幼馴染が根源の姫だった件   作:ななせせせ

23 / 60
絶対☆裏切りヌルヌル!
ときあめさんのおかげで新しい世界が開けました

モンハンワールドが出るということで今からテンションが上がりすぎてやばいです
モンハンのオリ主ものとか遊びで書きたくなっちゃう……

10/12 修整




 洗濯物なんかも終わって、手持無沙汰になってしまったので、なんとなくラジオを聞くことにした。意外とラジオからの情報が馬鹿にできないものが多く、男の心を掴む仕草だったり、言葉だったり、そういうものも知れたりする。

 そういうわけで、本当にすることがない時なんかはラジオを聞いたりする。

 

 とはいえ、実際に実行するかどうかは別の話なのだけど。裸でエプロンをつけてお出迎え、なんて出来そうにないもの……!

 

 

『……秘密、というのは極力無い方がいいでしょうね。秘密というのは多くの場合不信感と猜疑心しか産まない。それが好きな人ならばなおさらそういった想いは膨らむものですし』

 

 

 わざわざ言うまでもなく、秘密なんてない――と言えればよかったのだけど。

 

 ――わたしは、たった一つだけ彼に隠し事をしている。

 誰より彼自身が望まないと知っていながら、わたしの勝手な感情で『壊した』モノのこと。

 けれど……ああ。今になってもなお、この熱は治まらない。治まるはずもない。

 

 みし、という音で知らず、椅子の手すりを握りつぶしていたことに気がつく。

 ……いけない。

 

 

「いい加減、忘れないといけないんだけど……ね」

 

 

 あの出来事は中学生だった時のものだし。

 ――もう彼らは思考することさえ、出来ないのだから。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 その一言を聞いた瞬間、溢れ出る怒りを抑えることも忘れ、考えたのは如何にしてその下等生物(ヒト)を消滅させるか、ということだけだった。

 

 

「……もう一度、言ってくれる?」

「――あいつ、三浦とその取り巻きからイジメを受けてるみたいだ」

 

 

 中学二年の秋頃、暗い顔で呼びだされ、伝えられたのはそんな一言だった。

 ほんの少しのミスでクラスが離れてしまった悲しみにも決着がついたものの、最近やけによそよそしさを感じていた矢先の、その一言。

 

 

「何回も止めようとしたんだ。……なのに、あいつ、『子供のやることだよ。そんなに気にすることでもない。……それより、彼らの将来に影響するかもしれないし、あまり大事にしないでくれ』なんて言って、笑うばっかりでさ。全然聞こうとしないんだ」

「っ……そんな」

「俺にはどうすればいいのか分からない。あいつの言う通りにすればいいのか、それともこのことをPTAとかに報告すればいいのか。あいつが悲しむような結果にはしたくないけどさ……でも、いじめられている友達を見てみなかったふりをするだなんてありえないだろう!

――沙条、頼むよ。あいつをどうにかしてくれ。幼馴染で、そういう仲の沙条の言葉なら聞くかもしれない」

 

 

 憤怒と、後悔と、恥辱。握りしめた拳を震わせながら、青木君は真剣な表情でこちらを見ていた。

 正直に言えば、意外だった。どちらかといえば軽薄な印象を受ける普段の姿とは、大きく違う。

 

 その姿に少し冷静さが戻り、わたしの持てる全ての手段を用いて抹消する方法をはじき出していく。

 

 

「――ええ。そうね。それ(・・)はわたしに任せて?」

「ああ。俺は証拠を集めてく――る?」

「ごめんなさい。……それから、ありがとう」

 

 

 すぐに走り出そうとした青木君を気絶させると、その頭に触れて少し細工をする。といっても、そう大したことではないのですぐに終わる。

 

 

「彼の方は……終わってからでも、いいかな」

 

 

 今は、一刻も早くこの煮えたぎる怒りをどうにかしたい。

 昼休みの今なら……ああ、やっぱり。

 

 小虫にも劣るゴミたちは空き教室の一つに固まっている。話に聞いたメンバー全員、彼もいない。

 状況は素晴らしく都合が良かった。

 

 

「――それじゃあ、オソウジ、始めましょうか」

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 その少年たちは、一言で言ってしまえば運が悪かった、ということになる。

