Moon Knights IS~Prayer of a Rabbit Fury~ 作:アマゾンズ
転移組のラフトクランズにオーバーホールが必要となる。
以上
アシュアリー・クロイツェル社の社員寮の一室、私は今オフを利用してゲームをしている。
やっているゲームはスーパー○ボット大戦OGシリーズ。前々から積みゲーにしていたのをクリアしようとプレイしているのだ。
「うーん、やっぱり他作品が登場して一緒に戦う通常のシリーズも良いけど、オリジナルシリーズが最高だよー!ゲームもバカに出来ないよね、こういった物からアイディアが出てくる時もあるし!!」
そう言いながらステージを進めていくうちに束は幽霊の名を関する機体に興味が湧いていた。
「ヒュッケちゃんじゃなく、量産機のゲシュちゃんⅡを基本から煮詰め直し、あらゆる現行の技術を導入して現場仕様にした機体か。私のISも・・・ん?待てよ?基本に返って煮詰めなおす?」
ゲームをプレイしながら頭の中で色々な構想を巡らせていく、そこで私は一つの答えにたどり着いた。
今現在、開発されている量産型のISの基本を見つめ直しつつ、コアが再利用出来るならそこから誰でも乗りやすい機体を開発すれば良いのではないかと。
「打鉄、ラファール、クアッド・・・ちょっと機体データを見ようっと!」
クイックセーブを忘れずにしてゲーム機の電源を落とすと同時にコンピューターに向かい、現行の量産機のデータをチェックする。
「ふむふむ、なるほどね。今のままだと機体の統一やカスタムがしづらい。それなら私自らがプランを立ち上げちゃおう!」
企画書を書き始め、ものすごいスピードで出来上がっていく。分厚くなった企画書の題名にはメイクワン・プロジェクトと記されていた。
◇
翌日、束は真っ先にプロジェクトを通そうと開発部やセルダに話を通しに行った。
現行の量産機のあり方を覆しかねないプロジェクトに緊急会議ではあまり良い顔をされなかった。
それには理由があった。支流が第三世代に傾いてきているとはいえど、現行は第二世代が支流である。それと並行した問題がラファール・リヴァイヴだ。この機体はフランスの大企業デュノア社がライセンス特許を持っており、一機を手に入れるだけでも何かしらの技術かISコアを提供しなければならない。
「それなら私が新しい量産機を作る際のフレームのサンプルと試作機を提供します。それでどうでしょうか?」
束からの提案に全員が首を縦に振り、プロジェクトは可決されアシュアリー・クロイツェル社も動いた。
先ずはデュノア社との交渉の席ではラファール・リヴァイヴ二機を要求した。無論デュノア社は簡単に譲るわけがなく、世界的大企業であるアシュアリー・クロイツェル社との技術提携契約とヴォルレントに関するオルゴン系統の技術を要求してきたのだ。
量産機二機に対し、企業による技術提携契約及びオルゴン系統の技術要求。これではデュノア社が圧倒的に有利な条件である。
そこでアシュアリー・クロイツェル社の交渉役は切り札を切った。
「こちらは開発予定の量産機、及びその基礎フレームに関する技術です。完成した後には機体と技術サンプルを提供すると我が社の技術部長からの署名もありますよ」
「む・・・!」
タバ=サの名で書かれている署名に目を通したデュノア社側は不利な位置に立った。
目的はアシュアリー・クロイツェル社における謎の技術の奪取であった。しかし、量産機による利益は技術奪取よりも遥かに上であると示されている。
「分かりました。そちらの量産機に関する技術を要求します」
「ありがとうございます。それでは」
鞄の中から書類を取り出し、デュノア社側の交渉役に書かせるとアシュアリー・クロイツェル側の交渉役も一枚の紙を取り出し、署名すると手渡した。
「こちらの証明書です。もし、契約違反があればそちらにお願いします」
交渉はトントン拍子で進み、デュノア社にもアシュアリー・クロイツェル社にも不利益がないスムーズな取引となった。
だが、これはあくまでも会社間としてでの話である。デュノア社の社長夫人であるエミリーはアシュアリー・クロイツェル社の持つオルゴンの技術を手に入れ、独占しようと企んでいた。
しかし、その目論見はアシュアリー・クロイツェル社そのものに打ち壊された。オルゴンに関する技術はどのような条件が出されようとも、流出を防ぐ為にエネルギー装置として使える技術だけを提供し、結晶化などの技術は伏せているのである。
「キイイ!あの技術が手に入れば莫大な利益が手に入ったというのに!まぁ、良いわ!またあの泥棒猫の娘を痛めつけて憂さを晴らしましょう」
そう呟くとエミリーは部屋を出ていった。憂さ晴らしの人形に自分の鬱憤をぶつけるために。
◇
交渉から一ヶ月後。企業代表候補生でもある政征と雄輔はこの世界のアシュアリー・クロイツェル社に呼ばれ、ラフトクランズを渡すように言われた。
機体の様子を見たいとフューリーの技術者達からの嘆願でもあった。待機状態の機体をスキャンにかけ、技術者の一人が端末を操作する。
「悪いな。あら・・・あらら」
