蒼魂~ブレイブルー銀魂パロ~   作:トッシー00

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第8話です。


コンボ練習は一日一時間

 本日、ヨ○バシカメラカグツチ店は行列で賑わっていた。

 それもそのはず、今日という日は蒼天堂が数年ぶりに発表した新型ゲーム機、"蒼天堂Zee A(ズェーアー)"の発売日なのだから。

 新型ゲーム機欲しさに、ある者は発売の三日前に並び、ある者は一週間前から待ってるとのことだ。

 蒼天堂Zee Aの強みは、なんと言っても3Dに対応しているところである。

 3Dで大迫力のゲームが出来るということで、ラグナとニューもそれを手に入れるため、数日前からここヨドバシに並んでいた。

 

「とうとう発売日か……長かったなぁおい」

 

 ラグナもこの長い間待ち続けていただけあって、疲労がピークに達していた。

 しかもラグナよりも先には蛇のような列が並んでおり、Zeeの初期出荷数の関係もあって手に入らない可能性も出てきた。

 

「ラグナ~、こんなんじゃZee Aが手に入らないよぉ、力ずくで先にいる人達をどかそうよ~」

「いやいやそれはだめだろう、別に今日手に入らなくても数週間後には手に入るって」

 

 ラグナ的には手に入らなくてもよかったのだが、ニュー的には早く手に入れてラグナとゲームがしたかったのである。

 ニューは顔をふくらませながら長い列を待っている、ラグナはとても眠そうにしていた。

 そんな二人がヨドバシの開店を待っていると、先の列からなにやら声が聞こえてきた。

 

「あの~、そんなところでご飯を食べられると困るんですけど~」

 

 なにやらヨドバシの店員が困ったような顔をしていた。

 みんなに迷惑をかけているのは誰だ?とラグナは疑問に思いながらその列を見に行った。

 そこには、ゲームなんかやりそうにないヤツがいた。

 

「あ、すいません、パクメンがまだ食べてるんで」

 

 そこにいたのはこたつに入っていたハクメンだった。

 ハクメンもまた、Zee Aを求めてここまでやってきたのだろうか。

 そしてハクメンのそばにいるパクメンは、こんな長い列の中でこたつに入り呑気に飯を食っていた。

 

「いや、でも他のお客様に迷惑ですし……」

 

 ヨドバシの店員は、ハクメンとパクメンの行動が他の客に迷惑だと主張し、ハクメンをどかせようとする。

 しかしハクメンも一歩も引かない、ヨ○バシの店員とこたつの奪い合いをする。

 そしてとうとうハクメンは、キレた形相でこう叫んだ。

 

「ちょ、まだ……まだパクメンが食べてるでしょうがーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 ハクメンが叫んだと同時に、ラグナとニューはハクメンに強烈な跳び蹴りをお見舞いする。

 そのおかげか、一気に50番ほど前に進むことが出来た。

 そして蹴飛ばされたハクメンは、しぶとくはい上がりラグナの方へと向かってくる。

 

「黒き者よ、横入りとは貴様もやることが汚いなぁ」

「うるせぇよ、長蛇の列の真ん中で呑気にこたつ広げてるやつに言われたくねぇよ」

 

 どさくさに紛れて横入りするラグナにハクメンは文句を言うがラグナもハクメンにだけは文句を言われたくなかった。

 しかし古の六英雄ですら引きつける最新ゲーム機Zee Aのスペックにはおどろかされる。

 ハクメンは、この行列を耐え抜く真意を語り始めた。

 

「ここに来ればなんでも最新のファ○コンが手に入ると聞いてな、確かディスクシステムと一体化したツインファ○コンだったか」

「いつの時代の話してんだよ! ねぇよヨ○バシには! レトロゲーム屋行けよたくさん売ってっから!!」

 

 ハクメンの目的はZee Aではなくツインファミコンだった。

 まさかの言葉にラグナのツッコミも勢いを増すばかりだった。

 しかしハクメンを押しのけようとも、先頭の列はまだまだ先である。

 長くなるなと思っていたとき、またも先の列から声が聞こえてきた。

 

