東方龍王伝~自由気ままな龍王様~   作:黒猫のゆっきさん

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どうも皆さん、ツイッター見てたらいつの間にか
一時間経ってた作者の黒猫のゆっきさんです。
眺めてるだけでも面白くてついつい見ちゃうんですよね…。
それで、ふと、机の上を見るとやりかけの宿題……。
あるのは絶望のみ。
はい、最近、僕に起こった悲劇の実話です。
皆さんもお気をつけて。
では、そろそろ本編をどうぞ。

ジャクィエム スロバキア語でありがとう。
ギリギリ期限には間に合いました。


72話 龍弥さんって権力的にも強いらしい。

side龍弥

 

映姫

「…………は?」

 

『いや、だから、閻魔にならないかい?』

 

映姫

「いや、ちょっと待ってください!私が閻魔様になるってどういうことですか!?そもそもなんで私なんかが?」

 

『それは映姫ちゃんは閻魔適性が高いからだね。』

 

映姫

「え、閻魔適性?」

 

『そそ、閻魔は一人で魂を裁くため、何者にも付け入れられない事が大事なんだ。

まぁ、説明すると、人にはそれぞれ波長があるんだ。

その波長が合う人とは気が合うけど波長が合わない人とは気が合わない、

そんな感じでいくつもの波長があるんだ。

だけど自分で波長を変えれるような奴もいるんだよ、詐欺師とかそうだね。

でも、閻魔の波長は特別で閻魔の波長と会う人はいないんだ。

だから公平に魂を裁けるんだよ。

それで、俺の見立てだと映姫ちゃんはその波長が特別でね、

閻魔適性が高い波長なんだ。

おまけに映姫ちゃんの能力も閻魔に向いてる能力なんだよね。』

 

映姫

「私に能力が?」

 

『あれ?気づいてなかったんだ?うーん、ねぇ映姫ちゃん今まで直感的にこの人は良い人、悪い人って感じたことはある?』

 

映姫

「あ……はい、あります。」

 

『それが君の能力だよ。名付けるなら……【白黒はっきりつける程度の能力】かな。』

 

映姫

「【白黒はっきりつける程度の能力】……確かに、直感的にそういうのが分かったりしたことはありますね。

っていうか、龍弥さん、あなた本当に何者なんですか?人間ではないでしょうし、うーん、分かりません。

でもあなたは白だと思います。」

 

『お、能力が覚醒してきたね。』

 

映姫

「能力が覚醒?」

 

『そ、今まで無意識に使ってきた能力をはっきり自覚して自分から使おうとすると、

その能力の真価が発揮されるんだ、それを能力の覚醒って言うんだよ。

だけど、覚醒しただけだと所謂レベル1の状態なんだよ。

そこから、能力を使ったり、自分の力を増やして、

レベルアップしていくことで能力の効果も上がっていくんだよ』

 

映姫

「なるほど。では、龍弥さん、そろそろあなたが何者なのか教えてください。」

 

『なに、ただの旅する神様だよ。』

 

映姫

「あ、神様だったんですか。」

 

『そうだよ。』

 

五葉

「なんか、反応薄いわね。」

 

映姫

「一応、これでも守り地蔵なので何人かの神様とは面識があるんです。」

 

五葉

「あーそういうこと。」

 

『さて、それじゃ映姫ちゃん。閻魔には、なるのかい?ならないのかい?』

 

映姫

「もちろんなります!そこまで私が閻魔に向いているのならそれはもう天職でしょうし。」

 

『そっか、分かった。あ、ちょっと待ってね。』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『……よし。これを持って行って。』

 

映姫

「これは……指輪と手紙ですか?」

 

『そうだよ。この指輪はまぁ、俺からの餞別だよ。おまけで疲労回復の効果が付いてるけどね。

手紙の方は、推薦状。映姫ちゃんは閻魔適性が高く、閻魔になるべきだって事と、

いきなり閻魔なんて無理だから候補生として色々教えてほしいって事を書いといたから、

受付とかに渡せばいいよ。』

 

映姫

「ありがとうございます!」

 

『いやいや、気にしなくていいよ。それじゃ閻魔庁まで送るね。』

 

映姫

「はい!本当にありがとうございました!」

 

『またいつか会えるだろうけど、その時には閻魔になっててね。』

 

映姫

「はい!頑張ります!」

 

『それじゃ、頑張ってね。』

 

風雅、風夏、五葉、紫

「「「「頑張って!」」」」

 

映姫

「ありがとうございました!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

風夏

「主人がここまでやるなんて珍しいね。」

 

『まぁ、本当に閻魔適性が高かったし、俺自身も映姫ちゃんは良い子だなって思ったしね。

閻魔ってのは適性も大事だが、それ以前に優しい心、しっかりとした人間性が大事なんだよ。』

 

風夏

「なるほどねー。」

 

『まぁ、伊邪那美が地獄は万年人手不足とか言ってたし、良かったんじゃないか?

