最弱無敗の神装機竜――四天の竜――   作:パNティー

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 はい!なんとか間に合った!

 けど、色々ぐちゃぐちゃです!修正は明日やります!

 では、どうぞぉおおお!


Part10 《ダークリべリオン・エクシーズ・ドラゴン》 (2)

 

 《P(サイコ)アジ・ダハーカ》の装甲脚が、廃墟の荒れた地面を踏みしめる。勝利を確信した足取りで、あえて時間をかけ、ジークに重圧をかけてゆく。

 

 「このまま戦えばお前は死ぬが、それでもいいかね? 命乞いをして負けを認めるというのならば、ここで見逃してやっても―――!」

 

 バルゼリッドが話している最中に、ジークは《D(ディザスター)》から《F(フューラー)》に切り替え《P(サイコ)アジ・ダハーカ》に向けて牽制攻撃をしかける。しかし、バルゼリッドは動かず障壁のみでそれを防いだ。

 

 「―――《V(パ二ッシャー)合体(ユニオン)

 

 しかし、防御をしたということは、攻撃の手を休めるということ。その瞬間にジークは《V(パ二ッシャー)》と《スパイラルフレイム》を接合させた。

 

 「発射ッ!」

 

 充塡(チャージ)に時間がかかるはずの武器を、『零装塡(ゼロリバース)』で装塡時間を無くし、バルゼリッドに向けてジークは撃った。

 

 決めてが限りなく少なくなったこの状況でも、ジークは焦らず淡々とこなす。その素晴らしき精神力と技術が成せる一撃。誰もが完璧に決まったと思う―――。

 

 相手が虹竜の力を得ていなければ。

 

 「ふっ! 甘い!」

 

 バルゼリッドは強化された《双頭の顎(デビルズグロウ)》、改め《P・双頭の顎(サイコ・デビルズグロウ)》で迎え撃つ。

 

 「《虹咆哮(リアクションフォース)》!」

 

 更に強化するバルゼリッド。紫の光線に黒も混ざり、禍々しさが更に増えた。再び紫と赤い閃光がぶつかりあう。だが―――今度は結果が違う。

 

 「くっ……!」

 

 火力に競り負け、ジークは廃墟に残っていた柱をぶち折り、瓦礫の山に激突し土煙を巻き上げる。それを追って、バルゼリッドは《P(サイコ)アジ・ダハーカ》の車輪を加速させた。

 

 「くっくっく! 素晴らしいぞ、この力は!」

 

 歓喜の叫びを上げ、バルゼリッドが追撃を仕掛ける。だが、土煙を切り裂きバルゼリッドに何かが高速で飛来した。

 

 「ッ……!」

 

 これにバルゼリッドは顔色を変え、防御の構えをとった。

 

 飛んできた何かは、ジークが持っていた《D(ディザスター)》だった。《D(ディザスター)》が三重の障壁に衝突すると、「キィィイン!」と甲高い音が響く。そして、次の瞬間に一枚目の障壁が破れた。

 

 「なっ……!?」

 

 《財禍の障壁(ワイズ・ブラッド)》で見た数秒先の自身の未来、そこには()()()()()()()()()()()()が映っていた。

 

 慌てて《虹咆哮(リアクションフォース)》で障壁を強化する。その結果、《D(ディザスター)》は軌道が逸れ明後日の方向へ飛んで行った。それを目で確認していたバルゼリッドの額には脂汗が垂れていた。

 

 (くっ……なんだ、あの威力!)

 

 《オッドアイズ》からは既にエネルギーを吸収していたはずなのに、どこからそんな威力が? そんなことを思っていると、ジークは瓦礫から立ち上がった。

 

 「ふっ……! 残念だったな。今のが貴様の切り札だったようだが、切ってしまえば切り札もたんなる捨て札。もう貴様がオレに勝てる手段は無い!」

 

 《D(ディザスター)》は失い、《V(パ二ッシャー)》と《F(フューラー)》では三重の障壁を突破するには火力不足。

 

 「―――どうして、逃げないのよ……」

 

 クルルシファーにはその理由がもう、わかっている。もし、ジークが距離をとって時間稼ぎすれば、バルゼリッドは再びクルルシファーを攻撃する。だからこそ、わからない。ジークの目的は学園の面子を取り戻すために戦いに来た、何の関係もない自分のために戦っているのかが。

 

 『大丈夫ですか? クルルシファーさん』

 

 そう思ったとき、クルルシファーに、竜声による声が届く。それは、ルクスからだった。

 

 『ルクス君―――』

 

 『まだ、気づかれないようにお願いします。クルルシファーさん』

 

 極めて冷静な声で、ルクスが告げる。

 

 『僕にもジークが何したいかわからないですけど。策が実行しているところですから、もう少しだけ、待ってください。そして―――』

 

 ルクスは息を溜めて、そう告げる。

 