「おい障害、やきそばパン買ってこい」

「はい、ただいま!」

 

 そこにいたのは、大きなソファーに座ったジンと、パシリに使われていたノエルであった。

 長蛇の列の中、どっしりとソファーに座って構えているジンに、ヨドバシの店員も困り気味。

 

「あの、統制機構の方でもこのようなことをやられると……」

「あ、すまない……やきそばパンまだなんで……」

 

 ジンは素直に謝るが、そこからどく気は更々ない。

 店員も勇気を振り絞ってジンとソファーの奪い合いをするが、ジンは一歩も引かない。

 そしてジンは、とうとうキレて叫んだ。

 

「まだ……まだやきそばパンがまだでしょうがーーーーーーーーーーーー!!」

「シザーーーーーーーーーーーー!!」

 

 叫ぶジンをシザーでしとめるラグナ。

 飛んでいくジンをノエルが必死に追いかけているスキに、ラグナ達はさらに50番くらい前に進む。

 そしてしばらくして、ジンとノエルは急いでラグナ達の元へと向かってきた。

 

「犯罪者が……舐めた真似をするじゃないか……」

「うっせぇよジン、権力でゲームを手に入れようとしてるやつが偉そうなこと言ってんじゃねえよあぁん?」

 

 やはり二人は仲が悪いのか、出会った瞬間ににらみ合った。

 そんな二人を、周りの人達は冷たい目でみている。

 ノエルはそんな空気を察して、周りに迷惑をかけまいと二人を必死に止めた。

 ちなみにいつのまにか、ハクメンはどこかへと姿を消していた。統制機構に見つかるとやっかいになると判断したのだろう。

 

「まぁまぁ二人とも喧嘩は別のところでやってください、にしてもラグナさんもZee A目当てですか?」

「あぁ、3Dがすごいらしいんでなぁ」

 

 ジンとノエルもゲーム目的でここへやってきた。ちなみにハクメンと違ってきちんとZee A目的である。

 統制機構のエリートでさえ引きつける、それがZee Aのスペックである。

 ラグナとノエルが話をしている一方、そんな二人を変な目で見るジンとニュー。

 

「ずいぶんと仲良さそうだな、二人とも」

「ラグナ~? その女の人誰~?」

 

 ラグナとノエルは、思わず「あっ」と一言。

 仮にも二人は、警察と犯罪者の関係である。

 そんな二人が仲がいいというのは、ちょっとした問題である。

 ラグナとノエルは、二人揃って否定する。

 

「いやいや、そんなことはねぇぞ!!」

「私だって!こんな犯罪者となんか!!」

 

 しかし、ジンとニューはそれを聞いても何かを悟ったのか、「ふ~ん」と言って列に戻った。

 ラグナはあとでニューにどやされると、ノエルはあとでジンに叱られると、そう覚悟して二人も静かに列に戻った。

 そして数分後、ようやく開店の時間がやってきた。

 店の中には数台のカメラとツバキアナウンサーがいた、おそらく新型ゲーム機の発売日を中継するために来たのだろう。

 開店と同時に流れ込む人、人、人、ラグナ達も思わず人波に押しつぶされる。

 右から左から「Zee Aをくれ!!」「Zee Aは俺のもんだ!!」「Zee Aを渡せ!!」だの様々な人達の声がこだまし、人達は争い始める。

 ツバキもこの状況をなんとかリポートしながら、争う人達を止めようとする。

 

「もはやこれは暴動です! なんとかしてくださ~い!!」

「くっそ! こんなんじゃZee Aなんざ手に入らねぇよ!!」

 

 ラグナは文句を言いながらも先へと進んでいく。

 だがさすがのラグナも、この人の波には逆らえなかった。

 もうこのままでは暴動になる、そう思っていた時、人達を叫びを一瞬で沈める一言がこだました。

 

「いいかげんにしろ! たかがゲーム機一つに大人げない、情けないとは思わないのか!?」

 