映姫ちゃんは消えないで済んだし、地獄は新人が来て張り切るだろうし、win-winだろ?』

 

風夏

「そうだね。」

 

『さて、妖怪の山はもうすぐそこだぞ。何がってもいいように気を引き閉めとけよ。』

 

風夏、風雅、五葉、紫

「「「「はーい。」」」」

 

『気を引き閉めてるとは到底思えない返事なんだが。』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

side映姫

 

目を開けたら目の前に閻魔庁がありました。

龍弥さん、すごいですね。

多分、結構偉い神様なんじゃないでしょうか。

それにこの龍弥さんから貰ったこの指輪もつけてるとなんだかスッキリしますし。

確か、疲労回復の効果が付いてるって言ってましたね。

でも、やっぱり、神白龍弥って聞き覚えがあるんですよね…。

うーん、考えても分からないですね。

とりあえず受付に行きましょうか。

 

ーーーーーーーーーー

 

映姫

「すいません。」

 

職員

「はい、……ここに来るのは初めてですか?」

 

映姫

「はいそうです。」

 

職員

「ではお名前を伺っても良いですか?」

 

映姫

「はい。四季映姫と言います。」

 

職員

「四季映姫様ですね、どう言ったご用件で?」

 

映姫

「えっと、これをお願いします。」

 

職員

「!?しょ、少々お待ちください!」

 

あの人、なんか慌ててましたね。

でも、あの手紙には家紋みたいな模様しか書かれてなかったはずだけど…。

あれ?家紋見ただけであの慌てようって……。

龍弥さん……本当に何者なんですかね?

 

職員

「お待たせいたしました!四季映姫様、別室へご案内しますので付いて来てください。」

 

映姫

「分かりました。」

 

ーーーーーーー

 

なんか、すごいところに通されました。

入り口の横に閻魔王執務室って書いてあったんですけど。

なんかもう名前からして偉い人じゃないですか……。

 

ガチャッ

 

???

「あなたが四季映姫さん?」

 

映姫

「は、はい。」

 

あれ?なんか綺麗なお姉さんが入ってきたけど………。

 

弥生

「私は如月弥生(きさらぎ やよい)今代の閻魔王よ。」

 

この人が閻魔王…。優しそうな人で少しホッとしました。

 

弥生

「それで、早速本題なんだけど。この手紙はなんて人からもらったの?」

 

映姫

「えっと、神白龍弥さんっていう人からもらいました。」

 

弥生

「そう、その名前に聞き覚えは?」

 

映姫

「あるんですけど…。龍弥さん本人はただの旅する神様としか言ってなかったので。」

 

弥生

「そう、あなたすごい人に目をつけられたわね。」

 

映姫

「え!?私、何かダメなんですか!?」

 

弥生

「落ち着いて。逆よ逆。羨ましいって言ってるのよ。」

 

映姫

「え?」

 

弥生

「この手紙見てみて。」

 

映姫

「えっと……

 

〜弥生閻魔王へ〜

まず、久しぶり。

俺は元気にあちこち旅してます。

そして、その旅の途中で出会った子が今回の本題だ。

その子は四季映姫って言って村の守り地蔵だったらしいんだが、

もう、信仰がなくて消えそうでな、少し話してたら閻魔適性があることが分かり、

さらに映姫ちゃんの能力、【白黒はっきりつける程度の能力】も閻魔には向いてると思って

この手紙を書いた。

映姫ちゃんもただ消えるよりは誰かの役に立ちたいと閻魔になると言ってくれた。

なので、君に映姫ちゃんの教育を任せたい。

閻魔候補生として経験や知識を教えてあげてほしい。

将来は立派な閻魔になるだろう。

あいにく、俺は君に任せることしかできないが、どうかよろしく頼む。

 

〜龍王 神白龍弥より〜

 

……りゅ、龍王!?

あ!そうだ!神白龍弥って龍王様の名前だ!」

 

弥生

「やっと気付いたのね。」

 

映姫

「閻魔王s「弥生で良いわよ」…弥生さんは龍弥さんとお知り合いなんですか?」

 

弥生

「えぇ、龍弥さんはとても尊敬できる先輩よ。」

 

映姫

「先輩?」

 

弥生

「昔、まだ私が閻魔候補生の時、色々教えてくれたの。

その時龍弥さんはたまたま閻魔庁に臨時として働いてたの。

もちろん正体は隠してね。

最終的には私だけに正体を明かしてくれて、今でもたまに手紙が来るのよ。

本当、嬉しい限りだわ。

でねでね、その時に、まだ新人だった私に色々教えてくれたの。

一見役に立たなそうなことも色々教えられたわ。

でもそれがすごく役に立ったの!

そのおかげで私はこうして閻魔王として働けているの。」

 

映姫

「へぇーそうだったんですか。」

 

弥生

「もちろん、あなたにも龍弥さんに教えられたことは全て教えていくから覚悟してね?」

 

映姫

「はい!でも、弥生さんが良い人でよかったです。」

 

弥生

「私が良い人?」

 

映姫

「はい。すっごく笑顔で龍弥さんのこと話してましたし、ちょくちょく言い回しが可愛くて、

この人、良い人なんだなーって思いました。」

 

弥生

「わ、分かったから///

……あーもう、映姫ちゃんとは長い付き合いになりそうだし、素で話していっか。

それじゃ、映姫ちゃん、これからよろしくね!」

 

映姫

「はい!よろしくお願いします!」

 

弥生

「ふふ、良い返事ね!それじゃ、早速始めるわよ!」

 

 

 

つづく。




はい、お疲れ様でした。
これで映姫ちゃんの章は終わりになります。
この回、二つに分けても良かったかもしれない。
では、次回からついに妖怪の山編に入ります。
登場キャラが多くて大変だ……。
が、頑張ります。
では今回も見てくださり、

フヴアラ。


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