 『意識を失わずに、見守っていてください。彼の勝負(チェス)を―――』

 

 

 ✝

 

 

 武器を失い、ジークは足掻くように戦っていた。強化された《P(サイコ)アジ・ダハーカ》の攻撃に、汎用機竜程度の《オッドアイズ・ドラゴン》では手も足も出ない。

 

 「はぁ……はぁ……」

 

 機竜の吸収を受け、ジークの呼吸が荒くなる。額に流れる汗を、ジークは拭った。

 

 「いい加減、敗北を受け入れてくれないかね」

 

 戦い続けながら、呆れたような口調で、バルゼリッドは口を挟んでくる。

 

 「せっかくだから、いいことを教えてやる。お前はなんのために戦っているかわからんが―――それはただの徒労だ。いや、逆効果と言った方がいいな」

 

 「………」

 

 「このオレは……『王国の覇者』は、この国の未来を救おうとしているのだぞ? 知っているか、ジーク。現在この国に迫る危機―――」

 

 「終焉神獣(ラグナレク)だろ? 知っている」

 

 バルゼリッドが答えるより先に、ジークが答えた。

 

 「ならば話しは早い。オレはそやつを娶って、学者たちにいろいろと身体を調べさせて、遺跡(ルイン)から新しい武装と技術を掘り起こさなければならんのだ」

 

 「……ッ!?」

 

 クルルシファーがそれを聞いて、怯えた表情を見せる。

 

 「貴様ならわかるだろう? オレの元にやってきた他国の少女一人を犠牲にして、この国、いや他国までもが救われるのだ。それでも、お前はまだオレの邪魔をしようというのか? この国を滅ぼし、その少女を―――」

 

 「うるせぇ」

 

 欺瞞に満ちた演説を断ち切るように、ジークが言い放つ。そして、再び武器を構えたその時―――、

 

 「もういいわ。ジーク君」

 

 「……クルルシファー」

 

 荒い息をつくジークに、クルルシファーがさらりと言った。

 

 「もう十分よ。あなたは戦わないで」

 

 

 ✝

 

 

 「今だから話すけど―――私はあなた達を利用していたのよ? 最初からそれだけのつもりで、あなた達に近づいたの。だからこれ以上は、無理してまで傷つかないで」

 

 血を吐くような想いで、クルルシファーは言葉を紡ぐ。自分のことを見捨てて欲しいと。

 

 「私にとって、あなたはただの道具だったわ。だからあなたにも、そう言って欲しいの。私を道具だと。……お願い」

 

 ぽたり、と。クルルシファーの頬を、堪え切れなかった一滴の涙が伝った。

 

 『ジークは操作技術が上手いから、将来は皆を装甲機竜(ドラグライド)で笑顔にさせて』

 

 (……笑顔、か)

 

 ふと思い出した、忘れられない記憶、呪いとなった最初で最後の仲間の願い。

 

 「確かに、俺もお前を『(どうぐ)』としてこの決闘に勝つために扱った……」

 

 ジークは視線をクルルシファーから切ると、バルゼリッドに向き直った。

 

 「だから、俺は自分の『(どうぐ)』を絶対に守り抜く」

 

 そう言うと、ジークは自身の首から提げてあるペンデュラムを握った。

 

 「ほお、勝ち目もないくせに、まだやる気か? だが、そこの彼女は―――」

 

 「お前は言ったよな、彼女一人を犠牲にしてこの国を救うと」

 

 「……言ったが、それがどうした?」

 

 バルゼリッドの言葉を遮り、言い放った言葉。それにバルゼリッドは、眉を寄せ怪訝しそうな表情で返した。

 

ジークは、ニヤリと凶悪な笑みを浮かべる。

 

「それがお前の『善』と言うならば、俺は今から貴様の『善』を喰らう『悪』となろう―――俺は、この国の未来を捨てる」

 

この選択肢は間違っている、これは弱者の綺麗ごと。それでも―――

 

「ここは、お前の出番だ―――ああ、()()()()

 

 ジークがそう言うと、急に声が低くなり髪の色も変わった。黒曜石を思わせる黒色の瞳、髪も赤から黒に変わり全体的に落ち着いた雰囲気の少年。

 

 「―――フローリア=ザン・ジーク・エリック・ルーカス。ジークに代わって参戦する」

 

 

 ✝

 

 

 フローリア―――ジークの多重人格の一つで、基本的にジークが行動不能になったときかジーク自身がフローリアを必要になったときしか呼ばない。そのため、いまだ謎が多い少年。

 

 「―――《幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ブレイクソード》」

 

 フローリアが呟くと、突如なにもなかった空間に黒い霧が発生した。

 

 「―――ッ!」

 

 バルゼリッドはそれに警戒し、戦斧(ハルバート)を構える。

 

 「安心しろ。ただ武器を取り出しただけだ」

 

 フローリアが言った通りに、黒い霧から半壊状態の黒い大剣を抜いた。

 

 「さあ、斬り合おうか」

 

 フローリアは《オッドアイズ・ドラゴン》を操り、《P(サイコ)アジ・ダハーカ》に突貫して行く。

 

 「ふっ!」

 

 フローリアは《幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ブレイクソード》を上段から振るう。

 

 (半壊の剣など、舐めているのか?)

