仮面ライダーリリカルオーズ 世界を救う欲望   作:シラカンバⅡ

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カウント・ザ・メダル!!
今オーズが使えるメダルは。

タカ×2
クジャク×1
コンドル×1

カマキリ×1
バッタ×1

トラ×2

サイ×1
ゴリラ×1

ウナギ×1
タコ×1


第6話 剣とバイクと念願の家族

 オトシブミヤミーとの戦いも終わり、一件落着と思いきや……

 

「映司! 一体何なの、その姿は!?」

「それにあの怪獣みたいなのは何だったの!?」

「え~っと……どこから説明すれば良いんだろ?」

「アリサちゃんもすずかちゃんも落ち着いて」

「「落ち着けないよ(わよ)!!」」

 

 アリサ達に事情聴取をされる事になってしまった。

 ちなみにアンナは、オトシブミヤミーのセルメダルを吸収するのに忙しく、彼女の口から説明してもらうには、まだ時間が必要だった。

 

「じゃあ、まずは、僕のこの姿はーー」

「オォォォォォズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

「「「「「!?」」」」」

 

 今の自分の姿から説明しようとした矢先、轟く怒号によって阻まれる。

 現れたのはウヴァ。

 自分のヤミーを倒されたせいで、怒り心頭のようだ。

 

「オーズ! 貴様、よくも俺のヤミーを!!」

「誰!?」

「あ、さっきの!!」

 

 突然の襲撃者に動揺する一同。

 そんな中アリサは、ウヴァと戦っていた鮫島の安否が気になり、思い切って尋ねた。

 

「鮫島は!? アンタ鮫島をどうしたの!?」

「ん? あの老兵か。 奴ならピンピンしているぞ、結局勝負は付かなかった」

 

 こんな得体の知れない怪人を相手に五体満足……

 鮫島の戦いを見ていたアリサとすずかは、改めて鮫島が何者なのかを気になった。

 戦いを見ていなかった映司とアンナの場合、変身してもいない人間が、ヤミーより数段強力なグリードと、まともに戦っていた事に驚いた。

 

「オーズよ、まさかお前まで復活していたとは」

「オーズって……まさか、僕の事?」

「言い忘れていた。 変身した人間は、オーズと呼ばれる存在になるんだ」

 

 映司の疑問に答えるアンナ。

 次にウヴァはアンナに矛先を変えた。

 

「そしてアンナ。 何故我々を裏切った?」

「私はあの組織の奴らに飼い慣らされるのはゴメンだ。 第一、奴らは胡散臭い。 お前達こそ、アイツ等に尻尾を振るのは嫌だろう?」

「当たり前だ。 勝手に俺達を復活させた挙げ句、実験動物扱いされているんだからな!」

「ならばーー」

「だが奴らは強大だ! 勝つためには、完全体になる必要がある!」

 

 アンナとウヴァの会話を聞いてみると、グリード達は自分達を目覚めさせた者達を嫌っているようだ。

 実験動物という……物騒な扱いをされれば、それは当然だが。

 

「だからアンナよ! 俺達のコアメダルを返せ!!」

「悪いが断る。 完全体になれば、お前達は世界の欲望を食い尽くすまで止まらんだろう?」

「それがグリードだ!」

「人に迷惑をかけない範囲ならまだしも、欲望を食い尽くすという事は、この世界を滅ぼすという事でもある。 私がそれを看過すると思うか?」

 

 まだグリード達への認識は浅いが、ウヴァは自分の目的を果たす為なら、世界の存続は気にしていない。

 しかしアンナは、同じグリードであるにも関わらず、グリード達の敵になる道を選んだ。

 これには、アンナ自身の過去に関係が有るのだが、この時の映司達には知る由も無い事だ。

 

「同じグリードと言っても、お前と俺達には根本的な違いが有ったな……道を違えるのは必然か」

「そういう事だ」

「ならば容赦はせん。 まずは、俺のヤミーを倒してくれた礼からしてやるぞ!!」

「うっ!?」

 

 そう言ってウヴァは映司に襲い掛かる。

 戸惑いながらも、応戦する映司だが……

 

「フッ! ハッ! ハアッ!!」

「くっ!? あっ、ああっ!」

 

 ウヴァの猛攻撃に押され、火花を散らしながら吹き飛ばされてしまう。

 それでも立ち上がり、タジャスピナーから火炎弾を発射して反撃する。

 

「甘いっ! ツアッ!!」

「なっ!? うわあっ!!」

 

