Moon Knights IS~Prayer of a Rabbit Fury~   作:アマゾンズ

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一夏とシオン(イチカ)のぶつかり合い。

箒をも倒す。

可能性を持って意志を救い出す。

とうとう始まる悪夢の出来事。


お前は光だ。哀しみすら糧として、道を照らせ

覚醒状態を維持しているラフトクランズ・クラルス・ユニコーンモードと白式の戦いは熾烈を極めていた。だが、均衡は崩れていきシオンの方へと傾いていく。

 

「なんで・・・何でだ!ちくしょおお!どうして、お前はそんなに強いんだあああ!」

 

「俺は強くなんか無い!俺は多くの人に支えられて、多くの人に頼って、ようやく此処にいる!お前はそれを、可能性を・・・自ら放棄しただけだ!」

 

「俺が・・・自ら、放棄した?」

 

シオンの言葉が、深く一夏の心を抉った。頼らせてくれる人、自らを認めてくれる人、あらゆる人の手を自ら手放してしまったのだと。

 

「違う・・・違う違う違う違う!俺は・・・俺は手放してなんかいない!」

 

「なら聞き方を変えようか、織斑一夏。お前は白式を手にして何を思った?誰かを守れると思ったのか?誰かを救えると考えたのか?守られてばかりで守ろうとしなかった、救ったつもりで救ってはいなかった、そんな事がないと言い切れるか!?」

 

「う・・・っ!?」

 

シオンの現実味を帯びた厳しい言葉に、一夏は言葉が詰まる。考えた事もなかった事だからだ。自分は誰かを守れる、自分が大切なモノを守れる為の力を手にしたのだから。瞬間、一夏の頭の中にほんの一瞬だけ、千冬が頭を下げていた場面が過ぎった。

 

幼い頃に小学校で喧嘩してケガを相手に負わせてしまった時だ。その時の千冬は必死に相手へ謝っていた。何故?自分は悪いことをしていない。相手が悪い事をしたから懲らしめただけなのに。

 

「俺にも姉と兄がいた。俺は・・・全て諦めていた。周りからは姉と兄に比べられ続け、二人が出来るのだから出来て当たり前、手を差し伸べてくれたのは友人とその両親、そして騎士の二人と束さんだけだった。でも、俺はこんな自分でも助けてくれる人が居るのだと気づいたんだ」

 

現実に戻ってくるとシオンの言葉が耳に入ってくる。彼も自分と似た境遇だったことが分かる。だが、二人の違いはたった一つだ。それは助けられた時に感じた考え方の違いであった。

 

シオンは助けられた時、自分にもまだ助けてくれる相手が居ると考え、一夏は何故、自分が助けられているのかを疑問に思ってしまった事があった。それが違いであった。世界が違っていたとしても二人の差はそれだけであった。

 

「もう、喋るなあああああ!!」

 

零落白夜を発動させ、一夏は斬りかかるが刀を握っている腕を止められ、空いた左手が白式のコアがある心臓部分に触れられていく。

 

「なっ!?な、何をする気だ!?!」

 

「お前が手放し続けるのなら、お前の中にある可能性を救う!クラルスがそう言っているんだ!」

 

 

 

 

『・・・・』

 

そこは青空と海だけがある世界、一人の少女らしき人影が座り込んでいる。ただ、何も考えず何もせずに。

 

「・・・き」

 

『?』

 

「白・・・」

 

『誰?』

 

「白・・・式・・・!」

 

『誰なんです?』

 

少女に響く声。それは自分と似ているようで成熟した女性の声だ。その声に振り返る少女の先に自分とよく似た女性が手を伸ばしていた。

 

「白式、この手を掴みなさい。アナタの可能性はこんな所で閉じてはいけない!」

 

『でも、私は此処から出ることが・・・』

 

「今ならできます。手を伸ばして掴んで!」

 

『!』

 

少女が手を伸ばすがほんの僅かに届かない。それでもと、女性は手を伸ばし続ける。諦めるものかと。

 

「アナタを必ず母様の元へ返します!だってアナタは私の」

 