 

 バルゼリッドは内心で落胆し、戦斧(ハルバート)を振るう。そして、《幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ブレイクソード》はいとも簡単に壊れた。

 

 「どうした? その剣は壊れてしまったぞ?」

 

 バルゼリッドは呆れた声で言う。しかし―――

 

 「ああ、()()()()()()()()

 

 フローリアは口角を上げる。

 

 「……?」

 

 剣を折られたはずなのに笑っている。理解が追いつかないことに、バルゼリッドが困惑していると―――

 

 パキッ!

 

 《P・双頭の顎(サイコ・デビルズグロウ)》の肩方が、まさに今ほど壊れた《幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ブレイクソード》と同様に粉砕された。

 

 「なんだとっ!?」

 

 理解が追いついてこれない現象が連続で起こり、バルゼリッドは困惑する。それを見かねたフローリアは今しがたの特殊武装の説明をする。

 

 「この剣は、()()()()()()()()()()()特殊な武器でな。その効果は、『この武器と相手の武装一つを互いに破壊する』というものだ」

 

 フローリアは初めから、肩の特殊武装を狙って、攻撃を仕掛けていた。そして、狙い通りに《幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ブレイクソード》は壊れ、その効果を発動し《P(サイコ)アジ・ダハーカ》の特殊武装を道連れにした。

 

 「ふんっ! 確かにオレの特殊武装の破壊は出来たが、それがどうした? まだオレの勝ちは揺るが―――」

 

 「残念だが、この特殊武装にはもう一つ能力がある」

 

 フローリアは《オッドアイズ・ドラゴン》と《ドレイク》の機攻殻剣(ソード・デバイス)を、バルゼリッドに見せつけるように掲げる。

 

 すると、両方の機攻殻剣(ソード・デバイス)に先程と同様に黒い霧が覆う。

 

 「もう一つの効果は、()()()()()()()()()()()()

 

 フローリアが機攻殻剣(ソード・デバイス)を振ると、二対の漆黒の機攻殻剣(ソード・デバイス)が出来あがった。それを、フローリアは交叉する。

 

 

 「―――漆黒の闇より愚鈍なる力に抗う反逆の牙! 今、降臨せよ!《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!」

 

 

 闇が現れ、《オッドアイズ・ドラゴン》を包み込む。そして、反逆竜が目を開いた。黄色い相貌でバルゼリッドを睨みその姿を現す。

 

 黒い身体に、《オッドアイズ・ドラゴン》よりすらっとした装甲(フレーム)。機械の羽根のような翼をはためかせこの決闘場に降り立った。

 

 「………」

 

 フローリアは、バルゼリッドが新たな神装機竜に困惑している間に倒れているクルルシファー目がけて黒い剣を投げつけた。

 

 「ッ―――!?」

 

 クルルシファーは来る痛みに身を硬直させたが、黒い剣は当たる手前に落下し突き刺さった。そして、クルルシファーを囲むように檻が形成される。

 

 「―――《幻影霧剣(ファントム・フォッグ・ブレード)》、外と内側を遮断する特殊武装だ。貴様の攻撃はクルルシファーには届かない」

 

 だが、クルルシファーからもバルゼリッドに攻撃が出来ない。良くも悪くも、守りと拘束に適した特殊ぶそうだ。

 

 「さてと、『終局(チェックメイト)』まで一気に行くかね」

 

 フローリアが呟いたと同時に、機械のような羽根に付いている黒い宝玉が激しく光る。

 

 「ッ―――!? させるか!」

 

 バルゼリッドは反射的に嫌な予感がし、特殊武装のキャノンで攻撃する。しかし、フローリアは別段焦るわけでもなく、手を上げ指をパチン!と鳴らした。

 

 「《幻影騎士団(ファントム・ナイツ)トゥーム・シールド》」

 

 突如、バルゼリッドとフローリアの間に、フローリアを守るように盾が出現し砲撃を防いだ。そして、バルゼリッドは異変に気づいた。

 

 「なぜだ!? なぜオレの《財禍の叡智(ワイズ・ブラッド)》は()()()()()()()()()()()!?」

 

 いくら未来視をしても、その先にあるのは自分がフローリアに負ける未来しか視えなかった。

 

 「ふっふっふふふ」

 

 それを見ていたフローリアは可笑しそうに笑う。

 

 「まさか、これは貴様の仕業か!?」

 