 その声は、さきほどのこたつの中から聞こえてきた。

 みんなの視線がそのこたつに向けられる。

 そしてみんなの視線が一つになった時、そのこたつからジャンプ音と共に赤い帽子を被り、白い仮面をつけた男が飛び出してきた。

 それは、赤い帽子を被って仮面にひげをつけたハクメンであった。

 

「あ、あんたはいったい……?」

 

 一人の客のその言葉に、ハクメンはこう応えた。

 

「ふっ、ただのしがない配管工だ」

 

 その言葉に、ほかの客達はざわざわと音をたてる。

 まさか、赤い帽子を被ってひげを生やしていてキノコを食べている、この男はもしや……。

 客の一人が、ハクメンにこう言った。

 

「あんた、もしかして蒼天堂で一番有名な、マリ……」

「マリオじゃない……ハクオォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

 ハクメンが自らの名前を名乗ろうとした瞬間、ノエルがハクメンに跳び蹴りを食らわせる。

 ハクメンは飛び散ったひげをあわてて拾おうとするが、ひげをつけようがつけまいがその正体はバレバレであった。

 

「なにやってんですかハクメンさん! 古の六英雄がなにをこんな所にノコノコと顔を出してるんですか!?」

 

 ちなみにノエルもハクメンと顔なじみである。

 ハクメンとジンの険悪な関係も知っていたので、ジンにバレないように必死にフォローする。

 

「どうしてもツインファ○コンがほしくてだなぁ、この変装は完璧だと思っているのだが……」

「ツインファ○コン!? あんたいつの時代の話してるんですか!? つうか仮面つけた上に帽子被ってるし! 仮面にひげつけてるし!!」」

 

 ラグナとまったく同じツッコミをするノエル。

 とりあえずここにツインファミコンは置いてないことを教え、ジンにばれないようにハクメンを追い出そうとするノエルだったが……

 

「どけ障害、そいつは……」

 

 少し遅かった、等々ジンにばれてしまった。

 こりゃあ面倒なことになる、ノエルはため息を吐く。

 ハクメンはというと、ジンに対して一歩も引く気はないようである。

 

「あの……少佐……その……」

「まさかこんなところでお目にかかれるとは、ブラザーズの時からやってるんで、今後も頑張ってください」

「って、えーーーーーーーーーーーーーーーー!?」

 

 なんとジンの目には、変装したハクメンが某配管工に見えているようだ。

 なんという偶然、意外なところで天然を発揮するジンにノエルは若干ショックを受ける。

 ハクメンもとりあえずそれなりに取り繕い、なんとか争いを避けることが出来た。

 そしてジンとの話を終えたところで、ハクメンはツバキにこんな提案をした。

 

「ツバキアナよ、ここは犯罪者ラグナチームと、統制機構チームでゲーム対決をして、買った方がZee Aを手に入れるというのはどうだろうか」

 

 ハクメンの提案に、ツバキは若干戸惑いながら答える。

 

「はぁ……まぁラグナ・ザ・ブラッドエッジとジン兄さまがよければ……」

「俺は別にいいぜ、ジンを一度痛い目に会わせたいと思ってたしなぁ」

「僕もだ、ラグナを徹底的にたたきのめし、そのまま豚箱に放り込んでやる」

 

 ラグナとジンは即OKを出した。

 ルールとしては3対3のチーム戦、ツバキは統制機構関係者ということでジンのチームに入ることに。

 そしてラグナチームはラグナとニューしかいないため、ハクメンが入ることとなった。

 こうして、両者のZee A争奪戦の幕が上がった。

 

-----------------------

 

「ではこれより、犯罪者ラグナチームVS統制機構チームによるZee A争奪戦を開始します。今回対決するゲームは、『ブレイブルークロノファンタズマ+R』です!」

 

 ツバキの言う"ブレイブルークロノファンタズマ+R"とは

 かつてブレイブルーを3DSで出してこけまくってしまったことがあり、それを踏まえZee A向けに追加要素をつけて出した自信作である。

 3DS版ではなぜか存在しなかった、あのスト4には存在したワイファイ機能を搭載し、格ゲーファンからは期待の目で見られている。

 そして+Rの名のごとく、その追加要素は必見とのことである。しゃもじの人は自信満々にそう言っていた。

 