 オトシブミヤミーより遥かにサイズが小さい上に、そもそもスピードが違う為、ウヴァは火炎弾を容易にかわし、映司はカウンターを受けてしまった。

 

「映司君!! 頑張って!!」

「映司!! シャンとしなさい!!」

「映司君!! 負けないで!!」

 

 なのは達は懸命に戦う映司を応援する。

 だが、アンナの顔は優れなかった。

 戦闘経験が浅く、しかも今日1日で3回目の戦いにより、映司の体力は消耗している。

 トドメにグリードが相手では、勝てる要素が見当たらなかったからだ。

 

(マズい、今の映司ではグリードはまだ……)

 

 必死に戦う映司に、勝てる作戦を考えてやれない自分を情けなく思うが、それでもアンナの思考は止まらない。

 

(短時間なら、私はウヴァの動きを止められる……だが奴にはまだ隙が無い、せめて奴のペースが乱れれば……)

 

 映司を勝たせる為に、策を弄するアンナは決断した。

 

(ダメージは与えられないが、私の援護射撃でウヴァのペースを狂わせてやる)

 

 手をウヴァに向け、アンナは狙いを定める。

 だが、1台のバイクが猛スピードでウヴァに突っ込んで行くのをみて、思わずそちらに注目してしまった。

 

「ぐわああっ!?」

「えっ!?」

 

 ウヴァがバイクに跳ね飛ばされ、映司は困惑する。

 バイクに乗っていた人物は、フルフェイスヘルメットを被り、高級そうな白いスーツを着こなしていた。

 見た目からして男性と思われる乱入者は、ヘルメットを外し、正体を明かす。

 

「「鴻上会長さん!?」」

 

 そう、現れたのはこの海鳴市、いや世界的にもトップクラスの巨大企業、鴻上ファウンデーション会長の鴻上光生(こうがみこうせい)であった。

 鴻上を知っていたアリサとすずかは驚き、そういうのに疎かった映司となのはは首を傾げ、アンナとウヴァは怒りの表情を見せた。

 

「貴様!! 何故ここに!!」

「そうだ!! 俺達を復活させた奴らの片棒を担いだお前が、何しに来た!!」

「贈り物を届けるのに理由が必要かね?」

 

 鴻上はアンナとウヴァからのプレッシャーをモノともせず、映司に長方形の箱を渡した。

 

「ハッピーバースデー!! オーズ!!」

「えっ!? コレって一体……?」

「ケーキをこの場でプレゼント出来ないのは残念だが、それは後で必ず送ろう! それは君へのプレゼントだ! 開けてみたまえ!」

 

 言われた通りにしてみると、箱に入っていたのは、全体的に白い配色の剣であった。

 

「何ですか、コレ?」

「鴻上ファウンデーションが君専用に作り上げた剣、メダジャリバーの試作品だよ!」

「メダジャリバー?」

 

 メダジャリバーをよく見てみると、オーメダルを入れられそうな投入口が有る上に、鍔にはレバー、刀身の中央は透明なパーツが使用されていた。

 

「ソレは今日から君の物だ。 存分に使ってくれたまえ!」

「えっと……ありがとうございます!」

 

 映司からの感謝の言葉に、鴻上は気分が良さそうな顔をする。

 一方、自分を無視して物事を進められているウヴァは、ヤミーを倒された事とは別の怒りを持って、映司に攻撃を仕掛けて来た。

 

「何時まで俺を無視してるんだあぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「来たよ、映司君!!」

「うわっ! このっ!!」

 

 メダジャリバーを右手に持ち、ウヴァとの戦いを再開する映司。

 

「ハアァァァッ!!」

「くっ!? タアッ!!」

「うおっ!」

 

 ウヴァのパンチをタジャスピナーで防ぎ、メダジャリバーで突きを喰らわせる。

 鴻上の乱入により、ペースを乱されたウヴァに、タジャスピナーで防ぎながらカウンターを与え続ける映司。

 

「やっ! ハアッ!!」

「ぐっ!」

「とうっ! ヤアッ!!」

「うおおっ!?」

 

 ここで、映司の戦い方が変わってきた。

 受けながらの反撃から、自分の方から積極的に攻めるようになったのだ。

 メダジャリバーの攻撃が防がれたら、タジャスピナーで殴り、ウヴァが反撃して来たら、メダジャリバーで受け止め、火炎弾を至近距離で撃った。

 流石のウヴァも、至近距離からの射撃は避けられず、しかも火炎攻撃は自分のヤミーと同じ弱点でもあるので、ダメージは相当のモノを受けた。

 