 怒りを表情に出し、フローリアに激しく質問をする。しかし、フローリアは横に首を振った。

 

 「いいや、俺ではその神装に干渉は出来ない。ただし、()()()()()()()()()

 

 「どういう、ことだ?」

 

 「ジークは《財禍の叡智(ワイズ・ブラッド)》で見える未来を、()()()()()()()()()

 

 「ッ―――!?」

 

 あり得るのか? 人が神装機竜の神装を干渉し、それを無効化することが。

 

 「ジークは今、高速最適解で貴様の次の行動を先読みと無力化している。そして、その一度に最適解している数はざっと()()()()()。一つの未来しか見れないその神装では、既にジークにチェックメイトされているのも当然至極」

 

 ジークが『神算鬼謀』の力を最大限に使用し、世界に干渉する力。名付けて、《勝利の方程式(ジーク・オブ・エクエイション)》。

 

 「それに、お前は《アジ・ダハーカ》の本当の持ち主じゃない。お前程度の三流機竜使い(ドラグナイト)ではその機竜は手に余るようだ」

 

 「くぅ……!」

 

 「終わりにしよう―――《反逆紫電(トリーズン・ディスチャージ)!》」

 

 翼の黒い宝玉から紫電が飛びだすと、目にも止まらない速度で《P(サイコ)アジ・ダハーカ》に巻きつく。

 

 「ぐ、あ……! だが、この程度の拘束―――」

 

 「無駄だ。貴様の機竜の力は頂いた」

 

 「? 何を言って、ッ!?」

 

 フローリアの言葉に、バルゼリッドは疑問に眉を顰めた次の瞬間、《P(サイコ)アジ・ダハーカ》の強化装甲が光の粒子になって消えた。

 

 「貴様の機竜の力を奪い、そして奪った分の力を《ダークリべリオン・エクシーズ・ドラゴン》のエネルギーへと変換する」

 

 それが、この特殊武装《反逆紫電(トリーズン・ディスチャージ)》の能力だ。

 

 「どうだ? 奪う側から奪われる側に回ってみて。今、どんな気分だ?」

 

 「ぐぅ……くそぉお!」

 

 バルゼリッドは拘束を無理やりとくと、フローリアに向けて片方しか残っていない《双頭の顎(デビルズグロウ)》を放った。

 

 しかし―――

 

 「無駄だ」

 

 フローリアは反逆竜の右腕で砲撃を受け止め、握り潰した。いとも簡単に、まるで空気を掴むごとく。

 

 「くそっ! くそっ! くそっ! くそぉおっ!」

 

 バルゼリッドは怒り狂いながら、何度も砲撃をする。しかし、何度やっても先程と同じ握り潰される。

 

 「先程も言っただろう。お前の機竜から力を奪ったと」

 

 奪ったのは《アジ・ダハーカ》の力だけではない。アルテリーゼの《エクス・ワイアーム》、クルルシファーの《ファフニール》、そしてジークの《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》。

 

 「俺らは常に最悪な事態を想定しながら戦い続ける。それが、仲間が敵に奪われたとしても決して見捨てたりはしない」

 

 「ッ……!」

 

 クルルシファーは、はっと息を上げた。

 

 「仲間は、()()()()()()!」

 

 フローリアが大きな声で宣言すると同時に、反逆竜の翼が横にスライドし展開した。

 

 「貴様の決闘(デュエル)には……鉄の意志も鋼の強さも感じられない! 」

 

 そして、翼から蒼い炎を点火した。フローリアは空中に飛翔すると、落下の勢いを利用してバルゼリッドに突撃する。

 

 「くっ! 舐めるな!」

 

 バルゼリッドは目の前に三重の障壁を壁を最大出力で展開した。

 

 「対奥義『狂竜連環(バーサーカーソウル)』!」

 

 《ダークリべリオン・エクシーズ・ドラゴン》は紫色のオーラをその身に纏う。

 

 「はぁああっ!」

 

 フローリアが拳を振るうと、最大出力の三重の障壁をまるでガラスを砕くように貫いた。

 

 対奥義『狂竜連環(バーサーカーソウル)』―――一撃必殺の『強制超過(リコイルバースト)』と、永遠に動き続けれる『永久連環(エンドアクション)』の合わせ技。

 

 

 ()()()()()()

 

 

 ()()()()()()()

 

 

 「うおぉぉおおおおお!」

 

 《アジ・ダハーカ》の神装《千の魔術(アヴェスタ)》が発動するより先に、フローリアがその身体を引き千切る。両腕、そして特殊武装の《双頭の顎(デビルズグロウ)》を。

 

 「終わりだ!」

 

 そして、フローリアは《アジ・ダハーカ》を蹴り上げバルゼリッドよりも高く飛翔する。

 

 「反逆のライトニング・ディスオベイ!」

 

 紫の電気を帯びた反逆竜は、まさしく雷のごとくバルゼリッドに強襲する。

 

