MH-1O-Gz 平行世界のMH世界にトリップした者達 作:夜鹿
武器を持たずにこれからの事を考えている彼女達に、青い皮を持つ鳥竜種のモンスターがゆっくりと近付いていく。そのモンスターの赤いトサカは群れの長の証であるが、このモンスターは手下となるモンスターを1匹も従えていない。それでもそのモンスターは気にしていない。
世間一般から見ればドスランポスと呼ばれる見た目のモンスターが群れを作っていないのを見て、誰もが疑問に思うだろう。なぜこの長は手下であるランポスを連れていないのか。……それはこのドスランポスが普通と違うからだ。
『-ーーーッ!!』
そのドスランポスは涎を垂らしながら彼女達に近付いていく。その涎は3回も餌を逃した事による空腹を彼女達で満たそうとしていたのだ。ただ、その涎の量はまるでご馳走を目の前にしたかのような目をギョロギョロと動かしていた。
しかし、ドスランポスの前に別のドスランポスが飛び出してくる。そのドスランポスは群れを率いており、彼女達を山分けしようとでも言うように吠える。しかし、群れの長であるドスランポスは次の瞬間、空腹なドスランポスに飛びかかられていた。
『ーーーーッ!!』
背中に爪を食い込まされた事の痛みから、群れの長は声にならない叫びをあげる。ただ、その痛みで悶えた事から、空腹なドスランポスを振り落とした。だが、群れの長が反撃しようとすると先程爪の食い込んだ背中から弾けるような感覚が長を襲った。
その時、長の背中の肉が弾けていた。まるで中に散弾銃でも仕掛けられたかのように、長が動こうとする度に背中の肉が弾けていく。その光景を見て逃げ出すランポス達だが、彼女達がいる方向に逃げ出したランポスを空腹のドスランポスは逃がさなかった。
ランポス達は次々と空腹のドスランポスの爪で切り裂かれていく。ランポス達の受けた傷は浅いが、ある者は毒に犯され、ある者は麻痺に倒れ、ある者は粘液が爆ぜたような衝撃に襲われた。
次々倒れていくランポス達は、そのドスランポスの爪が七色に輝いているのを最後の光景として目に焼き付けていく。ただ、手下のランポス達が次々と殺されていくのを黙ってみられなかったのか、長は最後の力を振り絞り空腹のドスランポスに突っ込んでいく。
しかし空腹のドスランポスはそれを嘲笑うかの様に爪で長の首を切り落とした。その後、空腹だったドスランポスは長だった物をピチャリピチャリと音を出しながら貪っていく。ただ、それだけでは満足しなかったのか、そのドスランポスは彼女達に視線を向けた。
そのドスランポスは七色に輝く爪を持つ事からギルドに『七色爪』という2つ名を得た個体で有り、人を……強いてはハンターの味を知っている個体である。つまり、武器の無い彼女達にとって最も酷なモンスターとなるのだった。