お気に入りも20人突破本当にありがとうございます。
これで少しでも夜廻が広まればイイなぁ
犬が走っていった道を進むとなるはずがない学校のチャイムが鳴った。
その音は少し歪んでいて聞いているものを不安にさせようとしているように思えた。
何か出るんじゃ?、と思い辺りを見回してみたが特に『ナニカ』の気配は感じなかったのでその音をなかったことにして犬の後を追った。
しばらく進むと懐中電灯の光が地面に落ちているものを照らした。
「…靴?」
かたっぽしかない靴が落ちていた。
何処かで見覚えがあるな、と思っていたら隣の少女が小さく「お姉ちゃんの靴…」と、呟いた。
その時は靄がかかっていた記憶が晴れた。、と同時に目の前の靴を取り少女を肩に担いで
少女の体が強張るのを肩で感じる。
予想通り生きた犬では無かったようだ。
走りながらチラッと後ろを見るとだらしなく緩んだ人間の顔だった。
ゲームの記憶があっても体中が冷えていくのがわかる。
まるで中年のおじさんがハァハァ言いながら追いかけてきているようだ。
もし捕まったらどうなる?、そう考えてもどうなるかわからず未知の恐怖にも襲われながら走る足をさらに少しでもと強く思いながら動かした。
しかし犬も負けじと走ってくる。
「お兄ちゃん…!」
少女の焦りようから距離が縮まっていくのがわかった。
全身から嫌な汗が出てくる。それに比例して足がどんどん動かなくなっていく。心臓も早くなっていき呼吸が間に合わなくなってきた。
鈍くなっていく頭でなぜここまでしつこく追いかけてくるのかをかんげえる
(正規ルートを無視したから?、違うそれは関係ないはずだ。…関係ないよね?。もしくは匂い?)
犬はしきりにだらしない顔で、そしてその鼻を気持ち悪いぐらいひくつかせていた。
そしてその目の先は姉の靴に釘付けになっていた。
直感的に理解すると同時に靴を落とさないように左手に力を入れた。
あの犬にこの靴を渡してはいけない。
そう心に決めて重い足を前えと進める。
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吐きそうになる口をなんとか抑え込みながら格子を片手でよじ登り学校を脱出した。
格子からはすぐに離れた所で座り込む。
いっとき動けそうもなく呼吸を早く繰り返す。
もしかしたら犬が格子の間を通るかも、と思ったがあの顔のせいでどうやら出てこれないらしい。
そのことに安堵を覚えて荒くなった呼吸を整える。
少女はとても怖かったのか足が震えていた。
どうやって安心させればいいのか…兄弟、あるいは友達すらいない俺だったがとりあえず頭を撫でてみた。
バッと、体にしがみつき顔を胸に埋めて小さく泣き始めた。
よく考えればこの子はまだまだ幼かった。この少女の同年代の子ならきっとはじめから泣いていただろう。
俺でさえみっともなく悲鳴を上げるくらいだ。そして半泣きで逃げ惑うくらいだ。
しばらくの間少女が泣き止むまで優しく頭を撫で続けた。
しきりに格子に頭をぶつけている犬はとてもうざかった。
チラッと犬の方を見るとなぜか憤怒の顔でとても怖かった。
【ある少女の姉の日記】
妹が知らない男の人、多分私と同じ年ぐらいの人と帰ってきた。
その男の人は表すならほとんど無気力で怖かったけどポロはその男の人にとてもなついていた。
普通はあまり懐く方ではないのにあのなつき方は異常だと思う。
あの制服は私と同じところだったし今度お礼を言いに行こうと思う。三年生かな?だとしたら行きにくいな…