 「革命の雷に撃たれて散れ!」

 

 紫の雷はバルゼリッドを貫いた。

 

 「ぐ、ぎゃああああぁああああああああッッ!」

 

 触れた、雷の接点から、幾億の針が広がるように衝撃が突き抜け、吹き飛ばされる。背後に存在した瓦礫の山、荒れた地の固い地面すらも巻きこんでバルゼリッドはやっと止まった。そのバルゼリッドは、全身から血を噴き出し、吐血して悶絶する。

 

 「バカなッ……! 何故こんな……、こんなことがァアア!」

 

 絶叫を上げて悶えるバルゼリッドは、それでもなお、抵抗しようと立ち上がる。しかし、機竜の大半がすでに破砕されているため、もう《アジ・ダハーカ》は戦闘を続けられない。

 

 装甲機竜(ドラグライド)も、神装も、その何もかもが、全てが、失われていく。

 

 地面に着地したフローリアはクルルシファーに近づくと、地面に突き刺さっていた《幻影霧剣(ファントム・フォッグ・ブレード)》を解除した。

 

 「さあ、ここまでがジークの掌だ。ここから先は、君の意志で動きたまえ」

 

 それだけ言うと、フローリアはバルゼリッドに向き直る。

 

 「ふ、ふざけるな! あってたまるか! こんな―――、ゴボッ! こんな事がァ!」

 

 「もう、勝負はついたぞ。でも―――」

 

 ジークは穏やかに告げ、最後にバルゼリッドの顔を見据える。

 

 「もしこれ以上、ジークや学園の人に手を出すつもりなら、次は殺す」

 

 「……くッ! ハハハハハッ!」

 

 それを聞いたバルゼリッドは、醜悪な笑みを浮かべて飛び退いた。

 

 イイィィィイ!

 

 と、半壊の《アジ・ダハーカ》が、耳障りな咆哮を上げる。

 

 「今のは―――」

 

 「く、くくく……! ただの合図だよ。決闘の人払いのための配置しておいた、オレの私兵である―――機竜使い(ドラグナイト)の部下たちへのな!」

 

 「……勝っても、負けるか」

 

 フローリアは静かに天を仰いだ。まるで昔となんら変わらない結果になるのか、とフローリアが落胆的なため息とともに構えをとる。

 

 「くくくく……、覚悟はできていると、そういうことか? では―――」

 

 と、バルゼリッドが、私兵に対し、竜声を飛ばそうとした瞬間―――、

 

 「―――させない。ジークの背中はわたしが守ると約束したから!」

 

 「げふうッ……!」

 

 ガシャン。と、空から、《エクス・ワイバーン》を纏った男がひとり、フローリアたちの近くに投げ落とされた。

 

 「何だとッ!」

 

 「リーシャ姫……」

 

 新王国の姫であるリーシャと、神装機竜《ティアマト》。

 

 「ジーくん。大丈夫だった?」

 

 さらにバルゼリッドの背後から、間延びした声がした。装甲の解除された十数人の私兵をかかえて現れたのは、神装機竜《テュポーン》を纏ったフィルフィだった。その後ろからシャリス、ティルファー、ノクトの『三和音(トライアド)』が現れる。

 

 「観念しろ、『王国の覇者』とやら」

 

 《ティアマト》を纏ったリーシャが、厳かに上空からそう告げる。

 

 「―――ふ」

 

 自らの敗北を意識したバルゼリッドは、最後の行動を実行した。既に武装を全て失った《アジ・ダハーカ》が、フローリアたちに背を向け、走り出した。

 

 「待て! 逃げるか気か!?」

 

 教会跡地のすぐ隣には、深い森が広がっている。そこに逃走経路を用意していたのか。しかし、フローリアは動かない。その変わり、

 

 

 「―――甘いわね」

 

 

 透明感のある声と銃声が、教会跡地に響く。

 

 「ぐ……が!」

 

 直後、《ファフニール》の特殊武装である《凍息投射(フリージング・カノン)》の射撃が、《アジ・ダハーカ》の装甲を凍らせていた。

 

 それを見ていたフローリアはふっと微笑む。

 

 「言ったでしょう。私を、甘く見ない方がいいって」

 

 いつもの涼しげな微笑を見せて、独り言のように呟いた。

 

 全てが終わり、フローリアは小さく息を吐き、吸い、目を開いた。

 

 

 「んーーーーー弱いっ!」

 

 

 拳を天に突き上げ、彼は実に満足げに叫んだ。

 

 

 ✝

 

 

 「此度の件。バルゼリット卿の謀を見抜けず、婚約を推し進めようとした私の責任です。お嬢様とルクス・アーカディア様には、謝罪の言葉もございません。厳罰はエインフォルク家に戻り次第受けますので、この場ではどうか、ご容赦のほどを……」

