やはり俺が六花で生きるのは間違っている。   作:さめのひと

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綾斗が星導館に入る2年前からスタートします。


プロローグ

『…適合検査を終了します』

 

そんな無機質なアナウンスが室内を駆け巡る。

 

 

その無機質なアナウンスを耳にすると同時に、身体の拘束具がオートで外されていった。

 

拘束具が外れた後も…かなりの無茶をしでかした所為だろうが、体の節々が痛む。

 

 

「しししし!まさかあの孤毒の魔女(エレンシュキーガル)に続いて二人目の成功とは…正直、私も予想外です」

 

横から青髪の女子が声を掛けてくる。

 

 

「なんだっていいさ…力さえ手に入るなら」

 

俺はぶっきらぼうに答えた。

 

 

俺こと比企谷八幡は、所謂"非星脈世代"と呼ばれる側の人間だった。

 

そして過去形なのは、今をもって星脈世代になったからだ。

 

 

先ほどの声を掛けてくれたヒルダ・ジェーン・ローランズ、通称《大博士》と呼ばれるこの女子の手に星脈世代になることができた。

 

 

「うーん、でもパルスデータとかからパターンが読めればいいのですが…比企谷さんを含めて二人の成功例だけだと、なんともいえませんねぇ。なにせ、二人とも成功してる筈なのに、データが全然違いますから」

 

正直なところ、俺からすればそのあたりはどうでもいい。

 

こんな人体実験じみたことを経験しようとは、3年前の自分からすると、まさに考えられないことだっただろう。

 

 

「とりあえず、六花に星脈世代として入るまでにどれぐらいの冷却期間が必要なのか教えてもらってもいいか?」

 

「うーん…概算になりますが、1~2年ぐらいあればまぁ、大丈夫でしょ」

 

そう、俺が参加しているこの"ハーキュリーズ計画"は凍結されているものをローランズが無理矢理行っているだけだ。

 

そこに俺が被検体として名乗りを上げたに過ぎない。

 

 

「まぁ、ここに長居しすぎてもアレだから俺はそろそろ帰るわ」

 

警察的なのに捕まったら元も子もない。

 

「わかりました。何かあったら連絡してください」

 

しししし、と特徴的な笑いを浮かべ、別れの言葉を口にする。

 

 

そして研究所を出て、一息つくと同時に

 

「待ってろ…天霧遥」

 

妹の小町を手に掛けたかもしれないその名前が、口から零れ出た。

 

 

3年半前に行方不明になった俺の妹の小町の行方を知ってるかもしれないその女を、必ず見つけ出して、全部聞き出してやる。

 

その後、復讐になるかどうかは経過次第。

 

 

これからはまずは指標を探さねばならない。

 

小町の行方を推察しようにも、現段階では余りにも情報が少なすぎる。

 

だが、俺にはこれでひとつ大きな目標ができた。

 

 

 

「必ず、全部明かしてみせる」

 

その呟きは、誰に当てたものでもない。

 

俺の覚悟を決めるための呟き。

 

 

そんなことを考えながら、小町の生きた道をなぞる第一歩を、俺はようやく踏み出すことができた。

 




俺ガイル×ワートリも、今月に間に合うように投稿したいと思っております!
だが、仕事である…






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