「では最初に、ジン兄様と……え~とあなたはなんとおよびすれば……」

 

 ツバキは変装したハクメンに気づいておらず、なんと呼べばいいか戸惑っていた。

 ハクメンはとりあえず、ツバキにこう名乗った。

 

「私の名前は、"配管工ハクオ"だ」

 

 こうして、ジンVSハクメンことハクオの対決が始まろうとしていた。

 そして最初の種目は、BBCP+Rの追加要素である、こんなモードから始まった。

 

「最初の種目は、ギャルゲーモードのBBプラスで対決してもらいます!!」

「プラスってそっちのプラスかい!!」

 

 ノエルはとりあえずツッコミを入れる。

 プラスに当たる部分が、まさかあっちで有名なプラスの方であったためである。

 というか格闘ゲームにギャルゲーを追加するとは、ブレイブルーはやることが違う。

 ストーリーモードの方向性から見え隠れしていた部分ではあるが、しゃもじの人は等々それを現実化したということである。

 

「ルールは簡単、数多いヒロインの中で一人を選択して、そのヒロインを落とした方が勝ちです」

 

 ツバキはルールについて説明をする。

 ギャルゲーの目的である、女の子と恋仲になるまで進めば勝ち、ということである。

 しかもヒロインの指定はなく、自分の好みで選んでもいいのである。

 ジンとハクメンはとりあえずスタートボタンを押し、「初めからやる」を選択する。

 すると、ヒロインの一覧と選択方法がこう書かれていた。

 

『ヒロインの選択方法ですが、シューティングゲームをして好きなヒロインを打ち落としてください』

「普通に選ばせろよ!!」

 

 とツッコミをするのはノエルである。

 とりあえず物語を進めてから分岐させるのでもなく、最初から選択するわけでもない。

 シューティングゲームで打ち落とせば打ち落としたそのヒロインのルートに行くというものである。

 ちなみに途中でも分岐があるが、それもシューティングゲームらしい。

 

「なお、ヒロインを落とすというのはこの選択で打ち落とすという意味ではないのでご了承ください」

 

 ツバキはとりあえず訂正を加える。

 ツバキの言葉の後に、ハクメンとジンはヒロイン選択ミニゲームに入る。

 それぞれランダムに、ほどよくヒロインの顔が流れてくるのだろう。

 と、思っていたのだが。

 

「上から流れてくるの、ニューばかりなのだが……」

 

 ジンの言葉の通り、上から流れてくるのがニューの顔ばかり、しかもヤンデレ顔である。

 九割ニューの中にほどよく混じる他のヒロイン達。

 これはあからさまに、ニューを選ばせようとしているようであった。

 

「ニューは攻略するのにはかなりレベルが高いようで、グッドエンドが3種、バッドエンドが30種だそうです」

「私どんだけ危険なヒロインなのよ!?」

 

 この扱いにはニュー自身も抗議する。

 確かにニューの性格上、棒野球ゲームではむっはーのあいつと同扱いでもおかしくはなさそうである。

 そんなニューなどお構いなしに、あれよあれよと上からニューが落ちてくる。しかもどんどん増える。

 

「そんなヒロインはご免だ、我は他のヒロインを選ぶ」

 

 ハクメンは実力で他のヒロインを選択する道を選ぶ。

 

「ノエルも論外だな、ニューを選んだ方がマシだ」

「どういう意味ですか少佐……」

 

 ジンの言葉にノエルは若干キレ気味で訪ねるが、軽く無視された。

 そして二人はその言葉のごとく、脅威のテクニックでニューを避けながら互いにそれぞれ別々にヒロインを選ぶ。

 こうして、二人が選んだヒロインはというと……。

 

「おっと互いにヒロインが決まったようです! ハクオさんがツバキ、ジン兄様がツバキ……って両方私!?」

 

 ツバキは目を見開いてその画面を見た。

 そう、二人が選んだヒロインは、同時にツバキなのである。

 単に趣味が似通っていたのか、それとも因果か……。

 

「ほぉ、キサラギ少佐もツバキを選ぶとは……」

「配管工も、良い趣味をしているな……」

 