 偶々目についた同級生が沙条愛歌の愛を一身に受ける男(たった一人)だったと、たったそれだけのために地獄へと――否。地獄すらも生温い、根源の姫の本気の一端に触れることになったのだから。

 

 

「ア”ア”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!!!」

「いたいいたいいたい!!! もうやめて!!! ひぎゅっ!!!」

「な、ないぞう……おれの、ないぞう……」

 

 

 ――終わりのない、終わらない、終われない責め苦。

 貫く、抉る、捥ぐ、潰す、削ぐ、削る、捩る、薙ぐ、穿る、エトセトラ、エトセトラ……おおよそ人が体験できるであろう痛みの全てを彼らは永遠に味わい続ける。

 

 圧死、縊死、煙死、餓死、狂死、焼死、震死、水死、衰死、窒死、墜死、凍死、毒死、爆死、病死、刎死、轢死、糖死……そのどれもが長く苦しみ、いっそ死ねたらと願うほど。されど、ようやく死ねたと思いきやすぐに生き返らせられ、また次の苦しみを味わう。

 

 ああ、されど。彼らに同情するべくもないのだ。

 この状況には、なるべくしてなったとしか言いようがない。……彼らは沙条愛歌の想い人だと知っていながら行動したのだから。

 

 

「うふふふふふふ、あははは!!! ……ああ、すごく、すっごく気分がいいわ! やっぱりある程度周囲の人間(ゴミ)の選別はするべきだったって分かったもの! いくら知り合いに一人や二人人間(塵芥)がいたからといって――やっぱり人間(ヒト)はそういうモノでしょう?」

 

 

 影から滲み出るように黒い触手が現れ、いたずらに人の形をしたゴミを血袋へと変貌させる。その直後にただの肉塊となっていたそれらが元の人型に戻り、またすぐに皮膚を剥がされ、肉を削がれ、骨を折られ、そうして死んでを永遠に繰り返す。

 

 そのサイクルを繰り返していくうち、徐々に壊れていくその三人を視界に入れることなく、惨劇を繰り返す悍ましき部屋を後にする。

 

 全身を綺麗にすると、二回ほど鏡の前で自分を確認し、少し気合を入れてから隣の家の戸を叩いた。

 出てきた母親が笑って奥へと通し、さしたる苦労もなく彼の部屋に辿り着く。

 

 

「……愛歌、どうかしたのか?」

「――ええ、ちょっと。少しで済むから、あまり気にしないで?」

 

 

 そっ、と少年の頭を抱えるようにして触れる。壊れ物を扱うように優しく、慈愛の籠った手付きで二、三度頭を撫で。

 突然耳元で質問を囁いた。

 

 

「そういえば、三浦くんって知ってる?」

「は……? 三浦……?」

 

 

 何かを思い出すように目が動く。いや、あるいは何かを考えるように、とも言えるような表情。

 一秒にも満たないその僅かな時間で出した答えは――

 

 

「――いや、知らない、と思うんだけど。知ってるような気もするから、一回くらいは会ったことがあるのかな……? まあ、それはいいんだけど、その三浦くんとやらがどうしたんだ?」

「ちょっと弱かったかな……いえ、なんでもないの。ただ少し聞いておこうと思っただけで」

 

 

 そう言いつつ、頭をまた撫でる。

 優しく、丁寧に、ガラスで出来た壊れ物を扱うがごとく。けれど、その手は確かに少年のナニカを奪い、壊し、失わせている。気付くことのない少年は不思議に思いつつされるがままになる。

 こうして、最後に残った残滓も消えていく。

 

 

 これこそが、たった一つだけの沙条愛歌が隠す秘密。

 惨劇は――未だ絶えることはない。




書いてるところでノパソを閉じていたら勝手にPCの更新がされていて滅茶苦茶焦った

糖死:四肢の末端から徐々に砂糖の塊へと変化させられていくという死に方。被害者は徐々に死に近づいて行く自分を自覚しながら、砂糖へと変化してボロボロと崩れていく身体を見せられることになる。

次の話は?

  • スイート
  • ノーマル
  • ビター
  • デーモンコア
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。