 

 アルテリーゼの声を、店の外で聞いていたジークは大きな欠伸をしていた。

 

 (ねむぅい……)

 

 《勝利の方程式(ジーク・オブ・エクエイション)》―――世界にも干渉できる超絶演算。しかし、その代償は大きかった。脳の肉ずれにより数日は頭が回らない。

 

 今日は報告で、ユミル教国に帰るアルテリーゼにルクスとクルルシファーの関係を伝えるためこうして、貸し切りのレストランで会合中なのだ。

 

 ちなみに、ジークは今回護衛として付き添いで来ている。

 

 「では―――失礼致します。お嬢様―――。またいずれ、お伺いします」

 

 「あなたも―――元気でね」

 

 クルルシファーの穏やかな笑みに、アルテリーゼは一礼して返す。

 

 「もう帰るのかい? アルテリーゼさん」

 

 「はい。此度は本当に申し訳ありません」

 

 「いいて、すんだことだし」

 

 そう言って、ジークは右手をぷらぷらと振る。まるで、気にするなと言ってるようだ。

 

 「あの、その腕の怪我は大丈夫なのですか?」

 

 「あーこれ?」

 

 アルテリーゼは、ジークの火傷と擦り傷を負って包帯で巻いている右手を心配そうに見つめる。

 

 「その傷も此度の私の不詳が働いた傷、よろしければ医療費を払わせて下さい」

 

 「え、いいよ。こんなのほっとけば治るし―――」

 

 「いえ! これはエインフォルク家に仕える身としてやらせて下さい!なんでも致しますので!」

 

 うーん、ここまで親切にしてもらって拒絶してしまってさ彼女の従者としての誇りを傷つけてしまうかもしれない。ここは、俺のテクニックで―――。

 

 「んじゃあー、()()()()()()()()()()()()()()

 

 「……え、ええぇぇええっ⁉」

 

 悪魔ぽく笑うジークの言葉に、アルテリーゼは驚愕に叫ぶ。

 

 (これで諦めてくれるだらう……)

 

 こんな恥ずかしいことを要求されては、流石に。

 

 「えっと、キスでいいんですか?」

 

 「うん、別に無理しなくていいんですよ」

 

 羞恥に頰を染めるアルテリーゼ。

 

 さあ、諦めろ!これでチェックメイトだ!

 

 「では、失礼します―――」

 

 ふぅ、帰ってくれたようだ。この程度のゲーム、かんた

 

 「んぅ…ちゅぅ」

 

 「……え?」

 

 手に生暖かい感触が感じ、意識から引き戻される。そして、目の前には、ジークの右手を両手で持ち、頰を赤く染めながらたどたどしくも一緒懸命に()()()()()()()()()()()()姿()()()()()

 

 「んちゅ……はぁ、はぁ、これでいいですか?」

 

 「………」

 

 「あれ、ジークさん?」

 

 予想を上回る出来事に、流石にキャパオーバーになったらしく、ジークはその場で放心状態になってしまった。

 

 

 ✝

 

 

 「ふう。久しぶりだな、お風呂なんて―――」

 

 「……そうだな」

 

 脱衣所と浴場の扉で丁寧にノックをして、中に誰もいないことを確認した後、外に『清掃中』のプレートをかけて、服を脱ぐ。女子寮での入浴に関しては、基本的に男は禁止されているのだが、一週間に一度ほどの割合で、それが可能なタイミングがある。

 

 ルクスとしては、水か湯を含んだタオルより断然お風呂の方がいいが、反対にジークはテンションが下がっていた。

 

 「はぁ……」

 

 意外にも意外、ジークは大の風呂嫌いなのだ。身体の傷を誰かに見せたくない、というのもあるが、それ以外にも理由がありそうだ。

 

 先程も嫌々言っていたジークを無理やり引っ張って来た。

 

 「あ~あ……風呂に入りたくない」

 

 学園の制服を脱いだジークの身体は、対拷問訓練の跡が生々しく残っている。刃物で切り刻まれた裂傷痕、熱された物を押し付けられたのか火傷の跡も残っている。そして、臍の辺りには旧帝国の烙印を無理やり消した傷もある。

 

 浴場の扉を開けると、大理石の柱と、そしてランプが淡く照らす、広い湯船が目に飛び込んできた。幼い頃の宮廷生活では割とよく入れていたが、雑用生活を始めてからは、ほとんどまともな入浴はできなかったので、これも役得だ。と、ルクスは思う。

 

 洗い場で熱いお湯を浴びた後、ゆっくりと身体を洗い、最後に湯船に身体を浸していた。全身から力を抜いて、お湯の湯力に身を委ねる。日頃の雑用や訓練で、緊張した筋肉がほつれる感覚は心地がよかった。

 

 「はぁあ……」

 

 「………」

 

