前回について少し補足を。
ボブの装備の中に、バックパック型(以下略)という謎の物が含まれていましたが、あれは腕の無いクリーパーが武器を扱う時の為の腕代わりです。
あとどうでもいい補足ですが、ランドが飲んでたコーヒーもどきはカフェインが入ってないという設定です。はい、本当にどうでもいいですねw
では本編へgo!
~翌日~
目覚まし時計ではなく、出撃用のベルで目を覚ます四人。
やはり出撃命令は下ったようである。
各自装備を整えると、告げられた集合地まで向かう。
途中で練兵所から兵を召集し、寺院基地の現在の兵数は5000人となった。
集合地で友軍と合流し、総勢16000人の兵を引き連れモンスター集落への援軍に向かった。
モンスター集落は、地上に達した渓谷の斜面をくり抜いて作られた家と、同じように作られている店や街道で形成されている、多くのモンスターが住む場所であり、約30000人のゾンビやスケルトンが生活している。
ここはモンスターの土地と人間の土地の境目近くにあるため、モンスターの討伐という大義名分で略奪を行う為にやって来た人間によって、今回の戦闘の火蓋は切って落とされたのである。
この渓谷は南北にほぼ真っ直ぐ伸びており、北門、東門、西門、南門の四つの入り口がある。
今回は、モンスターが南、人間が北に陣取っており、東門と西門よりやや南側が最前線である。現時点では、モンスター側が少し押し負けているようだ。
集合地から歩いて北上する事約10分、銃声が盛んに聞こえるようになった。戦場と見られる渓谷も、目視できる。
今回の作戦は、まずボブと友軍の隊長が兵6000を率いて敵を横から奇襲する。
敵が怯んだ所へランド、ゾディーナ、スカルが兵10000を率いて元々居た軍に加勢し、一気に攻め落とすといった作戦である。
奇襲の成功は照明弾で伝えられ、失敗した場合は狼煙が上がるということになっている。
ボブらは全身に緑迷彩を施し、武器等にも十分に塗装されている。遠くから見ると、まるで緑の葉の塊が前進しているようである。
ボブらが出発してから15分ほど経つと、ズーン…ズズーン…という地鳴りに似た爆発音が響き、敵の方から叫び声が聞こえる。
しばらくすると、赤色の照明弾が空に打ち上げられた。奇襲は成功したようだ。
ス「奇襲の成功を確認。全軍突撃!」
スカルの合図とともに、待機していた援軍が南門から渓谷に雪崩れ込む。
身を隠せる程度の物に隠れつつ、たまに顔を出して狼狽している敵を撃っていく。
狙撃兵は高台から、撃ち返そうとする敵を片っ端から射殺していく。高低差があるとはいえ、凄まじい腕前である。倒された死体を見ると、ほぼヘッドショットである。
これを機転に、モンスター側は一気に勢いを盛り返し、形勢を逆転させた。が、ここで思わぬ事態が起きる。
敵が奇襲による混乱から予想よりも早く立ち直り、前線に戦力を集中させ始めたのである。さらに増援も到着し、モンスター側がまたジリジリと押され始める。
ラ「(このままではマズイ)」そう感じたランドが、ここで行動を起こす。
なんと、何にも隠れずに敵の射線の前に飛び出したのである。
トランシーバーからゾディーナが「何を考えてるの!?」と焦り混じりに怒鳴る。
敵もしばらく唖然としていたが、やがて「血迷ったか!」「あの世に行け!」などの言葉と共に銃弾が飛んでくる。
しかしランドは依然として仁王立ちのまま。もうだめだ、と味方が目を覆おうとした次の瞬間、敵も味方も目を疑った。
彼めがけて発射された弾丸が、彼を逸れて別の方向に飛んでいく。
「どういう事だ?」「何なんだあいつは…?」「何が起こっているんだ?」両軍でどよめきが起こる。
「怯むな!撃てぇーッ!」という声が人間の方で起こり、再び弾丸が彼めがけて飛ぶ。
