超☆スーパーアルティメット『ニグン』   作:万田

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神都上京編3

 モンスター軍団を氷漬けにした後、先輩方との何とも気まずい空気を抜け、やっとの思いで神都に到着した。

 

 何とも言えない空気の中で聞いたが、先輩方が俺の生まれ持っての異能(タレント)を知っていたのは、俺の父が勝手に送った報告書に書いてあったためらしい。何勝手に報告書なんか送ってんだよ父さん。

 

「見えてきたぞ。あれが偉大なる六大神が建国した神都だ」

 

 立派な城壁に囲まれた、白を基調とした街並みが見えてきた。中心には白亜の城、否、白亜の神殿が薄っすらと見えている。

 

 俺達が通ってる街道は、土が丸出しの田舎道とは打って変わり、石で舗装された古代ローマ風の道となっている。そこには、神都に近いこともあり巡礼者がチラホラ歩いている。

 

 神都に到着したら、先ずは陽光聖典への入団手続き。そして、入隊した直後にとある魔法を掛けられる。そこからは丸一日自由行動だ。食い歩きでもしてようかな。

 

『私の午後はアフタヌーンティーから始まる。町に着いたら直ぐに準備しろ』

 

『町に着いて直ぐは無理だよ・・・まぁ、用事が終わったら大丈夫だけど・・・』

 

『よろしい!偶には役に立つじゃないか!』

 

 やっぱ辞めようかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「汝の信仰を偉大なる神に捧げよ」

 

 場所は中央の神殿。ステンドグラスや様々な鉱石で装飾され、格式高い場なのだと誰もが思うであろう。

 

 目の前には質素ながらも高級感あふれる衣服を纏った、おそらく相当な地位の神官。大手企業の代表取締役なんかと同じような小難しい雰囲気だ。

 

 片膝を付き、神官の向こうに居るのであろう神に頭を下げながら予め考えていた誓いの言葉を述べる。

 

「このニグン・グリッド・ルーイン、御身への感謝と忠誠を誓い、御身の剣となり盾となりましょう」

 

 勿論、神に忠誠など誓っていない。元々、前世は無宗教国家に生まれたためか宗教に関しての関心が薄いのがあるが、スレイン法国の主義『人類至上主義』には賛同しかねる、といったところだ。人類が団結しようという考えは好きだが。

 

「よろしい。ニグン・グリッド・ルーイン、我が元に来るがいい」

 

「はッ!」

 

 神官の前までゆっくりと歩いて行く。場には元々も厳粛だったが、さらに重苦しいな空気が流れ、入隊式?を見に来た数人の陽光聖典隊員も、ただでさえいかつい顔を難しくしている。

 

「~~~~~~~~」

 

 神官が呪文らしきモノを唱え、俺の肩に手を当てた瞬間に激痛が走った。脳を焼かれる様な痛み。自身の中の何かが制限を受ける様な不快感もある。

 

 この魔法の名前を明確に表すなら『束縛魔法』と言ったところか。特定の状況下で、特定の質問をされた時に発動する魔法。効果はシンプルで、対象を死に至らしめる、ただ一つだけ。情報漏洩防止にはうってつけだろう。

 

 ちらりと周りを見れば、陽光聖典の先輩方が苦い顔をしている。俺はこんなに痛いなんて聞いてないぞ・・・知ってたのなら教えて下さいよ・・・

 

「これにて洗礼の儀は終了とする。ニグンよ、人類の繁栄のためにその命を捧げよ」

 

「はッ!」

 

 痛みで歯軋りしそうなのを何とか抑え、頭をさらに低くし、声を上げる。

 

 それだけ言うと神官は奥の部屋に引っ込んでしまった。

 

 どうやら外に出てもいいようだ。まだピリピリとした痛みが残っているが、魔法を掛けられた時よりはだいぶマシになっている。歩くくらいは問題ないようだ。

 

『ヴァカめ!私の午後はアフタヌーンティーで始まると言っただろう!町に繰り出してコーヒーを用意したまえ!』

 

 この会話何回目だよ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今、俺の前にシルクハット(本人曰く海苔)を被ったムー〇ンが歩いている。

 

「お前!異形種だと思われたら即刻アウトだぞ!何勝手に出てきてんだ!」

 

 異形種絶対殺す我らがスレイン法国だ。さらに熱心な信者が五万と居る神都で、そのムー〇ンの様な姿を晒したら、石を投げられる如きじゃ済まない可能性もある。

 

 俺の心配を無視し、勝手知ったる様子で道を偉そうに歩くエクスカリバー。

 

「おい!聞いてんの「ヴァカめ!」か・・・」

 

「周りを見てみろ」

 

 エクスカリバーに言われて周りを見てみると、ムーミ〇の様な姿をこれでもかと晒しているエクスカリバーに反応を示す人間が一人もいない。ましてやこちらを見えていない様な気も・・・

 

「まさか!お前!グフェ!!」

 

 エクスカリバーに詰め寄るが、持っていた杖のクリップを首にかけられ、エクスカリバーの後ろまで引っ張られた。

 

「ヴァカめ!守って貰いたい千の項目57「3歩くときは必ず私の3歩後ろからついていく!」

 

「ゲホ!ゲホ!お前!首を引っ張る事はないだろう!」

 

「そう!君が思っている通り!私の力で認識を阻害しているのだ!」

 

 ダメだ。会話のドッチボールが成立しない。何故、父さんは普通に会話できていたのだろう・・・

 

 先程の儀式と、こいつとの会話のせいで精神的にも肉体的にも疲れている。明日から陣形の確認やらの訓練が始まるというのに・・・

 

 しばらく道を歩くが、エクスカリバーはどんどん細い通路へと進んで行く。本当にエクスカリバーの目的地に辿り着くのだろうか・・・

 

 エクスカリバーに元来た道を引き返そうと言おうとした瞬間に、エクスカリバーの足が止まった。

 

「着いたぞ」

 

 たどり着いたには一軒の家。外に出ている机や椅子などから、ここが喫茶店等の飲食店なのが分かる。

 

「お前いつの間にこんな所見つけた「ヴァカめ!勘だ」そうですか・・・」

 

「まあいいや。取りあえず入ろ「ヴァカめ!」う・・・何だよ・・・」

 

 本当にいちいち人の話しを切るの止めてくんねえか

な。

 

「ここは本当に私に相応しい店か調べるべきだろう!」

 

「いや、普通に入ろう「ヴァカめ!」よ・・・」

 

「いいか?飲食店というのはだな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから三時間。日は沈みかけ、空には星が見え始めている。

 

 小一時間程。飲食店とは何たるかを聞かされ、その後は何の脈絡もない話が逸れていった。

 

 勿論、俺は小一時間程話しを聞いた時に「もう帰ろう」と言ったさ。だが、それで奴が止まるはずがない。最後には掴みかかったが、腐っても最強の聖剣。返り討ちにされてしまった。

 

 そして、やっと長い話が終わり、この町での宿泊先に向かっているところだ。

 

 ちなみに、店には入れませんでした・・・




今回で上京編は終了です。次回からは少し時間が跳びます。

余談ですが文章を書いてる時に、作業用の曲を聴いてると書くスピードが上がります。『片翼の鳥』と『夢想歌』、『とある竜の恋の歌』は作業が捗るトップ3です。知らない人は是非聴いてみて下さい(露骨なステマ)
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