 至福の時間に頬を緩ませるルクスとは真反対に、顰めっ面で入っているジーク。それを横目で見ながら、そっとルクスは目を閉じた。

 

 「無事に、終わってよかった」

色々なことがあったが、誰も失わずに済んだ。

 

 そう、独りごちていると。ちゃぷんっ。と、すぐ隣で水面が波打つ音が聞こえた。

 

 「え―――?」

 

 ジークは相変わらず顰めっ面で、動いた気配がない。思わず目を開け、白い湯気が隠された隣を見ると、

 

 「………。あれ?」

 

 見覚えのある桜色の髪の少女が、ぼうっとした目でルクスを見て、首を傾げていた。

 

 「―――って、えええええっ!?」

 

 バシャッと飛沫を立て、ルクスは浴槽の中で思い切り後退る。

 

 「うぶっ……」

 

 地味にルクスが立てた水飛沫が、ジークの顔面にかかった。

 

 「お行儀が悪いよ。ルーちゃん」

 

 髪を下ろしたフィルフィが、真顔でそう言ってくると、

 

 「あ、ご、ごめん―――じゃないよ!? どうしてフィル……フィーちゃんが、ここにいるの!? その、外に清掃中ってプレートなかった!?」

 

 「今日は外で訓練してて、遅くなったから。お風呂はまだ入れるって、お姉ちゃんが―――」

 

 「………」

 

 ぼんやりとしたその一言で、ルクスは察する。この状況は悪戯好きなフィルフィの姉、レリィ学園長の差し金に間違いない。

 

 と、ルクスが考えていると。

 

 ザパァアアア!

 

 今度は反対側から波打つ音が聞こえてきた。

 

 「ごめん……先に上がってる」

 

 ジークが顔面蒼白でそう告げ、湯船から出た。

 

 「ど、どうしたの? 大丈夫?」

 

 思えばおかしかった。フィルフィが湯船に入って来た時に、ジークは一切口説きしなかった。可愛い女性を見つけると、必ずと言っていいほど口説くジークがだ。

 

 今は顔が白く見えるほど弱々しい。熱かった風呂に浸かっていたのにもかかわらず、微かに肩が震えている。息を荒げて風呂場から出て行くジークに心配していると、

 

 「………くかー」

 

 湯船に浸かっているフィルフィが、寝音を立てて湯に沈んでいく光景が目に映った。

 

 「寝てるしッ!? ちょっと、こんなところで寝ちゃダメだって、フィルフィ!」

 

 慌ててフィルフィを揺するルクスの声を背後で聞きながら、ジークは風呂場を後にした。

 

 

 ☨

 

 

 至福の時間だったはずのお風呂の時間。しかし、現在のジークは最悪の状態だった。

 

 「はぁ……はぁ……」

 

 大粒の汗と水が頬を伝って床に落ちて行く。濡れた髪を乱雑にバスタオルで拭き、いつもだったら寝間着の下に着ている装衣を着ていない。それほど今のジークは悪い状態だった。

 

 熱いはずなのに身体が震えるほど寒い。鏡で顔を見たらきっと唇が真っ青だろう。

 

 ここからルクスの部屋に行っても遠すぎる。しかし、行く当ては―――

 

 「やっぱり……ここしかないか」

 

 ジークはとある部屋の前で止まった。ドアノブに手をかけ数度躊躇ったが、意識も限界に近づいてきたのでドアを開けた。部屋の中には金髪の少女がいた。

 

 「――む? 誰だノックもせずに、ってジーク!?」

 

 「……リーシャ」

 

 何時もなら黒いリボンで二つに括っていた金髪を解いて、腰まで流している。寝間着のネグリジェを着ているため、小柄なのに大きめの胸が、制服の時より際立っている。

 

 息を荒げているジークを見て、リーシャは顔に焦りが浮かぶ。

 

 「な、なにがあったのだジーク!?」

 

 近づいて来るリーシャをジークは手で制した。

 

 「い、今は……気分が、悪い」

 

 リーシャを押し退け、二段ベットの下に潜り込んだ。リーシャは何か言いたげな顔をしていたが、ジークは意識を手放した。

 

 

 ☨

 

 

 ベットに入り、荒い寝息を立てて眠りについたジークを見ながら、リーシャはため息をついた。

 

 「そんなずぶ濡れじゃ……風邪を引くぞ?」

 

 箪笥からタオルを取り出し、ジークの頭に圧すように拭いていく。

 

 「うぅ……」

 

 「―――ッ!?」

 

 低く呻くジークに、リーシャはビクッ!と肩を震わせた。汗と水を拭いたのだが、再び汗が滲み出てきた。

 

 (やはり……()()をやるしかないのか)

 

 心の中でリーシャは逡巡し、決意をするとジークが寝ているベットにリーシャも入る。その頬は赤く染まっていた。

 

 横に向いて寝る姿勢になると、ジークも横に向かせる。

 

 (ほ、本当に大丈夫なのか?)