 二人とも笑顔で見つめ合う、今から勝負を始めるとは思えないほどに気の合いようである。

 ツバキはそんな二人を見て、思わず顔を赤らめる。

 

「うそ……やだ私ったら、罪深い女……」

 

 そんなツバキはさておき、二人ともゲームを始めてしまっていた。

 まずは両者とも、「遅刻遅刻!」と言いながら家を出るシーンから始まる。

 そして道の角で彼女とぶつかる、おきまりのパターンにさしかかろうとしていた。

 その通りに道の角で、カジキマグロを持ったツバキとぶつかった。

 

「なんで私がカジキマグロを持ってるのよ!!」

 

 その光景に思わずツバキはツッコミを入れる。

 そしてゲーム画面のツバキがボイス付きで台詞を言う。

 

『ご、ごめんなさいぶつかってしまって……マグロが暴れたものですから……』

 

 釣ったばかりなのか、マグロは激しく暴れていた。

 そしてこの台詞と同時に選択肢がでる。

 選択肢は次の二つだ。

 

 1:手をさしのべる。

 2:急いでいるので適当にごまかす。

 

 この選択肢の内、ハクメンが選んだ選択肢はというと……

 

「最初からいい男を演じようとせず、最初は突き放す物だ。強面で中身はツンデレ、そういう男はモテるものだ」

「てめぇそんなキャラだったっけ?」

 

 ハクメンの言葉にラグナは鋭く突っ込む。

 

「2だ! ここは2を選択し後から挽回する!!」

 

 ハクメンが迷わず2を選択する。

 すると次のシーンで一枚絵が出てきて、ゲームの中のツバキがこう一言。

 

『こんな美少女を置いていくなんてひどいじゃないの!』

 

 ツバキはそう言って、主人公をマグロで断罪した。

 

「ちょっとなによこの一枚絵!! 私そんなキャラじゃないわよ!!」

 

 ツバキは本気で怒っているようだ。

 確かに普段の彼女なら人をマグロで断罪したりしないであろう。

 だがゲーム内のツバキは迷うことなくマグロを人に付き刺すのだ。

 

「ふふふ配管工、やはりモテる男とは優しい男だ。この僕を見てみろ、部下であろうと均等に振る舞い常に優しさ溢れるこの僕を!!」

「少佐、よくその口からそんな言葉が出てきますねぇ~」

 

 ジンの言葉にノエルは若干皮肉混じりに一言。

 普段あれだけひどいことをしておきながら、表上では優しい理想の上司という風に見られているジン。

 というか厳しいのはノエルだけな気もするのだが……。

 

「ここは1を選択して……」

 

 ジンは1を選択した。

 するとゲームの中の主人公は、手をさしのべるとその手にマグロが突き刺さり、全治1週間の怪我を負い行動不能になってしまった。

 

「おい! どっち選んでも始まりがこれってどういうことだ!!」

「ジン兄様、調べによると1を選んだ後に行動不能になる確率が30%、ちなみに2を選んだ後にバッドエンドになる確率が10%らしいです」

 

 要は二人とも、その低い確率にぶち当たってしまったということだ。

 ハクメンにいたっては10%である。

 こうして二人ともそれぞれ最悪の始まり方をしながらも、二人はモクモクと進んでいった。

 途中途中その不可思議な作りのせいで変なルートに行ったり、失敗の連続で二人は何度もやり直す。

 そして二人とも十八週を迎えたところで……。

 

『このユキアネサ、今ならたったの100万だそうですよ』

 

 ジンが運悪くハメられるルートに分岐をして、またもやり直しが確定寸前であった。

 一方のハクメンはというと……。

 

『嘘……私をこの崖から落とすですって……』

 

 ハクメンの方も嫌な会話が聞こえてくる辺り、ハクメンもやり直しか……。

 と思われていた次の瞬間、司会をしているツバキが衝撃の一言を言い放った。

 

「おっと、ハクオさんがヒロインを落とすルートへ突入しました!!」

「落とすってそっち!?」

 

