Moon Knights IS~Prayer of a Rabbit Fury~ 作:アマゾンズ
臨海学校、当日。バスの中で三騎士の三人、シャナ=ミア、セシリア、ラウラ、シャルロット、特別に鈴が最後尾に座ってお喋りを楽しんでいた。
三騎士である政征、雄輔、シオンは最前列にある教師が座っている席へ視線を向けていた。
千冬の隣には一夏が、フー=ルーの隣には箒が座っている。シオンから二人が監視をして欲しいと頼み込まれ、目の届く範囲で二人を監視するようになったのだ。
クラスメート達は教師の二人の許可をもらい、バスにあるカラオケで盛り上がっている。目的地の旅館に着くまでの間、全員が巻き込まれ歌う事になっていった。
◇
バスから降りると旅館の女将が玄関から出てきた。旅館の名前は花月荘というらしく、IS学園では長くお世話になってるそうだ。生徒達は全員、玄関前で整列している。
「今日から三日間、この花月荘でお世話になる」
「皆さん、節度を持って行動してください」
「「「はーい!」」」
教師としての千冬とフー=ルーの注意の言葉に対し、全員が返事を返すと同時に旅館の玄関の扉が開き、ひとりの女性が出迎えてくれる。
「今年は賑やかで良いですね」
歳は三十代そこらだろうか?佇まいと笑顔がしっかりとマッチしている。長年、旅館を切り盛りしてきた女将の貫禄があった。
「今回はすみませんでした、男女の区分けでお手数をおかけしてしまいまして」
「いえいえ、こちらの方々が?」
「そうですわ、私はフー=ルー・ムールーと申します。よろしくお願いします」
「ご丁寧にどうもありがとうございます。清洲景子と申します」
男性操縦者の四人は一歩前へ出て挨拶をする。女性だけでの対応だけでなく、男性の対応もしてくれたのだから、礼儀を見せるのは当然だという考えからだ。
「男子生徒の赤野政征と申します」
「彼と同じく、男子生徒の青葉雄輔と申します」
「二人と同じ男子生徒のイチカ・フューリア・シオンと申します。シオンと呼んで下さい」
「織斑一夏です」
男性四人はそれぞれ挨拶を済ませるとクラス全員と共に旅館へと入っていった。男子四人は教員と同じ部屋になったが、シオンと政征は山田先生と同じ部屋になった。
◇
教師の集まりがある間、水着に着替え上半身を隠せるパーカーを着込み男性操縦者達は浜辺へと向かう。空は雲一つない快晴で夏の日差しが直接肌に当たってくる。
政征と雄輔は何処で借りてきたのか、パラソルとシートを手に浜辺にいた。シオンはよく冷えた飲み物が入っているクーラーボックスを持っている。
「さて、準備しないとな」
「シオン、パラソルを立てるのを手伝ってくれ」
「分かった。場所はあそこでいいな」
岩陰に近い場所をシオンが指差し、向かうと同時にシートを敷きパラソルを二つほど立てる。作業を終えるとシオンがクーラーボックスの中に入っていたペットボトルのアクエリアスを取り出して投げ渡し、ふたりはキャップを開けてそれを飲む。
「くぅ~!美味えええ!」
「っかああ~!日差しが強くて暑いから、本当に美味いな!」
「だろ?よ~く冷やしておいたんだよ。冷たいのはあまり良くないが、今日は暑すぎるくらいだからな」
そう言いつつ笑いながら、シオンも一本取り出して水分を補給する。この暑さで海とあってはすぐに乾いてしまうからだ。
「さて、そろそろ女性陣が来るだろう」
「出迎えるか」
「そうだな」
そうして油断していた所にシオンへ飛びついて来たのは鈴だった。まるで妹を兄が肩車しているような格好になっている。オレンジ色の三角ビキニだが、鈴の健康的な色気を惜しむことなく晒されていた。
「男三人でなにやってんのよ?」
「鈴!?」
「おいおい、シオンが顔を青くしてるぞ?」
「へ?ああ!力入れすぎてた!ごめん!シオン」
「ゲホッ・・ゲホッ!殺す気か?」
力が緩むと同時に咳き込むシオン、それと同時にセシリア、シャルロット、ラウラ、シャナ=ミアの五人も到着する。
セシリア、シャルロットは青と黄色のチューブトップにパレオを巻いており、ラウラはフリルのついた黒のビキニ、シャナ=ミアは薄い菫色をしたバンドゥビキニにパレオを巻いているようだ。
「女性陣のレベル高すぎないか?」
「確かに、それには同意する」
「ああ、高すぎるよな本気で」
この後、男性陣はパラソルの見張りをしつつ、海を堪能した。政征はシャナ=ミアにサンオイルを塗る事になったが、男性にとっては色々とマズイことになる声を出され、シオンも耐える事に必死になっていた。
雄輔は雄輔で引っ張りまわされ、パラソルに戻ってきた時はヘロヘロな状態だった。そんな矢先、千冬とフー=ルーがこちらに来た。千冬は黒の水着、フー=ルーは青と彼女たちのイメージカラーそのものだ。
二人は喉が渇いていたのか、視線はクーラーボックスに向いていた
「楽しんでいるようだな?ん、アクエリアスか。二本貰っても構わないか?」
「ええ、どうぞ」
「ありがとう、助かる。フー=ルー先生も」
「ええ、ありがとうございます」
千冬は手にした二本のアクエリアスのうち一本をフー=ルーへと手渡した。ペットボトルのキャップを開けて水分補給した二人は生き返ったような表情をした。やはり、水分が不足していたのだろう。
「ふう、生き返ったぞ」
「本当に美味しいですわね」
どうやら生徒たちに捕まって、色々と連れ回されていたようだ。やはり快晴の下の海とあっては騒ぎたくもなるのだろう。
ビーチバレーなどを楽しみながら、海水浴の楽しい時間は過ぎていった。ただ一人、シオンだけが自分の中で気持ち悪さを払拭できないでいた。
「(臨海学校に来てるけど、この世界という事は・・・アレが現実で俺の目の前で起こるのか?騎士になると誓ったあの日に見せられた・・・この世界の織斑一夏の愚行を・・・!でも、俺は一人じゃない・・・この世界にも仲間はいる。俺一人じゃ何もできないのだから頼ればいいんだ。そう、完璧な人間なんかいなんだから)」
誰も見ていない所で、シオンはただ一人あの出来事から騎士として必ずシャナ=ミアを守ると誓うのだった。
短いですが、この回はここまでで。
シオン(イチカ)にとって最も嫌悪し見たくなく、また駆けつけなければならない試練が始まります。
親友と忠誠を誓った皇女が危険に合うのは確定です。
彼(シオン)を見守ってあげてください。彼は自分と戦うのです。彼はこの世界の彼とは違います、この世界の彼とは。
感想をお待ちしてます。
篠ノ之箒(白の地球)の強化における能力覚醒(参考意見用)
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SEED因子
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イノベイター(純粋種)
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Xラウンダー
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念動力