第一のナイフ   作:星の王子(笑)。

1 / 1
朱い狼

恭兵side

 

銃弾の飛び交う戦場で、俺は腰に指したナイフを両手に持つ。

 

「居たぞ!朱い狼(レッドウフル)だ!」

 

「ちっ…」

 

建物の影に身を寄せていたのがばれ、奴等は建物ごと容赦なく撃つ。

咄嗟に避けることに成功した俺は、そのまま奴等の下まで駆ける。途中、飛んでくる弾丸を避け、またはナイフで弾いていく。

 

「死ね」

 

近づけば、あっという間に二人の首を撥ね飛ばす。

 

「う、うわぁぁぁっ!?」

 

同僚の撥ね飛ばされた首を見て、男は銃を乱射するが、首を撥ねた死体を蹴り飛ばして動きを止める。

 

「おとなしく死ね」

 

男の首は一瞬の間に飛ぶ。

既に見慣れてしまった返り血も気にせず、次の戦場に走る。

 

 

 

どうやら俺は、戦場(ここ)では朱い狼(レッドウフル)と呼ばれているらしい。その意味を聞いたら、返り血を気にせず狼のように首をカッ切るからだそうだ。

どう考えても、中学生になったばかりの年齢の子供につける二つ名じゃないな。

 

「恭兵。お前、日本に帰れ」

 

「はぁ?…意味分かんないんだが」

 

愛用のナイフの手入れをしていると、一応実の父親である大神恭介からの戦力外通告か。

 

「お前もそろそろ日本で勉強をした方がいい。こんな血生臭い戦場(トコ)にいてもロクなことないぞ」

 

「損得じゃない。俺の居場所は日本じゃなく、この戦場だ」

 

「それを決めんのはまだ早いだろ。お前はまだガキだ、日本で学んでからでも遅くはねぇ……それに、最近日本の知り合いが手を貸してほしいって言っててな」

 

「…今更日本の平和ボケした奴等と、一緒に居られるか」

 

「それがそうでもないらしい」

 

 

 

 

 

四年後

 

 

 

「早く起きろ」

 

「ぐえっ」

 

同居人の濁り目のアホ毛野郎を蹴り起こす。

 

「起きたか、遅刻しても知らんぞ」

 

それだけ言って早々に家を出る。誰だって遅刻は嫌だ。

 

「…もう四年か」

 

今でも思い出されるのは、七年以上もどっぷり浸かった戦場。ナイフでひたすら殺しまくった。

まぁ、今でも似たようなことをしているんだけどな。

 

「奈良坂か」

 

「大神…比企谷はいないのか?」

 

「寝坊だ。俺は三回起こしたぞ」

 

おもに蹴りで、と呟く。

 

「そう言えば、米屋は無事に進級できたのか?」

 

「ああ、隊全員でひたすら教えたからな」

 

「…お前もご苦労なことだ」

 

「それはお互い様だ」

 

話しているうちに、教室前についたので、またといって別れる。

 

 

 

 

学校は半日で終わり、鞄を持って隣のクラスに居るであろうアホ毛を迎えにいく。

 

「…おい、そこの席の奴は?」

 

アイツは居なかった。ボッチのアイツには行くところなんでないはずだから、その後ろの席の女子に聞く。

 

「お、大神さま!?申し訳ございません!見てないです!」

 

「…そうか」

 

反応のしかたに気になるが、先ずはあのアホ毛を探さなければ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。