ベートローガの親友的ポジションで転生したのは間違っているだろうか? 作:狭霧
農穣の女主人の客の視線が紫苑一人に注がれる。
「ベート、君は相変わらずそのやり方しか知らないのかい?」
紫苑はベートに視線を向ける。
「あぁ?事実だろうが!」
紫苑へと怒りをあらわにする。
「おいおい、ベート俺を誤魔化せると思ってんのか?」
紫苑は笑い混じりにベートへ挑発をかける。
「ベート、お前が俺の事を分かるように俺もお前の事は分かってんだぜ?」
紫苑の口調が何時もの穏やかなものではなく怒りをあらわにしているように感じる。
「クソが!!人の事言える立場かよテメェはよ!!今でも過去に縋ってる奴がよ!!」
ベートは苦し紛れに紫苑へと言い返す。
「だからどうした?俺の事は今関係ないだろ?」
紫苑はそんなことかという表情でベートに軽く返す。
「もう一度聞くぞ?お前そのやり方しか知らないのか?」
紫苑はベートを見据え冷たい声色でベートへと問いかける。
「チィ!!」
ベートは舌打ちをすると店から出て行った。
「あんたら!!飯を食べないんだったらさっさと出て行きな!!営業の邪魔だよ!!」
ミア母さんの怒声が響く。
すると、冒険者達は一斉に食事を再開した。
「ミア母さん、済まない少し熱くなってしまったようだ。」
「次からはあんな事するんじゃないよ。」
紫苑は手に酒を持つと少しづつ飲んでいく。
すると、隣に赤髪の幼女が座り込んできた。
「すまんな、ベートが」
急に謝罪しだす幼女に口を開く。
「別に構わないよロキ、僕は気にしていない、それよりもベル君を見つけに言った方が良いきっとダンジョンに行ったからね。」
「そうやなぁ、ベルたんも探さなあかんなぁ、それよりも紫苑はまだ入る気にならんのか?」
ロキは首を傾げながら紫苑へと問う。
「僕にはファミリア入る資格などないさ、さてロキまた会おう。」
紫苑はそう言い残すと店から出た。
「全く、彼奴の手紙通りかこの1年でなんも変わっとらんやからウチは紫苑が気に入ってんのかも知れんなぁ。」
ロキの呟きは店の騒ぐ声に掻き消されていった。
sideロキファミリア
「アイズたーん、ママー」
アイズは呼ばれた方を振り向き、リヴェリアは言った張本人を叩いた。
「誰がママだ!!」
ロキは頭をこすりながら言う
「ええやん、というかお願いがあんねん。」
二人は察したように席を立つと
「分かった。」
「ベルを探してきます。」
と言い残して店を出て行った。
sideベル
(もっと強く強く!!じゃないとまたあんな思いを!!)
ベルはダンジョンに潜っていた、目の前にいるウォーシャドウとやりあっていた。
ウォーシャドウの一匹を倒すと次のウォーシャドウへと挑む。
(もっと速く、次の一手を)
ベルは思考を展開させ、目の前のウォーシャドウを袈裟切りにて倒す。
力尽きたようにベルはその場で倒れてしまう。
「やるじゃねぇか、ただの雑魚じゃねぇみてぇだな。」
ベルは薄れゆく意識のなか声のみが聞こえる。
「ベートはツンデレだな。」
「あぁ?紫苑テメェ?殺されてぇのか?」
ベルは謎の浮遊感に襲われた。
「全くベートは素直じゃないね、ベル君の事が心配でダンジョンまでおってきたんだからねえ。」
ベルはその声を聞くと意識を手放した。