 

 リーシャはある事を思い返していた。

 

 

 **** 

 

 

 『ジークにもっと近づきたい?』

 

決闘が終わって、事後処理をしているときにリーシャがフローリアにある頼みごとをしていた。(ジークは脳の過負荷で休眠中)

 

『頼む! 聞いている相手を間違えているのはわかっているんだ、けどーーー』

 

『ああ、いいよ』

 

頭を下げて頼むリーシャに、フローリアはあっさりと承諾した。

 

『はは、意外だったかな?けど、俺はジークが少しづつ変わっていることが嬉しいんだ』

 

くすりと笑うフローリアの姿は、どこかジークに似ていた。

 

『そうだな……ジークの傷を撫でる、かな』

 

 『……は?』

 

 ジークにもっと近づきたいと言ったはいいが、リーシャは間抜けた声を出してしまった。

 

 『もちろん悪ふざけで言っているつもりじゃない。この身体、ジークにある傷を撫でることだ』

 

 『いや、悪ふざけじゃなくても意味がわからないのだが』

 

 急にジークの傷を撫でろなんて言われても、リーシャは困惑をしていた。それを知ってか知らずかフローリアは微笑む。

 

  『ジークには親がいなかった』

 

 微笑みながら言ったフローリアの言葉の内容は、前にジークに聞かされていた。

 

 『仲間はいたんだけど……まあ、ジークは家族というモノを知らずに過ごして来た。近い環境にいた君ならわかるだろ?』

 

 『………』

 

 旧帝国に裏切られ、目の前で仲間を殺されたジークはその後、旧帝国に所有物として幼少時代を過ごしてきた。細かい部分は違うが、似た境遇のリーシャは何となく共感できた。

 

 それは『寂しい』と言う感情だった。

 

 愛されず、愛を知らないまま育った者は誰かを求める。もしかしたら、ジークが口説くのはそれが理由なのかもしれない。

 

 『傷を撫でてやれば、少しはあいつの孤独を癒せる』

 

 『ほ、本当に仲直りできるのか?』

 

 『そこは君しだい』

 

 

 ****

 

 

 (まさかこんなに早く実践することになるとは思わなかった……)

 

 言われた通り、服の上から傷を撫でた。

 

 「んぅ……」

 

 身じろぎするジークを見ながらリーシャは優しく撫で続ける。すると、さっきまで荒げていた呼吸が、落ち着いてきた。

 

 「すぅ……すぅ……」

 

 汗も引き、蒼白だった顔も元通りになった。

 

 「本当だ……フローリアが言った通りになった」 

 

 ジークの顔をじっと見ていると、リーシャは急に頬が熱くなる感覚がした。 

 

 (……ちょっとだけなら)

 

 リーシャはジークの背中に手を回すと、抱き寄せた。

 

 「……ふふ」 

 

 ジークの身体から伝わる体温。呼吸と共に動く体に、リーシャは自然と頬を緩めた。

 

 「………」

 

 手をジークの身体から離すと、今度は首の後ろに手を回した。そして、ぐっとジークに身を預け乗り出すと―――

 

 

 ジークの唇に、リーシャは自身の唇を当てた。

 

 

 「~~~ッ!!」

 

 リーシャは顔をトマトのように真っ赤に染めると、ばっ!とジークから体を離した。

 

 「わ、わたしは何をやっているのだ。お、起きてないよな?」

 

 バクバクとうるさい心臓の鼓動を宥めながらジークの顔を見る。安らかに寝ているジークを見て、リーシャはほっとした。

 

 「……ジークと、き、キスを――!」

 

 リーシャは震える手で自身の唇に触れると、先程の行為を思い出し再び顔を真っ赤に染める。愛しい人とキスが出来たことに頬をふにゃ、と緩めるが、ジークが起きていなかったことに少しリーシャは悔しく思う。

 

 「ふふ、好きだぞ、ジーク」

 

 リーシャは再びベットに入ると、もう一度ジークの傷を撫でる。そうすると、ジークはリーシャに身を寄せてきた。まるでそれが、母親に甘える子供みたいで、リーシャは嬉しかった。

 

 ジークに甘いたいし、甘えられたい。そんな思いが、込み上げて来る。

 

 リーシャはジークに身を預け、ジークの胸板に顔を埋める。頬擦りをすると、ふわりとジークの匂いがする。抱きしめると、ジークは抱きしめ返してきた。全身をジークの匂いが包み込む中、リーシャも意識を落とした。

 




フローリア「いよいよ学園選抜戦が近づいてきたジーク達。しかし、学園に不審者が現れてルクスがたいへんなことに。そして―――ついに学園最強が帰還した。

 次回、学園最強」 


 次回から、三巻目です。

 では、2018年も

 「お楽しみは、これからだ!」
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