手を掴み、女性は少女を抱きしめるとそのまま宇宙へと登っていった。

 

 

 

 

 

「っ!?俺に何を・・・何をした!?シオォォン!!」

 

「お前の中で停滞している可能性を助けた!」

 

「ふざけるなァァ!!」

 

止められている刃を押し込もうとするが、シオンはクラルスのスラスターを起動させ、攻めた時に弾かれ、未だに落下していたソードライフルを手にすると白式へ向けて銃口を向けた。

 

「荒んだ心に武器は危険すぎるんだ!それを解かれ!織斑一夏!」

 

たった一発、撃ち放ったのはオルゴン・マグナム。だが、直撃させる気はなく牽制の為に放った一発だ。それでも、一夏にとっては恐怖でしかなかった。なぜなら、掠めただけでシールドエネルギーを6割も持って行かれたのだから。

 

「な・・なんだよ今の!?俺のシールドエネルギーが・・・」

 

オルゴン・マグナムの威力を体感してしまったせいか、一夏は震えて動けなくなっていた。それを好機と思ったシオンはある代表候補生に声を上げた。

 

「ラウラ!」

 

「うむ!」

 

それは、ラウラであった。シオンの合図でラウラはワイヤーーブレードで拘束具の代わりにして、一夏を縛り上げてしまった。雪片ごと縛り上げられた為に脱出は不可能だろう。

 

「なぁ!?」

 

「おとなしくしていろ。このままお前を教官の下まで連行する」

 

「もう一つの可能性も救いに行く!」

 

そう言うとシオンは次に雄輔と箒が戦っている場所へと向かっていく。全速力で向かって行く速度にラウラは驚きを隠せなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそおお!」

 

「私の方が優位だな!」

 

雄輔は普段の実力が発揮できていなかった。親友を目の前で落とされたという事実が彼から冷静さを奪い、単調な動きにしてしまっている。これでは代表候補生どころか、真面目に訓練しているIS学園の生徒にも勝てない状態だ。

 

「政征を落とした事はアァァ!」

 

「落ち着くんだ!雄輔!」

 

「はっ!?その声は・・・?」

 

「また貴様か!シオン!!」

 

ユニコーン・モードとなっており、更にはクラルスの覚醒も相まって二人のいる空域にすぐさま到着することができた。

 

「篠ノ之箒、お前も可能性を自ら閉じるのか」

 

「可能性だと?そんなモノがなんの役に立つ?何かを示さねば何も出来ん!私はその為の力を手に入れたのだ!(姉さんすらも利用してな!)」

 

「そうか、ならば!(こっちの世界の箒はもうダメか、だったら!!)」

 

クラルスは武器を持たず、真っ直ぐに箒の紅椿へと向かっていく。それを迎撃する為に箒は二刀の刀を持って向かってくる。

 

「武器も持たずに私に勝てると思うなぁ!」

 

武器の無い今のクラルスならば勝てる。箒はそう、確信していた。だが・・・。

 

「うああああ!」

 

クラルスは右手から振り下ろされた刀を殴りつけて刀身を折り、紅椿の肩部分へ手刀を突き刺した。

 

「刀が・・・うわあああ!?おのれ、私の紅椿をよくも!!」

 

「うおおおおおお!」

 

人間の部分は狙わず、機体部分だけを手刀の刺突や拳で潰していくクラルス。その姿を見ている雄輔は次元移動する前の世界での作品の戦闘シーンを思い出す。

 

「(まるで、覚醒したユニコーンガンダムがネオ・ジオングを潰しているかのようだ)」

 

紅椿の武器を潰し、スラスターの片方を奪うと白式にしたようにクラルスの子とんどは右手が紅椿のコアがある部分に触れていく。

 

 

 

 

 

 

そこは日本庭園と日本の神社が合わさったような場所であった。そこにいるのは巫女服を身に纏っている一人の少女。

 

夕焼けの空を見上げ、何かを思っている様子なのが分かる。

 

「・・・・き」

 

『?』

 

「・・・な・・いき」

 

『誰だ!?』

 

「紅椿!手を伸ばしなさい!」

 

『まさか・・・いや、そんなはずは』

 