 その言葉にジンは驚愕する。

 ヒロインを落とすのには2種類ある、恋仲に発展させるのと崖から落とす方法である。

 ハクメンは運良く、別の意味で運良く後者の方へと進んだのである。

 そして……。

 

「試合終了! 1回戦目は配管工ハクオ選手の勝利です!!」

「くっ……さすがはブラザーズの一人、侮れないか……」

 

 ジンは心からの敗北を味わったようである。

 こうして1回戦はハクメンの勝利で、ラグナチームが1歩リードである。

 ラグナはこれでもかと言わんばかりのどや顔をジンに見せつける。

 

「はん!統制機構のエリートもこの手には疎いってか、ガキだねぇ~」

「ぐ……ラグナ貴様……」

 

 ラグナの挑発に対し、ジンは本気で悔しそうにしていた。

 1回戦目が終わり次第2回戦目に突入する。二人の火花はさらに熱く散る。

 そして司会のツバキから2回戦目のルールが言い渡される。ラグナ達はこれに勝てばZee Aが手に入る。

 

「2回戦目はブレイブルーのイスカスマッシュXモードで対決してもらいます! 互いに二人ずつ選手を出してください、これは2対2で行われます」

 

 イスカスマッシュXモードとは。

 ブレイブルー発の4人対戦モードである。カルルで行えば夢の8人対戦である。

 しかも4人でただ戦うだけでなく、チームバトルなどを搭載しており、アイテムが落ちてきたりといろんな要素が追加されている。

 アイテムでの一発逆転などもあり、ライトユーザーにも楽しめるようになっている。しゃもじのいきな計らいである。

 

「この勝負で決着とさせてもらいます。ラグナチームはジンチームのキャラを1体でも倒せば勝利、統制機構チームはラグナチームのキャラを2体倒せば勝利となります!!」

 

 ラグナ達はハクメンの活躍によりこの勝負を優位に立つことができる。

 ハクメンの活躍に感謝しつつ、ラグナはニューと一緒に台へと上がっていく。

 そして統制機構チームは、ノエルとツバキが台に上がっていくはずなのだが……。

 

「まて障害、この勝負を僕にやらせろ」

 

 なんとジンがこの勝負に名乗りを上げた。

 先ほどの結果があまりにも悔しかったのか、この手でラグナを倒したいと思ったのだ。

 ジンの珍しい見苦しさに、ラグナは鼻で笑いこう挑発する。

 

「おいおい坊ちゃんよぉ、一回負けたからって気にいらねぇのか、しゃあねぇな俺は結構心が広いからな、相手してやるよジン」

「その言葉、後悔するなよ……」

「ってちょっとちょっと! 私はどうなるんですか!?」

 

 二人の会話にノエルが食い込む。

 このままではジン&ツバキチームとなってしまい、ノエルの立場が無くなる。

 この話になってから若干出番が減り、ぱっつぁんポジションとドSポジションが混合して若干扱いにくくもなっているという状況でこのままスルーされるは非常にまずい。

 それはノエルとしてはとてもいやなので、ノエルはジンに必死で主張する。

 

「うるさい、貴様はツッコミだけしていろ、貴様からツッコミを取ったら何も残らないだろうが、胸もないし」

「さりげなく胸のこと言わないでくださいよ!」

 

 ジンとノエルの口げんかに、周りは静かな目で見ている。

 そんな二人を見かねたのか、ツバキが呆れた顔でジンとノエルに優しく一言。

 

「ジン兄様、私は元々この現場をリポートしている身です。なのでジン兄様は私の代わりで出てください」

「し、しかしツバキ……」

 

 ジンが続きを言おうとするが、ツバキは「いいのです」とその言葉を止める。

 ジンはため息をついた後、ノエルをとりあえず睨む。

 ツバキはそれでよくてもジン的にノエルと組むのはとてもいやであった。

 絶対に足を引っ張られる、速攻でノエルがやられて終わる。そんなことが有った日にはジンの堪忍袋の緒が切れる。

 ノエル自身も、ツバキと組めればと思っていたところに怖い上司が割り込んでくるのだからいっそう顔が緊張の色に染まる。

 