が、今度は弾丸が彼の目の前でピタリと止まり、更に彼が人間の方に腕を向けると、空中に止められていた弾丸は高速で人間の方に飛んでいく。
弾丸が何人かの人間に命中し、短い悲鳴を上げたあと、その場に倒れた。
目の前で次々と起こる奇々怪々な現象に呆気に取られている人間にむかって
ラ「どうした?もう終わりか?」
と彼が一言放つと、人間側は怯み上がってしまい、
「に、逃げろおぉぉぉー!」「あいつは化け物だ!勝てるわけがない!」「アイエエエ!?エンダーマン、エンダーマンナンデ!?」「嫌だ!死にたくない!」
と口々に叫びながら潰走していく。
モンスター側は歓声を上げながらこれを追撃し、さらにランドが具現化を使って生み出した無数の龍(殺傷能力は無い)を飛ばした事により、人間は全軍戦意喪失し、我先にと引き返していった。
テレキネシスを解き、逃げていく人間を眺めながら達成感と安心感に浸っていたランドだが、突如人間の間から飛び出てきた白い何かを下腹部に受け、後ろ向きに倒れる。
ラ「!?」
白い何かは人形をしており、容姿は人間そっくりである。
すぐさま体勢を立て直し、ショットガンを構えて臨戦状態を取る。
ラ「動くな!両手を上げて武器を捨てろ!」
威圧的に低い声で警告したが、周りに居た味方は敵の追撃に向かってしまったため誰も居らず、もし自分の手に負えないような敵だったらどうしようと、内心かなりビビっていた。が、返ってきた答えは以外なものだった。
???「う、撃たないで!」想像より遥かに幼い声が返ってきた。
白い何かは両手を上げてすんなりと命令に従っている様子である。
口調からして敵意は無く、むしろ怯えているような様子だった。しかし油断は出来ないためひとまずショットガンを下ろしたものの、いつでも撃てるように引き金に指はかけておいてある。
少し口調を和らげて尋ねる。
ラ「驚かせてすまない、えっと…君は人間の兵士?」
?「………(ビクビク)」
ラ「あー…分かりづらかったか、戦ったりとかしてる?」
?「………(ボロボロ)」
ラ「(泣いちゃったか…流石に脅しすぎたな…)」
さすがにやり過ぎたと感じたランドは、ショットガンをしまい、手を下げていいと告げる。
彼女の身長は1.7ブロック程しか無い。いざとなったら体格差で何とかなるだろう。
ラ「すまない、初対面で銃を向けられるのは流石に怖いよな…ほら、これでも食べて元気出して。」
昨日焼いたクッキーを三枚ほどバッグから取り出し、その子にあげた。
そしてスカルに連絡を入れる。
ラ「こちらランド、東門付近にて人間と接触した。向こうに敵意は無いと見える。至急、合流を願う。」
ス「了解。こちらも敵の撃退を完了した所だ。すぐにそちらへ向かう。そこで待機していてくれ。」
連絡を終え、スカルらが来るまで待機していた。
先程の子はしばらくの間クッキーの匂いをかいだりしていたが、安全な物と見たか、少しずつ食べ始めたようだ。
少し経ってから、スカルやゾディーナが到着した。ボブらは地上で待機しているようだ。
ス「ひとまず、地上でボブと合流しよう。」
残った兵をまとめて、三人は地上に出た。
スケルトンの友軍の隊長が出迎える。
友軍隊長「あなた達が加勢に回ってくれて良かった。本当にありがとう…ここは私の故郷でもあったから。」
ラ「(故郷…か…守ることができて本当に良かった…で無きゃ今頃あの人は…)」
ボ「三人とも無事だったかー!よかったよかった!…ん?そのお嬢さんは…?」
ス「後で話す。とりあえず、基地まで戻ろう。」
ゾ「そうだね…ああ、疲れた~…」
僕たちは友軍隊長に別れを告げた後、練兵所に残った兵を送り届け、犠牲となった兵に慰霊の儀式を行った。
そして、寺院基地への帰路についたのである。