「ふっ! タアッ! タアッ! タアッ!」

「ぐわあああっ!!」

 

 メダジャリバーで腕を弾き、火炎弾の3連射を腹に受けた事により、ウヴァはセルメダルをばらまきながら、大きく吹き飛んだ。

 

「映司君! いっけええええっ!!」

「その調子よ映司!」

「カッコいいよ映司君!」

 

 映司の健闘を見て、なのは達の応援にも熱が入る。

 風は映司に向かって来た。

 今度はウヴァが劣勢に陥った。

 

「映司君! セルメダルを3枚メダジャリバーに入れて、レバーを動かしてみたまえ! 切れ味が上がるよ!!」

「ハイッ!!」

 

 オトシブミヤミーを倒した時、タジャスピナーから外した3枚のセルメダルを言われた通りに装填すると、刀身のクリアパーツに3枚のセルメダルが収まっているのが確認出来た。

 

「おのれえ!」

「タアァ! ヤアァァァァッ!!」

「うっ、おおおおおっ!?」

 

 立ち上がったウヴァに、火炎弾で牽制しながら駆け寄り、映司は豪快に切り裂いた。

 切れ味が上がったメダジャリバーの斬撃を受けたウヴァに、更なる追い討ちが来る。

 

「こ、コレは!」

「今だ映司! 私がウヴァの動きを抑える、必殺技で一気に行け!!」

「メダジャリバーに装填したセルメダルをオースキャナーで読み取ってみたまえ! 凄い必殺技が使えるぞ!!」

「いきますっ!!」

 

 ウヴァの体が、アンナの作った赤く光るロープのような物で縛られ、鴻上のアドバイスを受けた映司は、3枚のセルメダルを読み取った。

 

「トリプル! スキャニングチャージ!!」

 

 音声が流れた直後、メダジャリバーから巨大な光子の刃が形成され、最初はその事に驚いたものの、意を決した映司はウヴァに向かって、左から右に薙ぎ払う。

 

「喰らえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」

 

 映司の渾身の一撃を受けたウヴァは、見えない所まで吹き飛ばされた。

 

「「「やったああああああ!!!」」」

「良くやった、映司!!」

「お見事だ!!」

「あれ?」

 

 映司の勝利に、なのは達は歓声を上げ、アンナと鴻上は賞賛の声を掛けた。

 だが、ふと下を見てみると、緑のメダルが映司の視界に入った。

 クワガタムシの紋章が刻まれた、ブルーグリーンのメダルだった。

 

「これは……?」

「それはさっき飛んでいったウヴァのコアメダルだ。 戦いに勝利した事による戦利品というヤツだ。 とっておけ」

 

 そう言われた映司は、クワガタのコアメダルを拾い、アンナに預けた。

 その直後、鮫島がやってきた。

 

「お嬢様! すずか様!」

「「鮫島(さん)!!」」

 

 鮫島の無事を喜ぶアリサ達に、鮫島は笑顔を浮かべる。

 そして鮫島は映司の方に向き直り、深々と頭を下げた。

 

「お嬢様方を守って頂き、誠にありがとうございます」

「いえ、そんな……」

「本当よ映司! お礼を言うのが遅くなっちゃったけれど、ありがとう!」

「ありがとう! 映司君!」

 

 3人からお礼を言われて照れる映司に、なのはとアンナ、鴻上は微笑む。

 ここで、アリサ達の言葉に疑問を持った鮫島が尋ねる。

 

「映司様? もしや……」

 

 映司は変身を解除して、鮫島に正体を明かした。

 最初は驚いた鮫島だが、直ぐに笑顔になり、もう一度映司に向かって深くお辞儀をしながら、お礼の言葉を述べた。

 その後映司は鴻上の方を向き、お礼を言った。

 

「鴻上さん……で良いですか? メダジャリバーのおかげで助かりました。 本当にありがとうございます」

「気にしなくても良いよ。 私としても、我が社が作り上げた物が人助けの役に立てるのは実に素晴らしい!! と、思っているからね。 君へのプレゼントはもう一つ有るんだ」

 

 そう言って鴻上は映司に、自分が乗ってきたバイクを紹介する。

 

「メダジャリバーと同じく、我が社が開発した新型バイクの試作品、ライドベンダーだよ!」

「ライドベンダー……」

「完成品は、出来た時にご紹介しよう。 このライドベンダーはセルメダルをエネルギーにして動く。 ここにセルメダルを1枚入れるんだよ」

 

