ご無沙汰してます。
読者の皆様方におかれましてはお元気でいらっしゃいますでしょうか。
僕は一人暮らしを始めて20kg痩せました。笑えますね。
では短めですがどうぞ
――結局あの後、美沙夜ちゃんの家に着いてしまったせいで先の話は聞けずに終わってしまった。
いやまさか、あのお兄ちゃんがよもやそんなところでフラグを建てているとは思いもしなかった。普通に沙条の家との繋がりで知り合ったとばかり。
「……でも、ちょっと羨ましいかな」
私のように手のかかる妹程度に見られることはないだろうから。
出会い方を別にした、能力的な意味でも。
――沙条綾香という人間を一言で表すなら、『平凡』だ。
……どこかでツッコミが入ったような気がするけど気のせい。
頭の回転はお姉ちゃんに遠く及ばず、美沙夜ちゃんにも敵わない。
運動も、お姉ちゃんは論外としても美沙夜ちゃんとも並べない。
容姿は……地味な私とお姉ちゃんでは比べるべくもなく。
うん、結論。
沙条綾香ではお兄ちゃんを振り向かせることが出来ない。
憐れ恋に破れた少女は野に散る。
「……いっそ本当にそうなってくれたら楽なのにな」
現実はそうはいかない。
恋に破れても、大切な人がいなくなっても、
これが、この私の恋が、誰かにとっての物語なら――きっと結ばれることが確定した二人の間に入ろうとする邪魔者だろう。
きっと美沙夜ちゃんもそう。
この物語の主役二人はお兄ちゃんとお姉ちゃんで、私たちはただの障害物でしかない。
「美沙夜ちゃんが聞いたら怒るだろうけど……」
それでも。
どれだけ恋い慕っていても、願っていても――やはり、この
そうだ。
いつだって頭をよぎるのはその一文。
沙条綾香がこれまで勝てた試しなど一つもないのだから。
「……いや、だ」
仕方ないよ。
だって、あんなに想い合っていた二人なんだもん。
「……いやだよ」
夕方の、美沙夜ちゃんの質問に対する表情は未だに好きだと雄弁に物語っていたし。
どう考えたって勝ち目はない。
「いやだ、いやだ、いやだ……!」
それに。
私は
関わればどうしたって、
「いや、だよ……!」
じわりと滲んだ涙が世界を歪めていく。
これだけ辛い苦しいと思ってもなおお姉ちゃんを憎めないのは、きっと私が弱いからだ。
お兄ちゃんを好きにならなければよかった、とも言えない。
うじうじと煮え切らない自分の惨めさが嫌でなくなっただけしか出来ない臆病者。
「こんなことなら、私なんて……!」
世界を呪うことすら出来ない私自身への怨嗟が口から零れそうになった瞬間――
「……あ、れ?」
かちり、と。
巡り巡る思考と感情が渦を巻いて溶け合っていく。
まるで最後の1ピースが足りていないパズルのように、何かが欠けた未来が描かれていく。
「……そっか、そういうことだったんだ」
窓から差し込む月明りで照らし出された姿見に自分の顔を映す。
あの完璧なお姉ちゃんと似ているのは、顔の造りくらい。
髪の色も瞳の色も、あの人の持っていたそれとは違う。
……でも結局、それだけでしょ?
「――沙条綾香なんて人間はいなかった」
眼鏡を外す。
髪の長さを、記憶にある姉のそれに沿って切り落とす。
なんの変哲もないただの鋏でざくざくと。
床に黒い糸が散らばり落ちていく様はまるで儀式のよう。
いや、真実儀式そのものだ。
仕上げに少し魔術で色を細工してやれば、ほら。
生まれ変わるための儀式は完了。
「ああ、やっぱり。そこにいたのね、
【朗報】綾香、覚醒する
今思ったんですけど綾香ってcv花澤香菜さんなんですよね
ふむ……閃いた
更新してない間の出来事といえば……メイドインアビスの劇場版とか見てきたり、見た後に食べたトマトスパゲッティでプルシュカのことを思い出したり、グラブルVSでフェリちゃんに勝てなかったり、まあ色々あったんですけどほとんどTwitterで書いてるしどうでもいいか
第三部のメインヒロインは?
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沙条愛歌
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愛歌ちゃん様
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根源接続ラスボス系お姉ちゃん
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半ゾンビファブリーズ