「どうしたんですか?」
「何か問題が?」
「いやぁ、こりゃあマズイな・・・二機とも一度オーバーホールして機体のパーツを取り替えないと動かなくなっちまうぞ。どんな風に使えばこんなになるんだ?」
「・・・っ」
「無茶な使い方・・・か」
二人には覚えがあった。こちら側ではなく、向こう側の自分達が居た世界において破滅の驚異と戦った時であった。
追い返すためにやむ得ずクロスゲートに飛び込んだ際に損傷したままだったのだろう。
IS学園でのクラス代表を決める戦いにおいて使用出来たのは応急処置を済ませていたからに過ぎない。
オーバーホールということは一度機体をバラして修理と点検をする事だ。
その間の機体はどうなるのだろうと危惧する。
「ヴォルレントを使ってくれや、調整はこちらで」
「少し待って頂けませんか?」
技術長に声をかけたのはメガネをかけ、凛とした雰囲気を持った束であった。
「タバ=サ嬢ちゃんか、どうした?まさか、あの機体ができたのかい?」
「はい、まだ先行試作機ですが量産を前提にする為の機体ができました!」
「さすが嬢ちゃんだ!ほら行ってこい!」
催促された二人は束と共に特別ハンガーへと向かう。そこには二人にとって見覚えがるようで形の違う「幽霊」がいた。
「これって・・・量産型のあの機体!?」
「似てるが細かい部分が違っている?」
「二人共気づいたようですね?」
凛とした雰囲気に二人は困惑するが、あえてその言葉を口にした。
「束さん、その口調」
「似合いませんよ、格好が格好だけに」
「やっぱり?雰囲気だけじゃダメかぁ・・・服も買わないとね!それと、今はタバ=サって呼んでね?」
束はいつもの調子に戻り、笑顔になる。並行世界においても彼女のマイペースさは変わらないようだ。
「それで、タバ=サさん。ラフトクランズにオーバーホールが必要になるって聞いたんですが」
「それは本当ですか?」
「うん、本気と書いてマジと読むほど必要だよ。最低でも三ヶ月はかかるかな、IS学園の臨海学校くらいには間に合わせるけどね」
束は笑って流しているが、目の奥にある真剣さを見逃す二人ではなかった。
その為にラフトクランズを早々に技術長へ預けたのだから。
「オーバーホールは私も立ち会うから新品同然にしておくよ!」
「お願いします」
「それで、その間どうすれば」
「ただし、これは研究部長として、また会社の社員として頼みたいんだけどテストパイロットをしてくれないかな?それがオーバーホールの条件」
なにかしらの仕事があるだろうと覚悟していた二人だったが、テストパイロットをして欲しいと言われ、二つ返事で承諾した。断る理由はなく、むしろ新しい機体に触れてみたいという好奇心が出てきたのだ。
「それじゃ、この子達をお願いしたいんだ。名前は量産型シュテルンMk-II改・タイプIS・SFC。参考にしたのはゲ○ュペン○トちゃんだけどね」
「危ない!危ない!!」
「隠して隠して!」
「あはは、それじゃ簡単に説明するよ?この機体は二人がデータ収集し易いようにオルゴンエクストラクターが試験的に組み込まれているんだ。この二機は量産前提にするつもりだからね」
説明を聞いて納得仕掛けていたが雄輔が気になる疑問をぶつけた。
「量産前提?だって量産機は三つあるじゃないですか。うち一つは砲台ですけど」
「うん、当然の疑問だね。この機体はね。現行の量産機を一から作り直して長所を全て取り込んだらどうかな、という考えから作られたのさ!」
「コアとかはどうしたんですか?」
「機体が破壊された状態でコア自体が無事な物を再利用してるよ。再チャレンジさせてあげたいからね」
なるほどと納得した雄輔、政征も納得済みで相槌を打つ。
「それじゃ渡すよ。一号機がまーくん、二号機がゆーくんね」
腕時計のような形をしたのがシュテルンMk-II改・タイプIS・SFCの待機状態なのだろう。「幽霊」を参考に「星」が作られるとは面白い発想である。
「機体に関する事は全部報告してね?お願いだよ」
「強力な量産機・・・か」
「誰でも扱いやすくなるってのが良いんだろうけど・・怖いな」
束の頼みを聞きつつ、誰でも簡単に扱える力に恐怖を感じつつも二人は会社を後にした。
はい、ラフトクランズがお休みです。
流石に転移の影響はあるかと思います。
臨海学校編まで修理を受けます。
専用機ではなく試作機を託されました。
渡されたISのモデルは量産型ゲシュペンストMk-II改です。
篠ノ之箒(白の地球)の強化における能力覚醒(参考意見用)
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SEED因子
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イノベイター(純粋種)
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Xラウンダー
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念動力