 鴻上が指で指し示した所には、確かにセルメダルを入れられそうな投入口が有った。

 

「プレゼントは渡し終えた。 この辺で私は失礼させてもらうよ」

「待て、鴻上。 お前は一体なんのつもりで映司を助けた? 奴らとはどういう関係だ」

「彼らとはビジネスで付き合っているに過ぎない。 私には私の思惑が有るのだよ」

 

 アンナは鴻上を睨みながら問い掛け、鴻上はグリード達を復活させた組織とは関係無く映司を助けたと言い放った。

 しばらく睨んでいたアンナだが、鴻上の目を見て、嘘を点いていない事を確認すると、フンと鼻を鳴らしてソッポを向いた。

 それを見て微笑んだ鴻上が立ち去ろうとすると、映司は心配そうに声を掛ける。

 

「でも鴻上さん。 このバイクが無くても帰れるんですか?」

「心配ご無用! 電話で連絡すれば直ぐ迎えが来る」

 

 鴻上は懐からスマートフォンを出しながら、笑顔で言った。

 どこかに電話を掛けながら立ち去っていく鴻上に、映司は大声で感謝の言葉を伝える。

 

「鴻上さーん!! 色々と、ありがとうございましたー!!!」

 

 鴻上は映司達に向かって、片手を振りながら帰っていった。

 

「映司君、私達も帰ろう」

「そうだね。 僕もう疲れちゃった」

 

 そう言って映司となのはは帰ろうとするが……

 

「「映司(君)。 私達まだ説明してもらって無いんだけど」」

 

 映司の両肩に手を置きながら、グッドスマイルを浮かべるアリサとすずかに捕まった。

 

 ◇◇◇

 

 落ち着いて説明する為に、映司の家に来た一同。

 今日なのは達は泊まっていく事が決まり、鮫島は先に帰っていた。

 なお、こういう時の為に、なのは達の服と下着が映司宅には有る。

 アンナがメイン、映司となのはが補足するような形で説明が終わった。

 最初は映司が危険な目に遭う事に反発していた2人だが、関わった以上は最後まで関わっていくと言う、映司の熱意に負けた。

 

「それにしても、オーズって仮面ライダーそっくりよね」

「「えっ?」」

 

 アリサの発言に、映司とアンナが反応した。

 

「そう言えば似てるよね」

「うん。 私もそう思ったの」

 

 変身している時の自分の姿がよく分からない映司と、そもそも仮面ライダーを知らないアンナは、なのは達から説明を受けた。

映司宅に有るパソコンを使って動画サイトにアクセスし、『仮面ライダー』で検索してみると、映るのは仮面の戦士達。

 

「確かに似てるな」

「でしょ」

「僕が、仮面ライダーに……」

 

 仮面ライダー……それは、今もこの世界のどこかで戦い続ける者達。

 彼等は誰かに命じられた訳では無く、自分達の意志で人々の平和な日常を守る為に、過酷な運命を受け入れた勇者達なのだ。

 そう呼ばれる事を、映司は嬉しく思った。

 ずっと昔から憧れていた者になれたという、不思議な思いが有ったのだ。

 

 その日はアリサ主導の下、映司の変身ポーズや必殺技の名前の考案、もう一度オーズに変身して欲しいとねだったなのは達による、映司撮影会が行われた。

 ちなみに、住居の無いアンナは、映司の家に住む事が決まった。

 元々家族が欲しかった映司は大歓迎したが、なのは達からは猛反対された。

 結局、コアメダルを保管し、映司の戦いをサポート出来るという事で、3人は渋々了承した。

 その夜は、家族が出来た事に喜んで、張り切った映司が作ったご馳走と、鴻上ファウンデーションの社員が届けてくれたケーキで、ささやかなパーティーとなった。

 

 ◇◇◇

 

 その日の深夜、アンナは1人月を見ながら、憂いの表情を浮かべていた。

 

「成り行きとは言え、あんなに小さな子供を巻き込むとは……」

 

 映司の前には厳しい戦いの運命が待ち受けている。

 そんな事に巻き込んでしまった自分を恥入りつつも、アンナは決心した。

 

「だからこそ、私が必ず、映司を守るのだ……!」

 

 しかし、運命とは分からない。

 異なる次元からの欲望と、この世界の欲望は既に出会ってしまっていたのだ…………

 

 




次回から、無印に突入します。
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