただし額に。
髪の毛を持ち上げられて、額にキスをされた。
いや、でもよかった。額だけでも死んでしまいそうなほどドキドキしているのに、これが唇だったらと思うと、それはもう大変なことになってしまう。うっかりウィップを出してしまうかもしれない。そうなったらもう目撃者を消すか記憶を飛ばさないと。
「知ってるか青木。キスは……額や頬にしたりもするんだ」
「えっ、そ、そうなのか……?」
「大人しかできないキスが、口と口のやつ。俺たちみたいな子供は……額や頬なんだよ」
「そうだったのか……勉強になるな」
へなへな、と腰から力が抜けて座り込んだ。
口にされなくてすごく安心した。……でも、同じくらい、残念な気持ちがある。もやもやして、複雑。
やっぱり彼はわたしをからかっているだけなのかもしれない。だって、ほら。あんなにもいつも通りの顔で、友達と話しているもの。
そう考えて、不意に胸がずきりと痛んだ。
気絶王(小学生はめんどくさいからなー、口で説明するだけじゃ納得しないだろうし、適当なところにキスしてもっともらしいこと言って煙に巻いておこう)
愛歌(え、うそうそ。本当にキスする――え、しないの?それこそ嘘でしょう?やっぱりわたしが好きだっていうのは嘘?……それなら、どんな手を使ってでも確認しなきゃ)
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