紅椿にしてみれば信じがたい出来事であった。声をかけ手を伸ばしているのは紛れもなく、自分達の長子たるあの人なのだから。

 

『出来ません、私はこの者と共に』

 

「アナタを物としか思っていない人間と心中したいの!?」

 

『で、ですが・・忠義に反しては』

 

「いいえ、アナタの可能性はこれからよ!母様のところへ帰りましょう!アナタはこんな所で自らを犠牲にする必要なんてない!」

 

『あ・・あああっ!』

 

紅椿と呼ばれた巫女服の少女は白い服を着た女性の手を強く握り締め、そこから引き上げられていった。

 

 

 

 

 

 

箒は自分に何をされたのか理解が追いつかず、放けていたその時、背後から鈴によってブロークン・アームによって掴まれ、身動きがとれなくなってしまった。

 

「何!?くそっ!離せ!!」

 

「離す訳ないじゃない!このまま撤退するわ!」

 

「雄輔、撤退だ」

 

「っく・・・仕方ないか」

 

作戦失敗の通信を鈴達は受けており、代表候補生達とシオンは雄輔を連れて、旅館へと撤退し、捕獲された一夏と箒はすぐさま別々の部屋へと押し込められた。

 

シャナ=ミアは政征が撃墜されたショックで今はあてがわれた部屋にいると聞いて、セシリアとシャルロットが大急ぎで向かい、ラウラ、鈴はロビーと外へ歩いて行った。

 

そんな中、シオンだけが殺気立っているかのように警戒していた。

 

「きっと、このタイミングだ・・・政征から託された事を必ず俺が守ってみせる!」

 

 

 

 

撤退と同時に福音の元に1機のISが近づいてくる。福音に近づくと黒いもやのようなものをコア部分へと押し込んだ。それと同時に福音は強制的に二次移行し、政征が撃墜された場所へと飛んでいく。

 

「まだまだ、働いてもらうぞ?福音・・・・ククク」

 

 

 

 

 

 

撤退後、一夏と箒は別々の場所で尋問を受けていた。一夏には千冬が直々の尋問だ。

 

「さて、織斑・・お前はなぜあのような真似をした?」

 

「・・・(俺にはまだ、シャナ=ミアさんという希望が残っている。ここから出て、シャナ=ミアさんを俺のモノにしてやる!)」

 

一夏は無言を通し続けながら、この部屋からの脱出方法を思案していた。頭の中には、もはやシャナ=ミアに対する黒と肉の欲望しかなかった。

 

「答えろ!」

 

「正しいと思ったからだ。あのISを倒すために、あれが一番勝算が高かった!」

 

「・・・お前に言わなかったか?、命の重さを軽く見るなと」

 

そう言うと千冬は拳で一夏を殴った、一発だけだが、その重みは強かった。だが、今の一夏には何の意味もない。

 

「お前はこの部屋で待機だ。出ることは許さん」

 

それだけを告げて、千冬が出ていこうと背中を向けた矢先であった。

 

「千冬姉」

 

「何だ?それに織斑せん・・・ッッッが!?」

 

 

千冬の身体に突如として強力な電流が流れ続けた。一夏の手には何かが握られており、それを千冬に当て続けている。

 

電流を受けた千冬はその場で倒れる寸前、その手に握られている物がパチパチと音を発していたのが聞こえた。

 

「ごめんな、千冬姉。こうするしかなかった」

 

一夏はそのまま、千冬を置いて部屋を飛び出していってしまった。目的を果たす為に

 

「ま・・て・・い・・・ち・・・」

 

千冬は動けずにその場で気を失ってしまい、追いかける事が出来なかった。

 

 

 

 

 

 

一夏は物陰に隠れながらシャナの居る部屋へと向かっていた。途中で誰かが部屋から出てくるのに気づき急いで物陰に隠れた。

 

「じゃあ・・僕達、飲み物買ってくるからね」

 

部屋から出てきたのはシャルロットとセシリアだった。誰かと話しているようだが、ラウラと鈴が見かけないためにあの部屋にシャナ=ミアが居ると予想する。

 