「障害……まぁそんな怖い顔をせずに気楽に行け、失敗しても安心しろ……(ころ)してやるから」

「少佐、ルビがおかしいことになってますって」

 

 ノエルはビビリながら、全力でコントローラーを握る。

 ジンとラグナチーム二人も、コントローラーを握る。

 全員がコントローラーに手をつけたところで、1Pのラグナがツバキに言われたとおりにモードを選択し、ルールを変更する。

 キャラクターはそれぞれ、ラグナがラグナ、ニューはニュー、ジンはジン、ノエルはノエルである。

 ステージとアイテムはランダムで、そしてゲームがスタートする。

 

「さてとニュー、ノエルを狙え」

「合点承知☆」

「貴様らーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 始まって早々ラグナ達の会話にノエルが高らかに悲鳴を上げた。。

 わかっていたことだが、あまりにも迷いのない選択にノエルは焦り二人の攻撃から逃げまとう。

 チーム内のキャラの攻撃は同じチームのキャラには当たらない、それを生かしてラグナは近接、ニューは遠距離攻撃を仕掛ける。

 だがこれをジンが黙ってみているはずもなく、ルールを生かしつつノエルを巻き込みながらラグナ達を攻撃する。

 

「少佐! これじゃあ3対1みたいになってますって!!」

「味方の攻撃が食らった数秒間無敵状態だ、貴様にダメージがいかないと知れば貴様を巻き込みながら相手を攻撃すれば済む話だ」

 

 と、ジンが最低なことをいいつつラグナ達を、というかほぼノエルに攻撃を加えている。

 ノエルは涙目になりながらも、ダメージを避けながら逃げまくる。

 すると、上からアイテムが落ちてきた。

 

「あ、トマトが落ちてきた!!」

 

 ノエルがトマトを拾うと、食らっていたダメージが一気に回復した。

 アイテムこそが勝負を左右するのである。

 

「くぅ、おいニュー!! おめぇはアイテムを積極的に狙っていけ! あいつらに一つ足りとて取らせんじゃねえ!!」

「りょうか~い!!」

 

 ニューは落ちていくアイテムをどんどん取っていくが、ジンがそれを邪魔する。

 だがジンが邪魔しているスキにラグナはノエルを攻撃する。

 アイテムを取るニューを止めるか、ノエルを助けるかの二択というラグナ達の作戦にまどわされるジンチーム。

 気がつけばニューは、アイテムによってアンリミテッドのニューの姿へ、パワーやスピードもアイテムによって大幅強化されている。

 

「よしニュー! その力であいつらを相手してろ! そのスキに俺がアイテムを取る!!」

「させません!!」

 

 アイテムを取ろうとするラグナに、ノエルは反撃とばかりにアイテムを奪う。

 そして、ノエルが取ったそのアイテムはというと……。

 キャラクターチェンジアイテム、取ると現在使っているキャラが別のキャラに変化するという物。

 ノエルが使うキャラは、ノエルからアラクネに変化した。

 

「ちょ、ちょっと! 私アラクネ使えないよぉ~!!」

「だはは! 俺もアイテムだ!!」

 

 ノエルが戸惑っているスキにラグナが取ったアイテムはまたもキャラクターチェンジアイテム。

 変化したキャラはカルルだった。

 

「カルル!? こいつ無茶苦茶使いにくいぞ!!」

「初心者が使うカルルがどれほど弱いか、今だラグナを攻撃する!!」

 

 ジンは手慣れた手つきでラグナのカルルを攻撃する。

 片方が扱いの難しいキャラに困惑している所を、もう片方が使い慣れたキャラをアンリミ化。

 そんなこんなで勝負が白熱している最中、周りの客はというと……。

 

「ちょっと二人ともやめぐはぁ!!」

「落ち着け黒き物よがはぁ!!」

 

 実はこのゲーム、始まると精神がバーチャル空間にシフトする仕組みになっている。

 4人とも白熱していて、周りの客をゲームと同じように攻撃しまくっていたのだ。

 次々と4人の餌食になる客達、こうしてカグツチのヨ○バシは核の炎につつまれたのだ。

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