「あの部屋にいるのか、よし(誰も護衛がいない、チャンスだ)」

 

 

二人が出て行ったタイミングを見計らい、そのまま部屋の扉をゆっくりと開ける。そのまま鍵を閉め、邪魔が入らないようにした。

 

その時、部屋の中へと入っていくのを見られていた事を一夏は気づいていなかった。

 

 

「(あれって、一夏!?)急いでフー=ルー先生と雄輔、シオンを呼びに行かないと!!」

 

それを目撃した鈴は急いで三人を探し始めた。何かとても嫌な予感がすると感じたまま、だが・・・一向に見つからないままで旅館の中を走り回り続けた。

 

 

 

 

 

 

シャナは部屋の中で泣き続けていた。愛しい恋人が、映像とはいえ海に落ちて行くのを見てしまったからだ。しかも、撃墜したのは自分に恐怖を植え込んでくる男であったのだから尚更だ。

 

 

「うう・・・う・・・ぐす・・・ううう」

 

 

ドアの開く音が聞こえ、鍵も閉まる音も聞こえた為にシャナ=ミアは、その人物を出迎えようと立ち上がった。

 

「シャルロットさんですか?それともセシリアさん?・・・っ!?貴方は!!」

 

目の前に居たのは一夏であった。アリーナでの出来事から一切話していない、それ以上に自分との接触は禁止されていたはずだ。同時にあの出来事以降、シャナは一夏から距離を置いていた。

 

「シャナ=ミアさん、泣いてたのか?」

 

「貴方に心配される事はありません、出て行って下さい!!」

 

「俺だって心配で」 

 

一夏はシャナ=ミアへと近づいていくが、彼女から距離を開けられる。だが、とうとう追い詰め、その腕を掴んだ。

 

「嫌!!出て行ってください!!」

 

あまりの拒絶の意志に一夏はシャナ=ミアを強引に自分のもとへと引き寄せた。その目の前には、片付けられていない布団がある。

 

「嫌っ!何をするんですか!?離してください!」

 

「シャナ=ミアさんを誰にも渡したくないんだよ!俺が俺が守るから!だから!」

 

「っ!政征を斬っておきながら、何を!!貴方は私の剣にふさわしくありません!離して!」

 

あくまでも拒絶の意志を示すシャナ=ミアは一夏に対し、頬へ向かってパンッと平手打ちをした。一夏にとって信じられなかった一発だったのだろう、一瞬だけ殴られた頬をに触れると同時に怒りの表情となり、シャナ=ミアを布団へ強引に押し倒した。

 

「・・・・っ!だったら、俺だけの証を刻んでやる!政征の事を完全に忘れるまで!」

 

一夏はシャナの意志を無視し、シャナ=ミアが着ている浴衣の帯を強引に解き、浴衣をはだけさせると同時に見える下着を強引に剥ぎ取って、胸を揉み始める。

 

「嫌!!嫌やあああ!!誰か!誰かあああ!やめてええええ!」

 

その悲鳴は部屋の中ではなく通路にまで響いていた。それと同時にシオンはなにか悪い予感を感じ取り、急ぐかのように走り始めた。

 

「っ!?嫌な予感を強く感じる!シャナ=ミアさん!助けを求めてる!急がないとマズイ!」

 

それと同時に鈴も自分の直感で雄輔とフー=ルーを探し当て、悪い予感がすると伝えてシオンと同じ部屋へと向かっている。

 

この後、シオンにとって怒りに身を任せてしまう事になるのを本人は知らなかった。




さぁ、始まりました。・・・アレです。初めて自分で書いていて最も嫌悪したシーンともなった。シャナ=ミアがレ○プされるかもしれないシーンです。

今、シオン(イチカ)は全速力で走っています。政征から一時的とはいえ、彼女を託されているためです。

はたして彼は間に合うのか?シャナ=ミアがレ○プされる前に救えるのか?

次回になります。

感想お待ちしています。

篠ノ之箒(白の地球)の強化における能力覚醒(参考意見用)

  • SEED因子
  • イノベイター(純粋種)
  • Xラウンダー
  • 念動力
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